gooddoマガジン|社会課題やSDGsに特化した情報メディア

2019年現在も紛争が解決していない国や地域は?原因を知り解決策や支援について考えよう

2019年現在も紛争が解決していない国や地域は?原因を知り解決策や支援について考えよう

アメリカ同時多発テロを起こしたアフガニスタン紛争をはじめとして、世界にはいまだ紛争が存在しています。そしてその影には、紛争の犠牲となる子どもたちが存在しています。彼らは兵士として戦闘と他者の殺害を強要され、未来の紛争を担う立場となっていきます。

さらに紛争終結後も満足のいく教育の機会を与えられず、ふとしたことで暴力的な思想に染まってしまう恐れがあるのです。こうした子どもたちの状況を改善するためには、紛争の原因を把握し、紛争そのものを解決することを考えていかなければなりません。

そしてその中で物資支援や教育支援を継続させ、現在失われようとしている命を救うのです。
こうした根本的な解決と現場支援を組み合わせることで、紛争をなくし、子どもが平和の中で生きる環境を作ることができます。

今回はそもそも紛争とは何なのか、世界で起こっている紛争に対しどのような解決策が必要かなどをふまえ、私たちにできる支援について考えます。

世界で多発し長引いている紛争とは

まずは「紛争」がどのようなものかについて解説します。

紛争・内戦・戦争の違い

紛争とはそもそも広い意味で「争いごと」を指す言葉ですが、この記事で紹介する紛争は対立する組織による武力を用いた一時的もしくは突発的な衝突です。

さらに、似た意味を持つ「内戦」および「戦争」についても説明しましょう。
紛争・内戦・戦争について明確な分け方は存在しませんが、まずは規模の大きさと衝突の継続性によって「紛争」と「内戦・戦争」に分かれます。

  • 紛争:比較的規模が小さく、一時的もしくは突発的な武力衝突
  • 内戦・戦争:比較的規模が大きく、継続的な武力衝突

その上で、複数の国が関わるか否かによって「内戦」と「戦争」に分かれます。

  • 内戦:一つの国の中での武力衝突
  • 戦争:国家間における武力衝突

ただし、前述したとおり言葉の使い分けは明確になされているわけではありません。
後述する紛争の具体例の中には最早一時的といえないようなものもあります。また内戦であっても比較的短期間で終了するものもあります。

そのため武力衝突の背景について考え、名称に惑わされず、それがどのような原因で起こっているのかという視点から武力衝突の解決を図る必要があるのです。

紛争が起こる主な原因

前述したとおり、この記事では「紛争=対立する組織による武力を用いた、比較的規模が小さく、一時的もしくは突発的な衝突」という定義を前提とします。
規模が小さいといっても国と国による武力衝突ではないといった程度の意味なので、死者が数万人を超えることもある点には注意が必要です。

その上で紛争が起こる原因は実に様々です。
権力者の心理的な側面から物理的な事情、宗教上の対立などあらゆる要素が複雑に絡み合って起こるのが紛争です。
紛争が起こる原因をまとめると以下の通りになります。

  • 宗教上の争い
  • 土地や資源の奪い合い
  • 権力者の利害関係
  • 国内の経済事情
  • 文化や民族性の差異
  • 政治的信条の差異
  • 勢力均衡の崩壊
  • 構造的暴力
  • 差別

ポイントは上記した複数の原因が複雑に絡み合って紛争が起こるというところです。
時には紛争当事者にとっても、何が原因なのか明確にわからなくなることさえあります。

なぜ紛争が起こっているのか。この点を考えることは紛争の解決に必須です。
原因に即した解決方法をとることができなければ、紛争の再発リスクは高まります。

2019年現在もなお紛争が長引いている国、危険な国や地域とは

現在でも紛争が起こっている国は決して少なくありません。
そして、何年も何十年も解決せずに紛争状態が長引いている地域では多くの死亡者が出ています。

紛争による犠牲者を一人でも減らすために、必要な解決策を考えてみてはいかがでしょうか。
多くの紛争に共通する要素が見えてくるかもしれません。

アフガニスタン紛争

アフガニスタンは紛争が1978年から断続的に続いています。
世界的に有名となったビン=ラディンなどが登場するのがこのアフガニスタン紛争です。

アフガニスタン紛争に至った経緯

アフガニスタン紛争の始まりは1978年に起こった、当時の政権であるアフガニスタン人民民主党に対する武力蜂起です。
そして政権に対する武力抵抗が国中に広がり、人民民主党が当時のソビエトに軍事介入を要請しました。

そしてソビエトの介入があり、大統領が殺害され、政権争いと武力衝突は激化していきます。
ソビエトの介入に対立するように抵抗勢力に対するアメリカの支援があるなど、アフガニスタン紛争を介した当時の強国の間接的な対立も存在しました。
その後、国連によるソビエト軍の撤退についての決議があり、1989年にソビエト軍はアフガニスタンから撤退しています。

しかしアフガニスタン紛争はソビエト軍の撤退で終わったわけではありませんでした。軍こそ撤退したものの、ソビエトによるアフガニスタン人民民主党への援助は続いており、それに対抗するように抵抗勢力へのアメリカの援助も続いていたためです。
そのためアフガニスタンでは対立する勢力の武力衝突が依然として続きます。その中でタリバン政権の台頭があり、2001年にはアメリカ同時多発テロが起こりました。

その後はアメリカ軍が集団的自衛権の行為を行使し、アフガニスタン紛争はアフガニスタン戦争へと変わっていきました。現在は戦争こそ一応の終結をみていますが、断続的な武力衝突は続いています。

解決するために必要なこと

一見しただけで紛争の原因がどこにあるか判別するのが難しいことがわかります。

その中で一つ確かなことは、アフガニスタン内で「アフガニスタン、インド、ソビエトという勢力があり、それに対立する形でバキスタン、アメリカ、中国というもう一つの勢力があったこと」です。
そこには共産主義と資本主義という冷戦の対立構造がありました。

そして対立勢力による武力衝突の連鎖が憎しみや怒りの感情をどんどん増幅させた点も問題です。
今となっては結果論にしかなりませんが、一方的な立場での他国への介入は不要であったといえます。そうして武力衝突の規模を拡大させず、縮小させていくことが紛争の解決には重要でしょう。

シリア内戦

シリア内戦は、2011年当時のアサド政権と、民主化を望む市民の武力衝突です。
そして反体制派については、アメリカ、EU諸国、トルコなどが資金提供をしていました。最終的にはロシア、中国、イランがアサド政権への支援を行っています。結局のところ、シリア内戦も欧米諸国とそれに対抗する国々の代理戦争の機能を有していたのです。

その中でイスラム国の台頭もあり、内戦は三つ巴となって泥沼化していきます。
その後、継続的な武力衝突が続き、現在はシリア内におけるイスラム国の支配地域は消滅したとされています。

解決するために必要なこと

シリア内戦もアフガニスタン紛争と同様に、諸外国が2つの勢力に分かれて介入した点に大きな問題があります。
このような政治的信条および利益目的で外国に介入する国がなくなることは紛争解決の第一歩です。

コンゴ内戦

コンゴ内戦は1996年~2003年に行われたもので、コンゴを舞台にルワンダ、ウガンダ、アンゴラなどが介入しました。
これまで紹介したアフガニスタン紛争やシリア内戦との大きな違いは、コンゴ内戦は民族対立の側面が色濃かった点です。
また第二次コンゴ戦争と呼ばれている1998年から2003年にかけてのものは、ジンバブエ、ナミビア、スーダン、チャド、アンゴラが軍事介入しており、戦争に近しい側面すら持つようになっていました。

こうしたコンゴ内戦は2002年のプレトリア包括和平合意により一応の終結をみています。しかし民族対立による殺害行為や略奪行為は未だに続いているのも事実です。

解決するために必要なこと

コンゴ内戦で特筆すべきはやはり民族対立です。
コンゴ内戦の一つの引き金が、ツチ族とフツ族の対立から起こり100万人ともいわれる犠牲者を出したルワンダ虐殺です。こうした民族対立は、敵対する民族の差異のみでとらえられることがありますが、多くの場合、それは正確ではありません。

なぜならば民族対立が武力衝突に発展するまでには、一方の民族を敵視するような政策、過激派の存在、土地や資源をめぐる対立などが複雑に絡み合っているためです。
そのため民族対立を過激にする要因を一つずつ細かく把握し、対処することが紛争解決に役立ちます。

イラク内戦

イラク内戦も民族対立の色濃いもので、イスラム教のシーア派とスンニ派が衝突しています。
その背景には、スンニ派であるフセイン政権によるシーア派への長きにわたる弾圧がありました。そして、フセイン政権が倒れて成立したシーア派政権の中で、スンニ派の不満が蓄積され、ついに武力衝突に発展したのです。

解決するために必要なこと

こうした民族対立の構造を持つ紛争を解決するために、一つは過激派への対応が挙げられます。
民族対立の原因が根深いところにあったとしても、それが血なまぐさい武力衝突に発展する引き金を引くのは過激派の存在ということができます。

そして盲目的に民族を二分化する考え方も対立を深めます。そのため、これらを避けることにつながる政策や教育が求められています。

クルド対トルコ紛争

クルド対トルコ紛争は、その名のとおりトルコ政府とクルド人の武力衝突です。
この対立は1920年から今日にいたるまで続いています。そして対立の根底にあるのは、トルコ人とクルド人それぞれの政治思想や民族のあり方などの考えの違いがあります。

解決するために必要なこと

トルコ対クルド紛争の問題点は、トルコ政府がマジョリティであるのに対してクルド人はマイノリティであるところにあります。
クルド人は「国を持たない民族」とも呼ばれており、こうした存在は一つの国が国としての団結を促すために敵対勢力ややり玉として挙げられることが多いのです。

現在では難しいのが実状ですが、こうしたクルド人の自治区を確立させることができると紛争は収まると考えられます。

リビア内戦

リビア内戦には2011年に起こった当時の政権に対するデモをきっかけとした政権打倒の武力闘争と、2014年から現在に至るまで続いている各種政府とイスラム国系の武装勢力が乱立するものがあります。

解決するために必要なこと

リビア内戦の問題は、民主的な手法で選ばれた「トリポリ政府」と国際的に認知された「トブルク政府」という形で、複数の政府が構築された点にあります。どちらもある種の正当性を有するため、武力闘争に発展するのです。

また確立した一つの政府が存在しないことで、領土を狙う武装勢力が幅を利かせる恐れも出てきます。
リビア内戦では、まさにイスラム国系の武装勢力がリビアの土地を狙って政府が定まらない隙に力を持ちました。

本来ならば民主的な手法で選ばれた政府は尊重されるべきですが、それに周辺諸国の利害がからむと事態は一気に難しくなります。ここまで見てきたとおり、結局のところ一国の政治にどこまで周辺の国が介入するかが解決のとっかかりになるのです。

イエメン内戦

イエメン内戦は2015年に起こり、現在に至るまで続いているものです。ここでは、大統領勢力、フーシ派、アルカイダ勢力の3つが武力を用いて対立しています。
そして、大統領勢力の背後にはサウジアラビアを中心とするイスラム教スンニ派があり、フーシ派の背後にはイランがいます。つまり代理戦争としての側面も有しているのです。

解決するために必要なこと

イエメン内戦については、やはり外国の介入が紛争を悪化させる大きな原因になっています。またここまで紹介した中東の各国家について共通する要素でもありますが、国の立地も紛争を起こす大きな理由になります。
日本のような島国ではなく、諸外国が容易に入り乱れることのできる立地にある国は紛争の舞台となりやすいのです。

もちろん立地自体を変えることはできないため、結局は外国の安易な介入を防ぐ取り組みが必要になります。

関連記事

世界で起こっている紛争問題、どこの国や地域で起こっている?国と原因を一覧で見てみよう

紛争地域では子どもも犠牲者に

このように現在であっても世界では紛争が確かに続いています。そして、そこでは子どもが犠牲になるのです。ここでは紛争地域における子どもの苦難を解説します。

子ども兵士(少年兵)

紛争地域でとりわけ問題になるのが子ども兵士です。
彼らは半ば強制的に徴用され、人を殺傷させられているのです。
子どもは価値観や倫理観が未熟な状態にあるため洗脳に近しいような刷り込み教育を行いやすく、兵士として使いやすいのです。

現在は世界各国で30万人程度の子どもが兵士として使われているとされています。こうした子どもは紛争終結後もトラウマに苦しみ、健全な生活を送ることができなくなる恐れがあるのです。

(出典元:ユニセフ公式サイト)

栄養失調・食糧不足

紛争によって食料が不足すると、子どもが栄養失調の状態になります。そして抵抗力が弱まり、感染症などで命を落とすのです。
病気にならないとしても、生命活動を維持するだけのエネルギーを摂取することができず餓死してしまう場合もあります。

性的虐待や暴力

さらに対立勢力に対する性的虐待や暴力が子どもに及ぶ場合もあります。
また極度のストレス状態が続いてしまうと、ひどい場合は子どもが子どもに暴力をふるうような状況すら生まれるのです。

病気・感染症

長年の紛争にさらされた地域では、水不足が深刻な不衛生の状態を引き起こす場合があります。そうすると病気・感染症が蔓延し、それにより子どもが命を落としていきます。

教育問題

こうした数々の問題は、子どもから教育の機会を奪います。
そもそも紛争地域では教育の体制そのものが整っていない場合が多いため、紛争終結後であっても満足に教育を受けることのできる子どもはごくごく一部です。

そして教育の不在が権力や過激な思想に染まりやすい子どもを生み、負の連鎖が続くのです。
そのため教育の支援は長期的に紛争を防止することにつながります

関連記事

戦争や紛争、内戦に巻き込まれる子どもたちを脅かす危険や暴力とは

紛争地域で現在行われている支援活動

それではこうした紛争地域に対してどのような支援がなされているのでしょうか。一つ大きなものとしては物資の支援が挙げられます。紛争地域に供給されるものの代表的な物資は以下のとおりです。

  • 安全な水
  • 食料
  • 仮説住居
  • 衛生設備、衛生用品
  • 毛布
  • 医薬品

武力を用いた戦闘や爆撃が多発する紛争地域では、教育のような高等な支援の前に、まずは人が生きるために必要な最低限の物資を供給する必要があります。
その上で教育についての支援を行い、長期的に紛争を防止する仕組みを作ることができれば理想です。

関連記事

世界で起こっている紛争に対し、日本の立ち位置や役割、行っている支援とは?

紛争地域の人々へ私たちができる支援とは

紛争地域に対する支援の内容がわかったところで、次は私たちにできる取り組みをみていきましょう。
結論から述べると、命の危険があまりに大きい紛争地域に赴き直接支援を行うのは困難を極めます。

そのため、遠く離れた国で暮らす私たちにできる支援の一つとして寄付があります。

寄付・募金は少額から可能

現地では様々な団体が支援を行っており、私たちはそうした支援団体に寄付することで活動をサポートすることができます。

最近ではウェブから簡単に行うことができ、少額がら手軽に申し込めます。
寄付には毎月同額の寄付額を継続的に支払う方法や、思い立ったときに任意の金額を寄付する方法があります。

金額も数百円の少額から数万円単位の額まで様々な選択肢から選ぶことが可能なため、無理なく、継続して行える方法を選択できるのがメリットです。

また、寄付をすることで支援段階の活動内容を報告するレポートが届くような仕組みもあるため、寄付が紛争問題をより詳しく知るためのきっかけにもなります。

2019年は紛争の原因を知り、紛争地域で暮らす人々を一人でも多く救おう

今回は世界にいまだ残る紛争と、そこで犠牲になる子どもについて解説しました。深刻な状況を垣間見ることができたでしょうか。

こうした子どもたちを救うために私たちにできることは決して多くありません。
しかし、少額の寄付でも彼らの生活を一時的にでも向上させるのも事実です。

この記事で解説したとおり紛争には様々な原因が複雑に絡み合っています。
まずは紛争問題に対して理解を深めることも支援の第一歩です。

まずは紛争で苦しむ人々のために問題について調べたり、少額の寄付をしてみるのも良いかもしれません。

紛争に関する記事