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「貧困」の定義は?絶対的貧困と相対的貧困とは。子どもの貧困問題解決のためにできること

この記事を要約すると

テレビや雑誌など様々なメディアで貧困問題が取り上げられる昨今。そもそも「貧困」とは一体どういうことでしょうか。
ここでは貧困の様々な定義やその問題点、私たちが貧困問題に対してできることをご紹介します。

子どもの貧困問題とは?国内・海外で貧困に苦しむ子どもが増えている現状や支援方法とは

そもそも「貧困」の定義とは


貧困とは読んで字の如く、貧しくて困っていることと想像できますが、貧困の定義となると具体的にどのぐらいの貧しさをもって貧困と定義するかという指標は組織や団体、機関、国などによって様々です。そのため貧困の定義も複数存在しています。

その中でも貧困の定義の一例を挙げるなら、UNDP(国連開発計画)という国連機関では「教育、仕事、食料、保険医療、飲料水、住居、エネルギーなど最も基本的な物・サービスを手に入れられない状態のこと」を貧困と定義しています。

つまり、社会で生きていくために必要な住む場所、お金、食事、病気になったら病院で治療を受けられるかなど、生命の維持はもちろん、健康的な生活ができるかどうかという点で貧困が定義されているといってよいでしょう。

「絶対的貧困」「相対的貧困」とは


貧困には様々な定義がありますが、命を落とさず人間らしい生活を送ることが難しい状態を貧困と捉えることが多いという傾向があります。
その貧困の中でも、絶対的貧困と相対的貧困という定義も存在しています。

絶対的貧困

絶対的貧困とは、食料や衣類など人間らしい生活の必要最低条件の基準が満たされていない状態のことです。多くの人がイメージする貧困はこの絶対的貧困です。

例えば、何らかの事情で住む家がない、食事を摂りたいが食料がない・買えない、子どもの体重が平均の数字を下回るといった状態などが該当します。この絶対的貧困の方を絶対的貧困者とも定義されます。海外ではストリート・チルドレンなども絶対的貧困に当たるというわけです。

相対的貧困

絶対的貧困に対し相対的貧困という定義があります。

相対的貧困は国や社会、地域など一定の母数の大多数より貧しい状態のことです。例えば所得という視点でみると、給料が少ないと言っても「国民の所得の中央値の半分未満」にあたると相対的貧困にあたります。あくまでも指標の1つですが、日本の場合では年収が約122万円以下の場合相対的貧困に該当すると言われています。

また、相対的貧困は目に見えづらい貧困という側面もあります。その最たるものが「子どもの貧困」です。子どもの貧困とは次のような状態を定義します。

実は日本では子どもの7人に1人がこの相対的貧困にあたり、これはOECD加盟国の中でも最低水準と言われています。
子どもの貧困とは、命の危険に晒されやすい絶対的貧困者の子どもの場合や相対的貧困にある17歳以下の子どものことを指します。日本での子どもの貧困といえばこの相対的貧困を指すことが多くなっています。

日本はGDP(国内総生産)が世界でもトップ3に入るほどの豊かな経済力がある一方で、相対的貧困という問題も抱えています。
日本と近い相対的貧困率の国はスペイン、エストニア、チリ、ラトビアという国々となります。

これまでは世界規模で絶対的貧困がフォーカスされてきましたが、相対的貧困も近年問題が表面化し注目を集めています

貧困には他にも、一時的貧困(自然災害や季節によって生まれる貧困)や慢性的貧困(構造的に、あるいは長期で貧困状態のこと)という定義も存在します。それぐらい貧困には様々な背景があり、一言で説明するのが難しい性質でもあるのです。

(出典:厚生労働省 平成28年 国民生活基礎調査)

相対的貧困はなぜ問題?


相対的貧困の問題点はなによりも、絶対的貧困よりもその貧困具合が外部からは見えづらく必要な支援を届けづらいということ、また子どもに精神的ダメージが及ぶことがある点です。

所得が低い相対的貧困では日々の生活で手一杯という状態になりやすく、貯蓄が難しく所得を上げ相対的貧困から抜け出すまで手が回らないといったことがあります。近年問題となっているワーキング・プアもまた相対的貧困である可能性が高いわけです。国内で相対的貧困と言われるのは年収が約122万円以下ですので、月収では10万円と少しとなります。地域や家族構成にもよりますが、場合によっては生活保護の対象になり得る額です。

また、子どもの相対的貧困では、「なぜ自分だけお金がないことで○○ができないんだ」といった精神的ダメージを受けることがあります。

日本の子どもの7人に1人が貧困と言われますが、小学校で1クラス35人の場合、5人は子どもの貧困という計算になります。先進国と言われる日本で、小学校の1クラスに5人は子どもの貧困である可能性があるという状態は早急に対処すべき問題でもあります。子どもの時代に十分な学習や発達がかなわないと、大人になっても苦労を強いてしまう可能性も十分に考えられるわけです。
ほかにも、子どもの貧困には子どもの権利が守られづらい状態にあることがあります。

1989年に国連で採択された子どもの権利条約をご存知でしょうか。子どもの生きる権利、育つ権利、守られる権利、参加する権利などが書かれた比較的新しい条約で日本は1994年に批准しています。

中でも、「医療、教育、生活への支援」などを受けることが保証されるべき子どもの権利が、貧困では保障されづらくなることがあります。子どもの貧困は子どもの権利の侵害をする可能性があるという側面もあり、問題視されています。

貧困を解決するために私たちができること


国際問題として後発開発途上国や紛争地域の貧困や飢餓などが問題視され、先進国などが支援をするケースは多くの方がご存知でしょう。例えば、主に経済面での支援ではOECD(経済協力開発機構)が、公的資金などを使い国レベルで開発協力をするODA(政府開発援助)などが有名です。

世界には貧困や飢餓など様々な問題が山積みで、国際社会の一員として個人はもとより国までもそれぞれの立場でできる支援を続けることが問題解決への1つの道でもあります。

近年では子どもの貧困や孤食支援として子ども食堂が有名になるなど日本での貧困支援も大きく取り上げられるなかで、私たち一人ひとりができることは何でしょうか。

寄付

貧困問題の解決に向け様々な団体、例えばNPOや社団法人、公益財団法人などがそれぞれの立場でできる支援をしています。
国内では子ども食堂を始め、放課後の無料学習支援、奨学金などの支援、受けられる財政支援のフォロー、相談受付があります。

海外もまたNPOやNGO、国連など国境をまたいで貧困支援をしている組織、団体、機関が多数存在します。

そのような団体に寄付をするというのも立派な支援の1つです。支援のために寄付をすると、その分その団体が貧困支援を手厚くしたり、新たな支援を始めることができるかもしれません。その一端を担えるのが寄付です。
また、寄付も一度限りではなく、できるだけ継続して寄付を続けることができればより一層の支援となります。定期的な口座振替が利用できるならそれも良いでしょう。

ボランティア

ボランティアも貧困支援の重要なポイントの1つです。
発展途上国で貧困支援のボランティアというケースや、日本国内でも様々な団体のお手伝いをさせていただく方法があります。

例えば、調理師免許があれば子ども食堂のお手伝い、教えるのが得意なら学習支援など、ボランティアをする際は自分の特技があればそれを活かすとより一層の支援になります

また、国家資格などの有資格者や専門性の高い会社に勤めているなど、いわゆるプロフェッショナルとして仕事をしている方は、プロボノという専門知識をいかしたボランティアも可能です。

情報の拡散、呼びかけ

仕事や家庭の事情でなかなか動きづらいけど「貧困で悩む子どもたちのために何かしたい!」という方は情報の拡散なども立派な支援の1つです。
社会には様々な支援団体が存在しますが、その支援内容も本当に必要としている方の耳や目に入らなければ非常にもったいないことです。そのため様々な情報の拡散や呼びかけをすることも大事な支援となります。

情報発信する際は、モラルとして誤った情報を発信しないよう注意する必要がありますが、情報をみてこのような支援があるのかと認知してくれる人を増やしたり、支援をしてくれる人を増やす一旦を担える可能性があります。
また、何事も声を発することで声が集まり、大きなうねりとなることがあります。多くの声が集まり世論となったり、より多くのマスメディアが動くことで政治や政策などの面からの支援も期待できます。

一人ひとりができる支援でよりよい社会を目指す


一口に貧困と言っても、絶対的貧困、相対的貧困、慢性的貧困など背景により様々な貧困があることがわかりました。海外では絶対的貧困がよくフォーカスされ、貧困といえば家や食料がない絶対的貧困をイメージしがちですが、実は日本では相対的貧困が問題視されています。

日本の子どもの7人に1人が貧困と言われるほど日本社会で子どもの貧困が問題となっています。近年テレビでも目にする機会が増えた子ども食堂も子どもの貧困や孤食支援の1つです。貧困の背景は様々ですが、個人や団体、機関などそれぞれの立場でできる支援を続けることで少しでも社会が良くなると期待されます。

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