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貧困家庭の子どものためにどのような支援活動が行われている?

この記事を要約すると

貧困家庭の子どもは、一般的な経済水準の家庭の子どもに比べて学力が低いという傾向があり、貧困家庭の子どもの学力を少しでも上げるために様々な活動が行われています。この記事では、貧困家庭の子どもの学力問題とともに貧困家庭の子どものために行われている学習支援についてご紹介していきます。

子どもの貧困問題とは?国内・海外で貧困に苦しむ子どもが増えている現状や支援方法とは

子どもの貧困によって生じる教育格差


子どもの貧困が原因で起こる教育格差とはどのようなものでしょうか。教育格差によりどんな問題があるのか見てみましょう。

学歴が低くなる

現在では多くの子どもたちが学校での勉強や宿題の他に塾や英会話教室などの習い事をしています。しかし、貧困家庭の子どもは経済的な理由で塾などに通うことができないため、他の子どもとの学力の差が出てしまいます。貧困家庭の子どもの学力低下を防ぐために「一人親家庭のための学習支援活動」や「放課後に通える教室」を無料開放して、学習指導を行う取り組みも全国で実施されています。学習支援活動については後ほど詳しくご紹介します。

奨学金を借りる必要性が高くなる

貧困家庭の子どもが大学や専門学校に行きたいと考えたとき、ネックになるのが学費です。学費を払うほど家計にゆとりがない場合は奨学金を借りなければなりません。奨学金は、学校を卒業後に返済の義務が発生するため、社会人になっても奨学金の返済に追われて貧困な生活から抜け出せなくなっていきます。

就職できる職業が限られる

学力の低さから進学を諦めて社会に出る場合は学歴で判断されることが多く就業できる職も限られてしまいます。貧困家庭で育った人が就いている主な職業は、製造業(工場勤務)やスーパーのレジ業務、コンビニ勤務などの非正規雇用が多いと言われています。非正規雇用は正規雇用に比べて収入が低くなるほか福利厚生などの待遇も変わってくるため、いくつも仕事を掛け持ちしたり少ない収入で生活することを余儀なくされます。

ご紹介してきたように貧困が原因で高度な勉強をする機会が与えられないのため教育格差が生じ、やがて貧困の連鎖につながります。
ただし、教育格差による学力の差は幼少期に生じることはほとんどなく10歳ごろから生じる傾向があります。その原因を次の章で詳しく解説していきます。

貧困世帯の子どもは10歳から学力が低下する?

日本財団が行った大阪府箕面市に住む0歳から18歳までの子ども約2万5千人が対象の調査では、貧困状態にある子どもの学力は10歳(小学4年生)ごろから急激に低下することがわかっています。
小学校3年生(9歳まで)は、読み書き計算の基本的な学習だけなので学力に差が出ることはありませんが、小学校4年生(10歳)になると基礎知識を活かした応用問題が増えてきます
貧困家庭の子どもは不規則な生活をしていることが多く、一般家庭の子どもに比べると基礎学力が身に付きにくい傾向があるとされているため、基礎知識の応用になると対応できず学力の差が顕著になってしまいます。
また、貧困家庭の子どもは宿題を一人しなければいけないため、分からない箇所があっても質問することができません。そのため、正しい答えの導き方や問題の解き方なで理解を深められずにテストでも回答できず点数が取れないのです。

学力を上げるためには基礎学力をしっかり身に付ける必要があるのですが、そのために不可欠なのが規則正しい生活です。
次の章では、規則正しい生活と学力との関係について貧困家庭と一般家庭を比較しながらご紹介していきます。

子どもの学力の基礎となる生活習慣にも大きな差


学力の土台になるのが毎日の生活習慣。ここからは生活習慣と基礎学力の関係ついて解説します。

朝食の重要性

朝食は寝ている間に失われたエネルギーを補給することで脳を起こすという役割があります。朝食を取ることで1日の活力を養い集中力を高めることができるのです。
貧困家庭の子どもは一般家庭の子どもに比べると朝食を摂る習慣が少なく、朝食を抜いてしまうと脳に十分に栄養が行きわたらずに集中力が落ちてしまいます。その結果、学校での授業の内容が頭に入らなくなるため、学力低下につながります。

ストレスが溜まりやすくなる

貧困家庭の子どもは、一人で過ごす時間が長く親子での会話も少ないためコミュニケーション能力が低い傾向にあります。それだけでなく、一人の寂しさや悩みを打ち明けることができないのでストレスが溜まりやすくなります。
長い間ストレスがかかっていると、常に自律神経が乱れてしまうため、不眠や食欲不振になる危険性も高くなります。不眠や食欲不振になってしまうと先ほど述べてように脳の活動が遅くなってしまうため、他の子どもに比べると理解するのに時間を要してしまうのです。

ご紹介してきたように学力と生活習慣は深く関わっているため、生活習慣を改善すれば学力の向上も見込めます。

学力の向上のしやすさにも生活習慣が関係

ここからは生活習慣と学力向上の関係についてそれぞれの項目ごとに紹介していきます。

栄養バランスのとれた食事

栄養バランスのとれた食事をしっかり摂ることで集中力や記憶力もアップするので学力向上につながります。
家庭の料理で完璧な栄養バランスの食事を毎日出すことは難しいですが、ファーストフードやコンビニ弁当などが続くと栄養が偏ってしまうため避けたいところです。

良質な睡眠をとる

良質な睡眠をとることで、その日の記憶が整理されて学校で学んだことが定着します。良質な睡眠をとるためには、リラックスすることが大切。
お風呂にゆっくり浸かったり寝る前に温かいお茶やミルクを一杯飲んだりするのがおすすめです。さらに寝る20分~15分前に布団の中に湯たんぽを入れておくなど布団を温めておくのも効果があるでしょう。

遊びと学力向上

子どもは遊びを通して他の人との関わり方やコミュニケーション能力を身に付けます。また、遊ぶこと自体がストレス発散にもなるため結果的に学習意力を高めることができます。

このように生活習慣と学力向上は密接に関わっていますのでまずは生活習慣を見直していかなければいけません。
とはいえ家庭だけで学力向上を向上させるには限界があり、周りの大人が子どもをサポートしなければいけません。
次の章からはどのような教育支援が必要で実際にどのような活動が行われているのかご紹介していきます。

貧困世帯の子どもたちに必要な支援


貧困世帯の子どもには学習をサポートしたり安心して過ごせる場所をつくるなど様々な支援が求められます。

学習支援

子どもの状況に合わせて適切な学習支援を行い、少しでも学力を上げることで精神的な負担を減らし、希望の進路に行けるように学習の支援が必要です。

生活支援

温かい食事が摂れているか、寂しくて孤独な時間を過ごしていないかなどに注意し、改善・サポートできる部分を助ける支援ような生活の支援が必要とされています。

カウンセリング

貧困世帯の子どもは心のケアも重要です。定期的にカウンセリングを行い本音を話せる場所を作ってあげることでストレスを溜めこまないようにしてあげる必要があります。

ご紹介してきたように貧困世帯の子どもにはさまざまな方面の支援が必要です。
次の章からは、教育格差を埋めるために必要な支援と、具体的な支援事例をいくつかご紹介していきます。

地方自治体やNPO法人により教育支援が行われている


地方自治体が行う支援の一例ですが、福岡県新宮市では「ひとり親家庭の子どものための学習支援事業」という活動を行っています。この活動では、週に2日、福祉施設の一室を借りて子どもたちが持ってきた宿題や問題集を、元教員や教員を目指している大学生ボランティアスタッフが指導しています。
対象学年は小学生から中学生まで、様々な教員が教えていくスタイルです。何人もの教員が協力して教えるため一般的な塾と同じようにレベルの高い知識を身に付けることができます。学習支援はもちろん休み時間には生徒の日常生活や悩み相談に乗ってあげることで心のケアも行っています
このような学習支援事業が全国各地で行われて貧困世帯の子どもの学力をアップを目指しています。

放課後に通える教室を開放

学校によっては放課後に開放されている教室で勉強を教えたり遊んだりできる場所を確保している学校もあります。「放課後デイサービス」と呼ばれており、貧困世帯の子どもたちは親が迎えに来るまでの間、空き教室で勉強したり遊ぶことができるようになっています。このサービスを利用すれば安心して働くことができますし、宿題のわからない部分も先生に教えてもらえるので学力を上げることができます。

ご紹介したのはほんの一例ですが、このように教育格差を埋めるために様々な活動が行われています。
ここまで貧困世帯の子どもたちへの支援についてご紹介してきましたが、震災した子どもへの支援も行われていますので次の章で詳しくご紹介していきます。

被災地の復興支援・子ども支援

被災地では次のような復興支援や子どもに対する支援が行われています。

物資支援

食べ物や毛布、歯ブラシなど生活していく上で欠かせない食品・日用品を被災地へ届けます。

避難所・仮設住宅運営支援

プライバシーを守りながら安心して生活を送ることができるよう、公民館や学校を避難所として開放したり仮設住宅の運営をサポートします。

子どもの心のケア支援

災害で家族や友人、家など大切な存在を突然失い傷ついている子どもの心のケアを行います。

子どもの貧困のために全国で様々な取り組みが行われている

子どもの貧困は私たちが思っている以上に深刻な問題です。既に様々な取り組みが行われていますが、まずは子どもの貧困問題を多くの人に知ってもらうことも課題の一つです。
一人でも多くの貧困に悩む子どもを、一人でも多くの人の力で支援していきましょう。

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