子ども(貧困)

カンボジアの貧困の実状、子どもの生活や環境、私達にできる支援は?

カンボジアは、都市部では急速な経済発展が進んでいます。
その反面、農村部では経済格差から貧困が進み、多くの人が苦しんでいます。
その貧困の波は子どもたちにまで押し寄せ、非常に劣悪な環境で生活せざるを得ない状態にあります。
カンボジアの貧困の現状と、子どもの生活や環境、私たちができる支援について紹介します。

子どもの貧困問題とは?国内・海外で貧困に苦しむ子どもが増えている現状や支援方法とは

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カンボジアはどんな国?


カンボジアは東南アジア・インドシナ半島南部にある立憲君主制国家です。面積は18.1万平方キロメートルとなっており、人口は2018年の国際通貨基金(IMF)推定値で1,630万人ほどが生活しています。
赤道に比較的近いことから熱帯気候、モンスーン気候に属しており、5月から10月は雨季、11月から4月は乾季となっています。
人口の9割がカンボジア人(クメール人)でカンボジア語を言語とし、宗教は一部少数民族がイスラム教を信仰していますが、主に仏教を信仰しています。
長くフランスからの支配を受けていましたが、1953年に独立しました。しかしその後1991年まで内戦が続いており、国家は崩壊して多くの難民を出してしまいました。
アジアの中でも最貧国として位置づけられていたカンボジアですが、現在は各国の経済援助などを受け、高い経済発展を遂げています。
しかしまだまだ援助を必要としており、農村部を中心にストリートチルドレンや児童労働、人身売買などがあとを絶たない状況が続いています

  • 長いフランスの支配から1953年に独立
  • アジアの最貧国から、各国の援助を受けて経済発展を遂げた
  • 経済発展は都市部のみで、農村部では貧困に苦しむ子どもたちが多い

(出典:外務省 公式サイト「カンボジア基礎データ」,2019)

(出典:独立行政法人 国際協力機構JICA公式サイト 「カンボジア」)

(出典:ユニセフ公式サイト 「カンボジア」)

カンボジアはどうして貧困率が高い?


カンボジアの貧困率が高い理由は、第二次世界大戦まで遡ります。

カンボジアの歴史的背景

1953年にフランスから独立したあとは、シアヌーク体制の下で仏教社会主義を歩んできました。しかし1975年から始まったクメール・ルージュの圧制と虐殺、さらに1979年のベトナム軍の侵攻によるポルポト政権の崩壊、1980年代までの内戦により1991年まで混乱状態が続き、とても経済を動かせる状況ではなかったのです。
1998年にフン・セン政権による長期政権が始まり、開発国家を目指したことで2000年以降は高い経済成長を遂げています。
しかしあくまで急速な経済成長を果たしたのは都市部のみで、都市部と農村部の所得格差は拡大し、富裕層と貧困層の富の格差がいっそう拡大することとなってしまいました。
これにより、農民の医療費の支出負担の増大、農業収入と副収入の減少、農民の借金の拡大、土地の売却による土地なしの農民や都市やタイへの出稼ぎ農民の増大が問題視されるようになりました。

急成長を遂げたカンボジアに残されている課題

カンボジアはミレニアム開発目標として「極端な貧困と飢餓の撲滅」を掲げてほぼ達成し、さらに貧困削減目標も達成したとしていますが、子どもや女性に対する栄養状態の一層の改良の必要性などが未だ課題として残っています。
これらの現状から、カンボジアでは貧しい人は貧困の悪循環に陥り、気候変動による農作物の不作のため、農村部の貧困はますます拡大していく事態となっているのです。

  • 急速な経済成長を果たしたのは都市部のみで、都市部と農村部の所得格差は拡大し、富裕層と貧困層の富の格差がいっそう拡大
  • 子どもや女性に対する栄養状態の一層の改良が課題
  • 貧しい人は貧困の悪循環に陥り、気候変動による農作物の不作のため、農村部の貧困はますます拡大

(出典:外務省 公式サイト「カンボジア情勢と日・カンボジア関係」,2016)

(出典:独立行政法人 国際協力機構JICA公式サイト 「カンボジア」)

(出典:ユニセフ公式サイト 「カンボジア」)

農村部を中心に広がる子どもの貧困問題


農村部を中心に広がる貧困は、子どもに更なる貧困問題を突きつけています。
農業による収入の減少や、医療費負担の増大、借金の拡大は結果として子どもたちにも悪影響を与えています。
その大きな問題となっているのがストリートチルドレン、児童労働、人身売買、子どもによる盗難などが挙げられます。

ストリートチルドレン

ストリートチルドレンとは住む家を持たず、路頭で寝泊りをする子どもたちのことを指します。
大人によって養育や保護をされるべき子どもたちが、このような生活をしているのです。
金銭を得るために路頭で物乞いをする子どももおり、生きるために犯罪に手を染めることもあります。
十分な栄養を取れないため、体が年相応の成長をしていないだけでなく、教育を受けることもできません。
帰る家がなく路上で生活するため、感染症が蔓延することもあります。生きていくために、過酷な労働に身を置いている児童労働もあとを絶ちません。
ほかにも薬物中毒にさせられたり、性的暴行を受ける子どももいれば、人身売買の商品にされてしまうこともあります。
子どもたちを保護するはずの警察当局の取り締まりにより、警察から暴行されることさえもある悲惨な状況なのです。
これらの子たちは上手く生き延びたとしても、大人になって安定した職には就けず、犯罪に手を染め、薬物常習者となることが多いのです。

児童労働

2013年の世界子ども白書によると、カンボジアでは、実に37%の子どもが児童労働をしています。ゴムのプランテーションや油田、家事使用人、海産物加工場、レンガ工場など最悪の労働環境で消耗品のように扱われ、危険で有害な労働なども行わなければいけない子どももいます。
年齢を偽って働く子どもも多く、彼らは日々生きるために必死に低賃金で危険な労働をしているのです。このような労働環境を規制できないのが、現在のカンボジアの現状です。

人身売買

カンボジアでは都市部やタイへの出稼ぎをしているのは先述した通りですが、必ずしも自発的にそのように働きに出ている子どもだけではありません。
誘拐されたり、騙された子どもたちが国外へ連れ出され、売買されてしまうことがあるのです。
搾取され、暴力を振るわれるなどの虐待を受け、パスポートがないまま滞在しているため労働の許可もなく、警察から殴る蹴るなどの暴行、脅しを受け、助けを求めることも逃げることもできない状態に置かれる子どもたち。
このような子どもはストリートチルドレンだけでなく、家族と生活している子どもにも起こっていることです。

子どもによる盗難

ストリートチルドレンの中には、生きるために盗みを行う子どもも少なくありません。お金を持っているわけでもなく、先ほどの児童労働に就いたところで大した賃金は望めません。
そうなれば盗みを働くしかなくなるのです。
しかし警察に捕まれば、暴行など酷い目にあう可能性もあります。現在はそのような窃盗で捕まった子どもたちを、2つの刑務所で識字や算数などの非公式教育や職業訓練を行うようになりましたが、まだまだ支援としては非常に狭い範囲となっています。
多くの子どもたちは、未だに教育を受けられず、貧困から脱することができないまま、貧困の連鎖の中にいるのです。

  • 農村部の子どもの貧困で大きな問題となっているのがストリートチルドレン、児童労働、人身売買、子どもによる盗難
  • カンボジアでは、37%の子どもが児童労働をしている
  • 多くの子どもたちは、教育を受けられず貧困の連鎖の中にいる

(出典:認定NPO法人 国際子ども権利センター公式サイト「カンボジアの子どもの現状」 )

カンボジアの子どもたちを支援する方法は?


過酷な環境で貧困に苦しむ子どもたちを支援する方法は何かないのでしょうか。
私たちができる方法として、お金や物品の寄付、ボランティアなどの支援などがあります。
例えば募金に関しては非営利団体を通して行えます。
また、物品の寄付なども募集しています。使わなくなった本や漫画、CD、DVD、商品券、ブランド品、アクセサリーなどを送り、こちらを売って買取額を寄付金として活用するなどの活動も行っています。ボランティアとしてインターンで活動に参加したりNGO海外研修プログラムを設け、人材の支援も行っている団体もあります。

  • 支援には、お金の寄付、物品の寄付、ボランティアなど様々な方法がある
  • 公益社団法人などを通して募金できる
  • ボランティアとしてインターンで活動に参加したり、NGO海外研修プログラムを設け、人材の支援を行う団体もある

カンボジアの子どもたちを貧困から救うために


日本でも子どもの貧困は問題になっていますが、カンボジアではさらに酷い実態があります。
富裕層との差が大きくなり、人としての最低限の生活さえ営めないほどの貧困を抱えているのです。
貧困に苦しむ子どもたちを放っておけば、次の世代もまた貧困に苦しむ子どもたちを増やすことになります。
たった少し寄付するだけでも救われる命があります。
私たちの手で救える子どもたちがいます。子どもたちのために今できることを始めてみてはいかがでしょうか。

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この記事を書いた人
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