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日本でも増え続ける「子どもの貧困」問題とは?貧困の原因、支援方法は?

この記事を要約すると

日本は一見「貧困」とは無縁のように思えるかもしれませんが、現状は違います。
近年の日本では、貧困に悩まされている子どもの数が多く問題となっています。政府は国をあげて対策を行っていますが、未だ問題の解決までは至っていません。
そこで今回は、「子どもの貧困問題」の実態や原因、そして私たちができる支援方法についてご紹介します。
「子どもの貧困問題」は決して放置できるものではありません。この記事を通して問題に関心を持ち、少しでも子どもたちのために何かしたい・支援したいという気持ちになってもらえると幸いです。

子どもの貧困問題とは?国内・海外で貧困に苦しむ子どもが増えている現状や支援方法とは

日本の子どもの貧困とは?


貧困には絶対的貧困と相対的貧困の2種類あります。
絶対的貧困とは、着るものがない、食べるものがない、住む場所がないといった、衣・食・住において充実感を欠き、人間として最低限の生活を営むことができない状態のことを言います。
対して相対的貧困とは、国民の年間所得の中央値の50%に満たない所得水準の人々のことを指します。
つまり、金銭的に困っているのは相対的貧困生活全てにおいて低水準で、貧しい思いをしているのが絶対的貧困ということです。
みなさんが「貧困」と言われて想像するのは、絶対的貧困の方ではないでしょうか。また、相対的貧困には前述したような目安となる基準がありますが、絶対的貧困にはこれといった定義がありません。国や機関によって様々です。

こういった違いがあるため、貧困と言われても、どちらの貧困かで意味合いが大きく異なります。
では、私たち日本における「貧困」は、一般的に相対的貧困を指します。日本では収入がなくても生活保護などで生きていける仕組みがあり、最低限の食べものや住む場所、衣服は用意されるため、絶対的貧困に当たる人は、ほとんどいません。

しかし、日本の相対的貧困も子どもの生活や将来に大きな影響を与えます。また経済の損失にもつながる重要な問題となっているため、解決に向けた対策が必要です。

日本における子どもの貧困の現状は?


貧困の定義が分かったところで、貧困家庭の子どもの現状について見ていきます。
厚生労働省が発表した「平成28年 国民生活基礎調査」によると、日本の相対的貧困率は15.6%となり、7人に1人が貧困状態にあると言われています。
このことからも日本の貧困問題は深刻であることがわかります。

また、相対的貧困率の15.6%のうちの半数がひとり親世帯であることも大きな問題です。
ひとり親の場合、家事と仕事、育児を一人で行わなければなりません。家事や育児の比重が高くなるほどただでさえ切迫されている生活が、より苦しいものとなります。
金銭的な問題だけでなく、日々の疲労やストレスが蓄積されていくと、身体的・精神的な問題のもつながりかねません。

ひとり親世帯は子どもにも悪影響が出る可能性もあります。例えば、親はお金を稼がなくてはいけないため深夜まで仕事をし、家に帰れないというケース。
そうなった場合、子どもは1人で過ごさなくてはいけなくなり、コミュニケーションを取る機会が減ってしまいます。コミュニケーションは成長過程において重要な要素です。疎かになってしまうと子どもが大人になった時に苦労します。
また、一人では勉強でわからないことがあっても聞くことができず、宿題をする習慣も身に付かないなど学力低下につながる要因が多いのが実状です。さらに貧困が原因で塾や習い事など、学校以外で学習する機会が少ないことも教育格差につながります
現に、日本財団が発表したデータによると、一般的な水準の家庭よりも貧困家庭の子どもの方が学力が低い傾向があるという結果も出ています。幼少期から差が出始めると、大人になったときにより大きな経済・能力格差になってしまうのです。

子どもの貧困問題の原因は?


ではなぜこのような事態に陥るのでしょう。原因は大きく分けて2つ考えられます。
一つ目は親の収入の問題です。親が仕事をしていない、またはアルバイトなどの非正規雇用のため給与が少ないなどが貧困の根本的な原因です。親が定職に就けるような仕組みを作る必要がありますが、難易度は高いでしょう。
二つ目は日本の社会のルールです。現在の日本にはいまだに「学歴主義」の風潮が根付いており、いい大学を出た人間が、いい企業に就職できるという一種の成功者になるためのレールが存在しています。このレールに乗るために、人々は勉強に一生懸命取り組んでいます。貧困問題を解決するためには、この仕組みを変えていかなければなりません。なぜなら貧困者の多い地方では、満足のいく勉強が受けられない場合があるからです。諸外国ほどではありませんが、日本の地方と首都圏とでは、学習環境に少なからず差があります。学習環境と社会のルールを整えない限り、学習能力の差は縮まらず、経済格差も開いたままでしょう。近年は「実力主義」に変わりつつありますが、現状は簡単には変わりません。

これらの原因は、どちらも簡単に解決できる問題ではありません。この2つを抱えたうえで、何ができるのかを考え、国が一丸となって取り組むことが重要です。

子どもの貧困はどんな問題を起こすか?

子どもの貧困は深刻な問題だと述べてきましたが、では具体的に子どもの貧困はどのような問題を引き起こすのでしょう。

子どもの貧困がもたらす社会的損失

日本財子どもの貧困対策チーム「子どもの貧困の社会的損失推計」の調査によれば、子どもの貧困がもたらす社会的損失は、42.9兆円に及ぶと言われています。なぜこれまでに膨大な金額となるのでしょうか。 
前述しましたが、貧困家庭の子どもは、一般的な家庭と比べて学習環境が悪く、能力も低くなる傾向にあります。このことが社会的損失に直接つながるのです。学力が低いと大学への進学はおろか、高校への進学も危ぶまれます。進学ができないということは、非正規雇用や低い給料で働かざるを得ないということです。このような悪循環が日本全国、多くの人の間で起こってしまうと、この人たちが収める税金よりも、生活保護などの支出が大きくなり、損失が生まれます。子どもの貧困問題は本人たちだけではなく私たち国民の問題でもあるのです。

教育格差が生まれる

前で話したような事態は決して一過性のものではありません。そのまま放置すると、貧困層と富裕層の間で教育格差が生まれてしまい、子どもの貧困の原因のところでも触れましたが、今の日本の風潮・ルールだと、教育格差はそのまま経済格差に直結します。この差が広がることで、取り返しのつかない格差となり、貧困層と富裕層の二極化へとつながります。

貧困家庭の子どもに必要なことは?


子どもの貧困による現状・原因・未来への不安があるなかで、私たちが子どもたちにできることはなんでしょう。
問題解決のために政府が様々な取り組みを行っていますが、限度があるため私たち国民一人ひとりが自分にできることを考え、行動していかなくてはいけません。
私たちにもできる、子どもたちの支援の方法を、実際の事例を交えてご紹介します。

子どもが安心して過ごせる居場所

貧困家庭の子どもは、学校から家に帰っても親が仕事でおらず、遅くまで1人で過ごさなくてはいけないケースがあります。
そんな子どもたちのために、安心して楽しく過ごせる居場所を作ってあげることが重要です。
実際に行われている事例としては、「放課後児童クラブ」というものがあります。これは、共働き家庭などの留守家庭の10歳未満の子どもに対して、放課後の児童に適切な遊びや生活の場を与えて、健全な育成を図ることを目的とした取り組みです。
放課後の児童に室内にて、学習支援や実験・工作などの体験プログラムを提供しています。13時から利用可能で、学習だけでなくおやつの時間や遊びの時間も設けられています。19時まで利用できるので、子どもたちは安心して、楽しい時間を過ごせるでしょう。
「児童館」という施設は、児童に健全な遊びを与え、健康を促進し、情操を豊かにすることを目的とした児童福祉施設です。全国に4,500か所以上設置されており、設備には遊戯室や図書館があるので、遊びと学習どちらも行えます。また児童厚生員が配置されているので、安心して過ごすことができます。
これらの施設があることで、貧困家庭の子どもでも友達や大人とコミュニケーションを取ることができます。子どもだけでなく、親にとっても心強い施設です。

あたたかい食事

衣・食・住の3つの要素の中で、生きていくために最も重要な要素は、食です。貧困家庭の子どもは、親が夜遅くまで働き朝早く仕事に出かける場合が多いため、ご飯を満足に食べることができない、栄養バランスの取れた食事ができない現状にあります。そんな子どもたちに救いの手を差し伸べているのが、「子ども食堂」です。近年急激に注目を浴び始め、個人や企業、NPO法人が支援しています。現在段階で全国に2,200か所を超える「こども食堂」があり、今後も増え続けると予想されています。
利用料金は、安価、もしくは無償で、貧困家庭でも問題なく利用できることから、多くの子どもが利用しています。

学習サポート

貧困家庭の子どもは、家に帰っても勉強を教えてくれる親がいないため、学習を定着させること困難です。また、朝食を摂っていないケースもあるため、授業に集中できない子どもが多いです。そんな子どもたちを対象とした学習サポートの事例として、「放課後子ども教室」というものがあります。
安全・安心な子どもの活動拠点を設け、地域の方々の参画を得て、学習やスポーツ・文化芸術活動等の機会を提供することを目的とした取り組みです。全国の小学校を中心に16,000か所以上で実施されています。
実施内容は、先ほどご紹介した「放課後児童クラブ」とほぼ同じですが、放課後児童補助員が、放課後の児童の様子を教員や親に情報共有してくれます。親も子どもがどのように過ごしているのか知れると安心です。また、子どもも自分の学校生活を親に知ってもらえるのは嬉しいでしょう。
親が夜遅くに帰ってくるのでなかなか学校でのでき事を話すことはできません。それだけに放課後児童補助員の存在は、とても大きいのです。

子どもの貧困に対して私たちができることは?


前述したような居場所作りや学習サポートは、ある程度の専門性が強いられるので手を出しにくいという方は多いでしょう。
貧困に苦しんでいる子どもたちのために、誰もができる支援方法もあります。

ボランティア活動

現在行われているボランティア活動には、炊き出し、貧困問題を伝えるための講演会、子どもとの自然体験活動など、幅広い取り組みがあります。炊き出しであれば、ほんの少しの料理スキルがあればできますし、講演会のお手伝いも難しいものではないでしょう。子どもの自然体験活動についても、子どもを見守りながら、一緒に遊ぶことができるので、子ども好きな方や育児経験のある方におすすめです。根本的な解決にはならないかもしれませんが、子どもの気持ちを支えてあげることはできます。

寄付活動

お金や着られなくなった服などを寄付することで、子どもたちを助けることもできます。貧困家庭の子どものなかには、自分が着たい服があっても着ることができない子どもがたくさんいます。そんな子どもたちに小さくて着られなくなった服をあげたり、お金を寄付することで、物質的にも、精神的にも支援することができます。
これなら誰でもできるのでおすすめです。一人ひとりの小さな思いやりが積み重なることで、大きな成果となります。

日本がひとつになって、明るい未来を作りましょう!

日本の貧困問題は、みなさんが想像している以上に深刻です。もはや国の政策だけでは解決できないほどになっています。決して野放しにできる問題ではありません。解決への道をたどっていくためにも、国民一人ひとりが当事者意識を持ち、取り組んでいく必要があります。
これからの明るい日本のために、行動していきましょう。

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