世界では深刻な貧困が蔓延しており、過酷な人生を強いられている子どもたちがたくさんいます。
今回は、日本をはじめ世界の子どもたちの貧困レベルを知り、私たちにできることは何かを考えましょう。
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子どもの貧困による問題とは
世界的に問題になっている子どもの「貧困」。貧困と言えば途上国の問題が挙げられることが多いですが、日本でも現実に起きている問題です。
貧困とは
そもそも、貧困の定義とは何なのでしょうか。
貧困には、「絶対的貧困」と「相対的貧困」の2種類があります。
絶対的貧困
絶対的貧困は、人間として最低限の生活を送れない貧困レベルのことを指し、アフリカなどの発展途上国で多く起きています。
例えば、以下のものなどが挙げられます。
- 着る服がない
- 食べるものがない
- 飲み物がない
- 住居がない
- 教育を受けられない
- 医療を受けられない
発展途上国の子どもたちの多くは、満足な食事ができません。食事ができたとしても、十分な栄養が取れない食事で1日1食ということもめずらしくないのです。
さらに満足な医療施設も周囲にないため、適切な治療が受けられず命を落としてしまうことも少なくありません。
1日1.90ドルで暮らしている人たちが絶対的貧困の定義
絶対的貧困の具体的な指標は、2015年に世界銀行によって1日1.90ドル以下で暮らしていること、という定義があります。
(出典:独立行政法人国際協力機構JICA公式サイト「貧困指標」)
(出典:世界銀行公式サイト「世界の貧困に関するデータ」,2018)
相対的貧困
日本を始めとした先進国での貧困を相対的貧困と呼んでいます。
相対的貧困の定義は、「所得の中央値の半分を下回っているか否か」です。
日本での例を出してみましょう。日本の平均年収の中央値は年によって変わりますが、だいたい250万円くらいと言われています。
その半分にあたる125万円が日本の相対的貧困のラインです。
(出典:厚生労働省公式サイト「貧困率」)
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貧困家庭の環境が子どもの身体・精神の成長に大きく影響
貧困家庭で育った子どもは、将来にわたって悪影響を受けることが分かっています。それは日本だけではなく、世界中で懸念されていることです。
貧困家庭は、子どもにどのような悪影響を及ぼすのでしょうか?
身体に与える影響
貧困家庭では、子どもに栄養のある食事を与えることができないこともあります。2018年時点、世界では8億2,100万人が飢えに苦しんでおり、1億5,000万人以上の子どもたちが発育阻害の状態です。
満足な食事ができないために栄養失調になったり、発育が遅くなる子どもが出てきます。栄養失調にならなくとも、身体を壊すことがあるため、子どもの成長に大きな影響を与えます。
日本では病気になったり体調を崩しても病院へ行けば治療ができますが、絶対的貧困とされる国や地域の場合、近くに医療施設がないことも多く、命を落としてしまうことがあります。
また身体を壊しても、収入が少ないため病院に連れて行くことができません。
市販されている風邪薬さえ購入できないケースもあるのです。
日本では1日1食しか食べられない子どもは少数ですが、満足な量が食べられないケースは少なくありません。
また、コンビニのご飯やジャンクフードなど、偏った食事や栄養により身体に悪影響を与えることも懸念されています。
(出典:国連食糧農業機関(FAO)「2018年版 世界の食料安全保障と栄養の現状 報告書」,2018)
心に与える影響
また、貧困は子どもの心の成長や将来にも大きな影響を与えます。
途上国などでは貧困により子どもたちが学校へ通えなかったり、勉強したくても労働をさせられている現状があります。
教育を受けられない子どもたちは大人になってからも肉体労働に従事したり満足な収入が得られない事が多く、貧困の連鎖から抜け出すことができなくなってしまいます。
日本では、教育は受けられるものの貧困により格差が生じています。
例えば、学力を伸ばしたくても塾へ行けない、親に教わりたくても遅くまで働いているために家では1人で過ごさなければならないことがあります。
周りの子どもができていることを「自分だけできない」と感じて塞ぎ込んでしまい、自己肯定感を持つことができず、大人になっても引きずってしまう人もいるのです。
その結果、後ろ向きな考えや、人付き合いが苦手になったりすることが多いと言われています。
(出典:独立行政法人国際協力機構JICA公式サイト「世界が抱える様々な課題」)
(出典:男女共同参画局公式サイト「共同参画 平成31年2月号」,2019)
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子どもの貧困問題、日本の現状は?
前述したように、日本でも無視できない子どもの貧困問題ですが、一体どのぐらいの割合で起こっているのでしょうか。2022年における日本の子どもの貧困率は11.5%と言われており、約9人に1人が貧困生活を強いられています。*
実は日本における子どもの貧困率は改善傾向にあります。2012年では貧困率が16.3%もありましたが2022年で11.5%まで低下したのは、行政や支援団体の取り組みの成果がでていることが伺えます。
しかし依然として、先進国である日本で9人に1人の子どもが貧困状態にある、という事実は看過できません。また数字が改善しているのは「大人が二人以上いる世帯」です。ひとり親の場合は、全体ほど数字の改善が確認できません。
近年の物価高は困窮している世帯への悪影響が大きいです。「弱い立場の人が困っている」という状況は依然として変わっていないため、これからも貧困状態に陥っている日本の子どもへの支援は必要といえます。
*出典:2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況|厚生労働省
子どもの貧困の原因は?
子どもの貧困には、親の貧困が大きく関わっています。特に、ひとり親世帯の男性より女性の貧困率が高いです。
母子家庭(シングルマザー)の貧困の実状
近年は、離婚が珍しくなく、1人で子どもを育てるシングルマザーが増えています。
1人で家計を支えるとなると収入が大切ですが、多くのシングルマザーはパートやアルバイトなどの非正規雇用で働いています。
パートやアルバイトは、時間に融通が効いたり子どもとの時間を確保できる一方、高収入につながりにくい点があります。
正規雇用で働こうにも、女性は出産を機に退職し専業主婦やパートタイマーを行う人も多くいます。
そのため、シングルマザーとなり正規雇用に就く場合、子どもの体調で急遽休まなければならなくなったり、働ける時間が限られるなど多くの制限が生まれてしまいます。
また、2016年の調査では児童のいる世帯と母子家庭の貯蓄について、以下のような結果が出ています。
子どもがいる世帯 | 母子世帯 | |
貯蓄がない | 14.6% | 37.6% |
貯蓄がある | 82.0% | 59.6% |
平均貯蓄額 | 679.9万円 | 327.3万円 |
(出典:厚生労働省公式サイト「平成28年 国民生活基礎調査(各種世帯の所得等の状況」,2016)
およそ4割近くの母子家庭が貯蓄がない状態ということが分かります。
さらに、生活意識の状況について見てみると、母子家庭では「大変苦しい(45.1%)」「やや苦しい(37.6%)」と、85%近くの家庭が苦しいと感じているとされています。
子どもの貧困による日本の問題
子どもの貧困が続くと、次のようなことが起こる懸念があります。
教育格差
中学校までは義務教育なため、子どもたちは学校では平等に教育を受けることができます。
しかし塾や習い事などの学校以外の教育で、学力や知能・運動能力などに差が現れる可能性もあります。
「みんなに比べて自分だけできない」という経験が根付くと、ふさぎ込んだり消極的な性格が形成されてしまうため、精神的にも悪影響を及ぼします。
中学卒業後は家庭が貧困であることから、高校や大学に進学できない子どもたちもいます。
進学できたとしても、退学せざるを得ない場合もあるのです。
(出典:内閣府 子供の貧困対策 マッチング・フォーラム in 福岡「貧困が子どものメンタリティに与える影響」,2017)
孤食
1人で食事をとることを「孤食」と言います。特に、ひとり親世帯の家庭で多い状況です。
ひとり親家庭では、収入源が自分1人のため、親は生活のために長時間働いたり、仕事の掛け持ちをして家にる時間が少ないことがあります。そのような家庭では子どもが1人で食事をとることになります。
家族で食事をとることは、子どもが満足感や絆を感じるためには、大切なことです。そのため、孤食が続いてしまうと、子どもは疎外感や孤独を感じてしまいます。
大きくなってもその孤独感を引きずり、「自分は愛されない人間」と思い込んでしまうこともあり得ます。
(出典:農林水産省公式サイト「みんなの食育」)
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子どもの貧困と社会的損失
貧困家庭で育った子どもたちが働くようになり満足な収入が得られない場合、納められる税金や社会保険料の額が低くなります。
さらに、生活支援のための公的支出も増えます。
こうしたことから、内閣府は子どもの貧困対策により、現在15歳の子供のうち貧困の状況にある子どもの進学率・高校中退率が現状が改善した場合、日本の経済にも大きな影響があるとしています。
例えば生涯所得の合計額が2.9兆円増え、政府の財政が1.1兆円改善すると考えられています。
(出典:内閣府公式サイト「国における子供の貧困対策の取り組みについて」,2018)
日本で行われている子どもの貧困支援とは
日本の貧困問題を解決しようとする動きもあります。
たとえば2023年4月には「こども家庭庁」が新設されました。これまで各省庁にまたがっていた子どもに関する取り組みを一本化し、縦割り行政を解消することがこども家庭庁に期待されています。
こども家庭庁がこれから取り組むことや発足の背景については下記記事を参考にしてください。
>>こども家庭庁とは?何をするところなのか、わかりやすく解説
他にも、以下のような貧困支援が行われています。
教育支援
貧困で悩む子どもたちに勉強を無償で教えたり、学校外での学習費用を提供する支援が行われています。
また幼児教育の段階的な無償化や奨学金制度の充実などの教育における経済的な支援も行われています。
(出典:内閣府公式サイト「国における子供の貧困対策の取組について」,2018)
食事支援
子どもの栄養を確保するために、食事の支援も行われています。なかでも有名なのが「子ども食堂」です。
子ども食堂は、低価格で栄養のある食事を食べられる集いの場として知られています。開催場所は、カフェやショップ、個人宅などになります。
子ども食堂は、地元のボランティアの人々により、週に数回〜月1回開催されることが多いです。
(出典:農林水産省公式サイト「子供食堂と連携した地域における食育の推進」)
経済支援
政府や自治体による給付金や自立支援金の貸付で、貧困層の経済支援をしています。
また、政府は「子供の未来応援プロジェクト」を立ち上げ、経済支援、就労支援、生活支援、教育支援の4つの支援を柱とし、様々な取り組みを打ち出しています。
(出典:子供の未来応援プロジェクト公式サイト)
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子どもの貧困問題、海外の現状は?
2018年に国連広報センターが発表したデータによると、世界では1日1.90ドル(国際貧困ライン)未満で暮らす人々は7億8,300万人にのぼります。特に貧困が深刻な地域はサハラ以南のアフリカと南アジアに集中しており、紛争や気候変動による影響が貧困に大きな影響を及ぼしているとしています。
(出典:国連広報センター公式サイト「持続可能な開発目標(SDGs)ー 事実と数字」,2018)
子どもの貧困の原因は?
長年にわたり貧困が続いている国の多くは、内戦や紛争が続いているため子どもたちは命の危機にさらされています。
このような地域はインフラが不足しており、満足な住居や食料も手に入りづらく、それらを補強しようとしても、できません。
また、貧困な国や地域では農業による収入で生計を立てていることが多く、異常気象や災害などの気候変動により大きな影響を受けます。
貧困は連鎖するとも言われており、外的環境だけでなく世代を超えて貧困が継続し、抜け出せないことも貧困の原因の一つと言えるでしょう。
(出典:国際開発センターSDGs「1.貧困をなくそう」,2018)
子どもの貧困による世界の問題
貧困が深刻な国は、一度も学校に通ったことがない子どもが多くいます。そのため、字の読み書きができない子どももいます。
このような国では最低限のインフラが整っていないため、衛生的な問題も深刻化しています。
汚れた水しか飲めず、トイレや衛生施設も不十分な環境で暮らしていれば、身体に良くないことは明白です。
劣悪な水・衛生環境により脱水症状を引き起こし、栄養失調になる子どももいます。しかし、医療施設や医師が不足しているために、満足に治療を受けられない場合も多いのです。
このように、世界の貧困層の子どもたちは、命の危機と隣り合わせで生きています。
(出典:日本ユニセフ協会公式サイト「水と衛生活動の取り組み」)
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日本を含め世界中で貧困に苦しむ子どもたちのために私たちができること
ここまで記してきたように、世界には貧困で悩む子どもたちがたくさんいます。それは、日本も例外ではありません。
貧困に苦しむ子どもたちのために、私たちにできることはどんなことなのでしょうか?
お金の寄付
私たちは、国内外で貧困に悩む子どもたちのために支援活動を行うNGO・NPOに寄付をすることで、間接的に支援を行うことができます。
寄付したお金は、食べ物や道具の購入、インフラ設備、教育支援などあらゆることに使われます。
寄付は数百円や数千円など少額から行えるため、負担のない範囲で可能です。
少しでも貧困で悩む子どもの力になりたいと考えている人は、検討してみてはいかがでしょうか。
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貧困家庭の子どものために寄付しよう。寄付できるモノや方法は?
ボランティア活動
直接子どもとふれあい、支えてあげられる方法としてはボランティアに参加するのがおすすめです。
ボランティアには、様々な形があります。
ボランティアを呼びかけているNGO・NPOではイベントに参加し活動について普及したり、募金活動を行ったり、活動内容は様々です。
インターンを設けているボランティア団体もあるので、学生も歓迎されます。
ボランティアは、多くの団体が随時参加を呼びかけているため、ウェブで調べてみると良いでしょう。
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クラウドファンディング
クラウドファンディングでは分野を問わず様々なプロジェクトがありますが、貧困の子どもたちを救うための資金集めにも活用されています。
自ら出資したり、プロジェクトがあることを周囲の人に知ってもらうことも支援の一つです。
情報を拡散し多くの人に現実知ってもらう
子どもたちを助ける輪を広めるためには、子どもの貧困の現状を多くの人に知ってもらうことが大切です。
そのため、SNSやブログを利用して情報を拡散するのも立派な支援となります。
貧困の実態をや、様々な形態の支援方法を拡散することで、参加者、支援者の輪を広げることにつながります。
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世界の子どもを貧困から救うために私たちにもできること
途上国に限らず、先進国である日本でも子どもの貧困が問題となっています。この、子どもの貧困問題を解決しなければ、貧困の連鎖を止めることはできません。
世界の貧困の連鎖を止めるために、国内外で支援活動を行う方々や団体があります。しかしながら、継続して貧困問題に取り組んでいく為には資金や人材がまだまだ足りていません。
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