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遺贈寄付とは?税金は発生する?手続きの方法や5つの注意点を解説!

  • 2021年6月20日
  • 2021年6月22日
  • 寄付

遺産を家族へ遺すだけでなく、「社会貢献ができる形で遺したい」と考えている人もいるのではないでしょうか。

遺贈寄付とは、自分の遺産を特定の個人や団体に寄付する方法です。自分の死後、滞りなく遺産を寄付するには生前に遺贈寄付の準備をすることが大切です。こちらの記事では、遺贈寄付について以下を解説します。

  • ・遺贈寄付とは
  • ・寄付との違い
  • ・遺贈寄付の種類
  • ・遺贈寄付の手続き方法
  • ・遺贈寄付先の候補
  • ・遺贈寄付の注意点

記事を読めば、遺贈寄付とは何かや知っておきたい注意点が分かります。ぜひ最後までご覧ください。

遺贈寄付とは?違いや種類を紹介!

遺産を後世に遺す方法といえば、相続を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。しかし相続では、法定相続人しか遺産を受け取れないため、第三者やNPOなどの非営利団体へ遺産を渡せません。そこで、特定の団体へ遺産を寄付する方法が遺贈寄付です。

ここではまず、遺贈寄付の基本となる以下2つについて解説します。

  • ・寄付と遺贈寄付の違い
  • ・遺贈寄付の種類

それでは見ていきましょう。

寄付と遺贈寄付の違いは、寄付するタイミング

寄付と遺贈寄付はどちらも社会貢献や支援の方法です。しかし、次の違いがあります。

寄付:生前に財産や品物を譲ること
遺贈寄付:亡くなった際に遺産の一部もしくは全てを譲ること

生前に寄付する場合、「自身の生活費や今後必要なお金が足りなくなると困るから、寄付しにくい」という状況が起こり得ます。

その一方、遺贈寄付は自分の死後、遺産から寄付する方法です。そのため、生前に寄付する場合と比較してお金の心配が発生しにくいです。

最期を迎える日まで自分の生活は守りつつ、残った財産を社会のために有効活用できる選択肢が遺贈寄付といえます。

また遺贈の本来の意味は、法定相続人以外へ遺産を遺すことです。そのため、寄付だけでなく第三者や法人、団体へ遺産を譲る行為も遺贈となります。遺贈について詳しくは、こちらの記事をご一読ください。

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遺贈寄付する3つの方法とは?

遺贈寄付には3種類の方法があります。違いを表すと、以下の通りです。

  • ・遺言による遺贈寄付:遺言書により遺産を寄付する
  • ・相続による遺贈寄付:相続財産の中から寄付してもらう
  • ・生命保険や信託による遺贈寄付:生命保険や信託から得た利益を寄付する

遺言による遺贈寄付は、特定の団体やNPO・NGOに寄付したい旨を遺言書へ明記します。被相続人のご逝去後、遺言書にのっとり寄付の手続きがおこなわれます。

相続による遺贈寄付は、遺産を受け継いだ相続人に対して寄付を依頼することです。遺産はひとまず家族へ相続しますが、被相続人(相続財産を残す人)は手紙やエンディングノートなどを通して、遺産を寄付したい旨を家族へ伝えます。その後は故人の思いを受け取った家族により、NPOなどの団体へ寄付がおこなわれます。

生命保険や信託による遺贈寄付は、信託の運用で得られた利益や生命保険の受取人を寄付先に指定することです。

このように、遺贈寄付といっても寄付する方法はさまざまです。トラブルなくスムーズに遺贈寄付をおこなうには、自分の状況に適した方法で準備するのが大切になります。

とはいえ、どの方法が適しているのか、どのように手続きすればいいのか1人で考えるのは困難です。そのため、遺贈寄付は専門家へ相談しながら手続きすることが欠かせません。続いては専門家への相談から遺言執行まで、遺贈寄付の流れについて見てみましょう。

遺贈寄付の手続き方法

遺贈寄付の手続きには、遺産を寄付したい旨を遺言書やエンディングノートなどで伝える方法があります。遺言による遺贈寄付を例に、手続きの流れをご紹介します。

  1. 専門家へ相談
  2. 遺言書を作成・保管
  3. 逝去の通知および遺言書の開示
  4. 遺言執行

弁護士やNPOの遺贈担当者など、遺贈寄付に詳しい専門家へ相談するのも一つの方法です。遺言書の作成方法には決まりがあるため、専門家の力を借りながら作成すると安心感があります。被相続人のご逝去後は遺言が執行され、団体への寄付は完了です。

もし手続きに不備があると、遺贈寄付が無効になるケースもあります。特に、希望内容を正確に伝えて実行してもらうには、正しく作成された遺言書が非常に大切です。遺言書の作成や保管方法など、さらに詳しい遺贈寄付の手続きはこちらの記事で解説しています。

>>遺贈寄付の手続きについて解説した記事はコチラ

遺贈寄付をするには、専門家へ相談しながら所定の手続きが必要だと分かりました。とはいえ「肝心の寄付先をまだ決めていない」という人もいるでしょう。

環境保護や奨学金の支援など、寄付を必要としている団体はたくさんあります。自分が貢献したいと思える事業や団体を考えて、寄付先を決めるといいでしょう。続いては、どのような団体が遺贈寄付を受け付けているかご紹介します。

遺贈寄付できるおすすめの寄付先2選

遺贈寄付先として、ここでは以下の2つをご紹介します。

  • ・NPO
  • ・自治体

遺贈寄付先として見たときに、どのような点でおすすめなのでしょうか。寄付した遺産がどのように役立つか、例を交えながら解説します。

【遺贈寄付先おすすめ1】NPOなどの団体

NPO・NGOや公益財団法人などの団体は、営利目的ではなく、何らかの社会問題を解決するためや、地域貢献のために活動をしています。NPOなどの団体へ寄付した遺産は、各団体の支援活動や事業内容に活かされます。

活動範囲や支援内容は、団体ごとに異なるもの。地域の子ども支援をおこなうNPOや、開発途上国への国際協力をおこなうNPOなどさまざまです。

NPOなどの団体から寄付先を選ぶときは、自分の中である程度の基準を設けておくと選びやすくなるでしょう。例えば、次のような選定基準を考えてみてはいかがでしょうか。

・支援してみたい分野(例:災害復興支援・環境保護・科学技術の振興など)
・団体の規模の大きさ(例:世界的な有名団体・大きすぎない団体など)
・支援したい地域(例:所縁のある市町村・国内・開発途上国など)

大切なのは、自分の人生を振り返りながら、遺産をどのように役立てたいか希望を明確にすることです。

【遺贈寄付先おすすめ2】自治体

生まれ育った町や思い入れのある土地の自治体を、寄付先に選ぶのもいいでしょう。自治体へ寄付した遺産は、交通環境の整備や福祉の充実など、町づくりのために使われます。

遠くの国や知らない人への寄付は、貢献している実感がいまいち湧かないこともあるでしょう。しかし、同じ町に暮らす子どもたちや馴染み深い土地への貢献は、身近な社会貢献として捉えられませんか。

自治体への遺贈寄付に関する詳細は、各自治体のHPで確認できます。自治体によってはHPに記載がない場合もあるため、その際は直接電話などで問い合わせてみてください。

【補足】相談窓口を活用するのも1つの手

寄付してみたい団体が見つかっても、「遺贈を受け付けているのか」「勝手に遺言書に書いていいのか」などさまざまな疑問が浮かぶことでしょう。

もし寄付先の団体へ聞きたいことや疑問点がある場合、団体の相談窓口を活用するのもおすすめできます。遺贈寄付を受け付けている団体では、相談窓口や問い合わせ先をHPで公開していることがほとんどです。

まだ寄付するか決めかねている場合でも、「話だけ聞いてみたい」と事前に伝えればOKです。いくつかの団体で話を聞いてみて、寄付金の使われ方や信頼性などに納得したうえで寄付先を決めても問題ありません。

ここまで読んで、遺贈寄付の手続き方法と寄付先について紹介しました。しかし実際に遺贈寄付をする場合、いくつか注意しておきたいポイントもあります。どういう点に注意すべきか、詳しく解説します。

遺贈寄付で注意すべき5つのポイント

遺贈寄付で注意したい5つのポイントは、次の通りです。

  1. 遺贈寄付は、しっかりとした形で残す
  2. 遺言執行者を決めておく
  3. 遺留分に配慮する
  4. 包括遺贈か特定遺贈の違いを確認する
  5. みなし譲渡課税の負担がないか確認する

聞き慣れない言葉も多いのではないでしょうか。遺産の分配方法や税金の仕組みが関係するため、弁護士やNPOの遺贈担当者など、専門家へ相談することも念頭におきながら読んでみてください。

遺贈寄付の注意点①:遺贈寄付は、しっかりとした形で残す

遺贈寄付が無効にならないためにも、形式に沿った手続きが大切です。特に遺言書の作成にあたっては、不備がないか公証役場にチェックしてもらえる公正証書遺言を検討してみましょう。

遺言書を自筆で作成した場合、署名や日付漏れなどうっかりミスで無効になる可能性があります。一方、公正証書遺言は公証役場で作成するため、安全かつ確実に遺言を遺せます。さらに、公正証書遺言は公証役場で預かるため、自宅保管よりも紛失リスクが圧倒的に低いです。

遺贈寄付の注意点②:遺言執行者を決めておく

遺言執行を滞りなく進めるために、あらかじめ遺言執行者を決めておきましょう。遺言執行者の役割は、遺言書の開示および遺言書の内容を実現させることです。

通常、法定相続人や遺贈を受ける受遺者が遺言執行者に指定されることは少ないもの。なぜなら、遺言執行者は遺言による利害関係が生じない、中立的な立場の人物が望ましいからです。

遺言執行者は、遺贈寄付や相続の知識をもつ弁護士や信託銀行に任せることがあります。遺言の内容が複雑であったり個人間の紛争が発生しそうな場合は、弁護士や信託銀行を遺言執行者に選ぶことも、選択肢として考えられます。

遺贈寄付の注意点③:遺留分に配慮する

遺贈寄付する際は、相続人の遺留分にも配慮しましょう。遺留分とは、法定相続人に最低限保証された遺産の取り分です。

法定相続人は遺留分を受け取る権利を主張できます。遺留分を配慮せず遺贈寄付すると、寄付した団体と相続人の間でトラブルになる可能性があります。例えば「遺産全額を遺贈寄付する」とした場合、遺産を1円も受け取れなかった相続人は、寄付先へ遺留分を渡すよう主張できるのです。

寄付先の団体と遺族が裁判で争うことを望む人は、まずいないでしょう。不要なトラブルを避けるため、遺留分の金額を確かめてから遺贈寄付の額を決めてください。

遺贈寄付の注意点④:包括遺贈か特定遺贈の違いを確認する

遺贈寄付では、どの資産をどのくらいの割合で遺贈するか考えておくことも大切です。そこで知っておきたいのが、包括遺贈と特定遺贈となります。

  • ・包括遺贈:遺贈する「割合のみ」指定する
  • ・特定遺贈:遺贈する「遺産の種類」を指定する

例えば、包括遺贈では遺産の3分の1など割合のみ指定するものです。一方、特定遺贈は不動産や預貯金など遺産の種類を特定します。

遺産といっても、資産だけでなく負債を含むこともあるでしょう。そのため、遺産の種類を特定しない包括遺贈では、遺贈寄付を受ける個人や団体が、負債を引き継ぐ可能性もあります。どのような遺産をいくら寄付したいのか考えたうえで、包括遺贈と特定遺贈の適している方を選びましょう。

遺贈寄付の注意点⑤:みなし譲渡課税の負担がないか確認する

不動産や株式などを遺贈寄付する場合、みなし譲渡課税の負担について注意しましょう。みなし譲渡課税とは、含み益が発生する不動産や株式などの現物資産にかかる税金です。

みなし譲渡課税を納めるのは、寄付を受ける団体ではなく法定相続人です。よって株式や不動産を個人や団体へ遺贈寄付した場合、含み益があると、相続人は財産を相続していないのに税金を支払う義務が発生します

なお、相続人にみなし譲渡課税が発生しない以下のような方法もあります。

  • ・清算型遺贈をおこなう
  • ・みなし譲渡課税の非課税特例を申請する
  • ・遺言書でみなし譲渡課税の納税者を受遺者に指定する

いずれの方法も、税金や遺贈に関する専門的な知識が必要です。弁護士などへ相談しながら手続きを進めましょう。

以上が、遺贈寄付の5つの注意点となります。遺言執行者の指定や遺留分の配慮など、スムーズな遺贈寄付のために覚えておきましょう。

ここまで読んで、手続き方法や注意点など、遺贈寄付の基礎知識が得られたのではないでしょうか。最後に、おさらいを兼ねて遺贈寄付のよくある疑問をご紹介します。

遺贈寄付でよくある3つの疑問

ここでは、遺贈寄付でよくある3つの疑問へお答えします。

  1. 遺贈寄付すると税金が発生する?
  2. 遺贈すると寄付金控除を受けられる?
  3. 遺贈寄付先はどこがある?

遺贈寄付では避けて通れない税金や控除についての内容を含むため、ぜひご覧ください。

1.遺贈寄付すると税金が発生する?

遺贈寄付では、遺贈を受けた団体や相続人に税金が発生する可能性があります。特に意識しておきたい税金は次の3つです。

  • ・相続税
  • ・不動産取得税
  • ・みなし譲渡課税

相続税や不動産取得税は、遺産を受け取った受遺者にかかる税金です。しかし、認定NPO法人などへ遺贈寄付した場合は、相続税の対象外となる可能性があります。

みなし譲渡課税は、法定相続人に納税義務が生じます。ただしみなし譲渡課税は必ずかかるものではなく、不動産や株式などに含み益がある場合のみ発生するものです。遺贈寄付の税金については、以下の記事でさらに解説しているためご一読ください。

>>遺贈寄付で発生する税金について解説した記事はコチラ

2.遺贈すると寄付金控除を受けられる?

遺贈寄付でも寄付金控除を受けられます。ただし寄付金控除を受けるには、被相続人の準確定申告が必要です。

準確定申告とは、亡くなった人の確定申告を法定相続人がおこなうことで、相続があることを知った日から4ヶ月以内に手続きしなければなりません。相続税の申告期間が10ヶ月以内なのに対し、準確定申告の期間は短いです、忘れないように手続きしましょう。

寄付金控除の手続きや仕組みに関しては、以下の記事でさらに詳しく解説しています。

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寄付金控除の仕組みとは?確定申告の方法も紹介

3.遺贈寄付先はどこがある?

遺贈寄付先の候補として、NPOや自治体などがあります。

NPOは、各団体がさまざまな社会貢献や支援をおこなっています。興味のある分野や支援したい地域などを考えて、寄付する団体を選ぶのがおすすめです。NPOへ遺贈寄付するとお礼状や活動報告が届くため、遺族にとっても故人への誇りを感じられるのではないでしょうか。

自治体に寄付した遺産は、町の発展や整備のための資金として活用されます。思い入れのある土地に恩返しができるため、身近な遺贈寄付先として有力な候補といえるでしょう。

まとめ:遺贈寄付をするなら、手続き方法や税金に注意が必要

今回は、遺贈寄付の基本情報や注意点などを解説しました。ポイントをまとめると次の通りです。

  • ・遺贈寄付とは、社会貢献のために遺産をNPOなどへ寄付すること
  • ・遺贈寄付の手続きは、専門家へ相談すると安心
  • ・遺贈寄付先にはNPOや自治体などがある
  • ・遺留分への配慮や、みなし譲渡課税の負担など注意点がある

遺贈寄付は遺言書の作成などを含むため、専門家の助けがあると安心です。とはいえ、弁護士へいきなり相談するのはハードルが高いと感じる人もいるはず。

そこでまずは、寄付先の候補となるNPOなどの団体へメールや電話で問い合わせてみる、という方法もあります。または、役場で遺贈寄付の相談を受け付けている場合もあります。役場の職員であれば、弁護士へ相談するより話しやすいのではないでしょうか。

寄付した遺産がどのように役立てられるのか、知ることから遺贈寄付を始めてみてくださいね。

この記事を書いた人
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