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子どもの貧困、沖縄がワースト1と言われる原因と対策は?

この記事を要約すると

子どもの貧困問題は、現在の日本の大きな課題となっていますが、その中でもワースト1位が沖縄であることを知っている方は意外と少ないのではないでしょうか?

厚生労働省の「平成28年 国民生活基礎調査」により、日本全体で7人に1人の子どもが貧困と発表されていますが、その中でも顕著なのが沖縄なのです。
その歴史は長く、世代を超えて貧困が続いてしまっているため、ソーシャルワーカーの増員、児童館の設置といった対処療法的な方法では解決が難しいと言われています。

これを解決するためには、原因の特定と根本的な対策が必要と言えるでしょう。
そうすることで、今沖縄で何をすべきなのかが見えてくるようになるのではないでしょうか。
ここでは、そんな沖縄の子どもの貧困に対する原因と、実際に行われている対策についてご紹介させていただきます。

子どもの貧困問題とは?国内・海外で貧困に苦しむ子どもが増えている現状や支援方法とは

沖縄の子どもの貧困率が全国平均の2倍も高い理由とは

沖縄では貧困率が全国的にみても高いとされています。特に子どもの貧困率は29.9%となっており、全国平均が16.3%(内閣府(2015年6月)『平成27年版 子ども・若者白書』より)であることを考えると約2倍の数値であることが分かります。
貧困率そのものも34.8%と全国平均の18.3%より高く、沖縄での貧困率は全体的に高いのです。
また、同様に全国的にみても平均所得が低いのに、生活コストが割高であることが原因とされています。

沖縄の最低賃金は714円と全国でも一番低く、ワーキングプア率は18.3%。こちらも全国平均の9.7%よりも高いことが分かります。
さらに車社会であるために、車の維持費や都市部の住居費の高さによって家計が圧迫されてしまっています。
これによって経済的に困窮した児童が多くなってしまっており、高等教育などを受けるチャンスがなくなり、学歴的な問題で収入に大きな影響が与えられます。
つまり、貧困が世代を越えて連鎖し、更なる貧困を生み出しているのです。

(出典1:沖縄県(2016年4月)『沖縄県子どもの貧困実態調査結果概要』)
(出典2:戸室健作(2016年3月)『都道府県別の貧困率、ワーキングプア率、子どもの貧困率、捕捉率の検討』)

沖縄の貧困を救う対策は?

それでは、沖縄の貧困を救うためにどのような対策をすればよいのでしょうか。
そのためには課題をしっかりと認識する必要があります。政府ではこの貧困状態で暮らす子どもたちの、現在の課題をまとめています。

  • 沖縄県の支援の対象となる貧困状態の子どもの把握
  • 現状認識、対策の必要性、目標の設定、必要な施策など議論での共通理解
  • 貧困が子どもの生活と成長に及ぼす影響の把握

まずは現在の子どもの貧困状況を把握し、それぞれの状況に応じて必要な施策を打ち出す必要があります。
そのための指標として、単一のものではなく複数の項目から選出しています。

例えば貧困の指標としてよく見られる「生活保護率」はもちろんのこと、「就学援助率」「認可私立保育所の費用徴収階層の割合」など、様々な状況が把握される必要があります。
また生活や成長に及ぼす影響として、「年次別離婚率」や「中学校の通塾率」、「全国学力・学習状況調査」、「高等学校進学率」、「大学進学率」など細かい指標を設けて、その影響を把握するように方針を立てています。
これによってライフステージを「乳幼児期」「小・中学生期」「高校生期」「支援を必要とする若者」とわけ、それぞれに必要な支援を教育支援、生活支援、経済的支援に分けて割り出し、構築しています。
さらに子どもだけでなく、取り巻く環境の1つである保護者の支援も行っている現状です。
結局は世代の連鎖による貧困が続いているため、保護者の就学や学び直し、就職の斡旋の支援なども行うことで、総じて貧困からの脱却を図ることができます。

沖縄の子どもたちを支援するためにおこなわれている取り組みは?


このように、現状の把握と細かな世代別に分けた対策が政府によって行われていますが、それ以外にも沖縄県の子どもたちを支援するために行っている団体も存在しています。
次は、そんな自治体やNPO法人の取り組みをご紹介します。

自治体の取り組み

自治体からは「黄金(くがに)っ子応援プラン」というプランが展開されています。
これは、沖縄県における平成27年度から5年間の子ども・子育て支援の基本方針として策定したものです。
子どもの最善の利益を尊重し、保護者が喜びや生きがいを感じながら子育てができる社会の実現を目指す、とされています。

こちらも支援するステージをいくつかに分けて、それぞれに応じた支援方法を行っています。
例えば保育園や幼稚園などでは保育課程の作成や「幼児教育政策プログラム」の策定を行うことで、格差のない教育を行えるようにすると共に、その学級規模の改善や公定価格の算定基準の改善を行うことで、誰もが安心して預けられ、子どもたちも学びが保障される状況を作り上げています。

また市町村への幼稚園型一時預かり事業の促進などを行うことで、保護者が働きやすい環境を整えながら、保育士や幼稚園教諭、保育教諭、小学校教諭の研修を積極的に行うことで、品質の向上をはかっています。
さらに沖縄子どもの貧困緊急対策事業というのも行われており、家計が苦しい非課税世帯に対して、母親の就労先への家庭状況の説明、子どもの就学援助の申請サポートなども行っています。
子どもの居場所を確保するために、食事の提供、生活指導、学習支援といったことができる場所を自治体レベルで提供している市町村もあります。
まだ多いとは言えませんが、自治体による支援の手は確実に広がっています。

NPO法人の取り組み

NPO法人も、生活や教育といった支援に広く取り組んでいます。
特に学力の低下については連鎖的な貧困の原因となっており、こちらも沖縄では大きな課題となっています。
学校環境、家庭環境、所得格差など原因はさまざまですが、いずれにしても教育格差はあってはならない問題でしょう。

そこでNPO法人では学習支援のために、大学生や高校生などのボランティア講師による専用教材を使った個別学習指導を行っています。
また社会経験の不足やコミュニケーション能力の育成を目的とした課外授業自己肯定感を向上させるための有資格者による無償個別カウンセリングやメンタルケアを行っているところもあります。

さらに両親が共働きで、1人で過ごさなければいけない子どもや、孤食になってしまう子どもたちのために1日中遊んで、みんなでご飯を食べられる「こども食堂」を設けているNPO法人もあります。
子どもの孤食は心と身体の成長に大きな悪影響を与えてしまうと言われています。
その対策として、昼食や夕食を提供し、みんなで食べられる環境を作ることで、子どもたちの健全な成長を促すように取り組んでいるのです。
これらのNPO法人は沖縄の全土に広がっており、調べれば様々な場所で支援を行っているのがわかります。
たNPO法人自体は寄付金や助成金、事業収入によって賄われているため、支援を受ける家庭の負担を極力減らすようにも配慮されています。

沖縄の子どもたちが貧困に苦しまない環境を作るためにできること


現在、全国でも7人に1人は貧困で苦しんでいる子どもがいるとされています。
沖縄はその中でも特に顕著であり、対策が遅れてしまった地域になります。
先ほどもご紹介しましたが、国、自治体、NPO法人などあらゆる支援が広がっています。
そのどれもが貧困に苦しむ子どもたち、そしてその家庭を助けるために行われているものばかりであり、その多くが現状の課題を少しずつですが解決しつつあります。

それでもまだいくつか問題は残っており、特に人員と資金の不足が大きな課題となっています。

私たちができる身近な手段は、寄付やボランティアです。現場で活躍するNPO法人や団体に寄付をすることで、活動するための資金が増え、より多くの子どもを受け入れることができるようになります。
また活動するにしても人手が足りなければ、受け入れる規模を縮小せざるを得なくなってしまいます。
ボランティアとして協力してくれる人が増えれば、活動の範囲を広げることができ、より多くの子どもたちを支援することができます。

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