世界の水・衛生問題について知ろう!原因や私たちにできることを紹介


  • 2020年3月5日
  • 2023年3月24日
  • 衛生

「世界の水問題について、私たちができることがあるのか知りたい」
「世界で起こっている水・衛生問題は何があって、なぜ解決しないのだろう」

このように悩んでいる方に向けて、本記事では下記の内容をご紹介します。

  • ・世界の水、衛生問題の現状
  • ・問題を放置するとどうなるのか
  • ・解決のためにどのような取り組みが行われているのか
  • ・私たち個人ができることはあるのか

世界では、排泄物・化学物質などに汚染されていない「安全な水」を確保できずに困っている人が多くいます。

このまま問題を放置すると、途上国が貧困から抜け出しにくくなったり命を落としたりする人が増加したりする恐れがあります。国連や支援団体なども問題解決に向けて取り組んでいますが、問題の解決には至っていません。

まずは世界ではどのような水・衛生問題が発生しているのか、現状についてご紹介します。なお「私たちができることを先に知りたい」という方は下記をご確認ください。

>>世界の水・衛生問題を解決するために私たちができること

世界の水・衛生問題の現状

世界で水・衛生問題が発生する原因は下記のとおりです。

  • ・世界人口の増加による衛生的な水の需要が増加
  • ・気候変動による水問題の発生
  • ・水を巡った紛争の発生

どういうことか、詳しく見てみましょう。

世界人口の増加により衛生的な水の需要が増加

世界の人口が年々増加していることが、水不足に拍車をかけている要因の一つです。国連は、世界の人口は2022年11月15日に80億人*に達したと発表しました。今後も世界全体の人口は増え続け、2080年代で約104億人となりピークに達すると国連は予想しています。

安全な水の供給量は変わらない一方で人口(需要)は増え続けるため、今までよりも安全な水不足の深刻化が懸念されます。

安全な水の需要は特にアフリカ地域で高まっています。国土交通省が公開している「人口一人当たりの最大利用可能水資源量」を表した資料を見てみましょう。

引用:水資源問題の原因|国土交通省

濃い赤色の箇所が、水需要が逼迫している地域です。アフリカや中東では水不足が特に深刻かしていることが伺えます。

*世界人口は2022年11月15日に80億人に達する見込み(2022年7月11日付 国連経済社会局プレスリリース・日本語訳)|国際連合広報センター

気候変動による水問題の発生

地球温暖化による気候変動は、水問題にも影響を与えています。地球環境研究センター*によると、温暖化の進行による影響を下記のように挙げています。

  • ・河川流量が増える地域と減る地域がある
  • ・干ばつを受ける地域が広がる
  • ・洪水リスクが増大する
  • ・極端な天候になりやすく水資源が不安定になる

気候変動が続くと「極端に雨が降る(降らない)」「災害に遭いやすいエリアが広がる」など、不安定な天候になりやすいです。これが安全な水の確保を難しくしてしまい、安定的かつ衛生的な水の確保が難しくなるのです。

参考:世界の水不足、原因は温暖化?|地球環境研究センター

水を巡った紛争の発生

安全な水を巡って紛争に発展することがある。
日本に住んでいるとイメージしにくいですが、実際に世界では水を巡った争いが発生しています。

引用:水資源問題の原因|国土交通省

上図のように、世界各地では水を巡って衝突が発生しています。水を巡っての争いは途上国の問題だけではありません。アメリカやマレーシア・シンガポールでも水を巡った争いが発生しています。

参考:日本における水問題

安全な水問題は決して海外だけの問題ではありません。比較的安定した水資源に恵まれている日本でも下記の問題があります。

  • ・水供給施設の老朽化による事故リスクが懸念される
  • ・一年を通してみたときに河川流量の変動が大きく、一時的に断水リスクがある

日本は水源が豊富と言われていますが、時期による変動が大きいため一時的に節水・断水が求められることもあります。また全国各地にある施設も老朽化しているものがあり、漏水や自然災害といった事故リスクも指摘されています。

世界で発生している水・衛生問題を放置するとどうなる?

世界で発生している水・衛生問題を放置すると下記のような悪影響が発生します。

  1. 経済活動に悪影響が発生し貧困に陥りやすくなる
  2. 安全な水を飲めず命を落とす人が増加する

地球温暖化により干ばつや洪水など異常気象が発生しやすくなり、経済活動への悪影響が懸念されているのです。

工場用水を確保できず、生産が予定どおり行えなかったりストップしたりすると、途上国の経済活動が停滞します。その結果、貧困に陥りやすくなります。また貧困状態では、他国や他地域へ移り住むのも困難になります。

また干ばつや洪水そのものが人の命を奪う可能性もあったり不衛生な水が原因で多くの人が病気になったりするのです。

世界の水・衛生問題を解決するため国連や政府、団体が行っている支援活動

世界各地で発生している水問題を解決するため、様々な組織が問題解決や支援に向けて行動をしています。

国連や日本政府、慈善団体が何をしているのか見てみましょう。

国連の対応

国連では安全な水問題を含んだ様々な問題を解決するため、「持続可能な開発目標(SDGs)」を掲げています。SDGsは2015年に行われた「国連持続可能なサミット」で定められた目標です。

SDGsは17の目標を掲げており、水問題についてはSDGsの目標6「安全な水とトイレを世界中に」で指針を記載しています。SDGsの目標6について、詳しくは下記をご一読ください。

>>持続可能な開発目標・SDGsの目標6「安全な水とトイレを世界中に」のターゲットや現状は?

また2018年3月からは、国連議決に基づいて「水の国際行動の10年」が開始されました。水問題を解決するため、国際的な情報交換を強化するとしています。

日本政府の対応

日本では世界の水問題を解決するため、下記の活動を行っています。

  • ・国際会議を通じた啓発活動への参加
  • ・途上国への支援強化

日本は2国間ODAでは世界1位の支援を行っており、積極的に問題解決に向けて取り組んでいることが伺えます。

引用:水資源に関する国際的な取組み|国土交通省

お金の支援だけでなく技術支援などの継続した支援を行っています。

支援団体の対応

民間の支援団体も、海外の水問題を解決するために行動しています。たとえばユニセフでは、衛生的な水を確保しにくい地域に出向き、下記の活動を行っています。

  • ・井戸水など給水設備の建設
  • ・衛生を保てるようトイレの設置
  • ・石けんを使った正しい手洗いの方法などの教育

水資源に恵まれない地域でも衛生的な水を確保できるよう、施設の建設や教育支援などを行っています。現地に行って直接支援を行ったりニーズに応じて柔軟なサポートを実施できるところが、慈善団体の強みであり魅力です。

ユニセフ以外にも水・衛生問題への支援活動を行っている団体もあります。どのような団体があるのか気になった方は、ぜひ下記記事をご一読ください。

>>汚い水を飲む子どもへ安全な水を提供したい!寄付できる支援団体を5つ紹介

水問題の解決には私たち個人の活動も必要

世界で発生している水・衛生問題。問題解決に向けて国連や政府、支援団体がさまざまな活動を行っています。このような中で、私たち個人が行動をおこす必要はあるのか、疑問を感じている人もいるでしょう。

しかし、水・衛生問題を解決するには私たち一人ひとりの行動も必要になります。なぜなら下記のような問題点があるからです。

  • ・国連や政府:大規模な支援を実施できる。一方で予算や支援内容が決まっており、臨機応変な対応をしにくい。
  • ・慈善団体:現地のニーズに応じたきめ細やかな支援を行いやすい。一方で資金・人材面が弱く、すべてをカバーできない。

国連や政府、支援団体に任せるだけでなく、私たち個人ができることを考えて実行することは大きな意義があります。では具体的にどのような事ができるのか、詳しく解説します。

世界の水・衛生問題を解決するために私たちができること

世界の水・衛生問題を解決するために私たちができることは3つあります。

  1. 支援団体への寄付
  2. 支援団体で働く
  3. バーチャルウォーターを減らすよう意識する

支援団体への寄付

私たちができる手軽な支援方法の一つに、現地で支援活動を行っている団体への寄付が挙げられます。

寄付は支援団体の公式ページから、オンラインで手軽に申し込みできます。時間や場所にとらわれない、私たちが手軽にできる支援の方法です。

特に支援団体から見ると、継続的な寄付が増えると長期的な支援計画を立てやすくなるため、より安定した支援を行いやすくなります。支援を行っている団体は色々あるため、自分の想いに近い団体を探してみましょう。

安全な水の支援を行っている様々な団体は下記記事でも紹介しているため、ぜひ参考にしてください。

>>私たちにもできる水・衛生の支援。日本に住む私たちが知っておくべき問題点とは

「結局どこが良いのか、おすすめを知りたい」という方は、ユニセフへの寄付がおすすめです。知名度も高く、水の支援にも積極的に取り組んでいるからです。活動の詳細については下記をご確認ください。

支援団体で働く

NPOやNGOなどの支援団体で働くのもおすすめです。

就職する以外にも、インターンシップやボランティアへの参加という形で支援活動に参加する方法があります。実際に手や足を動かして作業することで、支援している実感を強く持つことができるでしょう。

ただしインターンシップやボランティアへの参加は、住んでいる場所や時間といった制約があります。支援団体で働くのが難しい方は、寄付をしたりバーチャルウォーターを減らすよう心がけたりすることからはじめてみてはいかがでしょうか。

バーチャルウォーターを減らすよう意識する

バーチャルウォーターを減らすよう意識することが、結果的に途上国の水問題を解決する手助けになります。

バーチャルウォーターとは「食糧を輸入した場合、もしその食糧を生産するのにどれほどの水が必要になったか」を表す概念です。家畜や植物など、食糧を育てるには水が必要です。もし食糧の輸入が減れば生産に必要な水の量も減り、その国に住んでいる人が使用する水の量が増えます。

バーチャルウォーターを削減するには下記のような方法が挙げられます。

  • ・食べ物を残さないなど、食品ロスを減らすよう心がける
  • ・輸入品ではなく地元でとれた食糧を購入する
  • ・国産品を優先して購入するよう意識する

日本で消費しているバーチャルウォーターは約800億立方メートル*とも言われており、その大半は食料品の輸入です。国産品や地元の食料品を優先して購入することが、結果的に途上国の水問題の解決にも役立つのです。

*参考:バーチャルウォーターとは|環境省

世界の水・衛生問題を解決するため私たちにできることからはじめよう

本記事では世界の水・衛生問題について解説しました。ここで紹介した内容をまとめます。

  • ・人口増加や気候変動により安全な水の需要は高まっている
  • ・水問題を放置すると、途上国で貧困問題が深刻化したり安全な水を飲めず命を落とす人が増えたりする
  • ・国連や政府だけに任せるのではなく、私たち個人ができることに取り組むことが大切

世界の水問題はスケールの大きな問題ですが、実は私たちのちょっとした心がけが問題解決に繋がります。本記事で紹介したことを参考に、できることをさっそく行動に移してみましょう。

>>世界の水・衛生問題を解決するために私たちができること

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