こども食堂とは?求められる背景や魅力、支援方法までわかりやすく解説


「こども食堂ってよく聞くけれど、どんな場所なの?」
「食事を提供するだけではなく、どんな役割があるの?」

そう感じている方も多いかもしれません。

こども食堂とは、無料または安価で栄養ある食事を提供する、地域のあたたかな居場所です。

子どもの孤食や家庭の困難を背景に、全国に広がりを見せています。温かい食事はもちろん、子ども同士・親同士の交流や世代を超えたつながりが生まれるのも大きな魅力です。

一方で、スタッフや会場、資金の確保といった課題も抱えています。

本記事では、こども食堂の役割や魅力、運営の課題、支援方法までをわかりやすく紹介します。興味のある方は、ぜひ最後までご覧ください。

なお「こども食堂を応援するために自分でもできる支援を知りたい」という方は、こども食堂活動している支援団体への寄付を考えてみませんか?

>>こども食堂を寄付で支援できる団体3つ

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費用負担や個人情報の入力は一切不要です!

目次

こども食堂とは、心温まる地域の「もう一つの食卓」


こども食堂とは、地域住民や自治体が主体となり、無料または低価格帯で子どもたちに食事を提供するコミュニティの場所のこと。

ほかほかと湯気の立つごはんの美味しい匂い、子どもたちのはしゃぐ明るい声、そして、ご近所さん同士が交わす優しい笑顔…。

まるで、自分の家に帰ってきたかのような、ほっとする温かい空間。

そこは、子どもも大人も、おじいちゃんもおばあちゃんも、誰もが気軽に立ち寄れて、「おかえりなさい」と迎えられる場所。

これは、遠いどこかの夢物語ではありません。
日本全国に広がりつつある「こども食堂」の、心温まる日常の風景なのです。

単に「子どもたちの食事提供の場」としてだけではなく、帰りが遅い会社員、家事をする時間のない家族などが集まって食事をとることもできます。

このような「人が多く集まる場所」があることで、地域住民のコミュニケーションの場としても機能しているのです。

(出典:農林水産省公式サイト「こども食堂と連携した地域における食育の推進」)

こども食堂が求められる背景


全国で広がりを見せるこども食堂。なぜ今必要とされているのかその背景を見ていきましょう。

笑顔の裏にある、小さな胸の内の寂しさ

こども食堂のような温かな場所が求められる背景には、私たちの社会が抱える、見過ごされがちな現実があります。

一人きりで夕食をとる子どもたちの姿(孤食)。
仕事や子育てに追われ、地域とのつながりが希薄になりがちな保護者の孤独感。
誰かとおしゃべりする機会を心待ちにしている、お年寄りの方々。

「誰かと一緒にごはんを食べたい」
「ちょっとしたことを相談できる相手がほしい」

そんな、ささやかだけれど切実な願いが、私たちのすぐ隣にあるのかもしれません。

想像してみてください。
もし自分の子どもが、あるいは大切な誰かが、毎晩たった一人で食卓に向かっていたとしたら…?

きっと、胸が締め付けられるような思いがするのではないでしょうか。

現代社会では、かつて地域や大家族が自然と担っていた支え合いの機能が、少しずつ弱まっているのかもしれません。
だからこそ、こども食堂のような新しいつながりの場が、今、求められているのです。

日本におけるこどもの貧困率の高さ

厚生労働所の調査では、日本の子どもの約9人に1人が貧困状態にあるとされています。

そうした中で、栄養バランスの取れた温かい手作りごはんを安く食べられるこども食堂は、子どもたちの心と体を支える大きな存在です。

最近では、地域の野菜や寄付食材を使い、栄養士が献立を考える食堂も増えつつあります。

*出典:2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況|厚生労働省
>>こども食堂を利用する「お腹を空かせた子どもたち」の実態とは?

こども食堂の魅力:ごはんだけじゃない、心を満たす温もり


こども食堂は、単にお腹を満たすだけの場所ではありません。
そこには、心を豊かにするたくさんの魅力が詰まっています。

アットホームな雰囲気で誰かと食事ができる

温かいごはんを、みんなで一緒に

何より、手作りの温かいごはんを、みんなで囲んで食べる時間は、かけがえのない喜びです。栄養バランスが考えられているのはもちろん、おいしいね」と笑い合う食卓は、心まで温かく満たしてくれます。

子ども同士、大人同士のコミュニケーションが取れる

笑い声と学びの交差点

食事が終わった後も、こども食堂は賑やかです。宿題を教えてくれる優しいお兄さん、お姉さん。一緒にゲームで盛り上がる友達。地域の人が読み聞かせをしてくれることも。子どもたちは、ここで安心して過ごし、遊びや学びを通して、たくさんの笑顔と思い出、そして自信を育んでいます。

世代を超えた、心のふれあい

こども食堂は、多様な人々が集う交流の場でもあります。おばあちゃんが昔ながらの知恵を教えてくれたり、子育て中の親同士が悩みを共有したり、ボランティアの学生が新しい風を吹き込んだり。異なる世代や背景を持つ人々が自然と出会い、言葉を交わす中で、地域の絆が新しく、そして強く結ばれていきます。

誰もが安心できる居場所を提供

「誰でもおいで」の魔法

そして、こども食堂の一番の魅力は、誰でも、いつでも、気軽にどうぞという、その開かれた雰囲気かもしれません。「困っている人を助ける」という一方的な関係ではなく、地域のみんなで一緒に温かい居場所をつくっていく。この「誰でも歓迎」の姿勢があるからこそ、本当に支援が必要な人も、そうでない人も、誰もが気兼ねなく訪れることができ、自然な支え合いの輪が広がっていくのです。それはまるで、心を解き放つ魔法のようです。

(出典:農林水産省公式サイト「こども食堂と連携した地域における食育の推進」)

こども食堂の課題

こども食堂は、実際に利用する子どもたちや、子どもを持つ親にとっては多くのメリットがあります。
しかし、こども食堂を運営する側にとっては多くの課題が存在するのです。

スタッフ・会場の確保が難しい

日本全国に急増しているこども食堂は、誰でも始められることが多くの人に知られており、こども食堂の開設は全国に広がっています。

しかし、そこで働くボランティアベースのスタッフは、家族の状況や仕事などの様々な環境の変化によって、持続的に確保することが難しいという問題もあります。

その他にも、「こども食堂を開催する場所」にも大きな課題があります。

ボランティアベースで行われているこども食堂においては、場所を借りる費用も大きな痛手となってしまいます。
そのために、無償で「こども食堂を開催できる場所」が少ないのも課題といえるでしょう。

全国では、居住している民家で行ったり、メンバーの方が営んでいるお店を使って行ったりと、様々な工夫でこども食堂が運営されています。

運営費(活動費)の確保が難しい

こども食堂は基本的にボランティアベースのため、運営費の確保が難しいのです。

一般的なこども食堂では、料金設定を無料〜300円程度としており、食材などはフードバンクや地域住民の寄付などで賄っています。
活動資金については、こども食堂を運営している人々の「持ち出し」で準備することが多いため、行政からの助成金などの支援が待たれます

また、個人でこども食堂を支援している団体への寄付が可能です。具体的な支援団体については以下で紹介しているため、ご一読ください。

>>こども食堂を支援するには?支援団体を3つ紹介!

こども食堂のメリット・デメリットは下記記事でも解説しています。参考になれば幸いです。

>>こども食堂のメリット・デメリットは?

こども食堂を支援するためにできること

こども食堂がこれからも地域を照らし続けるためには、あなたの応援が必要です。

寄付で支える
あなたの寄付が、子どもたちの温かい食事や、安心できる居場所の運営費になります。むすびえへの寄付を通じて、全国のこども食堂を応援することができます。
ボランティアとして参加する
調理や配膳、子どもたちの見守りや学習支援など、あなたの得意なことや時間を提供してみませんか?お近くのこども食堂を探してみましょう。
広める
こども食堂の活動やその大切さを、ご家族や友人、同僚に伝えてみてください。理解と共感が広がることが、大きな支えとなります。

もうひとつ、今すぐにあなたにできる簡単な応援方法があります。
それは、費用の自己負担や個人情報不要の「3問のアンケートに答えるだけの無料支援」です。
 

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支援にかかる費用は、サポーター企業であるgooddo()が負担するため、あなたには一切費用はかからず個人情報なども必要ありません! ※gooddo株式会社は、株式会社セプテーニ・ホールディングス(東京証券取引所 スタンダード市場)のグループ会社
  2025年5月末時点で、なんと25万人を超える方が無料支援に参加してくださり、250万円以上の支援金をむすびえさんにお届けできています!

こども食堂に寄付金を送る方法は?


ここまでは各地域のこども食堂の数から、行政の取り組みを簡単に説明しました。

こども食堂への寄付には直接こども食堂の活動へ寄付する方法と、NPO団体に寄付をする方法があります。

こども食堂へ直接寄付する場合は、食材や運営費などが求められていますが、事前に「何が必要か」「何があると助かるか」などを聞いたうえで寄付を行うようにしましょう。
スタッフとして手伝いたい場合も、事前に連絡を取りどんなことができるかなど説明を聞いたうえで参加するのが良いでしょう。

認定NPO法人として登録している団体への寄付は、税制優遇を受けることができるメリットがあります。
認定NPO法人に寄付する方法について解説します。

それぞれの寄付方法について解説します。

継続的な寄付

こども食堂の運営には、食事以外にも場所代や電気代などの諸経費を含めて、継続的に費用が掛かります。

子どもたちに温かい食事を提供する場を提供し続けるためにも、継続支援が必要です。
支払い方法はクレジットカード・口座振替から選択し、指定日に引き落としが掛かるのが一般的です。

1回のみの寄付

まずはお試しで寄付を行いたい方のために、1回のみの寄付も用意されています。

支払い方法を選び、金額を指定することで支援が可能です。
NPOによっては1,000円から支援できる場合もあります。

こども食堂を寄付で支援できる団体3つ

こども食堂は、地域の大人たちが満足に食べられない子どもの食事をサポートするほか、子ども同士や親同士のコミュニケーションをとることができる重要な場となっています。

しかし、こども食堂の活動を継続するための活動費用の捻出や、スタッフ・会場の確保が難しいという課題が挙げられています。
よって、これらの活動を維持するためには寄付が必要です。

ここからは、こども食堂の活動を支援している3つの団体を紹介します。

寄付アドバイザー :河合将生(まさお)さん
NPO組織基盤強化コンサルタント office musubime代表/関西チャプター共同代表・准認定ファンドレイザー
寄り添って伴走する第三者として、各団体(NPOなど)の支援に取り組んでいます。

【寄付先1】認定NPO法人 全国こども食堂支援センター・むすびえ:全国約5,000箇所の「こども食堂」と協働

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全国こども食堂支援センター・むすびえ

むすびえはこんな人にオススメ!

  • ・子どもにとって食べることは大事だと思う人
  • ・子どもの頃から多様な価値観に触れる方が良いと思う人
  • ・子どもが食を楽しめる社会になって欲しいと思う人

むすびえは、各地域のこども食堂ネットワークの支援、社会に貢献したいと考えている企業・団体と協働でこども食堂の支援、こども食堂に関する調査・研究を行っています。

「こども食堂」を、地域・社会の担い手としてより「あたりまえ」のものにしていきたいという想いで活動している団体です。

こども食堂の支援を通じて、誰も取りこぼさない社会をつくることをめざしています。

寄付アドバイザー河合さんの注目ポイント3つ!

  1. こども食堂の実態・効果・課題の調査や、協力関係にある全国の地域ネットワーク、企業や団体との連携協働を通して全国のこども食堂を応援している。
  2. 食材や物品を提供する企業や支援者の情報が一旦むすびえに集まることで、全国のこども食堂に対して公平に情報が届けられる
  3. 「こども食堂全国箇所数調査」や『こども食堂白書』の出版など団体自らが行う調査研究が充実している。全国のこども食堂の状況を知りたいと思ったらまず、むすびえの調査に目を通すのがおすすめ
寄付金控除の対象団体です

ネットの口コミ評判を知りたい方はこちら
>>【実際どう?】むすびえの気になる評判は?寄付先として信頼できるかを徹底解説
>>むすびえに関する記事一覧はこちら

【寄付先2】認定NPO法人 Learning for All:子どもに「今」と「未来」の安心を届ける

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Learning for All

Learning for All はこんな人にオススメ!

  1. 困難を抱える子どもたちに、居場所や学びの機会を届けたい!
  2. こども食堂などを通じた地域のつながりを支援したい!
  3. 教育と福祉の両面から、子どもの貧困に向き合いたい!

認定NPO法人 Learning for All(LFA)は、「食」と「学び」の両面から、困難を抱える子どもたちを支援しています。

こども食堂では、温かい手づくりのごはんとともに、子どもたちが安心して過ごせる居場所を提供。対象は小学校1年生から高校生世代(6〜18歳)で、登録制による週5日の食事支援を実施。月2回は地域の大人や子どもたちも一緒に楽しめる食堂を開いています。

食事や遊びを通して子どもたちと関わるのは、地域の大学生ボランティア。家庭や学校とは違う「心のよりどころ」となる関係性を築いています。

さらに、無料の学習支援教室では、一人ひとりの理解度に合わせた丁寧なサポートを行い、「勉強がわかるようになった」「将来の夢ができた」といった声も届いています。

LFAは、こうした取り組みを通じて、子どもの貧困を本質的に解決することを目指しています。

gooddoマガジン編集部の注目ポイント3つ

  1. 「食・学び・居場所・保護者支援」を含む、子どもを丸ごと支える包括的な取り組み
  2. 大学生ボランティアが食事や遊びを通して寄り添い、家庭や学校以外の「心の居場所」を実現
  3. 学生ボランティアや地域との連携など、持続可能な支援体制が整っている
寄付金控除の対象団体です

ネットの口コミ評判を知りたい方はこちら
>>【実際どう?】Learning for All の気になる評判は?寄付先として信頼できるかを徹底解説

>>Learning for All に関する記事一覧はこちら

【寄付先3】認定NPO法人セカンドハーベスト・ジャパン:日本初のフードバンク


様々な理由で廃棄される食品を引き取り、それらを児童養護施設、DV被害者のためのシェルター、ホームレス、こども食堂などに届ける活動を行っています。

日本でのフードセーフティネットの構築を目的にしています。

寄付アドバイザーが見た注目ポイント!

  1. 日本初のフードバンク。コロナ禍の影響を受け、例年以上の食の支援を必要とする利用者増が見込まれ、団体への期待は大きい
  2. お金や時間の寄付の他に、食べ物の寄付がある
  3. 食品ロスの問題提起、ハローキティSDGs応援などわかりやすい動画での紹介

こども食堂の目的と現状

ここからは、そもそもこども食堂はどのような目的で始まったのか、また現状について解説します。

こども食堂が始まったきっかけは?

こども食堂は、東京都大田区にある八百屋の店主が2012年に始めたことがきっかけです。

朝ごはんや晩ごはんを十分に食べることができない子どもたちがいることを知った八百屋の店主が、自ら始めたのです。

その活動を知った東京都豊島区の子ども支援をしていた団体のメンバーが活動に取り入れたことで、瞬く間に全国に活動の輪が広がっていきました。

こども食堂がはじまったきっかけについては、下記記事でも詳しく解説していますので、気になる方はご一読ください。

>>こども食堂が貧困の子どもを救う!始まったきっかけや現状とは

こども食堂の目的は?

こども食堂の目的は複数あります。主な目的は下記のとおりです。

  • ・子どもへの食事提供
  • ・孤食の解消
  • ・食育
  • ・地域交流の場

孤食の解消や食育の推進、無料もしくは低料金で食事提供を行っています。「こども食堂」という名前ですが、実は大人も利用できるのが特徴です。地域の子どもと大人がつながる「地域交流の場」としての側面もあります。

こども食堂の目的やこれまでの歴史については下記で詳しく解説していますので、詳しく知りたい方はぜひご一読ください。

>>こども食堂の目的や歴史は?どのように広まっていった?

こども食堂の現状は?

2022年時点で、全国のこども食堂は7,363箇所*あります。2016年時点では319箇所しかありませんでしたが、ここ数年でこども食堂の数が急増しました。

一方でスタッフや運営資金の確保など、課題も浮き彫りになってきています。こども食堂の現状や課題については下記で詳しく解説していますので、ぜひご一読ください。

>>こども食堂の現状とは?全国に拡大する中で見えた課題とは

*引用:こども食堂について|むすびえ

コンビニが運営するこども食堂とは?


2019年3月より大手コンビニチェーンであるファミリーマートがこども食堂の取り組みを開始しました。

元々は東京都、神奈川県、埼玉県の5店舗でトライアル開催されていましたが、ポジティブな感想が多かったことから、開催地域を全国に拡大したのです。
全国のコンビニチェーンの店舗を活用し、地域の子どもたちや近隣の地域住民が、共に食卓を囲みコミュニケーションができる機会を提供することで、地域の活性化に繋げています。
2021年10月末までに約350回、延べ4,000人以上が参加しました。

支援対象や料金は?

支援対象は、店舗近隣に住んでいる子ども、及びその保護者であり、参加料金は小学生以下のこどもと中学生以上の子・保護者で分かれており、どちらも500円以内で利用可能です。

提供メニューは?

コンビニが運営するこども食堂では、その特性を活かし、コンビニでのレジ打ちなどの体験イベントを食事の時間と合わせて提供しています。
提供している食事は弁当、飲み物、デザートを提供しています。

認定NPO法人 全国こども食堂支援センター・むすびえとの連携

2021年9月からは、「認定NPO法人 全国こども食堂支援センター・むすびえ」のネットワークを活用し、コロナ禍で活動が縮小する全国各地のこども食堂の活動の支援をおこなっています。

なお、「ファミマこども食堂」は、開催当初から、プログラム設計や活動の周知などで、むすびえと連携して取り組みを進めてきました。
※「ファミマこども食堂」は、2022年8月現在、コロナ禍の影響で一時休止しています。

日本各地のこども食堂事情や行政の取り組みは?


全国にこども食堂が増えたことで、社会全体の貧困に対する意識も変化しています。
次に、日本各地のこども食堂事情や行政の取り組みについて解説します。

札幌

札幌市が2018年に独自で調査を実施した結果、「経済的理由により家族が必要とする食料を買えなかった」というアンケートに「稀にあった」「ときどきあった」「よくあった」を合わせて全世帯の17.2%という高い水準になっています。
非課税世帯に限ると34.9%、ひとり親世帯では30.0%が食料を買えなかった経験があるとわかりました。

札幌市では、こども食堂のような「子どもの居場所づくり」の方法について公式サイトでまとめており、支援しています。

(出典:札幌市公式サイト 「札幌市子どもの貧困対策計画」,2018)
(出典:札幌市公式サイト 「さっぽろ「こども食堂・子どもの居場所づくり」ガイドブック」,2018)

埼玉

埼玉県においては、埼玉県内のこども食堂に関する情報を共有・交換できるネットワークサイトが立ち上がっています。

埼玉県内のこども食堂間の連携と情報交換、食堂を作りたい方やボランティアをしたい方のサポート、行政と連携して定期的な連絡協議会を開催しています。

(出典:埼玉県こども食堂ネットワーク

東京

東京都品川区では、社会福祉協議会が事務局となってネットワークがスタートしました。

寄付専用口座を設けて活動資金の一部を助成、寄付された食材を配分する他、場所を提供したいという企業とのマッチング、ボランティア希望者の紹介などに行政が協力しています。
(出典:こども食堂ネットワーク

横浜・神奈川

神奈川県内にあるNPO法人などは、始めた人の自助努力に頼っていたこども食堂の仕組みを脱するために、寄付された食材などを、近隣のこども食堂に届けています。

また、神奈川県のホームページでも、活動団体を紹介し、活動のサポートを呼びかけています。
(出典:神奈川県 公式サイト 「地域活動団体紹介 かながわスマイルテーブル」2019年)

名古屋(愛知県)

名古屋市を含む愛知県では、県内のこども食堂に関する情報の共有・交換できるサイトがあり、企業、団体などから寄付を受け取っています。

また愛知県も、「子どもが輝く未来基金」と題して、こども食堂の支援から学習支援の支援金を募ってサポートしています。

(出典:こども食堂ネットワーク

京都

京都府ではこども食堂の開所支援を行っており、補助率が3分の2の支援制度が「きょうとこどもの城づくり事業」が実施されています*。

対象となるのは財団法人やNPO法人などの「法人」からボランティアサークルや自治会・町内会、老人クラブ、PTAなどの任意団体まで幅広くサポートをする姿勢を見せています。

出典:きょうとこどもの城づくり事業(きょうとこども食堂)開設・運営支援事業の令和4年度募集について,2022

大阪

大阪府では、新しくこども食堂を立ち上げたり、運営を行う人のための相談窓口である「こども食堂コンシェルジュ」を立ち上げて、新規立ち上げを検討している方の支援を行っています。
(出典:こども食堂ネットワーク
(出典:大阪府公式サイト「こども食堂にかかる取組について」)

広島

広島県では、こども食堂へのボランティア募集などをウェブ上で呼びかけています。

その他にも広島県内のNPO法人がこども食堂のネットワークを構築し、支援金などの呼びかけを行っています。

(出典:こども食堂ネットワーク
(出典:公益財団法人ひろしまこども夢財団 「イクちゃんこども食堂ネットワーク」2019年)

福岡

福岡県では食品製造を行う事業所にフードバンク活動における食品提供の呼びかけを行っています。

食料の寄付を受けたフードバンクは、近隣地域のこども食堂に寄付する仕組みが福岡県ではできているのです。

(出典:福岡県公式サイト「フードバンクについて」)

こども食堂に関するよくある疑問


こども食堂に関するよくある疑問をご紹介します。

  • ・こども食堂の利用に年齢制限はある?
  • ・こども食堂の運営や参加に資格は必要?
  • ・「こども食堂はいらない」と見聞きするけど実際どう?

各疑問について詳しく解説します。

こども食堂の利用に年齢制限はある?

こども食堂を利用するのに制限はありません。子どもはもちろん、大人も利用できます。

経済的に恵まれているかどうかも問題ありません。こども食堂はどなたでも気軽に利用できる場所です。

こども食堂の運営や参加に資格は必要?

こども食堂の運営をするのに参加資格などはありません。ただし食事の提供を行うため、保健所への事前相談が必要です。

>>こども食堂を運営するために必要なことや手順は?

スタッフとして参加するのにも、特に資格などは必要ありません。食事を作る以外にも、子ども達との話し相手になる人も求められています。

>>こども食堂でボランティア活動をするには?

「こども食堂はいらない」と見聞きするけど実際どう?

一部では「こども食堂はいらない」といった主旨の言説を見聞きします。これは本当なのでしょうか?

そもそも、本当に必要ないものであればこども食堂の数がここまで急増することはありません。前述したとおり、こども食堂の数は2016年で319箇所だったのに対して2022年では7,363箇所と、わずか6年間で20倍以上も増えています。

こども食堂は民間発の自発的な取り組みが多くの人に支持された結果、ここまで拡大しました。自発的な支援活動がここまで全国で広がっていることこそが、今こども食堂が必要とされている証拠ではないでしょうか?

また、こども食堂はフードロスの削減にも貢献しています。具体的にどのような事例があるのか、下記記事で解説していますのでご一読ください。

>>こども食堂への支援がフードロスの削減につながる!

アレルギーを持っている子どもには、どう対応する?


食事提供をする上で、気を付けなければいけないことはアレルギー対応です。

アレルギー症状は、皮膚のかゆみ、蕁麻疹、腹痛や下痢などを引き起こします。
アレルギーのある子どもは、こども食堂を利用する際に、事前にアレルギーの相談をして、こども食堂運営側は子どもにアレルギー症状が出ないような対応が必要です。

提供食にアレルギー源の食材を使わないなど詳細な対応については、詳しいアレルギー対応については文部科学省が発信している「学校給食における食物アレルギー対応について」を参考にしてみると良いかもしれません。
(出典:文部科学省公式サイト「学校給食における食物アレルギー対応について」)

みんなの笑顔のためにこども食堂を支援しよう

ここで紹介した内容をまとめると、

  • ・こども食堂は、孤食や貧困、地域のつながりの希薄さといった社会課題に寄り添う、心温まる居場所
  • ・食事の提供にとどまらず、子ども同士・親同士・世代を超えた交流の場としても機能している
  • ・一方で、スタッフや資金、会場の確保といった課題があり、継続には寄付やボランティアなどの支援が欠かせない

こども食堂を応援したいと感じた方は、今回ご紹介した情報を参考に、できる形での支援を検討してみてください。

また、具体的な寄付方法は、各支援団体によって異なります。疑問点がある場合は、電話やメールで直接問い合わせてみましょう。

こども食堂の活動を支援する方法については下記記事でも解説しています。支援方法について理解を深めたい方はぜひご一読ください。

>>こども食堂の活動を支援する方法は?寄付できるものや方法とは

こども食堂の可能性についてもっと詳しく知りたいという方にはこちらの書籍がおすすめです。「こども食堂は福祉の場であり単なる貧困対策の場ではない」とはなす「むすびえ」の代表 湯浅誠さん著。

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▼こども食堂の取り組みを支援したい人におすすめの団体

団体名 寄付アドバイザー・gooddoマガジン編集部が見た注目ポイント
むすびえ ・全国約5,000箇所のこども食堂を、協力関係にある全国の地域ネットワーク、企業や団体との連携協働を通して応援
・公平・中立な支援を行っている
・「こども食堂全国箇所数調査」など調査研究が充実している
Learning for All ・「食・学び・居場所・保護者支援」を含む、子どもを丸ごと支える包括的な取り組み
・大学生ボランティアが食事や遊びを通して寄り添い、家庭や学校以外の「心の居場所」を実現
・学生ボランティアや地域との連携など、持続可能な支援体制が整っている

記事の内容は以上です。もし、今あなたが

「どの団体に寄付するか決めかねている・・・」
「寄付先の選び方を知りたい・・・」

とお思いなら、寄付アドバイザーが「あなたに合う寄付先の選び方」を解説する人気記事をおすすめします。
気になる方はぜひ以下をご一読ください!

>>日本の子どもに寄付したい!おすすめNPO団体と選び方を専門家が紹介

寄付先の選び方ガイド:河合将生(まさお)さん

NPO組織基盤強化コンサルタント office musubime代表/関西チャプター共同代表・准認定ファンドレイザー大学卒業後、国際協力分野のNGOにボランティアスタッフとして参加。その後、国際交流・協力分野の中間支援組織へのインターンシップ、職員を経て、office musubime (オフィス ムスビメ)を2011年7月に設立。
寄り添って伴走する第三者として、身近な相談相手や多様な人・団体をつなぐ役割を通し、組織診断・組織基盤強化、ファンドレイジング支援など、各団体の支援に取り組む。
大阪マラソンチャリティ事務局担当や、国際協力や子ども/子育て支援、まちづくり分野、コミュニティ財団などの役員、大学の非常勤講師としてNPO論やボランティア論などの担当も。
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