砂漠化とは?原因や対策、行われている取り組みを知ろう

砂漠化は日本ではあまり馴染みがない自然現象ですが、世界では砂漠化が進み、深刻な状況にまで陥っている地域もあります。

砂漠化とは一体何なのか、どのような原因で起こり、対策や行われている取り組みは何があるのか、紹介します。

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世界で問題になっている砂漠化とは?


砂漠化とは「乾燥、半乾燥、乾燥半湿潤地域における、気候変動および人間の活動を含む種々の要因に起因する土地の劣化」と定義されています。

土地や地域の乾燥が進み、気候変動や人間活動などを様々な要因で土地が劣化してしまえば、それは砂漠化が起こっていることになります。

乾燥地帯における土地の劣化とは、乾燥地帯の生物学的あるいは経済的生産性の低下、もしくは損失として定義されます。

砂漠化の問題は1970年代から世界で問題となっており、国連環境計画(UNEP)は人間活動によってもたらされた砂漠の面積や、砂漠化の影響を受けている人口などの報告を1977年に行いました。

この報告は国連砂漠化防止会議(UNCOD)で行われ、それに伴い砂漠化の定義と砂漠化防止行動計画が採択されています。

深刻な砂漠化問題

砂漠化の大半はアフリカ諸国など開発途上国で起こっていますが、進行する地域だけの問題ではなく、世界規模で影響のある深刻な問題とされています。

砂漠化は気候的あるいは人為的要因によって進行し、その土地の自然や生物多様性に多大な影響を与えます。そこで暮らす人々の生活と密接に繋がっていることも事実です。

砂漠化が進行すれば、その土地の生物多様性は喪失し、生産能力は深刻なレベルで失われ、食料価格は高騰します。砂漠化する国に住む人の多くは農業に従事する小作農家であり、食料価格が高騰し、農業が満足に行えない環境となるため、生活基盤を丸ごと失います。

砂漠化により農業が営めなくなって生活基盤を失った人は、砂漠化が及んでいない都市部へ移動するしかありません。政府などの援助さえ受けられない人は、難民となって住む土地を離れなければならなくなり、北アフリカやヨーロッパへ移動する可能性があります。

これにより起こるのが難民問題であり、移住してくる人が民族規模でさらに増加すると考えられます。

人口の大移動は社会的混乱や紛争の要因となる危険性があり、食料やエネルギー、水などの資源が不足する可能性や競争の激化から、生活の糧がない人は争いや紛争の標的となる恐れもあります。

砂漠化が紛争に直結しているわけではありませんが、これまで起こった紛争の中には水や土地などを含む自然資源をめぐった争いがありました。

砂漠化に伴い生産的な土地が失われるということは、自然災害や食料問題、貧困問題だけでなく、世界全体の社会が成り立つために必要なものすら奪われる可能性があるということです。

  • 砂漠化とは「乾燥、半乾燥、乾燥半湿潤地域における、気候変動および人間の活動を含む種々の要因に起因する土地の劣化」と定義されている
  • 乾燥地帯における土地の劣化とは、乾燥地帯の生物学的あるいは経済的生産性の低下、もしくは損失として定義される
  • 砂漠化に伴い生産的な土地が失われるということは、自然災害や食料問題、貧困問題だけでなく、世界全体の社会が成り立つために必要なものすら奪われる可能性がある

(出典:国際連合広報センター「砂漠化防止」)
(出典:国立環境研究所「砂漠化と人間活動の相互影響評価に関する研究」)
(出典:国立環境研究所「2019年砂漠化および干ばつと闘う国際デー、土地劣化中立達成へ向けた取り組みを呼びかけ」)
(出典:環境省「人々の暮らしと砂漠化対処」)
(出典:国連広報センター「砂漠化について考える。日常を非日常にしないために。」)

砂漠化が深刻な国は?


世界的に見て、特に砂漠化が深刻化しているのは、サハラ以南のアフリカ諸国です。

アフリカ大陸各地の国では降雨や地表を流れる水によって土壌が地表から流される水食による砂漠化が進んでいます。

水食は、畑や裸地で起こりやすく森林では起こりにくいですが、開発途上国では経済を農業に頼らざるを得ない国が多く、農地を作るため森林を伐採し、開拓をしなければいけません。

樹木自体も商品や燃料となるため、生活基盤を得るために過開拓や過伐採が起こります。これにより森林が失われ、農地や裸地が増えることで水食の影響を受けやすくなり、砂漠化が進行します。

これに加えて地球温暖化や気候変動による異常少雨や干ばつが相次いでアフリカを襲い、乾燥化が加速して砂漠化が進行することとなりました。

この問題は開発途上国以外でも起こっています。その代表例が中国であり、一時期は深刻な砂漠化が進みました。

砂漠化が深刻化している国をピックアップし、現状などを紹介します。

ブルキナファソ

ブルキナファソの南西地方では、2002年に内戦が勃発したコートジボワールなど外部からの人口流入が多く、綿花や食料生産のため農地を拡大し、金鉱開発のため森林を伐採していることから、森林は減少しています。

これに気候変動の影響による年間降水量の減少や干ばつ、近年の集中豪雨に襲われ、水食の影響を受けやすくなり土地の劣化や砂漠化が深刻な状況になっています。

エチオピア

エチオピアでは1974年に王政から社会主義国家に変わり、その際に土地の利用券が分配されたことで、多くの森林が伐採され農地に転換されました。

さらにエチオピアのナズレト周辺では、降雨などの気候的要因に加えて人口増加が起こり、耕作地の休閑が行えず、さらなる農地拡大や家畜頭数の増加などから、森林の減少が続き、水食による砂漠化も深刻化しています。

モロッコ

モロッコは1970年代に大規模なオリーブ畑が開発されました。これにより、元々森林であった場所を利用したため、森林が減少しています。

また1980年代には耕作地への転用、居住地域の拡大、森林火災などが進み、森林が減少したこともあって、特にシャウエン周辺では水食による砂漠化が進行しました。

ソマリア

ソマリアは20年に渡る内戦を経て、2012年9月に新しい大統領の選出により平和への歩みを進めました。

しかし内戦による土地の荒廃や、干ばつによる土壌の劣化は深刻であり、国民は劣悪な環境下で、困難な生活を強いられています。

インド

インドはその国土の3分の1がサバンナやステップ、砂漠気候に属しており、国土の半分以上である170万平方kmが劣化・荒廃した土地になっています。

これに加えて過放牧や森林伐採、農耕地の不適切な運用、灌漑水管理の不徹底などが原因と考えられる深刻な砂漠化が進行しています。

中国

中国では西北部の砂漠化が深刻となっています。北京市や河北省などが風によって土壌が分散・運搬されてしまう風食、そして森林伐採や過放牧、過開墾による森林の減少により、深刻かつ広大な範囲の砂漠化が進行しました。

これに対して中国政府は、過放牧や過開墾、過伐採を禁止し、植林を行うことで砂漠化の進行を阻止しました。しかし、これまで森林が成立していなかった土地での植林による水不足や、今なお砂漠化している土地が広大であることから、新たな問題の出現と砂漠化の状況は継続しています。

  • 砂漠化が深刻化しているのは、サハラ以南のアフリカ諸国
  • 水食、地球温暖化や気候変動による異常少雨や干ばつが相次いでアフリカを襲い、乾燥化が加速して砂漠化が進行
  • 砂漠化が深刻化している国:ブルキナファソ、エチオピア、モロッコ、ソマリア、インド、中国

(出典:国連広報センター「砂漠化防止」)
(出典:環境省「深刻なアフリカの砂漠化」)
(出典:国際協力機構「ソマリア」)
(出典:国立研究開発法人 国立環境研究所 「砂漠化と人間活動の相互影響評価に関する研究」)
(出典:J-STAGE「中国における乾燥地緑化の現状と課題」)

砂漠化への日本の対策と取り組み


砂漠化への取り組みは世界規模で行われています。世界では1970年代に砂漠化の状況などが報告され、その後に砂漠化対処条約を締結しました。

この条約では砂漠化の影響にある国は対処するための行動計画の作成および実施、この取り組みを先進国が支援することなどを規定しています。

日本はこの条約が採択された当初から署名を行っており、長く世界の砂漠化の影響を受ける開発途上締約国へ国際協力機構(JICA)やNPO、日本企業と連携し、協力してきました。

政府による砂漠化の取り組み

政府による取り組みはODAを中心とした「国際機関への拠出」、「二国間援助」「NGO支援を通じた草の根レベルの協力」の3つを主体としたものとなります。

国際機関への拠出としては、「砂漠化対処条約事務局及びその他の多国間環境条約体等に対する拠出」などが実施されています。

二国間援助としては水資源保護や森林保全・植林、農業開発、能力開発・教育などの分野への技術協力が行われています。

具体的には、近隣地域において砂漠化対策に成果を上げている伝統的知識や技術、ノウハウを抽出して、住民が習得を望む技術を視察したり、ワークショップを行ったりして、住民自身に選択してもらうことで、普及や定着を住民主体で取り組む事業を提供しました。

この取り組みにより、水食で劣化した土地の回復を促すための「荒廃地回復技術」や、劣化していない土地の活用、および回復した土地を再び劣化させないための「畜耕技術」が採用されました。

さらに、日本政府は砂漠化に対する研究・調査も環境省主導の下で行っています。

その成果としてCOP7とCOP8の科学技術委員会において、砂漠化のプロセスを説明する統合モデルを構築し、過去の砂漠化現象の説明や砂漠化防止に最も効果的な土地利用方策、生態系管理計画の提案を行っています。

関連機関の取り組み

国際協力機構をはじめとした、日本の関連機関や組織による取り組みも成果を上げています。

国際協力機構ではセネガルにおいて、劣化した土壌地域における土地劣化抑制と有効利用促進のための能力向上プロジェクトが行われました。

また、京都大学や首都東京大学などと連携した研究機関では、砂漠化地域の社会や風土の理解と実践可能な対処技術の発案や開発・実証を国際協力機構や環境省事業などに対して行ってきました。

企業による取り組み

隣国である中国の河北省では深刻な砂漠化が進行しています。これに伴い、日本企業も2001年から砂漠化防止に向けたプロジェクトを6年間行いました。

この期間に砂漠化が進行している地域の植林活動を推進し、多くの地域で造林による緑化に成功しています。

2007年以降も継続的に植林を実施すると共に、現地でこの活動が持続されるように緑化技術者の育成や、緑化技術の情報発信などの拠点となる施設を建設し、緑化活動の基盤整備にも取り組んでいます。

  • 政府による砂漠化防止の取り組みはODAを中心とした「国際機関への拠出」、「二国間援助」「NGO支援を通じた草の根レベルの協力」の3つを主体としたもの
  • 国際協力機構をはじめとした、日本の関連機関や組織による取り組みも成果を上げている
  • 中国河北省での深刻な砂漠化が進行に伴い、日本企業は2001年から砂漠化防止に向けたプロジェクトを6年間行った

(出典:環境省「人々の暮らしと砂漠化対処」)
(出典:環境省「砂漠化する地球」)

砂漠化問題は日本にも関わりのある自然現象


砂漠化は世界各地で起こる問題です。砂漠化にあまり縁のない日本ですが、決して無関係ではありません。

砂漠化が進行すれば、その周辺国などに影響を与えます。中東などで影響が広がり、紛争などに発展すれば原油の輸入などに支障をきたし、ガソリンや原油を用いた商品の価格が高騰する恐れがあるのです。

黄砂も中国の砂漠化の影響を受け、今後さらに酷くなる可能性があります。これらは一例でしかありませんが、実際に起これば大きな損害となる可能性もあります。

そうならないためにもできることに取り組んでいく必要があります。人為的要因は政府や関連機関、企業などの取り組みによるところが大きいですが、気候的要因に関しては私たち個人でも取り組んでいくことができます。

砂漠化の原因は地球温暖化や気候変動であり、これは私たちの生産活動によって起こっています。

地球温暖化や気候変動を緩和するような取り組みを行えば、間接的に砂漠化を抑える手助けにもつながります。

まずは砂漠化問題について理解を深め、できることから始めてみることが重要です。

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