2020年現在も紛争が解決していない国や地域は?原因を知り解決策や支援について考えよう


  • 2020年3月5日
  • 2021年9月17日
  • 紛争

世界各地で、様々な理由により紛争が起こっています。

紛争の影では、多くの子どもたちが犠牲になっています。彼らは兵士として戦闘と他者の殺害を強要されることもあり、心と身体に大きな影響を受けています。

また、紛争により故郷を追われ、難民となる人も数多くいます。予防接種のワクチン、食料、教育など、難民キャンプにおける支援は慢性的に不足しており、常に支援が必要な状態です。

こうした難民を現地に出向いて支援することは難しいですが、寄付により今すぐ支援することは可能です。支援団体を寄付で応援してみたい、とお考えの方はおすすめ団体を紹介した以下の記事を見てみてくださいね。

>>苦境にある難民を寄付するには?支援団体を5つ紹介!

この記事では、世界で起こっている紛争の現状、紛争が起きている地域、子どもたちへの影響を紹介し、私たちにできる支援について考えます。

世界で多発し長引いている紛争とは

まずは「紛争」がどのようなものかについて解説します。

紛争とは

紛争とは、経済問題から宗教や文化の違い、民族間の争い、集団心理や環境などで起こる争いが含まれます。

また、内戦は様々なことが要因となり発生する武力行使による対立が、ある国の領域内で行われることを指すことが多いです。

紛争が起こる主な原因

紛争が起こる原因は実に様々です。
権力者の心理的な側面から物理的な事情、宗教上の対立などあらゆる要素が複雑に絡み合って起こるのが紛争です。

紛争が起こる原因をまとめると以下の通りになります。

  • 宗教上の争い
  • 土地や資源の奪い合い
  • 権力者の利害関係
  • 文化や民族性の差異
  • 政治的信条の差異
  • 差別

ポイントは上記した複数の原因が複雑に絡み合って紛争が起こるというところです。

なぜ紛争が起こっているのか。この点を考えることは紛争の解決に必須です。

原因に即した解決方法をとることができなければ、紛争の再発リスクは高まります。

2020年現在もなお紛争が長引いている国、危険な国や地域とは

現在でも紛争が起こっている国は決して少なくありません。

そして、何年も何十年も解決せずに紛争状態が長引いている地域では多くの死亡者が出ています。

2020年11月時点で解決していない紛争(内戦)について解説します。

アフガニスタン紛争

アフガニスタンは紛争が1978年から断続的に続いています。

アメリカの同時多発テロで世界的に知られているビン=ラディンなどが関わっているのがアフガニスタン紛争です。

アフガニスタン紛争に至った経緯

アフガニスタン紛争の始まりとなったのは、1978年当時の政権であるアフガニスタン人民民主党に対する武力蜂起といわれています。

そして政権に対する武力抵抗が国中に広がり、人民民主党が当時のソビエトに軍事介入を要請しました。

そしてソビエトの介入があり、大統領が殺害され、政権争いと武力衝突は激化していきます。

ソビエトの介入に対立するように抵抗勢力に対するアメリカの支援があるなど、アフガニスタン紛争を介した当時の強国の間接的な対立も存在しました。

その後、国連によるソビエト軍の撤退についての決議があり、1989年にソビエト軍はアフガニスタンから撤退しています。

しかしアフガニスタン紛争はソビエト軍の撤退で終わったわけではありませんでした。軍が撤退したものの、ソビエトによるアフガニスタン人民民主党への援助は続いており、それに対抗するように抵抗勢力へのアメリカの援助も続いていたためです。

そのためアフガニスタンでは対立する勢力の武力衝突が依然として続きます。その中でタリバーン政権の台頭があり、2001年にはアメリカ同時多発テロが起こりました。

その後はアメリカ軍が集団的自衛権の行為を行使し、アフガニスタン紛争はアフガニスタン戦争へと変わっていきました。現在は戦争こそ一応の終結をみていますが、断続的な武力衝突は続いています。

(出典:外務省公式サイト「アフガニスタンの現状と問題」)
(出典:外務省公式サイト「アフガニスタン・イスラム共和国基礎データ」)
(出典:外務省公式サイト「アフガニスタン紛争のダイナミズム」,2018)

シリア内戦

シリアではアサド大統領による独裁政権が40年にも渡って続いていました。

政府に対し国民の不満が溜まっており、2011年に起こった大衆による抗議運動「アラブの春」を受け、民主化運動への契機が高まっていきます。

そして政権から虐げられていたスンニ派を中心とした抗議運動はシリア全土に広がり、シーア派を主とするアサド政権政府軍とスンニ派を主とする反政府軍との間で内戦へと発展したのです。

反政府軍が近隣国から様々な支援を受けることで武装蜂起を行い、自由シリア軍を結成したことで両者の対立は激化していきます。

さらに自由シリア軍は拡大を続け、内部でも意見がわかれヌスラ戦線という過激派組織も独立。アサド政権もロシアやイランの後ろ盾を受け、反撃を行いますが、政府軍側のシーア派過激組織ヒズボラも参戦し、内戦はさらに激化。

ここにイスラム国が勢力を拡大する目的で介入し、アサド政権政府軍、反政府軍、イスラム国という三つ巴の戦いとなり、内戦を泥沼化させることとなりました。

やがてイスラム国は崩壊し、再び政府軍と反政府軍の戦いの形になりますが、同時に政府軍を支持するロシアと反政府軍を支持するアメリカとの対立構図へとシフトしてしまったのです。

近年ではアメリカでトランプ大統領が就任後、在シリア米軍の撤退を示唆していましたが、ロシアの実質的なシリア支配へと繋がるとの懸念があったため、アメリカ軍は駐留を継続。

しかし2018年の暮れにはイスラム国の掃討が完了したとして、アメリカ軍が撤退することと、シリアへの直接介入は終わりを迎えましたが、2019年4月以降も激しい空爆などが行われている状態です。

(出典:外務省公式サイト「わかる!国際情勢」)

クルド対トルコ紛争

クルド対トルコ紛争は、トルコ政府とクルド人の武力衝突です。
対立の根底にあるのは、トルコ人とクルド人それぞれの政治思想や民族のあり方などの考えの違いがあります。

クルド人は「国を持たない民族」とも呼ばれており、トルコではクルド人の問題が内政上の課題です。
2016年にはクルド労働者党(PKK)による自爆テロ事件などが起き、トルコ治安当局はPKKに対する掃討作戦を行いました。

イラク北部のクルディスタン地域内に2020年6月14日以降、トルコ軍はPKK関連拠点へ軍事行動を行いました。航空部隊と地上部隊による攻撃を組み合わせているようです。

(出典:外務省「トルコ共和国(Republic of Turkey)基礎データ」,2019)
(出典:外務省「イラク:トルコ軍によるイラク国内のPKK拠点空爆」,2020)

リビア内戦

リビア内戦には2011年に起こった当時のカダフィ政権に対するデモをきっかけとした政権打倒の武力闘争と、2014年から現在に至るまで続いている各種政府とイスラム国系の武装勢力が乱立するものがあります。

リビア内戦の問題は、民主的な手法で選ばれた「トリポリ政府(西部)」と国際的に認知された「トブルク政府(東部)」という形で、部族社会に根ざす複数の政府勢力があります。これらの政治勢力に加え、国連を中心とした仲介努力により実現した国民統一政府の賛成力が併存する状況が続いているのです。

2018年8月にはトリポリで民兵による武力衝突により、市民が死傷者として出たとされています。
今後はリビアや周辺地域の安定のためにも、正統性を持つことが期待されています。

(出典:外務省公式サイト「地球儀を俯瞰する外交-中東と北アフリカ-」,2019)

イエメン内戦

イエメン内戦は2015年に起こり、現在に至るまで続いているものです。

2011年2月、「アラブの春」の煽りを受けて反政府デモが発生し、それに端を発する形でイエメンの国内に混乱が生じました。その混乱の中、33年間にわたり国を支配してきたサーレハ大統領(当時)が辞任。その後ハーディ新大統領が政権移行プロセスに取り組みましたが、2014年9月に反政府武装勢力のホーシー派がイエメンの首都サヌアを占拠し政権掌握を宣言しました。

ハーディ大統領は首都を追われイエメン南部のアデンやサウジアラビアに退避。ハーディ大統領からの要請により、2015年3月にアラブ連合軍がイエメンへの軍事介入を開始したことで内戦状態が続いています。

2018年6月にはアラブ連合軍がホデイダ奪還作戦を開始。ホデイダ市はイエメン国内有数の港を有するため、戦闘が継続することで物資供給の停滞し「世界最悪の人道危機」と言われるほど危険な状況が続いています。

そのため、2020年時点でもイエメンの人々は何らかの人道支援を必要としているとされています。

(出典:外務省公式サイト「日本と国連-日本の外交政策と国連の重要性」,2019)

関連記事

世界で起こっている紛争問題、どこの国や地域で起こっている?国と原因を一覧で見てみよう

紛争地域では子どもも犠牲者に

2020年現在も、世界では紛争が続いています。そして、紛争では多くの子どもが犠牲になるのです。
ここでは紛争地域における子どもの苦難を解説します。

子ども兵士(少年兵)

紛争地域でとりわけ問題になるのが子ども兵士です。
子どもたちは誘拐などにより半ば強制的に戦闘員として紛争に参加させられます。

子どもは価値観や倫理観が未熟な状態にあるため洗脳に近しいような刷り込み教育を行いやすく、兵士として使いやすいのです。
様々な国で多くの子どもたちが、紛争の武装勢力として使われています。

栄養失調・食糧不足

紛争によって食料が不足すると、子どもが栄養失調の状態になります。そして抵抗力が弱まり、感染症などで命を落とすのです。

病気にならないとしても、生命活動を維持するだけのエネルギーを摂取することができず餓死してしまう場合もあります。

性的虐待や暴力

さらに対立勢力に対する性的虐待や暴力が子どもに及ぶ場合もあります。
紛争の影響がある地域では、女の子を強姦したり強制的に結婚するなどの行為も行われています。

教育問題

紛争などによる数々の問題は、子どもから教育の機会を奪います。

そもそも紛争地域では教育の体制そのものが整っていない場合が多いため、紛争終結後であっても満足に教育を受けることのできる子どもはほんの一部です。
ユニセフによれば自然災害や紛争のある地域の15歳から17歳の子どもの5人に1人は、これまで一度も学校に通っておらず、5人に2人は小学校を修了していないとされています。

教育は、子どもたちが将来仕事に就いたり収入を得るため、また様々な危険を避けるためにも重要です。紛争により教育の機会が奪われることは子どもたちの未来にも影響を残すのです。

一方でこのような問題の解決に向けて、途上国の子どもを支援するため活動しているNPO・NGOなどがあります。そこでgooddo編集部では、おすすめの寄付先について紹介した記事を用意しました。途上国の子どもを支援する活動に興味がある方は、ぜひ読んで下さい。

>>開発途上国の子どもを支援する、おすすめの寄付先の紹介記事はコチラ

(出典:ユニセフ「世界の就学状況報告書発表 学校に通っていない子ども3億300万人」,2018)

紛争地域で現在行われている支援活動

紛争地域の人々に対して、どのような支援が行われているのでしょうか。
そのうちの一つに物資の支援が挙げられます。
2020年には新型コロナウイルスの影響から医療従事者のためのエプロン、ブーツ、フェイスマスク、手袋などの個人保護具(PPE)といった物資支援を行いました。

武力を用いた戦闘や爆撃が多発する紛争地域では、まずは人が生きるために必要な最低限の物資を供給する必要があります。

その上で教育についての支援を行い、長期的に紛争を防止する仕組みを作ることが求められています。

(出典:ユニセフ「イエメン 紛争とCOVID-19、二重の危機回避を個人防護具など、ユニセフの支援物資が到着」,2018)

関連記事

世界で起こっている紛争に対し、日本の立ち位置や役割、行っている支援とは?

紛争地域の人々へ私たちができる支援とは

紛争のある地域の人々に対し、私たちにできることは何でしょうか。

命の危険があまりに大きい紛争地域に赴き直接支援を行うのは困難を極めます。

そのため、遠く離れた国で暮らす私たちにできる支援の一つとして寄付があります。

寄付・募金は少額から可能

現地では様々な団体や組織が支援を行っており、私たちは国際機関などに寄付することで活動をサポートすることができます。

寄付は簡単に行うことができ、少額がら手軽に申し込めます。

寄付には毎月同額の寄付額を継続的に支払う方法や、思い立ったときに任意の金額を寄付する方法があります。

金額も数百円の少額から数万円単位の額まで様々な選択肢から選ぶことが可能なため、無理なく、継続して行える方法を選択すると良いでしょう。

紛争地域で暮らす人々を一人でも多く救うため、私たちにできることとは

世界には紛争で苦しむ人々や、戦闘員として犠牲になる子どもがたくさんいます。難民となり劣悪な環境下で暮らさなければいけない人が多くいます。

紛争地域に暮らす人々に対し、生きるために最低限必要な物資の支援や長期的に紛争を防止する仕組みを作るための教育支援が求められています。

また難民キャンプで暮らす人々の人権を守る必要があります。日本は難民の受入数が少なく、直接力になれる機会は少ないですが、寄付という形で今すぐに彼らを支援することが可能です。

苦境にある難民を寄付するには?支援団体を5つ紹介!

難民支援だけでなく、紛争下で苦しむ人々を支援する団体への資金や人材がまだまだ足りていません。

特におすすめな難民支援団体は、難民支援協会、日本ユニセフ協会、ワールドビジョンジャパンの3団体です。ぜひこの機会にチェックしてみてくださいね。

▼難民支援をしている団体

団体名寄付アドバイザーが見た注目ポイント
難民支援協会(JAR)・国内の難民支援専門、20年以上の活動実績
・「難民」と「社会」に向き合い、寄り添う支援の特徴
・1日50円からの「難民スペシャルサポーター」になるとニュースレター・年次報告書を通じて、支援の現場からの活動の報告がある
難民を助ける会(AAR)・1979年にインドシナ難民支援を目的に日本で発足以来、活動地域や分野を広げながら65を超える国・地域で支援を展開してきた実績あり
・1997年には、AARが主要メンバーである地雷禁止国際キャンペーン(ICBL)がノーベル平和賞を共同受賞。1999年に読売新聞国際協力賞、2008年に沖縄平和賞を受賞。1998年には、国連経済社会理事会(ECOSOC)の特殊協議資格を取得し、国連に「公認・登録」されている
・「人道」「公平」「独立」「中立」の人道4原則に則り、「人道支援の行動規範」のほか、人道支援関連の諸基準を遵守しつつ活動するといったAARが大切にする「行動規範や社会的責任・人権方針」を掲げる
日本ユニセフ協会・国連機関ならではのスケールの大きな質の高い支援ができる。2019年のワクチンの供給数は24億回
・マンスリーサポート(月2,000円など、寄付額は任意)でできることが具体的に示され、支援の成果の報告が充実
・著名人(親善大使を担う人もいる)、企業・団体などユニセフの多くの支援者の存在
国連UNHCR協会・1954年と1981年にノーベル平和賞を受賞するなど活動への国際的評価がなされている
・2020年の寄付は総額57億9487万円に達し、寄付金の96.8%を占めるUNHCR寄付金のうち約84.5%にあたる47億4637万円をUNHCR本部に送金している
・1991年2月から2000年12月までの10年間で組織規模も予算も2倍の成長。国連難民高等弁務官として人道危機の最前線で活動し、難民支援の新しい枠組みを作りあげた緒方貞子さんの功績
ワールド・ビジョン・ジャパン・途上国の子どもと心のつながりを持ちながら、支援の成果を感じられる寄付プログラム「チャイルド・スポンサーシップ」が特徴
・「1日あたり150円の支援で、子どもたちの未来が変わります」「何もかもはできなくとも、何かはきっとできる」などのメッセージから団体が大切にしていることが伝わる
・「10秒に一人/1日に3つの学校にきれいな水を届ける」「貧困の根本原因を解決することで2億人以上の子どもたちの生活状況が改善」「極度の栄養不良にあった子どもたちの89%が完全に改善」など、活動の影響を具体的な数字で示している
動画はこちら
CATEGORY

紛争