森林火災とは?地球温暖化との関係や発生の原因について解説

森林火災は世界で起こる深刻な問題です。特に現在は大規模化や長期化が世界各地で相次いでおり、大災害として森林火災が起こった国や地域の住民を悩ませています。

これは日本でも起こる災害です。森林火災はなぜ起こるのか、地球温暖化とどのような関係があるのか、発生のメカニズムなども踏まえて紹介します。

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森林火災とは

森林火災とは、山や森林で広範囲にわたって発生する火災のことを示しています。山火事や山林火災、林野火災とも呼ばれており、世界中で起こる災害です。

日本でも小さいものからやや規模の大きいものまで様々な森林火災が発生していますが、2013年から2017年までの5年間の平均で、1,386件出火し、779haもの面積が焼損しています。

これは毎日全国で4件の山火事が発生していることになり、約2ヘクタールの森林が焼失し、1,600万円の損害がでているのです。

ひとたび燃え広がれば人の手では消火しきれない規模になることもあります。

  • 森林火災とは、山や森林で広範囲にわたって発生する火災
  • 日本での山火事発生の最近の平均として、毎日全国で4件の山火事が発生していることになり、約2ヘクタールの森林が焼失し、1,600万円の損害がでている
  • (出典:農林水産省 林野庁「日本では山火事はどの位発生しているの?」)

    森林火災の原因

    森林火災の原因は自然発火と人為的原因の2つに分けることができますが、日本では人為的な原因割合が大きく、自然発火によるものは稀とされています。

    世界的に見れば、自然発火による森林火災が起こりやすい国や地域もあります。

    自然発火による森林火災は、主な要因として乾燥が挙げられます。乾燥することによって落ち葉の水分が失われ、枯れ葉同士が摩擦をすることで火が起き、周りの枯れ葉や木々に燃え移ることで火災となるケースです。

    元々森林火災を起こす要因ではありましたが、地球温暖化や気候変動によって、異常少雨が多くなり、干ばつや乾燥が起こりやすい状況になっています。

    世界的に見ても、干ばつが起こっている地域では森林火災が起こりやすい傾向にあります。過去にもカナダやモンゴル、朝鮮半島で干ばつによる森林火災が確認されています。

    一方で森林火災が起こる大半の原因は人為的な要因にあると言われています。農林水産省から発表された日本における原因別出火件数のデータでは、焚き火が約30%を占め、続いて火入れが約17%放火が約10%たばこが約6%となっています。

  • 森林火災の原因は自然発火と人為的原因
  • 自然発火による森林火災は、主な要因として乾燥が挙げられる
  • 森林火災が起こる大半の原因は人為的な要因
  • (出典:気象庁「1.2 世界の最近の異常気象と気象災害」)
    (出典:環境省「世界の森林を守るために」)
    (出典:農林水産省 林野庁「山火事の直接的な原因にはどのようなものがあるの?」,2018)

    森林火災が及ぼす影響とは

    森林火災は火が草花や木々に燃え移り、周辺の植物を巻き込みながら勢いを増していきます。一度燃え出すと、様々なものを燃やして規模を拡大していくため、早期の鎮火が求められます。

    森林火災によって草木が燃えてしまえば、生態系だけでなく環境などにも影響を与えてしまいます。

    生態系や自然環境への影響

    樹木は光合成を行います。これは植物全般に言えることですが、光合成を行う際には二酸化炭素を吸収し、樹体内または土壌に貯留します。そのおかげで大気中の二酸化炭素の量が減少し、地球温暖化や気候変動の緩和につながります。

    森林火災が起こることで二酸化炭素を吸収する役割を果たす植物が減少するばかりか、燃焼することで二酸化炭素を発生させてしまう原因にもなります。

    大規模な森林火災や、森林火災の発生件数が多くなれば地球温暖化や気候変動が進行してしまうということです。

    森林火災で発生した二酸化炭素やメタンなどの温室効果ガスや有害物質は大気を汚染し、干ばつや洪水といった自然災害を引き起こす要因にもなります。さらに森林火災が起こる可能性が高まるという悪循環に陥るのです。

    森林生態系により多様な動植物の生息場所を提供する役割を果たすことで、森林は生物多様性の保全に役立っています。

    しかし森林火災が起これば、住む場所を奪われた動植物は他の場所へ住処を移さざるを得なくなります

    軽度の森林火災であれば、時間はかかるもののその場所に再び森林が回復し、生態系も戻るかもしれませんが、重度の森林火災となると環境の回復は絶望的になるという調査結果もあります。

    森林は土壌の侵食や崩壊を防止し、水資源の涵養(自然にしみこませ養成すること)や洪水の抑制も行ってくれます。

    森林火災により樹木が失われれば、この役割を果たせません。雨が降るとダイレクトに河川に流れ込み洪水が起きたり、雨が少ない時期に水が枯渇する恐れもあります。

    樹木が根を張ることで土壌の侵食や崩壊を抑えていますが、木々が失われてしまい雨などで土壌が緩めば土砂災害が起こりやすくなります

  • 大規模な森林火災や、森林火災の発生件数が多くなれば地球温暖化や気候変動が進行
  • 森林火災が起これば、住む場所を奪われた動植物は他の場所へ住処を移さざるを得なくなる
  • 森林火災によって木々が失われてしまうと、雨などで土壌が緩めば土砂災害が起こりやすくなる
  • (出典:環境省「世界の森林を守るために」)
    (出典:環境省「E-2 森林火災による自然資源への影響とその回復の評価に関する研究」)
    (出典:国立環境研究所「世界気象機関、北極圏で記録的森林火災が発生していると報告」)
    (出典:気象庁「1.2 世界の最近の異常気象と気象災害」)

    森林火災の広がり方と分類

    森林火災の火がついたあとの燃え広がり方は延焼、燃焼形態、被害程度などで4種類に分けることができます。それが地表火、地中火、樹冠火、樹幹火の4つです。

    地表火とは地表を覆っている枯れ葉や枝、枯れ草などが延焼することです。風の影響を受けやすいことから、延焼速度は通常時で時速4~7km、強風時やのぼり斜面では時速10kmの速さにもなります。鎮火直後の立ち木は健全に見えますが、樹木にも被害は出るため、特に幼齢造林地では枯死に至ります。

    地中火は地中に存在する泥炭層などの有機物に引火して燃え広がります。延焼速度は遅く、火力も強くはないのですが、地表に出ていないことから消えにくく、数ヶ月に渡り燃え続けることもあります。

    樹冠火は主な森林火災の燃え広がり方になります。樹木の先端部分が燃えるものであり、地表火から燃え移ることが多く、針葉樹林で多発します。延焼速度は時速2~4kmと遅いのですが、強風時には時速15kmにもなり、拡大しやすいのが特徴で枯死します。。

    樹幹火は樹木の幹が燃えるもので、地表火から幹に移るか樹冠火と共に起こり、枯死します。

  • 地表火とは地表を覆っている枯れ葉や枝、枯れ草などが延焼すること
  • 地中火は地中に存在する泥炭層などの有機物に引火して燃え広がる
  • 樹冠火は主な森林火災の燃え広がり方
  • 樹幹火は樹木の幹が燃えるもの
  • (出典:消防庁「林野火災の飛火延焼に関する研究」)
    (出典:宮城県「林野火災による被害材の利用可能性について」)
    (出典:愛媛県「6 林業」,2016)

    森林火災を鎮火させるための方法は?

    森林火災は早期に消火しなければ広範囲に燃え広がる可能性が高く、大規模化すれば森林だけでなく、家屋などにも被害が及んでしまいます。

    被害が広がる前に鎮火するため、消火方法や森林火災を広げないための対策が施されています。

    空と陸から行う消火活動

    日本の消火活動ではヘリコプターを使った空中消火が行われています。都道府県や防災機関が保有するヘリコプターを用いて、上空から消火剤を撒くことで鎮火を行います。

    同時に地上からは消防車を導入し、消火活動を同時進行で行う事で上空と地上、それぞれから森林火災現場での消火活動を迅速かつ効果的に行うことができます。

    ただし、この方法はあくまで早期鎮火に使用できる方法であり、大規模な森林火災になるとあまり意味がありません。

    2002年に岐阜県各務ヶ原市で起こった森林火災では、1日で鎮火したものの、出火直後に強風に煽られて一気に大規模化しました。

    あまりにも急速に火災が広がったため、被害面積は410ヘクタールと東京ドーム87個分にもなる面積が焼失してしまいました。

    このとき消防機関からは延べ2,416人の人員、陸上自衛隊は10師団を導入し、防災ヘリも投入されました。愛知県や石川県などを含め、計7機の防災ヘリによる散水が計535回、さらに自衛隊ヘリも5機出動して空中消火を148回行っています。

    このように大規模化してしまうとヘリコプターの空中消火による鎮火は効果が薄く、時間がかかることが分かります。

    大規模な森林火災に対して空中消火でヘリコプターより効果を上げるのが、海外で導入されている消火機です。ヨーロッパでは森林火災が多いのですが、大規模な火災が起きやすいことから、消火機と呼ばれる専用の大型飛行機を導入して鎮火しています。

    消火機を湖などの水源に飛ばし、着水して取水しながら滑走して、必要量を積載したら森林火災現場まで飛んで散水を行う作業を繰り返します。

    ヘリコプターより積載できる水が多いことから、広範囲に大量の散水ができ、ヘリコプターよりも効果の高い消火が行えます。

    森林火災への対策

    日本で大規模な森林火災が起きにくいのは、森林火災を早期に消火できていることもありますが、それ以上に森林火災を広げないための工夫もされています。

    植栽を行なう際、燃え広がらないように周辺の樹木の本数や環境を計算した上で、予め伐採して整理し、防火性の高い樹木を植えることで燃え広がりにくくしています。

    仮に森林火災が起こったとしても延焼被害を食い止めることができる帯状の防火帯を設置することで、対策を行っています。

    他にも関係者で協力し、監視パトロールの強化や、人為的要因による森林火災を防ぐために防災意識を高めるための啓発活動などが行われています。

  • 日本の消火活動ではヘリコプターを使った空中消火が行われている
  • 大規模な森林火災に対して空中消火でヘリコプターより効果を上げるのが、海外で導入されている消火機である
  • 森林火災を広げないための工夫として、延焼被害を食い止めることができる帯状の防火帯を設置
  • (出典:岐阜県「岐阜市東部・各務原市林野火災(2002年(平成14年)4月5日、6日)」)
    (出典:北九州市立大学 国際環境工学部「世界の森林火災と航空消火について<第1報>」)

    森林火災を起こさないために私たちにできること

    森林火災は日本を含め世界で起こる災害の1つです。日本では大規模なものは起きていないものの、森林火災の早期消火や対策が功を奏しているからであり、件数としては多いのが現状です。

    世界で起きている大規模な森林火災が起これば、周辺地域に影響を与えるだけでなく、環境問題などを悪化させる原因にもなってしまいます。

    例え小規模なものでも森林火災を起こさないために、私たちは取り組みは必要です。山や森林に入る場合は、森林火災に繋がる焚き火や火入れ、たばこの投げ捨てなどは行わないように注意しなければいけません。

    焚火などを行うにしても火を使う場合は周りに燃えやすいものがないか確認し、火を扱っている間は目を離さず、使い終わったら確実に消すことが大切です。

    また地球温暖化や気候変動も自然発火の原因となっているので、これらを抑えられるように二酸化炭素などの温室効果ガスの排出量の削減など、環境問題に対しての取り組みも行う必要があります。

    山や森林の近くに住んでいなくても、森林火災に関する知識と理解を深め、どのように行動して取り組むべきか考えていきましょう

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