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カンボジアの貧困の実状、子どもの生活や環境、私達にできる支援は?

この記事を要約すると

カンボジアと聞くと、あまり国の内情についてご存知の方は少ないかもしれませんが、都市部では急速な経済発展が進んでいます。
その反面、農村部では経済格差から貧困が進み、多くの人が苦しんでいます
その貧困の波は子どもたちにまで押し寄せ、非常に劣悪な環境で生活せざるを得ない状態にあります。
貧困状態を打開する術はなかなかなく、子どもたちは日々生きるために必死です。

あるいは何もかも諦め路上で生活し、盗みを行う子どもも少なくはありません。
こちらではカンボジアの貧困の現状と、子どもの生活や環境、私たちができる支援についてご紹介していきます。

子どもの貧困問題とは?国内・海外で貧困に苦しむ子どもが増えている現状や支援方法とは

カンボジアはどんな国?


まずはカンボジアがどのような国なのかご紹介していきましょう。
カンボジアは東南アジア・インドシナ半島南部にある立憲君主制国家です。面積は181,035km2となっており、2017年11月時点で人口は1500万人ほどが生活しています。
赤道に比較的近いことから熱帯気候、モンスーン気候に属しており、5月から10月は雨季、11月から4月は乾季と極端な気候となっています。
クメール人が住んでいて国民の90%がクメール語を話し、宗教は上座部仏教という仏教を奉じています。

長くフランスからの支配を受けていましたが1953年には独立しました。しかしその後1991年まで内戦が続いており、国家は崩壊して多くの難民を出してしまいました
アジアの中でも最貧国として位置づけられていたカンボジアですが、現在は各国の経済援助などを受け、高い経済発展を遂げています。
しかしまだまだ援助を必要としており、農村部を中心にストリートチルドレンや児童労働、人身売買などがあとを絶たない状況が続いています。

(出典:外務省 カンボジア基礎データ)

カンボジアはどうして貧困率が高い?


カンボジアの貧困率が高い理由は、第二次世界大戦まで遡ります。

カンボジアの歴史的背景

1953年にフランスから独立したあとは、シアヌーク体制の下で仏教社会主義を歩んできました。しかし1975年から始まったクメール・ルージュの圧制と虐殺、さらに1979年のベトナム軍の侵攻によるポルポト政権の崩壊、1980年代までの内戦により1991年まで混乱状態が続き、とても経済を動かせる状況ではなかったのです。

1998年にフン・セン政権による長期政権が始まり、開発国家を目指したことで2000年以降は高い経済成長を遂げています。
しかしあくまで急速な経済成長を果たしたのは都市部のみで、都市部と農村部の所得格差は拡大し、富裕層と貧困層の富の格差がいっそう拡大することとなってしまいました。
これにより、農民の医療費の支出負担の増大、農業収入と副収入の減少、農民の借金の拡大、土地の売却による土地なしの農民や都市やタイへの出稼ぎ農民の増大が問題視されるようになりました。

急成長を遂げたカンボジアに残されている課題

カンボジアはミレニアム開発目標として「極端な貧困と飢餓の撲滅」を掲げほぼ達成、さらに貧困削減目標も達成したとしていますが、子どもや女性に対する栄養状態の一層の改良の必要性など、未だ課題として残っています。
これらの現状から、カンボジアでは貧しい人は貧困の悪循環に陥り、さらには農業と環境の危機経済のグローバル化による危機人間の基本的権利の危機の3つからなる「新しい貧困の罠」にはまってしまい農村部の貧困はますます拡大していく事態となってしまっているのです。

農村部を中心に広がる子どもの貧困問題


農村部を中心に広がる貧困は、子どもに更なる貧困問題を突きつけています。
農業による収入の減少や、医療費の負担の増大、借金の拡大は結果として子どもたちにも悪影響を与えてしまっているのです。
その大きな問題となっているのがストリートチルドレン、児童労働、人身売買、子どもによる盗難などが挙げられます。

ストリートチルドレン

ストリートチルドレンとは住む家を持たず、路頭にて寝泊りをする子どもたちのことを差して呼びます。
大人によって養育の施しや保護をされるべきだった子どもたちが、このような生活をしています。

金銭を得るために路頭で物乞いをする子どももおり、彼らは生きるために犯罪に手を染めることもあります。
十分な栄養を取れないため体が年相応の成長をしていないだけでなく教育を受けることもできません
定期的に帰る家がないため感染症が蔓延することもあり、それどころか生きていくために過酷な労働に身を置いている児童労働もあとを絶ちません。
ほかにも薬物中毒や性的暴行をされる子どももいれば、親の保護下にないため、人身売買の商品にされてしまうこともあります。
そんな子どもたちを保護するはずの警察当局の取り締まりにより、警察から暴行されることさえもある悲惨な状況なのです。

これらの子たちは上手く生き延びたとしても、大人になって安定した職には就けず、犯罪に手を染め、薬物常習者となってしまうことが多いのです。

児童労働

カンボジアでは実に37%の子どもが児童労働をしています。ゴムのプランテーションや油田、家事使用人、海産物加工場、レンガ工場など最悪の労働環境で消耗品のように扱われ、危険で有害な労働なども行わなければいけない子どももいます。
年齢を偽って働く子どもも多く、彼らは日々生きるために必死に低賃金で危険な労働をしているのです。このような労働環境を規制できないのが、現在のカンボジアの現状です。

(出典:2013年世界子ども白書のデータ)

人身売買

カンボジアでは都市部やタイへの出稼ぎがあるのは先ほどご紹介した通りですが、必ずしも自発的にそのように働きに出ている子どもだけではありません。
誘拐された、騙された子どもたちが国外へ連れ出され、売買されてしまうことがあるのです。
例えばタイの建設現場や漁船、マレーシアの家事使用人などを調べてみると、過酷な労働条件の下、働かせられている子どもが、実は人身売買によって売られてきた子どもであることがあります。
搾取され、暴力を振るわれるなどの虐待を受け、パスポートがないまま滞在しているため労働の許可もなく、警察から殴る蹴るなどの暴行、脅しを受け、助けを求めることも逃げることもできない状態。
このような子どもはストリートチルドレンだけでなく、まだ貧困ながらも家族と生活している子どもにも起こっていることです。

子どもによる盗難

ストリートチルドレンの中には生きるために盗みを行う子どもも少なくありません。当然お金を持っているわけでもないし、先ほどの児童労働に就いたところで大した賃金は望めません。
そうなれば盗みを働くしかなくなるのです。

しかしそこでも警察に捕まれば暴行など酷い目にあう可能性もあります。現在はそのような窃盗で捕まった子どもたちを、2つの刑務所で識字や算数などの非公式教育や職業訓練を行うようになりましたが、まだまだ支援としては非常に狭い範囲となっています。
そのほかの多くの子どもたちは、未だに教育を受けられず、貧困から脱することができないまま、貧困の連鎖の中にいるのです。

カンボジアの子どもたちを支援する方法は?


そんな過酷な環境で貧困に苦しむ子どもたちを支援する方法は何かないのでしょうか。
支援は難しいことではありません。お金の寄付から物品の寄付、ボランティアなどの支援など様々な方法があります。

例えば募金に関しては公益社団法人などを通して行うことがあります。
どれも公式サイトで募金をすることができるので検索してみてください。

また、物品の寄付なども募集しています。使わなくなった本や漫画、CD、DVD、商品券、ブランド品、アクセサリーなどを送り、こちらを売って買取額を寄付金として活用するなどの活動も行っています。ボランティアとしてインターンで活動に参加したりNGO海外研修プログラムを設け、人材の支援も行っている団体もあるようです。

カンボジアの子どもたちを貧困から救うために


日本でも子どもの貧困は問題になっていますが、カンボジアではさらに酷い実態があります。
富裕層との差が大きくなり、人としての最低限の生活さえ営めないほどの貧困を抱えているのです。
貧困に苦しむ子どもたちを放っておけば、次の世代もまた貧困に苦しむ子どもたちを増やすことになってしまいます。

日本人にはあまり実感が湧かないかもしれません。しかし、同じ人としてこの現状を見過ごしていいはずもありません。
たった少し寄付するだけでも救われる命があります改善される環境があります
あるいは物を送ってもいいでしょう、人手として現地にいきボランティアとして何かできることをしてもいいでしょう。
私たちの手で救える子どもたちがいます。そんな子どもたちのために今できることを始めてみてはいかがでしょうか

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