世界で紛争問題が起きていることは聞いたことがあっても、実際どこで起きているのか、そもそもなぜ争っているのか、どのくらい危険なのかなど、具体的な情報までは知らない方も多いのではないでしょうか。
この記事では、世界で起きている紛争の場所や原因など具体的な現状と私たちにできることをお伝えします。2026年に入ってからは、米国・イスラエルとイランの戦争、フーシ派による紅海の封鎖、イエメン内戦の再燃など、中東を中心に情勢が大きく動いています。本記事は2026年9月時点の情報で更新しています。
2026年現在も紛争が解決していない国や地域は?原因を知り解決策や支援について考えよう
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現在も続いている紛争の国、地域一覧

2026年9月時点で起こっている世界の紛争や地域をまとめました(死亡者数は各種国連機関・報道の直近発表値)。
| 開始年 | 国 | 地域 | 累計死亡者数 | 対立要因 | |
| 米国・イスラエル vs イラン紛争 | 2026年2月28日(全面衝突) | イラン | 中東全域(イラン、イラク、シリア、湾岸など) | 数千人規模(継続確認中) | 米国+イスラエル vs イラン(核・ミサイル関連施設攻撃。6月17日の戦闘終結覚書は7月に事実上破綻し交戦再開、ホルムズ海峡は封鎖継続) |
| ガザ戦争(イスラエル・ハマス戦争) | 2023年 | ガザ地区・イスラエル | ガザ全域 | 双方合わせて約7万1,000人超(2025年12月時点・OCHA発表) | イスラエル vs ハマス(2025年10月停戦、2026年1月第2段階移行、7月30日にハマス武装解除合意を米国が発表。ただし攻撃は散発的に継続) |
| ウクライナ戦争 | 2014/2022年 | ウクライナ | ウクライナ東部・南部 | 兵士・民間人合わせて双方100万人超の死傷者(米・BBC等推計、2025年10月時点) | ロシア vs ウクライナ |
| スーダン内戦 | 2023年 | スーダン | ハルツーム・ダルフール | 15万人以上・避難民1,360万人超(国内約900万人・国外430万人超、2026年UNHCR発表、世界最悪の避難民危機) | 正規軍 vs RSF(準軍事組織) |
| ミャンマー内戦 | 2021年 | ミャンマー | ミャンマー全土 | 民間人死者6,000人超、国内避難民360万人超・急性食料不安1,200万人(2026年UN OCHA発表) | 軍主導の新政権 vs 民主派・少数民族武装勢力(2025年12月〜26年1月の総選挙で軍系政党が7割超の議席、ミンアウンフライン氏が大統領に。ASEANは選挙を承認せず) |
| リビア内戦 | 2011年 | リビア | トリポリなど | 約2万人 | 西部の国民統一政府(トリポリ)と東部の勢力(ハフタル氏率いるリビア国民軍)。2026年7月にパキスタン仲介の再統一計画が浮上 |
| イエメン内戦 | 2014年(2015年にサウジ軍事介入) | イエメン サウジアラビア |
リヤド他 | 約37万7,000人(飢餓・疾病など間接死を含む国連開発計画の推計、2021年末時点)。2026年7月に2022年の停戦が崩壊し再燃 | サウジアラビア支援の暫定政府 vs イラン支援のフーシ派(代理戦争の構図) |
| コンゴ民主共和国東部の紛争 | 1990年代(2021年にM23が再蜂起、2025年1月に激化) | コンゴ民主共和国 | 北キブ州・南キブ州(ゴマ、ブカブなど) | 2025年1月のゴマ攻防だけで約3,000人(国連推計)、国内避難民は約700万人と世界最大級 | コンゴ政府軍 vs 武装勢力M23(ルワンダの支援が指摘される) |
(出典:Council on Foreign Relations – Global Conflict Tracker)
(出典:Armed Conflict Location & Event Data Project (ACLED))
(出典:UN OCHA – Humanitarian Situation Updates)
(出典:UNHCR – Sudan Emergency)
(出典:国連開発計画(UNDP)『Assessing the Impact of War in Yemen: Pathways for Recovery』)
(出典:UNHCR『DRC emergency』)
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紛争が長引いている国、危険な国や地域とは

世界で紛争が激しく行われ危険な国や地域、その原因を紹介します。
米国・イスラエル vs イラン紛争(026年2月開戦→6月覚書→7月に交戦再開)
イランとアメリカの対立は、1979年のイラン革命を契機に始まりました。革命により親米政権が崩壊し、イスラム共和制が成立したことで、両国の関係は急速に悪化しました。
その後、同年に発生したイランアメリカ大使館人質事件では、イランの学生らがテヘランの米国大使館を占拠し、多数の米国人を人質としました。この事件は両国の敵対関係を決定的なものとし、現在に至るまで緊張関係が続く要因となっています。
冷戦終結後も対立は解消されず、イランの核開発問題や中東地域への影響力拡大をめぐり、アメリカは経済制裁や外交的圧力を強化してきました。一方でイランは、レバノンのヒズボラやパレスチナのハマス、イエメンのフーシ派などを支援し、地域における影響力を維持・拡大してきました。
2015年には核合意が締結され、一時的に緊張が緩和されましたが、2018年にアメリカが合意から離脱したことで再び関係は悪化しました。その後、両国は軍事的衝突寸前の緊張状態に何度も陥り、湾岸地域やイラク、シリアなどでの衝突が続いています。
2026年時点では、2026年2月28日に米国とイスラエルによるイランへの本格的な軍事攻撃(作戦名『壮絶な怒り』)が始まり、開戦から48時間で1,250を超える標的が精密誘導兵器で攻撃されました。
攻撃から数日内にイランの最高指導者アリ・ハメネイ師(86歳)が死亡し、後継として2026年3月9日に次男モジタバ・ハメネイ師(56歳)が専門家会議で選出されました。その後、2026年6月17日にトランプ米大統領とイランのペゼシュキアン大統領が戦闘終結覚書に署名し、6月21日にはスイス・ビュルゲンシュトックで仲介国のパキスタン・カタール同席のもと最終合意に向けた協議が行われました。覚書は60日以内(8月16日まで)の最終合意を目指すものでしたが、長くは続きませんでした。
覚書署名からわずか1週間後の6月25日、イランがホルムズ海峡を通過するシンガポール船籍の貨物船を無人機で攻撃したことをきっかけに、米軍がイランの無人機貯蔵施設を空爆、イランもバーレーンやクウェートの米軍基地に報復するという応酬が始まりました。7月7日にはイランがオマーン領海の商船3隻を攻撃し、米中央軍は1週間でドローン・ミサイル関連施設など310カ所を爆撃。イランは「ホルムズ海峡を封鎖する」と表明し、覚書は事実上破綻しました。トランプ大統領は「停戦は終わった」と述べ、交渉は停止しています。
戦火はさらに広がりました。7月13日にサウジアラビアがイエメンの首都サヌアの空港を爆撃したことを受け、イランが支援するイエメンのフーシ派が7月20日に紅海の「海上封鎖」を宣言。9月11日にはフーシ派がバベルマンデブ海峡の要衝ペリム島と港湾都市モカを占領し、ホルムズ海峡に続いて紅海の出入り口も事実上イラン側の影響下に置かれました。石油輸送の2つの海峡が同時に機能不全となったことで、日本を含む世界のエネルギー供給に深刻な影響が出ています。2026年9月時点で、この戦争は「終わりの見えない泥沼化」と評されています。
(出典:ジェトロ『米・イラン高官級協議が終了、最終合意へ60日の行程表を策定』(2026年6月))
(出典:Wedge ONLINE『「邪悪なくず」と切り捨てるもイランとは「関わりたくない」トランプ…停戦から一転、交戦がエスカレートした背景とは?』(2026年7月14日))
(出典:Wedge ONLINE『紅海も封鎖でイラン戦争は泥沼化…手をこまねくサウジアラビアとトランプ』(2026年9月17日))
ガザ戦争(2025年10月停戦→2026年7月ハマス武装解除合意発表)
ガザ地区では長年にわたりイスラエルとパレスチナ勢力との間で断続的な衝突が発生していますが、現在の大規模な戦闘は、2023年10月7日にイスラム組織ハマスがイスラエルに対して大規模な攻撃を行ったことから始まりました。
この攻撃では、イスラエル南部の民間人や軍施設が標的となり、1,000人以上が死亡、多数が人質としてガザ地区に連行される事態となりました。
これに対してイスラエルは直ちに報復攻撃を開始し、ガザ地区への大規模な空爆および地上侵攻を実施しました。その結果、ガザ地区では多数の民間人が犠牲となり、インフラの破壊や医療体制の崩壊が深刻化しました。
戦闘の長期化により、ガザ地区では食料、水、医薬品の不足が深刻となり、国連は人道危機の深刻化を警告しています。また、多くの住民が避難を余儀なくされ、地域全体で大規模な人道問題が発生しています。
2025年9月25日にトランプ米大統領が『ガザ紛争包括的終結計画』を提案し、イスラエル・ハマス双方の合意を得て2025年10月10日に停戦の第1段階が開始。生存していたイスラエル人人質20人と、イスラエルに収監されていたパレスチナ人約2,000人が交換されました。続いて2026年1月14日、米ウィトコフ中東担当特使は第2段階(非軍事化・技術官僚統治・復興)への移行を発表しました。最大の懸案だったハマスの武装解除については、2026年7月30日にトランプ大統領が、ハマスとガザの他の武装組織の「完全な武装解除」に向けた合意に達したと発表しました。武装解除は段階的に進め、完了後にイスラエル軍が撤退し、多国籍の国際安定化部隊(ISF)と新しいパレスチナ警察が治安を担う計画です。
ただしイスラエル側は「武装解除が完了するまで撤退しない」との立場を崩しておらず、ハマスも武器に関する条項の修正を求めるなど、実施の詳細は固まっていません。停戦下にもかかわらずイスラエル軍の空爆は散発的に続いており、2026年9月時点でもガザでは死者が出続けています。復興と人道支援の必要は依然として大きいままです。
(出典:ジェトロ『米ウィトコフ特使、ガザ地区停戦合意「第2段階」への移行を発表』(2026年1月14日))
(出典:笹川平和財団 IINA『ガザ和平新提案合意と今後の行方』)
(出典:Arab News Japan『ガザ停戦は今後どうなるのか、そして休戦は持続するのか?』)
(出典:CNN『国連機関がガザの被害状況を発表、紛争勃発から丸2年』(2025年12月))
(出典:Arab News Japan『トランプ氏、ハマスとの武装解除に関する合意を発表』(2026年7月31日))
ウクライナ戦争(2026年時点も継続)
ウクライナでは、ロシアとの間で長年にわたり緊張状態が続いてきましたが、現在の大規模な戦争は、2014年のロシアによるクリミア併合とウクライナ東部での武力衝突に端を発します。
その後、ウクライナ東部のドネツク州およびルハンスク州では、ロシアが支援する分離主義勢力とウクライナ政府軍との間で戦闘が継続し、多くの死傷者が発生しました。
直近の大規模な戦闘は、2022年2月、ロシアがウクライナへの全面侵攻を開始したことにより始まりました。ロシア軍は首都キーウを含む各地へ進軍し、ウクライナ全土で戦闘が拡大しました。
これに対してウクライナは強く抵抗し、西側諸国からの軍事支援や経済制裁を背景に、戦闘は長期化しています。都市部への攻撃やインフラ破壊により、多くの民間人が犠牲となり、大規模な難民・避難民が発生しました。
2026年時点でも戦闘は東部および南部を中心に継続しており、前線は膠着状態にあるとされています。
2026年4月11日には正教のイースターに合わせた32時間の一時停戦が実施され、直前には双方175人ずつの捕虜交換も行われましたが、停戦中も攻撃は止まず、期限切れ後は直ちに全面的な戦闘が再開しました。6月にはウクライナが国連安全保障理事会で、ロシアとの直接対話に応じる用意と、現在の前線に沿った停戦を提案。米欧とともに「停戦・前線からの相互撤退・緩衝地帯」を柱とする和平案も策定されましたが、ロシア占領地の帰属をめぐって交渉は進んでいません。9月時点でもポクロウシク方面などで激しい戦闘が続いています。
米BBC等の推計によれば、開戦から2025年10月時点までの兵士・民間人の死傷者は双方合わせて100万人を超え、ウクライナ側の避難民は国外約620万人、国内約370万人と、欧州最大の人道危機になっています。軍事的対立に加え、エネルギーや経済、国際政治にも大きな影響を及ぼしており、終結の見通しは依然として不透明です。
(出典:UNHCR『Ukraine emergency』(避難民統計))
(出典:BBC News『Ukraine war in maps and statistics』)
(出典:Mezha『ウクライナがロシアと直接対話の用意を示す、戦線沿いの停戦を提案』(2026年6月23日))
スーダン内戦(世界最悪の人道危機の一つに)
スーダンでは長年にわたり政治的不安定と武力衝突が続いてきましたが、現在の大規模な内戦は、2023年4月に正規軍と準軍事組織との間で武力衝突が発生したことにより始まりました。
スーダンでは2019年に長期政権が崩壊した後、軍と民間勢力による暫定的な統治が試みられていましたが、2021年の軍事クーデター以降、権力をめぐる対立が深刻化しました。
2023年4月、スーダン国軍(SAF)と即応支援部隊(RSF)との間で戦闘が勃発し、首都ハルツームを中心に激しい市街戦が展開されました。その後、戦闘はダルフール地域などにも拡大し、民族間対立や武装勢力の衝突も重なり、状況は急速に悪化しました。
この戦闘により、多くの民間人が犠牲となり、医療施設やインフラの破壊が進みました。また、数百万人規模の国内避難民および難民が発生し、周辺国にも影響が広がっています。
2026年時点でも停戦は断続的にしか成立しておらず、戦闘は継続しています。死者は15万人以上、家を追われた人は人口の約4分の1にあたる1,360万人以上(国内避難民約900万人、国外へ逃れた人430万人以上)と、UNHCRが『世界最悪の避難民危機』と警告する規模に達しています。シリアから600万人が国外へ逃れるのに14年かかったのに対し、スーダンは3年でそれを上回ろうとしています。深刻な食料危機と、ダルフール地方での民族に基づく暴力の再発が国際社会から強い懸念を持たれています。
とりわけ2025年10月、RSFが北ダルフール州の州都エルファシルを制圧した際には、病院への攻撃で患者や付き添いを含む460人以上が殺害されるなど、民族に基づく大規模な虐殺が報告されました。RSFは11月に3か月間の人道的停戦に入ると表明しましたが、その後も戦闘は続いています。2023年4月から2026年3月までに医療施設への攻撃は217件、2,052人が死亡し、国内で機能している医療施設は半数に満たない状態です。
(出典:UNHCR『Sudan emergency』)
(出典:International Crisis Group『Sudan』)
(出典:Arab News Japan『紛争が長期化し、飢饉が深刻化するスーダンの2026年の展望』)
(出典:笹川平和財団 IINA『過去40年で最も深刻な人道危機に直面するスーダン――停戦と支援再開への道はあるのか?』)
ミャンマー内戦(2026年総選挙後も内戦継続)
ミャンマーでは長年にわたり軍と少数民族武装勢力との間で武力衝突が続いてきましたが、現在の大規模な内戦は、2021年2月に発生した軍事クーデターを契機に始まりました。
このクーデターでは、軍が選挙で勝利した民政政府を排除し、実権を掌握しました。これに対して市民による抗議運動が全国で広がりましたが、軍はこれを武力で弾圧し、多くの死傷者が発生しました。
その後、民主派勢力は武装化し、少数民族武装勢力と連携して軍政に対抗するようになりました。これにより、従来の局地的な紛争は全国規模の内戦へと拡大しました。
戦闘は都市部から地方へと広がり、空爆や地上戦によって多くの民間人が犠牲となっています。また、住民の避難やインフラの破壊が進み、人道状況は深刻化しています。
2025年12月28日から2026年1月25日にかけて、クーデター後初の総選挙が3段階に分けて実施されました。しかし民主派勢力は排除されたまま行われ、軍系与党USDPが7割を超える議席を獲得し、前国軍総司令官ミンアウンフライン氏が大統領に選出されました。ASEANは「選挙を承認していない」と明言し、国際的には『民意なき選挙』と評価されています。選挙後も軍主導の新政権と民主派・少数民族武装勢力の戦闘は各地で続いています。
加えて2025年3月には中部のマンダレー地方でM7.7の大地震が発生し、内戦下での被災という二重の危機が広がりました。UN OCHAによれば、民間人死者は6,000人超、国内避難民は360万人を超え、1,200万人が急性の食料不安に直面しています。国家の統治機能は大きく揺らいでおり、政治的解決の見通しは依然として不透明です。
(出典:UN OCHA『Myanmar Humanitarian Situation』)
(出典:Human Rights Watch『Myanmar – World Report 2026』)
(出典:ジェトロ『ミャンマーで政変後初の総選挙開催、軍系政党が過半数獲得』(2026年) )
(出典:アジア経済研究所『2025-2026年ミャンマー総選挙――正当性なき国軍主導の民政移管へ』)
リビア内戦(東西分裂と再統一の模索)
リビア内戦は、2011年に起こった大規模な反政府勢力のデモが発端です。
この争いにより、40年以上最高権力者として政権を握っていたカダフィ大佐が命を落とします。
その後、2014年に国内は東西の2つの政府に分裂し、過激派組織「イスラム国」の台頭や、2019年のリビア国民軍によるトリポリ進軍など、大規模な戦闘が繰り返されました。2020年10月に国連の仲介で停戦が成立し、大規模な戦闘は収まりましたが、政治的な分裂は解消されていません。西部の首都トリポリにはドベイバ首相が率いる「国民統一政府」が、東部にはベンガジを拠点とし、ハリファ・ハフタル氏率いる軍事組織「リビア国民軍」が強い影響力を持つ別の政府があり、統一選挙は延期が続いています。
2025年5月にはトリポリで民兵組織同士の大規模な戦闘と反政府デモが発生。2026年5月にはトリポリ西方のザーウィヤで武力衝突が起き、国内最大規模の石油精製所が操業を停止しました。一方で2026年7月には、パキスタンが東西勢力の仲介に乗り出し、新たな統一政府と大統領評議会を設置して36か月の移行期間を経て政治制度を統一する「再統一計画」が報じられています。石油生産は約13年ぶりの高水準に達する一方、停電への抗議や通貨安・物価上昇など、国民生活の不安定さは続いています。
(出典:外務省『リビアの危険情報』)
(出典:中東調査会『リビア:国内最大規模の石油精製所が、武力衝突で操業停止』(2026年) )
(出典:中東調査会『リビア:首都トリポリでの大規模な戦闘、反政府デモの活発化』(2025年))
イエメン内戦(2026年7月に停戦崩壊・再燃)
イエメン内戦は、2011年の「アラブの春」による政変を経て、2014年にイスラム教シーア派の武装組織フーシ派が首都サヌアを制圧したことから本格化し、2015年にサウジアラビア主導の連合軍が軍事介入して大規模な戦争になりました。
また、一般的にイエメン内戦はイランとサウジアラビアの「代理戦争」と呼ばれています。
イランの後押しを受けるイスラム教シーア派の武装組織「フーシ」と、イスラム教スンニ派が主導するサウジアラビアが中心の、「アラブ連合軍」が支えるイエメンの暫定政権の部隊が対立しているのです。
戦闘に加えて飢餓や疾病が広がり、国連開発計画(UNDP)は2021年末時点の死者を約37万7,000人(うち約6割が飢餓・医療崩壊などによる間接死)と推計。「世界最悪の人道危機」と呼ばれてきました。2022年4月に国連仲介の停戦が成立し、その後は大規模戦闘が抑えられていましたが、2023年以降はフーシ派が紅海を航行する船舶への攻撃を繰り返し、国際的な緊張が続いていました。
そして2026年、イラン戦争の余波でイエメン内戦は再燃しました。7月13日にサウジアラビアがサヌア空港を爆撃したことを受け、フーシ派は7月20日に紅海の「海上封鎖」を宣言。2022年以来の停戦は事実上崩壊しました。9月3日にはフーシ派が南西部で大規模攻勢を開始し、9月11日には紅海の出入り口バベルマンデブ海峡に面する要衝ペリム島と港湾都市モカを占領。政府軍側は約500人の兵士が殺害され、フーシ派は紅海全域を掌握したとされます。国際移住機関(IOM)によれば10万人以上の住民が避難を余儀なくされ、国連のグテーレス事務総長は「壊滅的な影響」を警告しています。
(出典:国連開発計画(UNDP)『Assessing the Impact of War in Yemen: Pathways for Recovery』)
(出典:AFPBB News『イエメン政府軍とフーシ派の衝突激化、双方の死者300人超える』(2026年9月7日) )
(出典:Wedge ONLINE『フーシ派参戦で「中東大戦争」に拡大も、トランプが過去最大の攻撃へ』(2026年7月27日) )
コンゴ民主共和国東部の紛争(M23)
アフリカ中部のコンゴ民主共和国東部では、1990年代のルワンダ虐殺の余波以来、鉱物資源をめぐる利権や民族対立を背景に、数十の武装勢力が入り乱れる紛争が30年近く続いています。近年最大の脅威となっているのが、ルワンダの支援が指摘される武装勢力「M23」です。
M23は2021年に活動を再開し、2025年1月には北キブ州の州都ゴマを制圧。国連の推計ではこの攻防だけで約3,000人が死亡し、40万人が新たに避難民となりました。M23はその後、南キブ州の州都ブカブにも進軍しました。2025年6月には米国の仲介でコンゴとルワンダの両政府が和平協定に署名し、7月にはカタールの仲介でコンゴ政府とM23が停戦に合意しましたが、2026年に入っても東部各地で戦闘は続いています。コンゴの国内避難民は約700万人と世界最大級で、性暴力や子ども兵士の徴用など深刻な人権侵害も報告されています。
(出典:東京外国語大学 現代アフリカ地域研究センター『M23がコンゴ東部の主要都市ゴマに侵入』)
(出典:東京外国語大学 現代アフリカ地域研究センター『コンゴ民主共和国とルワンダ、米国主導の和平協定締結』)
(出典:日本経済新聞『コンゴ民主共和国と反政府武装勢力、停戦で合意 カタールが仲介』(2025年7月) )
(出典:外務省『コンゴ(民)東部における暴力のエスカレーションに関するG7外相声明』)
2026年現在行われている世界の主な内戦・紛争は以下の通り
- 米国・イスラエル vs イラン紛争(6月の覚書は7月に破綻、交戦継続中)
- ガザ戦争(2025年10月停戦→2026年7月ハマス武装解除合意発表、攻撃は散発的に継続)
- ウクライナ戦争
- スーダン内戦
- ミャンマー内戦
- リビア内戦
- イエメン内戦(2026年7月に再燃)
- コンゴ民主共和国東部の紛争(M23)
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紛争地域で苦しむ人々に私たちができる支援

ここまで紹介してきた紛争地帯では、殺傷だけではなく様々な問題が起こっています。
食糧問題や、病気や感染症の問題、衛生問題などがあります。
それぞれ私たちが国際機関やNPO・NGOを通じてどんな支援ができるのか紹介します。
食糧問題
生きていくうえで何より必須なのは水と食事ではないでしょうか。食料に関する支援は、緊急度により異なります。
例えば生死をさ迷うレベルで栄養が足りていない人々には栄養補助食を支給し、困窮してしまっている世帯には穀物や塩などの現物を提供します。
また学校の運営が困難に陥りそうなところには学校給食を届けたりもしています。
紛争地帯に関わらず、気候などの影響で、ほとんど食料が取れない地域では食料の値段なども高騰し、一般市民が満足にご飯を食べることは難しくなります。
そのため、食料を継続的に支援するのは非常に大切な活動です。
特定非営利活動法人 難民を助ける会(AAR Japan)では、紛争発生時、現場に駆け付けて状況を調査し、水・食料など、すぐに必要となる物資を届けています。
月1,000円の寄付で、紛争や災害など目の前にある危機への支援だけでなく、心身ともに深い傷を負った方々が、新しい人生を歩み始めるための支援をサポートできます。
>>AAR Japan[難民を助ける会]について詳しく見る
病気や感染症の問題
紛争が起きている場所では、栄養や衛生面などが要因で病気や感染症が蔓延してしまいます。
コレラ、ジフテリア、はしかなど、命に関わる病気も多いため患者への処置と予防接種やワクチンの支給などが急務です。
また、イエメンの紛争地帯では、2015年時点で急性呼吸器性疾患にかかる危険が高い子どもは約130万人いました。
ほとんどの病院や保健センターは機能せず治療ができない状況です。
私たちの支援を通じて、診療と治療、病気の予防接種、心理・社会面でのサポートなどができます。
公益財団法人 日本ユニセフ協会では、紛争地帯や難民キャンプなどで子どもたちに予防接種を届けています。
毎月継続的な寄付をすることで、保健、栄養、水と衛生、教育、子どもの保護など、150以上の国と地域で行われているユニセフの活動を支えられます。
>>日本ユニセフ協会について詳しく見る
(出典:ユニセフ「イエメン紛争」,2015)
衛生問題
病気や感染症を減らすためには、衛生面を整えることも大事です。
私たちの支援を通じて、安全に飲める・生活に利用できる水の提供や以下のような支援が行えます。
- 避難先の衛生用品を購入するための引換券や少額の現金の支給
- 難民キャンプでのトイレやシャワー、洗濯場などの設置
- 病気の流行を防ぐための衛生指導
- 飲料水用のフィルターの提供
特に水回りが清潔でないと、蚊を媒介とした感染症も発症しやすくなります。
水や衛生環境は命に関わる重要な問題なため、積極的に支援を届ける必要があります。
特定非営利活動法人 ピースウィンズ・ジャパンは、世界各地の難民キャンプや難民の避難地で、トイレの整備や衛生キットの配付などをはじめとした衛生環境向上のための活動を行っています。
1日40円(月額1,200円)からの寄付で、災害の被災者や紛争による難民支援や国内での様々な事業を支えることができます。
>>ピースウィンズ・ジャパンについて詳しく見る
寄付・募金は少額から可能
今もなお苦しんでいる人々のために直接現地に行って助けることは、危険を伴うためなかなか実現しづらいのが現状です。
しかし、インターネットが発達している現代では、私たちも気軽に寄付や募金により支援することが可能です。
しかも少額から定額寄付をすることができ、初めに設定してしまえば継続的に支援できるシステムも整っています。
また、自分の好きなタイミングで任意の金額を寄付できるため、無理なく支援できる方法もあります。
世界のどこかで紛争による被害で苦しむ人のために、まずは少しだけ行動してみてはいかがでしょうか。
- 紛争地帯では食糧問題や、病気や感染症の問、衛生問題などが発生している
- 栄養が足りていない人々には栄養補助食を支給し、困窮してしまっている世帯には穀物や塩などの現物を提供している
- 私たちの寄付では安全に飲める・生活に利用できる水の提供や以下のような支援を行うことができる
紛争で苦しむ人々を一人でも多く救おう

世界では毎日多くの人が紛争による被害で苦しみ、亡くなっています。
まずは紛争問題について知ることも支援の第一歩です。
一人ひとりの少額の寄付が集まれば、多くの人を救える力になります。
まずは理解を深め、自分でできる範囲の行動から始めてみてはいかがでしょうか。
紛争問題は、SDGsの目標16「平和と公正をすべての人に」に関わるものです。より詳しく知りたい方はこちらの記事もご一読下さい。
>>持続可能な開発目標・SDGsの目標16「平和と公正をすべての人に」のターゲットや現状は?