テロや暴動、デモとは?過去の事件や原因について解説

現在、世界に目を向けると暴動やデモが起こったというニュースを耳にすることがあります。
また少し前にはテロが頻繁に起こっていた時期もありました。

このようなテロや暴動、デモとは一体何なのでしょうか。それぞれの違いや過去の事件や原因を知ることで理解を深めましょう。

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テロ・暴動・デモの違いとは?


テロと暴動、デモの違いについて、それぞれの言葉の定義から違いを見ていきます。

テロとは

テロは、国際法上の定義はないものの、外務省によると一般的に「特定の主義主張に基づいて、国家などにその受け入れを強要したり、社会に恐怖を与える目的で殺傷・破壊行為(ハイジャック、誘拐、爆発物の設置など)を行ったりすること」を指すとされています。

有名なテロ行為の一つとして、アメリカでの同時多発テロ事件「9.11」が挙がります。

暴動とは

暴動は多数の市民や民衆が集団で暴行や脅迫、あるいは破壊活動など暴力的な活動など社会の秩序を乱す不穏な行動のことを行うことを言います。

2019年にインドネシアのパプア州で起こったように、デモから大規模な暴動に発展するケースもしばしば見られます。

デモとは

デモとはデモンストレーションの略称であり、特定の意思や主張を持った人が集まり、集団でその意思や主張を他に示す行為です。

また日本ではデモを行うために一般道などを占有する場合は警察の許可を取る必要があり、暴動などに発展する可能性がある場合は警察の監視が付くことになります。

  • テロは一般的に「特定の主義主張に基づいて、国家などにその受け入れを強要したり、社会に恐怖を与える目的で殺傷・破壊行為(ハイジャック、誘拐、爆発物の設置など)を行ったりすること」を指す
  • 暴動は多数の市民や民衆が集団で暴行や脅迫、あるいは破壊活動など暴力的な活動など社会の秩序を乱す不穏な行動のことを指す
  • デモは特定の意思や主張を持った人が集まり、集団でその意思や主張を他に示す行為

(出典:外務省「わかる!国際情勢 テロのない世界を目指して」)
(出典:外務省海外安全ホームページ「インドネシア・パプア州及び西パプア州におけるデモ・暴動発生に伴う注意喚起」,2019)
(出典:警察庁「道路使用許可の概要、申請手続き」
(出典:長野県警察「集会・デモ行進等の申請について」)

近年あった大規模なデモ・暴動


現在でも世界各地で大規模なデモや暴動が起こっていますが、とりわけ香港のデモは世界的に注目されています。

デモや暴動を知ることは、世界の情勢を知る上で重要な情報となりますが、近年で起こったデモや暴動の一例を紹介します。

2019年チリ暴動

チリでは2019年10月18日に暴動が発生しています。この暴動はサンディエゴ市旧市街を中心として、10月7日から始まった地下鉄運賃値上げに反対する抗議活動が発端となりました。

サンディエゴ市で始まった抗議活動はチリの各地へと飛び火しました。
そのうちの一部の参加者が暴徒化し、放火や略奪などの暴力行為が行われたことで治安部隊と衝突し、暴動へと発展していったのです。

この暴動に関して翌日の19日、ピニュラ大統領は首都圏州サンティエゴ市とプエンテアルト区、サンベルナルド区、チャカブコ区で緊急事態宣言を発令すると発表しました。

デモ活動および国民感情の高まりを鎮火させるため、チリの内閣の大幅改造と弱者救済や格差是正を目的とした「社会アジェンダ」と呼ばれる政策を発表しています。
(出典:外務省「海外安全ホームページ チリ:地下鉄運賃値上げに反対する大規模な抗議活動に関する注意喚起(新規)」)
(出典:日本貿易振興機構JETRO(ジェトロ)「デモが各地に拡大、チリ政府は社会アジェンダを推進し沈静化図る」,2019)

2018年フランス:黄色いベスト運動

2018年11月から毎週土曜日に行われるようになったフランスの「ジレ・ジョーヌ(黄色いベスト)運動」。

黄色いベスト運動は、2019年1月に実施予定となっていた燃料税の引き上げに対するデモ運動から始まったとされています。

しかし、抗議デモを伴う暴力や破壊行為を行う暴動と化し、マクロン大統領はこの行為を糾弾しました。
これらの抗議デモおよび暴動を沈静化するため、政府では社会および経済的な対策として早急な減税の実施と財政支出の効率化を推し進める意向を示しました。

そして12月10日には法定最低賃金の引き上げや超過勤務手当にかかる所得税および社会保険料の免除、特別手当に対する非課税措置を発表しています。
黄色いベスト運動は縮小化が見られるものの2019年11月時点でも行われており、始まってから1年が経過しています。

(出典:独立行政法人 労働政策研究・研修機構「特別手当、1,000ユーロを上限として非課税措置」)
(出典:日本貿易振興機構JETRO(ジェトロ)「抗議デモ運動、マクロン大統領が対応策を発表」,2019)

2019年:香港「逃亡犯条例」改正に関するデモ

香港では2019年6月から「逃亡犯罪人条例等改正案」に対する抗議デモが香港島、九龍、新界の市街地を中心に行われています。

一連の抗議デモは警察への事前申請が行われ、許可を受けて行われていましたが、最近の抗議活動の中には不許可のものやゲリラ的な抗議活動が行われる傾向も見られ、警察との衝突がエスカレートしています。

衝突を鎮圧するために警察側が催涙弾やゴム弾などを大量に使用する一方で、抗議者側も火を使用するなど、手段が激化する傾向にあり、逮捕者も大量に出て、抗議者・警察側ともに負傷者が増大しています。

地下鉄駅構内や商業施設、空港などでも行われるケースがあり、公共交通機関などではストライキやサボタージュも行われ、交通機関が麻痺するなどの影響も出ています。

この抗議デモは2019年11月現在も行われています。

香港と中国の関係性

香港のデモが大規模かつ長期的なものに発展した背景には、逃亡犯条例の改正案と香港のこれまでのあり方が関係しています。
香港は1997年にイギリスから中国に返還されましたが、その後も50年間は「一国ニ制度」による高度な自治が認められています。

一国二制度とは、一つの国(中国)の中で、二つの制度(社会主義と資本主義)が併存して実施されることです。

そして、中国により逃亡犯条例改正が施行されることで、香港の自治が崩れるという見方もされています。

逃亡犯条例の改正案では、香港が犯罪人引き渡し協定を締結していない国や地域の要請に基づいて、容疑者引き渡しを可能とするとされています。

  • デモや暴動を知ることは、世界の情勢を知る上で重要な情報となる
  • 1日や短期間で終わるデモもあるが、1年以上の長期に渡るデモもある
  • 近年ではチリ暴動、黄色いベスト運動、香港「逃亡犯条例」改正に関するデモなどが行われている

(出典:外務省海外安全ホームページ「香港の危険情報(新規)」,2019)
(出典:外務省「香港の中国返還Q&A」)

近年あった日本のデモ活動


海外では大規模なデモや暴動が起こっていますが、日本国内でもデモ活動は行われています。

デモ活動はその時々に起こる社会問題に対して実施されており、そのうちの一部を紹介します。

2015年平和安全法制をめぐる動向

平和安全法制とは日本国内および国際社会の平和・安全のための切れ目のない体制の整備を謳っており、安全確保のため自衛隊法や国際平和協力法など一部を改正する法整備になります。

2015年5月中旬から平和安全法制をめぐり、国会議事堂周辺などで断続的な抗議行動が行われました。
参議院で採決される前の2015年8月30日には、国会議事堂周辺などに約12万人(主催者発表)もの抗議活動参加者が集まりました。

しかしこのデモは反対派ばかりではありませんでした。安保法制に賛成する動きもあり、反対デモだけでなく賛成デモも行われていました。

(出典:内閣官房「平和安全法制」の概要」)
(出典:警察庁「大衆運動の動向」)

2015年沖縄県普天間基地移設におけるデモ

沖縄県普天間に置かれている米軍の基地が沖縄県辺野古へ移設することが決まったものの、移設計画の撤回や工事中止などを訴え、2015年にキャンプ・シュワブゲート前で抗議行動が行われました。

2015年5月17日に那覇市内で開催された集会においては約35,000人(主催者発表)が参加し、都内では国会議事堂周辺などで抗議行動が行われました。

(出典:警察庁「第6章 公安の維持と災害対策」)

2017年憲法改正をめぐるデモ

日本では戦後70年以上、憲法が制定されてから改正されることはありませんでした。そんな中で現政権では憲法改正に向けた動きがあります。

現在は憲法改正案の段階ですが、その案の中でも特に注目を集めるのが第九条における国防軍の要綱の追加についてです。
第九条の憲法改正を巡り、2017年5月3日に都内で抗議行動が行われ、約55,000人(主催者発表)の参加者が集まりました。

またテロ等準備罪の新設などを内容とする組織的犯罪処罰方の改正を巡って、2017年6月10日には国会議事堂周辺で約18,000人(主催者発表)による抗議行動が行われました。

  • 日本でも様々なデモが行われている
  • 近年行われた大規模なデモでは約12万人も集まったデモがある(主催者発表)
  • 憲法や法律の改正、米軍の基地問題などでは多くの人が集まりデモが行われた

(出典:警察庁「第6章 公安の維持と災害対策」)

東京2020に向けて日本が行っているテロ対策とは?


先述した大規模な抗議活動が行われても、日本国内で大きなテロなどが起こることはこれまでほとんどありませんでした。

しかし2020年には東京でのオリンピックが行われ、世界から様々な選手や観戦者など多くの渡航者が訪れます。各国要人も観戦に訪れる可能性があり、テロが起こる可能性も高まります。

そのため、テロの可能性に対して日本でもテロ対策を講じ、準備が進められています。

これまでもG20など各国の要人が日本を訪れることはありましたが、今度は大規模かつ長期間に渡る対策が必要となります。では、どのようなテロ対策が行われているか紹介します。

東京2020に向けたテロ対策の取り組み

東京2020に向けて主に7つの項目でテロ対策が行われています。
テロを防ぐ上で必要な情報収集や集約、分析は重要であり、その強化が第1の対策となっています。

昨今のテロ行為の主犯格として報道されることが多いイスラム過激派などの情報収集を徹底的に行っていくとともに、情報の収集や分析に必要な体制の充実、情報収集衛星の活用などが行われています。

また、水際対策の強化として出入国及び税関体制の管理強化のほか、最先端技術の活用による合同訓練などを行い、水際情報の収集や分析の強化もはかっています。

そしてソフトターゲット(警備や監視が手薄で攻撃されやすい標的)に対し、テロを未然に防止するために、車両突入テロ対策の推進や空港ターミナルビルの警備体制の強化が行われています。

これはフランスで起こった車両による突入テロや、アメリカで起こった同時多発テロのようにハイジャックによる自爆テロなども想定した強化対策です。

テロ対策は政府だけが行うものではなく、官民が一体となった対策が必要です。そのため官民協働対策体制の強化を行い、国内の外国人コミュニティとの連携強化も同時に進めています。

さらに海外にいる邦人が人質となるケースもあるため、そのような人たちへの情報発信や注意喚起などが強化されています。他にも国際協力事業に係る安全対策の推進も行われています。

日本国内のでテロの防止を対策していますが、国内だけでなく近隣国や地域でのテロも視野に入れる必要があります。

そのためテロ対策のための国際協力も推進され、東南アジア地域に拡大するテロの脅威への対策を国際社会と緊密に連携して行うとしています。

  • 2020年の東京オリンピック・パラリンピックでは世界中から多くの観光客や要人が集まる
  • テロが起こる可能性も高くなるため、日本は様々な分野で対策を強化している
  • 東南アジア地域に拡大するテロの脅威への対策を国際社会と緊密に連携して行うとされている

(出典:首相官邸「2020年東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会等を見据えたテロ対策推進要綱」)

テロ・暴動・デモで世界の政治や情勢がわかる


世界では現在もデモをはじめとして、大規模な暴動やテロが起こっています。

ニュースでも取り上げられますが、それは一部であり私たちが知らない暴動やテロもたくさんあります。

しかし、テロや暴動、デモなどを知ることでその国の情勢が垣間見えたり、世界の政治や抱えている問題などについて分かるのです。
日本でもいつテロが起きるかわかりません。日本国内だけでなく、海外のニュースについてもチェックしてみてはいかがでしょうか。

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