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こども食堂のメリット・デメリットは?

この記事を要約すると

現在、日本では7人に1人の子どもが貧困状態にあると言われています。

地域コミュニティが弱体化している現代、そんな貧困世帯の子どもたちへの支援をいかに行き届かせるかが課題となっています。

そんななか、食事の提供、居場所づくりとして「こども食堂」が注目を集めています。

「こども食堂」とは、その活動、メリット・デメリットについて詳しく見ていきましょう。

(出典:厚生労働省「平成28年 国民基礎調査/貧困率の状況」)

こども食堂とは?目的やメリット、これからの課題、支援方法などについて解説

子どもの食事支援を行うこども食堂とは


ここ最近急速な広がりを見せているこども食堂。

こども食堂とは2012年から始まった取り組みで、東京都大田区にある八百屋の店主が始めた活動です。

きっかけは、家庭環境などの理由により増え続けている「孤食」をせざるを得ない子どもや、満足な食事を得られていない貧困世帯の子どもが多くいることを店主が知り、とにかく目の前の子どもたちに温かい栄養ある食事を提供したいという思いでこども食堂を始めました。

この取り組みは少しずつ認知され、多くの人の共感を呼び始めています。

2016年5月時点では319箇所であったのが、2018年4月には2286箇所とわずか2年足らずで7倍の数のこども食堂が立ち上がり、最新の発表では3,700箇所を超える数にまで伸びています。

これらの背景にはこども食堂の地域交流の場としての認知度が上がったことや、行政も助成金という形でこども食堂の活動を後押しするようになったことがあげられます。

この拡大に伴い、利用する子どもたちの数も増え、いまや全国で年間100万人もの子どもたちが利用しています。

こども食堂はいまや、食事を提供する場を超えて地域の拠点、居場所の役割を担うようになってきています。
(出典:NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえ)
(出典:こども食堂 安心・安全プロジェクト)

こども食堂のメリット


全国的に広がっているこども食堂ですが、訪れるメリットがあるため多くの人が活用しているようです。ではこども食堂を利用するとどのようなメリットがあるのかを見ていきましょう。

手作りで温かい食事が格安で食べられる

こども食堂に来れば、子どもたちは栄養バランスのとれた温かい食事を格安で食べることができます。

その食事の多くが無料で提供されていますが、有料の場合でも100~300円などで提供されることがほとんどです。大人の場合でも300円~500円と安価な値段で利用できます。

アットホームな雰囲気で誰かと食事ができる

共働きやひとり親世帯の子どもたちは、一人でごはんを食べる「孤食」になりがちなため、こども食堂に来れば、地域のおじいちゃんおばあちゃん、ボランティアの人たち、同世代の子どもたちと一緒にアットホームな雰囲気の中で食事することができます。

「子ども食堂」の1 回あたりの参加者数は平均値で子ども約 23.7 人、大人で約 14.9 人のため、大勢の人とコミュニケーションがとれます。

(出典:農林水産省「子供食堂向けアンケート調査」)

子ども同士、親同士のコミュニケーションが取れる

こども食堂では、子どもは子ども同士で食事を共にし、親は親同士でコミュニケーションを取ることができ、情報や悩みの共有ができることによって、地域の中で助け合うことができます。

このようにこども食堂では皆で楽しく食事をする場としてだけではなく、地域の拠点、居場所としての役割をも担っていることが、爆発的に数を増やしている要因の一つです。

こども食堂のデメリットはあるの?


利用者にとっては多くのメリットがあるこども食堂ですが、広がりを見せている一方で、運営する側は様々な課題と向き合っています。

こども食堂を運営する際に乗り越えるべき課題を見ていきます。

スタッフ・会場の確保が難しい

こども食堂の開催は月1回から2回の開催頻度の場所が多く、週1回以上やほぼ毎日開催している所もあります。運営するのは地域のボランティアの人たちがほとんです。

そのため定期的に核となる人員が継続的に参加することが難しく、約4割の食堂が「常に人員が足りていない、人員が足りていない回がある」という回答をしています。

また開催する会場の確保についても課題があります。

多くのこども食堂の開催は公民館などの公共施設、宗教法人や飲食店から場所を借りて開催されています。
しかし、公民館などでは調理環境が十分に整っていなかったり、場所を借りる際に高額な使用料が必要であったりという問題があるため、継続的に食堂を開催する難しさの要因の一つとなっています。

(出典:農林水産省「子供食堂向けアンケート調査」)

運営費(活動費)の確保が難しい

こども食堂の運営には家賃や光熱費、人件費などがかかり、約4割の食堂が年間10~30万円の費用が運営にかかっています。

これらの運営費は国、都道府県、社会福祉協議会からの助成金を利用できるところもありますが、費用のすべてを助成金でまかなうことは難しく、自分たちの持ち出しで運営をしている食堂も数多くあります。

そのため運営が回らず廃業していく食堂も多くあり、ただの慈善事業としては運営が難しいことが分かります。
より助成金や民間からの寄付、クラウドファンディングなどで資金を募り、食堂自体がまず経済的に自立することが継続して運営していくためには欠かせない要素になります。

こども食堂の活動が認知されはじめ、新しく食堂を開設したいという人を支援できるような取り組みがこれからますます必要になってきます。
(出典:農林水産省「子供食堂向けアンケート調査」)

こども食堂を利用する方法


こども食堂の開催頻度は月に1度が一番多く、次に2週に1度程度の開催頻度が多くなっています。

こども食堂の多くは無料で利用、参加ができ、有料の場合でも100円~300円という安価な料金設定がされており、大人の場合でも300円~500円の設定している食堂が多い
です。

こども食堂の利用時間の多くは、平日夕食時の17:00~21:00の間が最も多く、次に土日祝日の12:00〜14:00といった昼間の時間帯に開催している食堂が続きます。

こども食堂を利用しているのは生活が大変な家庭の子どもたちだけではありません。地域内の子どもであればすべての子どもたちを対象にしている食堂がほとんどです。

全国のこども食堂をつなぐネットワーク団体のホームページには地域の食堂の場所と開催日時、必要な値段が記載されているため、利用する際には非常に有用です。
(出典:農林水産省「子供食堂向けアンケート調査」)

子どもの食育にもつながるこども食堂


こども食堂を開催している運営者は子どもへの食育に対する意識も高く、農林水産省もその活動支援や事例を共有しています。

子どもの食に関する知識を増やすため、旬な食材や栄養素についての情報を話したり、食の体験として配膳の手伝いや調理の手伝いを行うことで子どもの食育にも貢献しています。

需要が広がるこども食堂


こども食堂は現代の貧困の子どもたちを救うコミュニティの場であり、これからますます需要が広がる場所であると考えられます。

さらに拡大させるためには運営していくための課題を一つ一つクリアし、運営側の負担を解消していくことがことが重要です。

行政、地域、個人の意識を共有することがこども食堂を維持していく上で重要になってくるでしょう。

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