子ども(貧困)

【子どもの貧困】私たちにできることを現状や事例で徹底解説

貧困に苦しむ日本の子どもたちのために、何かしたいと思うものの

  • 自分にどんなことができるのか?
  • どうやって始めたらいいのか?
  • 何が子どもたちにとって一番いいのか?

と一歩を踏み出せない方もいるのではないでしょうか。

そこでこの記事では、貧困家庭の子どもの支援について

  • ・子どもの貧困の現状・原因
  • ・貧困家庭の現状と現在行われている支援
  • ・私たちにできる支援方法
  • ・どんな団体を通じて支援が可能か

をご紹介します。

わかったことは

  • 学習支援や奨学金支給などの支援が行われている
  • 私たちにできることは、お金、物、時間を使っての支援
  • 様々な団体が支援を行っており寄付を受け付けている

ということ。

私たちにできることは、ボランティア活動への参加とお金やものの寄付。
様々な支援団体が寄付を受け付けていることもわかりました。

記事を読んで、自分が納得できる方法があれば始めてみてください。

>>貧困に困っている子どもに寄付で支援ができるおすすめ団体
>>子どもの貧困問題とは?国内・海外で貧困に苦しむ子どもが増えている現状や支援方法とは

また、子どもの貧困問題に関心があるという方は、簡単30秒でできるアンケートに応えて、問題について理解を深めながら支援してみませんか?

約30秒のアンケートに回答いただくと、子どもの貧困問題や関連する課題を解消するために活動する団体に10円の支援金が届きます。記事を読み進める前にぜひお試しください!

\たったの30秒!/
目次

そもそも子どもの貧困とは

子どもの貧困
子どもの貧困とは、標準的な生活水準に比べて相対的に貧困な状態にあることを指します。特に子育て世帯の経済的な困難が子どもの生活や発達に影響を与えている問題です。

貧困には、「絶対的貧困」と「相対的貧困」の2つの考え方があります。

絶対的貧困とは、途上国や戦後の日本に見られるような飢餓や栄養失調をもたらす深刻な貧困状態を指し、世界銀行では1日1.90ドル未満で生活する人々を基準としています。SDGsの「貧困をなくそう」という目標も、この絶対的貧困の撲滅を目指しています。

一方、OECD諸国などの先進国で大きな課題となっているのは、相対的貧困です。これはその社会で一般的な生活水準と比較して貧困な状態にあることで、日本においても、厚生労働省が相対的貧困の観点で「子どもの貧困率」を定義しています。

日本の子どもの相対的な貧困率は国際的にも高く、将来が生まれ育った環境によって左右される課題として大きな社会問題となっています。また、子どもの貧困が社会にもたらす影響の大きさも含め、この問題の解決は非常に重要視されています。

SDGs目標1「貧困をなくそう」については、以下の記事をご一読ください。
>>SDGs目標1「貧困をなくそう」の取り組み内容とは?

子どもの貧困の現状

厚生労働省の貧困率調査結果
日本では、17歳以下の子どもたちのうち約11.5%*、つまり9人に1人が相対的な貧困状態にあります。

このような状況は、特にひとり親世帯で顕著です。大人が2人以上いる家庭では改善が見られるものの、ひとり親世帯では依然として貧困が続いているといえるでしょう。
貧困率の国際比較表
また、OECD(経済協力開発機構)の調査によると、OECDに加盟している国のうち37か国のなかで、日本は子どもの貧困率が19番目**に高い国となっています(2023年7月時点)。

日本は経済的に豊かな国とされる一方で、子どもの貧困率は決して低いとはいえません。

*出典:厚生労働省 2022年 国民生活基礎調査の概況
**出典:こども家庭庁 こどもの貧困対策・ひとり親家庭支援の現状について

子どもが貧困に陥る原因

子どもの貧困
子どもが貧困に陥る原因には、さまざまな経済的な背景が関係しています。

2016年のユニセフの報告によると、日本では子どものいる世帯において所得格差が大きく、下位10%の所得が中位の約4割*にとどまっていることが指摘されています。特に1980年代から約30年間で所得格差が拡大し、低所得層に属する世帯が増加傾向にあります。

さらに、独立行政法人労働政策研究・研修機構の「子育て世帯への全国調査」**によれば、ひとり親世帯の低所得層の割合が高く、経済的な理由で必要な食料を購入できなかった経験がある世帯も多いことがわかっています。こうした世帯は子どもが育つ環境としても厳しく、子どもの生活基盤が不安定になりがちといえるでしょう。

また、親世代が生活保護を受けている場合、その子ども世代も成人後に生活保護を受ける可能性が高くなる傾向があり、貧困が世代を超えて引き継がれるケースも少なくありません。

実際、厚生労働省の調査(令和6年8月)***によると、生活保護を受給する世帯の数は増加傾向にあり、特に高齢者世帯が増加している一方で、母子世帯も多くの支援を必要としています。

さらに、経済的な理由で学業が困難な児童・生徒への援助を示す就学援助の利用率も増加傾向にあり、2012年度(平成24年度)には過去最高の15.64%****に達しました。2022年も13.90%****と高い水準のままです。

これは子どもの学びの機会が経済的状況に大きく左右されていることを示しており、貧困が教育格差を生む要因にもなっています。

このように、子どもが貧困に陥る背景には、家庭の経済状況やひとり親世帯の経済的な困難、世代間の貧困連鎖など、複雑な要因が絡んでいます。

*出典:ユニセフ 子どもたちのための公平性 先進諸国における子どもたちの幸福度の格差に関する順位表
**出典:独立行政法人 労働政策研究・研修機構 子どものいる世帯の生活状況および保護者の就業に関する調査2022
***出典:厚生労働省 被保護者調査(令和6年8月分概数)
****出典:文部科学省 就学援助実施状況等調査結果(令和5年)

子どもの貧困によって生じる教育格差

貧困と聞くと、発展途上国など外国の問題のように聞こえますが、日本でも起きている問題です。

日本の「子どもの貧困率」(17 歳以下)は 11.5%*と言われており、9人に1人が貧困生活を強いられています。実は日本の子どもの貧困率は改善傾向にありますが、「大人が二人以上いる世帯は状況が改善したけれどひとり親世帯では状況が変わらない」といった自体も発生しております。

つまり弱い立場の人は依然として厳しい状況に置かれたままであり、支援する必要性は依然として高いです。

子どもの貧困によって生じる大きな問題の1つに教育格差があります。

2018年に日本財団が発表した報告書**のデータを見ると、経済的に困窮している世帯の子どもと、困窮していない世帯の子どもの間の教育格差は、10歳ごろから偏差値に現れることが分かります。そしてその差はそれ以降も埋まることはありません。


子どもの貧困が原因で起こる教育格差が、具体的にどんな問題を引き起こすのか見ていきましょう。

ここまでの説明で、貧困に困っている子どもを寄付で支援がしたいと思った方は、ぜひ下記を参考にしてみてください。

>>貧困に困っている子どもに寄付で支援ができるおすすめ団体

*出典:厚生労働省 2022年 国民生活基礎調査の概況

**出典:家庭の経済格差と子どもの認知能力・非認知能力格差の関係分析(日本財団)

>>子どもの貧困問題とは?国内・海外で貧困に苦しむ子どもが増えている現状や支援方法とは

>>データで見る教育格差。子どもの貧困問題がますます深刻化している実状とは

学歴が低くなる

現在では多くの子どもたちが、学校での勉強や宿題の他に塾や英会話教室などの習い事をしています。しかし、貧困家庭の子どもは経済的な理由で塾などに通うことができないため、他の子どもとの学力の差が出てしまいます。
貧困家庭の子どもの学力低下を防ぐために「一人親家庭のための学習支援活動」や「放課後に通える教室」を無料開放して、学習指導を行う取り組みが全国で実施されています。学習支援活動については後ほど詳しく紹介します。

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奨学金を借りる必要性が高くなる

貧困家庭の子どもが大学や専門学校に行きたいと考えたとき、ネックになるのが学費です。学費を払うほど家計にゆとりがない場合は奨学金を借りなければなりません。
奨学金は、学校を卒業後に返済の義務が発生するため、社会人になっても奨学金の返済に追われて貧困な生活から抜け出せなくなります。

就職できる職業が限られる

学力の低さから進学を諦めて社会に出る場合は、学歴で判断され、就業できる職も限られてしまうことがあります。
貧困家庭で育った人が就いている主な職業は非正規雇用が多い傾向にあると言われています。非正規雇用は正規雇用に比べて収入が低くなるほか福利厚生などの待遇も異なるため、いくつも仕事を掛け持ちしたり少ない収入で生活することを余儀なくされます。
紹介してきたように貧困が原因で高度な勉強をする機会が与えられないために教育格差が生じ、やがて貧困の連鎖につながります
しかし、教育格差による学力の差は幼少期に生じることはほとんどなく、10歳ごろから生じる傾向があります。

貧困世帯の子どもは10歳から学力が低下する?

2017年に発表されたデータでは、貧困状態にある子どもの学力は10歳(小学4年生)ごろから急激に低下するとされています。
小学校3年生(9歳)までは、読み書き計算の基本的な学習だけなので学力に差が出ることはありませんが、小学校4年生(10歳)になると基礎知識を活かした応用問題が増えてきます。
貧困家庭の子どもは不規則な生活をしていることが多く、一般家庭の子どもに比べると基礎学力が身に付きにくい傾向があるとされているため、基礎知識の応用になると対応できず学力の差が顕著になってしまいます。
また、貧困家庭の子どもは宿題を一人でしなければいけないため、分からない箇所があっても質問することができません。そのため、正しい答えの導き方や問題の解き方などの理解を深められずに、テストでも回答できず点数が取れないのです。
学力を上げるためには基礎学力をしっかり身に付ける必要があるのですが、そのために不可欠なのが規則正しい生活です。
次の章では、規則正しい生活と学力との関係について貧困家庭と一般家庭を比較しながらご紹介していきます。

子どもの学力の基礎となる生活習慣にも大きな差


学力の土台になるのが毎日の生活習慣です。ここからは生活習慣と基礎学力の関係ついて解説します。

朝食の重要性

朝食は寝ている間に失われたエネルギーを補給することで、脳を起こす役割があります。朝食を取ることで、1日の活力を養い集中力を高めることができるのです。
貧困家庭の子どもは、一般家庭の子どもに比べると朝食を摂る習慣が少なく、朝食を抜いてしまうと脳に十分に栄養が行きわたらずに集中力が落ちてしまいます。その結果、学校での授業の内容が頭に入らなくなるため、学力低下につながります。

ストレスが溜まりやすくなる

貧困家庭の子どもは、一人で過ごす時間が長く親子での会話も少ないためコミュニケーション能力が低い傾向にあります。それだけでなく、一人の寂しさや悩みを打ち明けることができないためストレスが溜まりやすくなります
長い間ストレスがかかっていると、常に自律神経が乱れてしまうため、不眠や食欲不振になる危険性も高くなり、不眠や食欲不振になってしまうとされています。
そして先ほど述べてように脳の活動が遅くなってしまい、他の子どもに比べると理解するのに時間を要してしまうのです。
紹介してきたように学力と生活習慣は深く関わっているため、生活習慣を改善すれば学力の向上も見込めます

学力の向上のしやすさにも生活習慣が関係

ここからは生活習慣と学力向上の関係についてそれぞれの項目ごとに紹介していきます。

栄養バランスのとれた食事

栄養バランスのとれた食事をしっかり摂ることで、集中力や記憶力もアップするので学力向上につながります。
家庭の料理で完璧な栄養バランスの食事を毎日出すことは難しいですが、ファーストフードやコンビニ弁当などが続くと、栄養が偏ってしまうため避けたいところです。

良質な睡眠をとる

良質な睡眠をとることで、その日の記憶が整理されて学校で学んだことが定着します。良質な睡眠をとるためには、リラックスすることが大切。
お風呂にゆっくり浸かったり寝る前に温かいお茶やミルクを一杯飲んだりするのがおすすめです。さらに寝る20分~15分前に布団の中に湯たんぽを入れておくなど布団を温めておくのも効果があるでしょう。

遊びと学力向上

子どもは遊びを通して他の人との関わり方やコミュニケーション能力を身につけます。また、遊ぶこと自体がストレス発散にもなるため、結果的に学習意力を高めることができます。
このように生活習慣と学力向上は密接に関わっているので、まずは生活習慣を見直していかなければいけません。
とはいえ家庭だけで学力向上を向上させるには限界があり、周りの大人が子どもをサポートする必要があります。
次の章ではどのような教育支援が必要で、実際にどのような活動が行われているのか紹介します。

  • 貧困家庭の子どもは経済的な理由で塾などに通うことができないため、他の子どもとの学力の差が出る
  • 学力を上げるためには基礎学力をしっかり身に付ける必要がある
  • 学力と生活習慣は深く関わっているため、生活習慣を改善すれば学力の向上が見込める

(出典:日本財団ブログ「『みんながみんなを支える社会』に向けて」,2017)

(出典:東京福祉保健局「東京都受託事業 『子供の生活実態調査』 詳細分析報告書」,2018)

(出典:内閣府子供の貧困対策 マッチング・フォーラム in 姫路「子どもの貧困を考える」)

(出典:内閣府公式サイト「日本の子どもの貧困と対策の現状」)

(出典:内閣府公式サイト「子供の貧困に関する新たな指標の開発に向けた調査研究 報告書」,2017)

貧困世帯の子どもたちに必要な支援


貧困世帯の子どもには学習をサポートしたり安心して過ごせる場所をつくるなど様々な支援が求められます。

学習支援

子どもの状況に合わせて適切な学習支援を行い、少しでも学力を上げることで精神的な負担を減らし、希望の進路に行けるように学習の支援が必要です。

生活支援

温かい食事が摂れているか、寂しくて孤独な時間を過ごしていないかなどに注意し、改善・サポートできる部分を助けるような生活の支援が必要とされています。

カウンセリング

貧困世帯の子どもは心のケアも重要です。定期的にカウンセリングを行い、本音を話せる場所を作ってあげることでストレスを溜めこまないようにしてあげる必要があります。
紹介してきたように貧困世帯の子どもには、様々な方面の支援が必要です。

ここまでの説明で、貧困に困っている子どもを寄付で支援がしたいと思った方は、ぜひ下記を参考にしてみてください。

>>貧困に困っている子どもに寄付で支援ができるおすすめ団体

次の章では、教育格差を埋めるために必要な支援と、具体的な支援事例をいくつか紹介します。

貧困世帯に必要な支援は以下の3つ

  • 子どもの状況に合わせて適切な学習支援
  • 改善・サポートできる部分を助けるような生活の支援
  • ストレスを溜め込まないような心のケア

(出典:内閣府公式サイト「日本の子どもの貧困と対策の現状」)

(出典:内閣府公式サイト「子どもの貧困を考える」)

地方自治体やNPO法人により教育支援が行われている


地方自治体が行う支援の一例ですが、福岡県新宮町では「ひとり親家庭の子どものための学習支援事業」という活動を行っています。
この活動では、福祉施設の一室を借りて子どもたちが持ってきた宿題や問題集を、元教員や教員を目指している大学生ボランティアスタッフの指導の下、取り組んでいます。

対象学年は小学生から中学生まで、様々な教員が教えていくスタイルです。何人もの教員が協力して教えるため、一般的な塾と同じようにレベルの高い知識を身につけることができます。学習支援はもちろんのこと、休み時間には生徒の日常生活や悩み相談に乗ってあげることで心のケアも行っています。
この活動は福岡県の15市町に広がっており、県内17カ所に学習塾を設置しているほか、家庭教師の派遣も行っています。

このような学習支援事業が全国各地で行われて、貧困世帯の子どもの学力アップを目指しています。

放課後に通える教室を開放

学校によっては、放課後に開放されている教室で勉強を教えたり遊んだりできる場所を確保しているところもあります。「放課後デイサービス」と呼ばれており、貧困世帯の子どもたちは親が迎えに来るまでの間、空き教室で勉強したり遊ぶことができるようになっています。
このサービスを利用すれば安心して働くことができ、宿題のわからない部分も先生に教えてもらえるので、学力を上げることができます。
紹介したのはほんの一例ですが、このように教育格差を埋めるために様々な活動が行われています。
ここまで貧困世帯の子どもたちへの支援について紹介してきましたが、震災した子どもへの支援も行われていますので次の章で詳しく紹介します。

(出典:福岡県新宮町ホームページ「ひとり親家庭の学習支援」)

(出典:内閣府公式サイト「子供の貧困対策に関する主な施策について」,2019)

学習支援

教育格差を埋めるために一番重要なことは、学習支援です。
学習支援拠点やオンラインなどでさまざまな学習支援が行われています。

例えば「Learning for All」という団体では、小学校4年~高校3年生の子どもたちを対象に、地域や学校と協力して無償の「学習支援拠点」を設置し、大学生教師たちが、学習遅滞を抱えた子どもたちに勉強を教えています。

>>NPO法人 Learning for All:包括的な支援に特徴あり

また、「カタリバ」という団体では、経済的な事情を持つ家庭や他者とのつながりがない子どもなどに、学びのプログラムを提供しています。
学習コンテンツの提供だけでなく、必要な家庭にはパソコンとWi-Fiを貸与しています。

>>認定NPO法人 カタリバ:ナナメの関係で支援者と伴走

このように、様々な団体が様々な角度から学習支援に取り組んでいます。

奨学金制度

学校や公的機関など様々な団体が奨学金を貸与または支給し、貧困家庭の進学を支えています。

保護者支援

貧困家庭の子どもの支援は、子どもへの直接支援だけではなく親への支援も行われています。

例えば「フローレンス」という団体では、ひとり親家庭に低価格で病児保育を提供しています。

>>認定NPO法人 フローレンス:子育て支援のプロフェッショナル

また、Learning for Allでは、LINEやメール、電話、対面と様々な手段を活用し、日々の悩み相談や、支援制度の紹介・窓口を行っています。

>>NPO法人 Learning for All:包括的な支援に特徴あり

このように、親の支援を行うことで貧困支援をしている団体も多くあります。

被災地の復興支援・子ども支援

被災地では次のような復興支援や子どもに対する支援が行われています。

物資支援

食べ物や毛布、歯ブラシなど生活していく上で欠かせない食品・日用品を被災地へ届けます。

避難所・仮設住宅運営支援

プライバシーを守りながら安心して生活を送ることができるよう、公民館や学校を避難所として開放したり仮設住宅の運営をサポートします。

子どもの心のケア支援

災害で家族や友人、家など大切な存在を突然失い傷ついている子どもの心のケアを行います。

  • 学習支援事業が全国各地で行われており、貧困世帯の子どもの学力アップを目指す
  • 学校によっては、放課後に開放されている教室で勉強を教えたり遊んだりできる場所を確保
  • 被災地では復興支援とともに子どもの心のケアを支援

カタリバは、東日本大震災によって生活環境や学校生活が変わってしまった子どもたちに、学習と体験活動を届ける放課後施設を、宮城県女川町、岩手県大槌町、福島県双葉郡で運営しています。

>>認定NPO法人 カタリバ:ナナメの関係で支援者と伴走

(出典:内閣府公式サイト「東日本大震災の被災地等における子ども・子育てに関する対応」)

(出典:宮城復興支援センター公式サイト「活動内容」)

貧困家庭の子どもたちのために私たちができる支援とは

貧困家庭の子どもたちのために私たちができる支援には

・ボランティア活動に参加する
・物の寄付をする
・お金の寄付をする

という方法があります。

ボランティア

まず、私達ができることとして、ボランティアがあります。

ボランティア活動は大きく分けて、子どもたちと直接関わる活動と、支援団体の事務ボランティアや広報などの活動があります。

カタリバでは、学習支援スタッフや、法務やシステム、デザイン、Webなどのプロボノ*で子どもたちのサポートができます。

Learning for Allでは、学習支援拠点での個別指導のボランティアとして子どもたちの支援ができます。初めてのボランティアが不安な方向けに、ボランティア経験者の体験談が聞ける相談会も行っています。

ボランティアは直接子どもたちと関わって自分の能力を活かした支援ができるため、実感や効果を得やすいです。
一方で、時間や場所などの制約があり、誰もが簡単にできる支援方法ではないかもしれません。時間がない、時間が合わない、近隣にボランティアできる場所がない、という方は後ほど紹介する、いつどこにいても支援できる、お金の寄付も検討してみてください。

*プロボノ:社会的・公共的な目的のために、職業上のスキルや専門知識を活かして取り組むボランティア活動

>>貧困家庭の子どものために私たちができるボランティア活動とは?

物の寄付

ランドセル、学用品(鉛筆やノートなど)の寄付で貧困家庭の子どもたちを支援することも可能です。
受け入れている物は、団体によって異なるので、事前の問い合わせが必要になります。
また、寄付品のコンディションや発送手順なども、必ず事前に確認しましょう。

物の寄付は、自分の支援がそのまま直接子どもに届くため、支援した実感がわきやすいかもしれません。しかし団体側で選別や保管が必要であったり、子どもが必要なものが必要なタイミングで入手できなかったりと、あまり融通が利かないのも事実です。

効果的な支援方法についてもっと知りたい、という方はこちらの記事もご一読ください

>>食料や服の寄付は支援に役立てにくい?実際のところを専門家が解説!

お金の寄付

そして、最後に、お金での寄付です。

お金の寄付には、募金と団体への寄付(都度・継続)があります。

募金

街頭での募金活動や、当該団体を支援している店舗などに置いてある募金箱に寄付をします。手軽にできますが、計画を持って寄付をしたい場合は、後述する「継続寄付」がおすすめです。

単発寄付

団体のHPなどからクレジットカード、銀行口座からの振込などで、好きな金額を自分の好きなタイミングで寄付できます。特にクレジットカードでの寄付は、思い立ったらすぐその場でできるのでとても手軽で便利です。

継続寄付

毎月決まった金額を、都度寄付と同様、団体のHPなどからクレジットカードや口座引き落としで寄付をします。選択できる金額の設定は団体によって異なりますが、通常1,000円から10,000円程度の設定金額から選択します。

お金の寄付は、団体が受益者である子どもにとって一番良いと考える支援手段を選択できるため、サポートできる幅が広く、効果的な支援が可能です。
さらに、継続寄付はより安定的、持続的に子どもをサポートできます。

いきなり継続寄付はハードルが高い、という方はまずは都度寄付から始めてみて、継続支援に移行することも可能です。

団体への都度寄付や継続寄付は、寄付金控除の対象になり、節税の面でのメリットもあります。

とはいえ、どんな団体に寄付したほうがいいのかわからない方も多いと思います。

そこで gooddoマガジンでは寄付するのにおすすめの団体を紹介していますので是非チェックしてみてください。

貧困家庭の子どもたちに寄付で支援ができるおすすめ団体

ここでは、「貧困家庭の子どもたちのために、寄付などの支援をしたい」と考えている方へ向けて、寄付アドバイザーの河合さんのおすすめコメントとともに、5つの支援団体を紹介します。

寄付アドバイザー :河合将生(まさお)さん
NPO組織基盤強化コンサルタント office musubime代表/関西チャプター共同代表・准認定ファンドレイザー
寄り添って伴走する第三者として、各団体(NPOなど)の支援に取り組んでいます。

【寄付先1】認定NPO法人 カタリバ:ナナメの関係で支援者と伴走

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カタリバ

カタリバはこんな人にオススメ!

  • ・教育の可能性や重要性を信じている
  • ・実績や社会的な信頼は大事だと思う
  • ・家庭や学校で困難を抱える子どもでも、成長の機会を得られる社会になってほしい

カタリバは、自身ではどうすることもできない家庭環境などの課題を抱える子どもたちを対象に、居場所・学習・食事を地域と連携しながら届ける活動などを行っています。

日本中の子ども達が、生まれ育った環境や家庭などの格差によって、可能性を閉ざされてしまうことが決してないように支援を続けています。

活動を通じて「すべての10代が意欲と創造性を育める未来」の実現を目指しています。

寄付アドバイザー河合さんの注目ポイント3つ!

  1. 「ナナメの関係という共成長モデル」「10代に伴走」「個人の成長を支える強い組織文化」が強み
  2. 安心できる居場所の提供、学習支援、食事支援、災害時の居場所の提供学習支援、探求学習の実践支援などの活動を、全国で展開
  3. 活動に関わった10代の声の紹介、カタリバの仲間紹介、支援者/企業紹介など、いろんな人や支援者の関わりの特徴が伝わってくる
寄付金控除の対象団体です

ネットの口コミ評判を知りたい方はこちら
>>【実際どう?】カタリバの気になる評判は?寄付先として信頼できるかを徹底解説
>>カタリバに関する記事一覧はこちら

【寄付先2】NPO法人 Learning for All:包括的な支援に特徴あり

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Learning for All

Learning for All はこんな人にオススメ!

  1. 質の高い学習支援をこどもたちに届けたい!
  2. 全国のたくさんの子どもの役に立ちたい!
  3. 専門家やメディアの評価が高い活動を支援したい!

Learning for All は、さまざまな理由で生きづらさを抱える子どもたちに学習支援、居場所提供、食事提供などを行いながら、保護者たちのサポートも行っています。さらに、支援のノウハウを展開したり、ノウハウを共有するしくみを構築しています。

今まで延べ6000人以上の子どもを支援、延べ2000人以上のボランティアが参加した実績を持ちます。

活動を通して「子どもの貧困の本質的解決」を目指しています。

寄付アドバイザー河合さんの注目ポイント3つ

  1. 困難を抱えた子どもたちへの包括的支援、人材育成、普及啓発・アドボカシーの活動に特徴
  2. 「月1,000円で一人の子どもに1時間分の勉強」など、寄付金でできることが分かりやすい
  3. 企業、自治体などのパートナー、学生ボランティア卒業生のアラムナイ(同窓会)といったコミュニティの存在
寄付金控除の対象団体です

ネットの口コミ評判を知りたい方はこちら
>>【実際どう?】Learning for All の気になる評判は?寄付先として信頼できるかを徹底解説
>>Learning for All に関する記事一覧はこちら

【寄付先3】認定NPO法人 フローレンス:子育て支援のプロフェッショナル

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フローレンスはこんな人にオススメ!

  • ・これからの日本には古い価値観や仕組みにとらわれないイノベーションが求められていると思う
  • ・日本から子どもの虐待死がなくなって欲しい
  • ・障害のある子どもやその親が幸せに暮らせる社会になって欲しい

フローレンスは、親子の笑顔をさまたげる社会問題を解決するため、病児保育、小規模保育園、障害児保育・支援、特別養子縁組、子ども宅食、ひとり親支援などの事業に取り組んでいます。

コロナ禍においては「新型コロナこども緊急支援プロジェクト」を立ち上げ、ひとり親家庭の病児保育無償化、食料品や日用品の配布、感染症重症化リスクの高い医療的ケア児者や施設への消毒液の配布など、2020年度末までにのべ64,200世帯以上、55の医療施設・障害者支援施設に支援を届けました。

活動を通して、「みんなで子どもたちを抱きしめ、子育てとともに何でも挑戦でき、いろんな家族の笑顔があふれる社会」の実現を目指しています。

寄付アドバイザー河合さんの注目ポイント3つ!

  1. 新たな価値を創造するイノベーター集団、社会問題解決集団と掲げるように社会問題への「小さな解」を、事業として次々と生み出す
  2. 政治や行政と共に「小さな解」を政策にし、全国に拡散する
  3. 内閣府「子ども・子育て会議」委員を務める代表理事 駒崎弘樹さんの発信力
寄付金控除の対象団体です

ネットの口コミ評判を知りたい方はこちら
>>【実際どう?】フローレンスの気になる評判は?寄付先として信頼できるかを徹底解説
>>フローレンスに関する記事一覧はこちら

【寄付先4】認定NPO法人セカンドハーベスト・ジャパン:日本初のフードバンク

様々な理由で廃棄される食品を引き取り、それらを児童養護施設、DV被害者のためのシェルター、ホームレス、こども食堂などに届ける活動を行っています。

日本でのフードセーフティネットの構築を目的にしています。

寄付アドバイザーが見た注目ポイント!

  1. 日本初のフードバンク。コロナ禍の影響を受け、例年以上の食の支援を必要とする利用者増が見込まれ、団体への期待は大きい
  2. お金や時間の寄付の他に、食べ物の寄付がある
  3. 食品ロスの問題提起、ハローキティSDGs応援などわかりやすい動画での紹介
「自分の死後、残った遺産を社会のために活かしてほしい」
このように考えている方は、この機会に遺贈寄付を考えてみませんか?
生前に手続きを済ませるだけで、自分の遺産を支援団体に寄付(遺贈寄付)できます。
遺贈寄付先の選び方をチェックする

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貧困家庭の子どもたちに対する支援活動は寄付がおすすめ!

ここでは貧困家庭の子どもたちに起こる問題、行われている支援、私たちができる支援方法、支援先としておすすめの団体を紹介しました。この記事の内容をまとめます。

  • ・貧困家庭の子どもの大きな問題は教育格差
  • ・様々な団体が学習支援や奨学金給付などの支援活動をしている
  • ・私たちにできる支援方法は様々だが、効果が高いのは支援団体への継続寄付

貧困家庭の子どもたちの支援は、寄付などを通じて手軽にできます。「寄付を通じて貧困家庭の子どもたちをサポートしたい」という方は、ぜひ参考にしてくださいね。

>>日本の子どもに寄付したい!おすすめNPO団体と選び方を専門家が紹介

▼この記事で紹介したおすすめ団体

団体名 寄付アドバイザーが見た注目ポイント
カタリバ ・「ナナメの関係という共成長モデル」「10代に伴走」「個人の成長を支える強い組織文化」が強み
・安心できる居場所の提供、学習支援、食事支援、災害時の居場所の提供や学習支援、探求学習の実践支援などの活動を、全国で展開
・活動に関わった10代の声の紹介、カタリバの仲間紹介、支援者/企業紹介など、いろんな人や支援者の関わりの特徴が伝わってくる
Learning for All ・困難を抱えた子どもたちへの包括的支援、人材育成、普及啓発・アドボカシーの活動に特徴
・寄付金でできることのわかりやすさ「月1,000円で一人の子どもに1時間分の勉強」「月3,000円で1日分」「月10,000円で高校進学」など
・企業、自治体など子どもの貧困を本質的に解決するためのパートナー、学生ボランティアを経験したOB・OGのアラムナイ(同窓会)といったコミュニティの存在
フローレンス ・新たな価値を創造するイノベーター集団、社会問題解決集団と掲げるように社会問題への「小さな解」を、事業として次々と生み出す
・政治や行政と共に「小さな解」を政策にし、全国に拡散する
・内閣府「子ども・子育て会議」委員を務める代表理事 駒崎弘樹さんの発信力
セカンドハーベスト・ジャパン ・日本初のフードバンク。コロナ禍の影響を受け、例年以上の食の支援を必要とする利用者増が見込まれ、団体への期待は大きい
・お金や時間の寄付の他に、食べ物の寄付がある
・食品ロスの問題提起、ハローキティSDGs応援などわかりやすい動画での紹介

記事の内容は以上です。もし、今あなたが

「どの団体に寄付するか決めかねている・・・」
「寄付先の選び方を知りたい・・・」

とお思いなら、寄付アドバイザーが「あなたに合う寄付先の選び方」を解説する人気記事をおすすめします。
気になる方はぜひ以下のリンクからどうぞ!

>>寄付先のおすすめNPO団体は?失敗しない選び方を専門家が一覧から徹底解説!

寄付先の選び方ガイド:河合将生(まさお)さん

NPO組織基盤強化コンサルタント office musubime代表/関西チャプター共同代表・准認定ファンドレイザー。
大学卒業後、国際協力分野のNGOにボランティアスタッフとして参加。その後、国際交流・協力分野の中間支援組織へのインターンシップ、職員を経て、office musubime (オフィス ムスビメ)を2011年7月に設立。
寄り添って伴走する第三者として、身近な相談相手や多様な人・団体をつなぐ役割を通し、組織診断・組織基盤強化、ファンドレイジング支援など、各団体の支援に取り組む。
大阪マラソンチャリティ事務局担当や、国際協力や子ども/子育て支援、まちづくり分野、コミュニティ財団などの役員、大学の非常勤講師としてNPO論やボランティア論などの担当も。
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