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シリア内戦は終結に向かうのか?現状や情勢について解説

この記事を要約すると

中東で起きた民主化運動をきっかけに起きたシリア内戦は、2019年に入って9年目を迎えています。

何年もの間、続いてきたシリアの内戦が今後どうなっていくのでしょうか。
今回の記事では、シリア内戦についての解説から、現状と情勢について詳しく説明します。

シリア内戦の原因・現状は?難民の人々が必要としている支援とは

シリア内戦とは


2011年に北アフリカの国・チュニジアで発生した反政府デモに端を発し、中東・北アフリカ諸国に拡大した「アラブの春」は、民衆が政治参加すらできなかった強権的な政治体制を持つ国に対して、始まった民主化運動です。

「アラブの春」によって、チュニジアやエジプトでは大統領が退陣、リビアでは反体制派との武力衝突を経た政権交代が行われるなど、かつてない大規模な政治変動となりました。

反政府運動に参加した人々はSNSを駆使し民衆同士の繋がりを強固にし、かつてないスピードで国境を超えて拡大しました。

この流れは、中東の国・シリアにも飛び火。チュニジアとエジプトでの政変を受けて、シリアでも強権的だったアサド政権に対して政治改革を要求する声を上げたのです。
アサド政権は憲法改正など一定の政治改革を行うことで市民の声に答えようとしましたが、民主化運動が激しさを増し、軍・治安部隊を用いて弾圧することになります。

弾圧を受けた人たちの中から武器を取る人が現れ、革命闘争が開始します。
2011年9月には「自由シリア軍」と言う武装組織が生まれ、その後も多くの組織が乱立。これにより長いシリア内闘争が始まったのです。

シリア内戦は今世紀最大の人道危機とも言われており、2011年3月以降国外へ逃れた人々は490万人、国内避難民も650万人に上ります。
また、シリア国内では1,350万人が人道支援を必要としているのです。

(出典:外務省 わかる!国際情勢「アラブの春」と中東・北アフリカ情勢)

シリア内戦の現状とは


その後、武装組織勢力は、ホムスやアレッポといった主要都市を手に入れようと戦いを繰り広げ、内戦が激化しました。
2013年にはダマスカス近郊で毒性のあるサリンを用いた攻撃をアサド政権が行ったとの疑惑が浮上。これによって1,000人以上もの命が奪われました。

シリアの各都市を舞台に内戦が激化した関係で、2017年までにシリア国民の死亡者数は45万人を超えたのです。
今までは反政府組織とアサド政権という構図だった戦いに、「ISIS(イスラム国)」やアルカイダ関連組織「ヌスラ戦線」などのイスラム過激派も台頭。
内戦による混乱に乗じて、シリアからイラクにかけての広大な地域を制圧しました。

長期化となったシリア内戦の影では、アサド政権を避難し同政権と戦う反政府組織を支持するアメリカ、そしてアサド政権を支えるロシア・イランの間での代理戦争にも発展しました。
ロシアは、アサド政権に武器の供給を続け、パルミラやアレッポといった主要都市では2017年に入っても戦闘が続きました。
6年にわたる絶え間ない空爆や戦闘が、今まで時間をかけて作ってきたインフラや社会基盤に取り返しのつかない打撃を与えたのです。

2017年にアメリカのトランプ大統領は、アサド政権側の戦闘機が化学兵器を積んだとされる飛行場に巡航ミサイルを発射。2011年に内戦が勃発して以来、アメリカがシリア政府に初めて攻撃を行いました。

これらの目に見える闘争と国同士の代理闘争によって、シリア国民の半数にあたる1,200万人以上が家を追われました。周辺の国々に逃れた人々は560万人に及び、今も難民として避難生活を続けています。

(出典:国連UNHCR協会公式サイト)

2017年には子どもの犠牲者が過去最大に

シリア紛争が続く中で、障がいを負った子どもたちは社会から阻害され忘れられる危機にさらされています。
2017年もシリア紛争は弱まることなく続き、2016年の1.5倍にもなる過去最大の子どもの犠牲者を出しました。2018年の1月と2月だけでも、暴力の激化により1,000人の子どもが死傷しています。

シリア国内で子どもたちが犠牲になる現状はあまりにも悲惨です。
推定330万人の子どもたちが、地雷・不発弾・簡易爆発装置を含む爆発物の危険にさらされています。そして、150万人以上の人々が、戦争の影響によって治ることのない身体的障がいを負い、そのうち8万6000人が手足を失ったのです。

政権と民衆から派生した武装組織の争いは、未来に希望を持った子どもたちの命までを奪います。このような現状を踏まえて「保険・栄養・教育・子どもの保護および水を含む包括的な基本的サービスへのアクセス改善」などの支援が早急に求められています。

2017年に戦闘に駆り出された子どもの数は2015年の3倍にまで膨れ上がり、予断を許さない状況が続いているのです。

(出典:日本ユニセフ 公式サイト)

シリアの現在の情勢は?


2019年現在も、シリア北西部のイドリブ県やダマスカスなどで空爆が行われています。
トルコ・イスラエルなどの近隣国との関係から派生した空爆など、現在も不安定な情勢が続いているのです。

2019年8月にトルコ部隊が狙われた空爆について、トルコはシリア世間の後ろ盾となっているロシアとの合意に違反するとして批判。
シリア国内のアサド政権と反体制派の闘争以外にも、それぞれを支えるロシア・イラン・アメリカなどによる代理戦争の解決も求められます。

シリア内戦は終結するのか。今後のニュースにも注目


今回の記事では、シリア内戦の詳しい経緯と現在の情勢などについて解説しました。
シリア内戦の解決にはまだ時間を要すことが想定されます。

アサド政権がシリア国内のほとんどを制圧したことから、2011年当初と比較すると紛争の激しさは落ち着いていますが、ロシアやアメリカを始め周辺諸国はそれぞれの思惑を持って紛争への関与を強め、終息する気配はありません。

シリア内戦の今後の動向にも注意する必要があります。

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