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シリア危機とは?内戦の原因や解決しない理由を解説

この記事を要約すると

世界において、様々な社会問題が残っている中でも、現在最も大きく注目されているのが「シリア危機」です。
中東の国・シリアで発生している多くの紛争によって、関係のない人たちの命まで奪う事態となっています。

この記事では、多くの被害者を出している「シリア危機」についての解説から、内戦が発生する原因と解決しない理由までを詳しく解説します。

シリア内戦の原因・現状は?難民の人々が必要としている支援とは

シリア危機とは


2011年春にチュニジアで発生した反政府デモは、瞬く間に中東各地に広がりを見せました。「アラブの春」とも呼ばれるこの民主化運動の波はシリアにも及び、2011年2月にダルアーで起きた小規模なデモに始まり、その後、各地で政権打倒を叫ぶ大規模デモが広がり、民主化運動は内戦へと変化したのです。

「アラブの春」の発端となったチュニジア、その他ではエジプト・リビアで政権が交代。過去を振り返ると政治参加が極めて限定的にしか参加できなかった民衆が変革の原動力となったのは言うまでもなく、経済的格差や独裁政権による統制、政治参加の制限などに対する不満の爆発が大きな民主化運動を生んだのです。

シリアで起きた内戦は政府軍、反政府勢力、その他多くの武装勢力の対立によって泥沼化し、2016年12月、ロシア主導で停戦が合意されたものの、その合意も遵守されず、先行きは不透明となっています。

シリア危機は、今世紀最大の人道危機とも評されており、2011年3月以降、シリアでは死者約25万人、負傷者も100万人を超えるといわれ、国外へ逃れた人々の数は490万人、国内避難民も650万人に上り、1,350万人が人道支援を必要としているのです。

(出典:外務省 わかる!国際情勢「アラブの春」と中東・北アフリカ情勢)

シリア内戦の原因とは


シリア内戦は、チュニジアで発生した「アラブの春」という民主化運動が内戦へと変化したことで始まりました。
当時、シリアで強権的だったアサド政権に対し、民衆の多くが批判的だったのです。この風潮が次第に形として大きくなり、数々の勢力や組織が「反政府勢力」を形成し、アサド政権の打倒を目指しました。

その後、過激派組織IS・イスラミックステートが台頭し、三つ巴の戦いとなったのです。
反政府組織やアサド政権に様々な国や勢力が利害のために、支援を行っていましたが、ISを軍事的に追い詰め、シリアから排除してから、バランスが悪くなり、衝突や対立が起きるようになっています。

イスラエル軍によるシリア領内への空爆、トルコ軍によるシリアへの越境攻撃など、8年目に入るシリアの内戦は、当事者と関係国の利害が入り組んで、非常に複雑な構図となっているのです。

(出典:外務省公式サイト)

シリア内戦のこれまでの経緯とは

2011年に勃発した「シリア内戦」は、最大50万人が命を落としたと言われています。第二次世界大戦以降、最悪の難民危機をもたらした内戦と言えるのです。

多くの都市やインフラが破壊され、その再建には2,000億ドルが必要と推計されています。

現在も収束の兆しが見えない「シリア内戦」のこれまでの経緯を振り返ります。

年代 できごと
2011年 「アラブの春」として知られる民主化運動が中東の国々各地で発生。
シリア、学校の壁に革命を求める落書きをした10代の若者たちをアサド政権が拘束・拷問したことで抗議デモが勃発。これらのデモは平和的な範囲で解決済み。
このような抗議活動を鎮圧するため、政府軍はデモ行進や座り込みをする人々に向かって発砲。
政府によって数百人が殺されたことから、当初、市民の権利拡大を訴えていた抗議デモの参加者たちは、アサド政権の打倒を求めるようになる。
暴力の連鎖が激しくなっていく中、反政府勢力を支援すべく、シリア軍の元兵士らが自由シリア軍を結成。
他にも、様々なイデオロギーや忠誠心を持つ武装集団が次々に誕生します。これらの勢力が、ホムスやアレッポといった主要都市を手に入れようと戦いを繰り広げ、2011年末までに本格的な内戦へと移行。
2012年 反政府組織とシリア政府軍の先頭は市街戦へと発展、多くの死者と避難民を生み出した。
2013年 アサド政権が人口密集地を標的とした攻撃に毒性の高い化学兵器を使い始めたとの疑惑が浮上。
2013年のダマスカス近郊でのサリンを用いた攻撃では、1000人以上の死者が発生。
その後、ロシアの仲介によってアサド政権は備蓄していた化学兵器の破棄を表明。
2017年 内戦によるシリア国民の死亡者は45万人を超えた。
ロシアは、アサド政権に武器の供給を継続し、パルミラやアレッポといった主要都市では2017年に入っても戦闘が続いた。
6年にわたる絶え間ない空爆や戦闘は、シリアのインフラや社会に取り返しのつかない打撃を与える。
4月7日、アサド政権はイドリプの町で再度、化学兵器を使用。この攻撃で、10人の子どもを含む少なくとも70人が死亡。
アメリカのトランプ大統領は、アサド政権側の戦闘機が化学兵器を積んだとされる飛行場に巡航ミサイルを発射。2011年に内戦が勃発して以来、アメリカがシリア政府を攻撃したのはこれが初めて
2018年 2月10日、イスラエルは自国領空に侵入したイランのドローンを撃墜。報復として、シリア国内にあるイラン及びシリアの軍事拠点に空爆。

(出典:外務省公式サイト)

このように、現在も内戦が続いているのです。

シリア内戦が解決しない理由とは


シリア内戦は、アサド政権を支持するロシアと、反体制派を支持するアメリカが内戦解決のキーマンとも言えます。
シリア内戦解決のためには。ロシアと米国が内戦の解決を目指す方向性を確認する必要が求められるでしょう。

現在、シリアのほとんどの領域を支配下におくアサド政権には、これまでのような反体制派の弾圧を停止した上で、和平協議を行う責任も担っているのです。

(出典:外務省公式サイト 「わかる国際情勢」)

シリア内戦の背景や経緯を知ろう


今回の記事では、「シリア危機」についての具体的な説明と、内戦の振り返りなどについて詳しく紹介しました。

どんな支援も、まずは知ることからスタートします。現状をしっかりと捉え、必要な支援を小さなことから行っていくことが求められるでしょう。

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