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持続可能な開発目標・SDGsの目標14「海の豊かさを守ろう」のターゲットや現状は?

持続可能な開発目標・SDGsの目標14「海の豊かさを守ろう」のターゲットや現状は?


SDGsの目標14では、「海の豊かさを守ろう」を目標として明示しています。持続可能な開発目標(SDGs)では、海洋と沿岸の生態系を持続可能な形で管理し、陸上活動に由来する汚染から守ると共に、海洋酸性化の影響に対して対策を取ることに取り組んでいるのです。

海は地球の表面積の70%以上を覆っており、そこには、確認できているだけでおよそ20万もの生物種が生息しています。しかし、海洋汚染や資源の乱獲などの問題が長年指摘されてきながらも、対策が遅れていることが現状です。

昨今では、汚染物質の海洋投棄に加えて、プラスティックゴミの投棄も世界各国で問題視されるようになってきています。

SDGsの目標14の課題は、一国の取り組みではなく、国際的に一致した取り組みが必要です。
この記事では、SDGsの目標14「海の豊かさを守ろう」について、わかりやすく解説します。

(出典:日本海事広報協会公式サイト)

持続可能な開発目標・SDGsとは?17の国際目標やターゲットなどを解説

持続可能な開発目標・SDGsとは


SDGs(sustainable development goals: 持続可能な開発目標)とは、2015年9月の国連サミットにおいて全会一致で採択された、2030年を年限とする国際目標です。

誰一人取り残さず、持続可能で多様性と包括性のある社会を実現するために、SDGsでは17個の国際目標の下に、169のターゲットと232の指標が定められています。

SDGsは発展途上国だけではなく、先進国自身も取り組まねばならない人類共通のユニバーサル(普遍的)な課題です。SDGsは、国だけではなく、企業・研究機関・大学・市民団体などの関わりが重要と認識されています。

SDGsの目標14「海の豊かさを守ろう」の内容とターゲット


「海と海洋資源を守り、持続可能な利用を促進する」というSDGs14は、海洋・沿岸生態系の保全と持続可能な利用を推進し、海洋汚染を予防するとともに、海洋資源の持続可能な利用によって小島嶼開発途上国(太平洋・西インド諸島・インド洋などにある、領土が狭くて低地の島国)とLDCs(後発開発途上国)の経済的利益を増大させようとするものです。

そのため、海洋と沿岸の生態系を持続可能な形で管理し、陸上活動に由来する汚染から守るとともに、海洋酸性化の影響にも取組むことが求められています。

「海の豊かさを守ろう」という目標を達成するために、現在では、国際法を通じて海洋資源の保全と持続可能な利用が強化されているとともに、目標14と関連する複数の目標を同時に達成するような、包括的なアプローチの重要性が認識されつつあります。

ターゲット

ターゲット
14.1 2025年までに、海洋ごみや富栄養化を含む、特に陸上活動による汚染など、あらゆる種類の海洋汚染を防止し、大幅に削減する。
14.2 2020年までに、海洋及び沿岸の生態系に関する重大な悪影響を回避するため、強靱性(レジリエンス)の強化などによる持続的な管理と保護を行い、健全で生産的な海洋を実現するため、海洋及び沿岸の生態系の回復のための取組を行う。
14.3 あらゆるレベルでの科学的協力の促進などを通じて、海洋酸性化の影響を最小限化し対処する。
14.4 水産資源を、実現可能な最短期間で少なくとも各資源の生物学的特性によって定められる最大持続生産量のレベルまで回復させるため、2020年までに、漁獲を効果的に規制し、過剰漁業や違法・無報告・無規制(IUU)漁業及び破壊的な漁業慣行を終了し、科学的な管理計画を実施する。
14.5 2020年までに、国内法及び国際法に則り、最大限入手可能な科学情報に基づいて、少なくとも沿岸域及び海域の10パーセントを保全する。
14.6 開発途上国及び後発開発途上国に対する適切かつ効果的な、特別かつ異なる待遇が、世界貿易機関(WTO)漁業補助金交渉の不可分の要素であるべきことを認識した上で、2020年までに、過剰漁獲能力や過剰漁獲につながる漁業補助金を禁止し、違法・無報告・無規制(IUU)漁業につながる補助金を撤廃し、同様の新たな補助金の導入を抑制する**。
**現在進行中の世界貿易機関(WTO)交渉およびWTOドーハ開発アジェンダ、ならびに香港閣僚宣言のマンデートを考慮。
14.7 2030年までに、漁業、水産養殖及び観光の持続可能な管理などを通じ、小島嶼開発途上国及び後発開発途上国の海洋資源の持続的な利用による経済的便益を増大させる。
14.a 海洋の健全性の改善と、開発途上国、特に小島嶼開発途上国および後発開発途上国の開発における海洋生物多様性の寄与向上のために、海洋技術の移転に関するユネスコ政府間海洋学委員会の基準・ガイドラインを勘案しつつ、科学的知識の増進、研究能力の向上、及び海洋技術の移転を行う。
14.b 小規模・沿岸零細漁業者に対し、海洋資源及び市場へのアクセスを提供する。
14.c 「我々の求める未来」のパラ158において想起されるとおり、海洋及び海洋資源の保全及び持続可能な利用のための法的枠組みを規定する海洋法に関する国際連合条約(UNCLOS)に反映されている国際法を実施することにより、海洋及び海洋資源の保全及び持続可能な利用を強化する。

(出典:外務省「JAPAN SDGs Action Platform」)

世界の漁業資源の30%が乱獲されている現状


WWFによると、海洋生物個体群の規模は1970年から2012年にかけてほぼ半減(49%)したと言われています。海洋生物個体群の規模が半減した理由として考えられているのは、過剰漁獲・違法操業・そして破壊的な漁業です。

また国連食糧農業機関(FAO)の発表では、同機関が監視する水産資源のほぼ30%が乱獲されており、持続可能な水産資源に頼る世界の数千万人の生活を脅かしているとも言われています。

農林水産省によると、主要国一人当たりの食用魚介消費量ランキング(年間)で日本は3位にランクインしています。1位から順に韓国、ノルウェー、日本、中国、インドネシアとなっており、アジア圏の国々で食用魚介が多く消費されています

そのため、SDGs14は魚類をたくさん食べる日本人にとっては身近な課題と言えます。

さらに、SDGs14は食べる魚が減る、海の生態系が破壊されるという環境問題だけではなく、小規模漁業に関する問題にも関連しているのです。

水産資源が減少するようになれば、当然雇用も減少するため、海で持続可能な漁業が行われることは、十分な魚を海に残してその生息域を保護するという環境保護という課題であるだけではなく、漁業で生計を立てる人々の生活を安定させることにもつながります。

(出典:WWF(世界自然保護基金)ジャパン「生きている地球レポート」)
(出典:農林水産省「平成29年度水産白書」)
(出典:国連食糧農業機関 発表資料,2012)

海洋資源を守るために必要なこととは?


海洋資源を守るために、最近では持続可能な漁業が推進されています。

具体的な取り組みとして、しっかりと資源を守るための取り組みをした水産物にラベルを付けることで、「資源や生態系に配慮した、安心して食べられる魚」ということを示すことによって、消費者が持続可能な漁業に自発的に取組むことができる世界的な仕組みが作られました。

海のエコラベルは「海洋管理協議会(MSC:Marine Stewardship Council)」の漁業認証制度や「水産養殖管理協議会(ASC:Aquaculture Stewardship Council)」の水産養殖認証制度の仕組みの一つです。

環境に大きな負担をかけず、労働者と地域社会にも配慮した養殖業を「認証」し、「責任ある養殖水産物」であることが一目でわかるよう、エコラベルを貼付して、マーケットや消費者にアピールすることができます。

昨今では、海の汚染の原因としてプラスチックごみの投棄も大きな要因であると言われています。いわゆるマイクロプラスティック問題です。
マイクロプラスティック問題に対しては、そもそも製造の段階でプラスティックを使わない代替製品に切り替えるという取組みがなされています。

大切な海と海洋資源を守るために、私たちも行動しよう


海は、漁業や観光業などを通じて、人類の社会、経済的発展に不可欠な資源を提供しています。そのため、こうした海洋資源を持続的に開発し、生態系を保全することはSDGs14の達成にとって非常に重要です。

特に、海洋資源は水質汚染や気候変動といった環境変化に対して脆弱な側面をもっています。加えて、海洋や沿岸地域の環境を悪化は、生態系を歪めてしまうだけではなく、地域住民の生活を脅かすことに繋がる可能性があります。

大切な海と海洋資源を守るためには、国や自治体、企業が動くだけでは十分ではありません。私たち一人ひとりが大切な海と海洋資源を守るために行動することが大切です。

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