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世界でも深刻なごみ問題とは?問題の原因や現状、リサイクルについて解説

世界でも深刻なごみ問題とは?問題の原因や現状、リサイクルについて解説

世界におけるごみ問題は、深刻な状況にあります。

社会問題として認知されており、2015年9月の国連サミットで採択された「SDGs」でも2016年から2030年の国際目標として17のゴール・169のターゲットに含まれているのです。
そんな中で、近年は廃棄物を再利用する「リサイクル」というキーワードも注目を集めています。
今回は、世界でも深刻なごみ問題の原因や現状、リサイクルについて様々な角度から解説します。

世界のごみ問題の現状とは

世界で起きているごみ問題は、世界各国が持続可能な開発を目指すために国連サミットで取り決めを行なった「SDGs」にも大きく関わっています。
この項目では、SDGsで制定された目標とごみ問題の関係を説明します。

目標12「つくる責任 つかう責任」

この目標を制定した背景には、大量生産・大量消費の暮らしが地球に大きな負担を掛けていることがあります。
人間の自然資源に対する需要と、環境への圧力を示す指標に「エコロジカル・フットプリント」が用いられていますが、これは現在人類にとって生産性のある「土地」を、架空の面積に置き換えたものです。
この指標を基に人間による消費の大きさを計算すると、地球1個分が作り出してくれる資源やエネルギーに対して、私たちは1.7個分のものを消費していることになります。
これは世界の平均指標ですが、日本はさらに多く、2.9個分の地球を必要としているのです。

こうした問題により、今後私たちがきれいな地球を維持するためにも、「エコマーク(エコラベル)」のついた商品を積極的に選ぶなど、持続可能な社会に役立つことを考える取り組みが求められるのです。

エコマークは、生産から廃棄において全体を通して環境への負荷が少なく、環境保全に役立つと認められた商品についている環境ラベルです。私たちが環境を意識した商品選択を行うことで、持続可能な社会の形成につながります。
(出典:国連WFP 公式サイト)
(出典:公益財団法人 日本環境協会)

目標13「気候変動に具体的な対策を」

気候変動の中で大きな問題を締めるのが「地球温暖化」です。
地球温暖化とは、二酸化炭素などの温室効果ガスが地球の上空をおおい、地球を温めてしまう現象です。
地球の気温が上昇することで、様々な自然災害や生態系への影響が起きています。
地球温暖化の原因となる「二酸化炭素」の排出を減らすために、大量消費をやめてリユースやリサイクルを心がけることが求められるのです。

目標14「海の豊かさを守ろう」

地球の面積の7割を占める海は、地球のあらゆる命の源です。そして、私たちは生きるための食べ物をはじめ、多くの恵みを海から受け取っています。
しかし、その海が深刻な問題に直面しているのです。
近年、海岸には多くのプラスチックごみが打ち上げられていますが、これはプラスチックの生産量が急増したことが背景にあります。
2018年時点で、世界のプラスチックリサイクル率は14~18%ほどであり、24%が焼却、残りは不法に投棄・焼却されていると報告されています。
この状況が続けば、30年後には海に流れついた大量のプラスチックごみが海の魚の量を超えるという予測もされています。
海に生息する生き物と数々の資源を守るために、普段からプラスチックゴミをなるべく出さないように、マイバックやマイボトルを持ち歩く、ペットボトルはリサイクルに出すなどの心がけが必要です。
(出典:環境省公式サイト)
(出典:政府広報オンライン公式サイト)

目標15「緑の豊かさも守ろう」

現在、多くのビルが立ち並ぶ場所が増えていますが、本来の人の暮らしは、山や川、海、そして森などの自然とたくさんの生き物に支えられています
しかし、人間の生活が豊かになるにつれて、ごみや廃棄物が増え、自然がどんどん破壊されていったのです。
多くの資源や生物多様性を育む自然を守るために、一人一人の活動が大切になっていくのです。

日本のごみ問題の現状

ごみ問題は、経済発展の度合いや、処分場に適した土地の確保、振り分けられる予算などによって国ごとに大きく状況は異なります。
2011年に廃棄物管理国際会議の発表のもとに作成された「廃棄物処理」の段階では、1~4の段階ごとに廃棄物管理の対応が異なります。

1.公衆衛生の段階 ごみが収集される
2.環境保全の段階 ごみが適切に埋め立て処分される
3.ごみ削減と3R導入の段階 ごみが中間処理される(資源化、焼却による埋め立て量の削減
4.循環型経済の構築の段階 資源管理による持続可能な社会

(出典:独立行政法人 国際協力機構JICA公式サイト)
上記の表において、日本は「3.ごみ削減と3R導入」の次のステップである「4.循環型経済の確立」に向けて歩みを進めています。
途上国の状況は様々ですが、ひとたび発展が始まるとごみの増加が速く、初期段階の「1.公衆衛生」から「2.環境保全」と順を追わずに「3.ごみ削減と3R導入」も同時進行してごみに対処し、「4.循環型経済の確立」を目指しているのです。
(出典:独立行政法人 国際協力機構JICA公式サイト)

ごみ削減と3R導入

日本の歴史を遡ると、江戸時代からほぼ完全なリサイクルが行われていました。
郊外の農家では、米を収穫した後に残る稲藁を肥料、日用品、燃料に使うなど、再生可能な資源を循環的に利用しており、外部から取り入れるのは塩と鉄だけだったと言われています。
また、城下の町では割れた茶碗などを継いだり、蝋燭の溶け残りを回収して再利用する専門の職業が成立していました。
それから現代に掛けて、「3R(スリーアール)」を意識した活動が行われており、物を大切に使い、ごみを減らす発生抑制(Reduce)、使えるものを繰り返し使う再使用(Reuse)、ごみを資源として再び利用する再生利用(Recycle)のサイクルを循環させる取り組みを行ってきたのです。
(出典:環境庁公式サイト)

生活ですぐに実践できる3R(スリーアール)


ここでは、私たちがすぐにでも行動に移せる取り組みの一つとして「3R(スリーアール)」について詳しく解説します。

3Rとは、先述したように Reduce(リデュース)、Reuse(リユース)、Recycle(リサイクル)の頭文字を取った総称です。以下にそれぞれについて具体的に見てみましょう。

Reduce(リデュース)

Reduceとは、製品を作成する時に使う資源の量を少なくすることや、廃棄物の発生を少なくすることです。
また耐久性の高い製品の提供や製品寿命延長のためのメンテナンス体制の工夫なども取り組みの一つです。

Reduce(リデュース)の具体例

消費者の視点
  • マイバックを持って無駄な包装は断る
  • 詰め替え容器に入った製品や簡易包装の製品を選ぶ。
  • 耐久消費材は手入れや修理をしながら長く大切に使う。
  • 利用頻度の少ないものは、レンタルやシェアリングシステムを利用する。
  • 耐久性の高い製品や省資源化設計の製品を選ぶ。
  • 使用頻度の少ないものをシェアする。
事業者の視点
  • 製品を設計する時に、製品ができるだけ長く使えるように工夫をする(耐久性、修理性など)
  • 製品を設計する時に、製品ができるだけ少ない材料、部品などで構成されるように工夫する(省資源化)
  • 機械器具などの手入れ方法や修理方法を工夫して長期使用に努める
  • 利用頻度の少ないものをシェアする仕組み、不用品を有効に活用する仕組みをつくる
  • 耐久性の高い製品や省資源化設計の製品を選ぶ
  • 食品ロスを削減する仕組みを作る

Reuse(リユース)

使用済製品やその部品などを捨てずに繰り返し使用することです。
その実現を可能とする製品の提供、修理・診断技術の開発、リマニュファクチャリング(使用済み製品の再生)なども取り組みの一つです。

Reuse(リユース)の具体例

消費者の視点
  • リターナブル容器に入った製品を選び、使い終わった時にはリユース回収に出す
  • フリーマーケットやガレージセールなどを開催し、不用品の再使用に努める
事業者の視点
  • 製品を設計する時に、本体や部品のリユースがしやすいように工夫をする
  • 使用済製品を回収して本体や部品を再生し、再び新品同様の製品を作り出す
  • 使用済製品、部品、容器を回収し、再使用する

Recycle(リサイクル)

廃棄物などを原材料やエネルギー源として有効利用することです。
その実現を可能とする製品設計、使用済製品の回収、リサイクル技術・装置の開発なども取組の一つです。

Recycle(リサイクル)の具体例

消費者の視点
  • 資源ごみの分別回収に協力する
  • 資源ごみの効率的な分別回収を広める
  • リサイクル製品を積極的に利用する
事業者の視点
  • 製品を設計する時に、使用後のリサイクルがしやすいように工夫する
  • 製品をつくる時に、できるだけリサイクル原材料を使う
  • 使用済みとなった自社製品の回収・リサイクルに努める
  • 発生した副産物・使用済製品を効率的にリサイクルする(仕組み作りを含む)

(出典:リデュース・リユース・リサイクル推進協議会(3R推進協議会) 公式サイト)

プラスチックのリサイクルには3つの手法がある

プラスチックのリサイクルには主に3つの手法があると言われています。
それらは以下にまとめた方法ですが、それぞれの違いや特徴について解説します。

マテリアルリサイクル
製品資源を原料として再生利用する
ケミカルリサイクル
資源を化学反応により他の化学物質に転換してリサイクルする
サーマルリサイクル
廃棄物を焼却する際に発生する熱エネルギーを回収して利用する

マテリアルリサイクル

マテリアルリサイクルは、廃プラスチックをプラスチックのまま原料にして新しい製品を作る技術のことです。
この手法は1970年代に誕生し、現在、国内には数百社の製造メーカーが存在しています。

この手法でリサイクルされた製品は耐久性があり、軽くて施工が容易、切断・接合が木材と同じように簡単にできるなどの特徴を持っています。
そして鉄、コンクリートや木材の代わりとして、プラスチックの優れた性質を活かしたこれらリサイクル製品の普及がますます期待されるのです。
また、原料廃プラスチックの分別・品質管理・配合・製造加工技術の向上などにより、マテリアルリサイクルの対象となるものがPETボトルを中心に増加しており、ボトル、包装資材、文房具、日用品などに生まれ変わっています。
しかし、デメリットとして原料に戻して再生利用する場合、単一素材化が基本的な条件となり、分別や異物除去の徹底が求められるのです。

ケミカルリサイクル

使用済みの資源を、そのままではなく、化学反応より組成変換した後にリサイクルすることです。
主に廃プラスチックの油化・ガス化・コークス炉化学燃料化などを指しますが、他にも廃食用油のディーゼル燃料化・石鹸化・飼料化や、畜産糞尿のバイオガス化などの例が挙げられます。
そのほか、廃プラスチックの造粒による高炉還元剤化や、PETボトルをモノマーに化学分解した後、再重合する「ペットTOペット」技術なども含まれます。

サーマルリサイクル

サーマルリサイクルとは、廃棄物を単に焼却処理するだけでなく、焼却の際に発生するエネルギーを回収・利用することです。
廃棄物の焼却熱は、回収した廃棄物を選別した後の残渣処理にも使われています。
(出典:環境省公式サイト)

少しでもごみを減らすために、私たちもできることからはじめよう!

今回の記事では、世界で深刻さを増しているごみ問題と、その原因と現状、リサイクルなどについて詳しく解説しました。

ごみの廃棄に対する問題は世界で深刻な状況であり、SDGsの目標にも横断的に関わっています。また、これらの問題を解決に向けて進めるには私たち一人ひとりの取り組みが重要です。

特にリサイクルにおいては、個人レベルの活動の集合が大きな力となります。
「3R(スリーアール)活動」や「フードロス」などの取り組みも一歩づつ行うことが大切です。

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