高齢化

おひとりさまの遺産はだれが相続する?今からできる対策も紹介

  • 2023年2月10日
  • 2023年11月12日
  • 高齢化

「おひとりさまの遺産は誰が相続するの?」
「おひとりさまの相続って何を準備すればいいの?」

このように不安を感じている方に向けて、本記事では下記の内容を紹介します。

  • ・おひとりさまの遺産は誰が相続するのか
  • ・トラブルを避けるためのおひとりさまの相続対策
  • ・おひとりさまの相続手続き

相続人がいる場合もいない場合も、元気なうちに自分の財産を明確にし、遺言書を作成しておくことで相続トラブルを避けることができます。

遺言書の作成がおすすめな理由も解説していますので、ぜひ最後までご一読ください。

おひとりさまとは?

おひとりさまとは、一般的に同居する家族がいない人のことを指します。

おひとりさまになる理由には生涯独身であったり、死別や離別であったり、子どもがいても遠方に住んでいたりする場合などが考えられます。

平成30年の内閣府の調査によると50歳時の未婚率は男性で23.4%、女性で14.1%とされており今後も増加すると予想されています。

引用:平成30年度版少子化社会対策白書|内閣府

また、令和4年の内閣府の調査では65歳以上の一人暮らしが増加していることが指摘されています。

引用:令和4年版高齢社会白書|内閣府

このように、おひとりさまは広く身近な問題になってきているといえます。

そしておひとりさまにとって大きな悩みの一つが相続問題です。おひとりさまは自分の相続をどのように考えればいいのでしょうか?

まず、相続先の考え方について解説します。

おひとりさまの相続先はだれになる?

おひとりさまの相続先は「親族がいる場合」と「親族がいない場合」で異なります。

親族がいる場合

親族がいる場合、配偶者・子・父母・兄弟姉妹に相続を受ける権利があります。これを法定相続人といいます。

法定相続人には順位があり、全員が同時に相続権を持つわけではありません。まず、配偶者は必ず相続人になります。配偶者以外には子、父母、兄弟姉妹の順番に相続権があるとされ、子がいれば父母や兄弟姉妹は相続権がありません。

子がいなければ父母、父母がいなければ兄弟姉妹に相続権が移っていくのです。もし、子・父母・兄弟姉妹がそれぞれ死亡している場合は孫・祖父母・甥姪が代わって相続権を持つことになります。

特におひとりさまで子がいない場合は、誰が自分の相続人にあたるのかわかりにくいこともあります。相続人はだれになるのか、そもそも相続人に当たる人がいるのか、事前に確認することをおすすめします。

相続人になる可能性のある親族

  • ・配偶者
  • ・子
  • ・父母(子がいない場合。父母が死亡している場合は祖父母)
  • ・兄弟姉妹(父母がいない場合。兄弟姉妹が死亡している場合は甥姪)

親族がいない場合

法定相続人となる親族がいない場合、おひとりさまの財産は最終的に国庫に入ります。

相続人不在で国庫に入るお金は毎年数百億にのぼると言われています。

国庫に入った財産は国のお金として外交や防衛、教育、社会保障、インフラ整備など様々な国の事業の財源になります。

ただし自分の遺産が国庫に入った後どう活用されるのか、その使途を財産の持ち主が指定することはできません。もし、そのことが気になるのであれば慈善団体へ遺贈寄付という選択肢があります。

社会問題に取り組む慈善団体へ遺贈寄付することで、自分の意思で自分の財産の使い道を決めることができ、関心を持つ社会問題の解決に貢献できるのです。

遺言による寄付について詳しくは下記の記事をご覧ください。「そもそも遺贈とは何か」「どうしたらいいか」「どのような人が遺贈寄付を選択しているのか」といった内容を紹介しています。

トラブルを避ける!おひとりさまの相続対策

ここからは、おひとりさまの相続で考えられるトラブルとその対処法を紹介します。

相続先を決めておく

法定相続人がいる場合には、誰にどれくらい渡すのか遺言書で自分の意思を明確にしましょう。明確に自分の意思を遺しておくことで、相続トラブルが発生しにくくなります。

遺言書がない場合、相続人全員で遺産分割協議をしなければ相続手続きを進めることができません。配偶者や子以外の親族が相続人となるケースも多いおひとりさまの場合、全員参加の義務は相続人が負担に感じるかもしれません。

また、遺産分割協議の結果、参加者全員が合意に至らなかった場合は裁判所に申し立てて調停や審判によって分割することになります。典型的な相続トラブルです。もし遺言書があれば遺産分割協議まで発展するリスクを抑えられるため、スムーズに相続をすすめやすくなります。

相続先をあらかじめ決めて遺言書に記しておくことで、親族の負担軽減につながるのです。

ただし、相続には遺留分があるため実際に遺言書を作成する場合には注意が必要です。

遺留分に配慮する

遺留分とは、相続できる遺産の最低保証額のことです。相続人の生活を保証するためのものという性質から、配偶者・子(孫)・父母(祖父母)に認められています。兄弟姉妹(甥姪)には遺留分がありません。

似た言葉に法定相続分がありますが、これは民法上で定められた一定の相続の目安のことです。

遺留分は法定相続分の1/2または1/3と定められており、相続人が父母または祖父母のみの場合は1/3となり、それ以外は1/2となります。

遺言書が相続人の遺留分を侵害するものであっても遺言書自体は有効です。ただし、遺留分を侵害された相続人は「遺留分侵害額請求権」を取得するため、新たなトラブルの火種となる可能性が出てきてしまいます。

遺言書を作成する際には遺留分に配慮することで無用なトラブルを回避しましょう。

「親族に相続するのもいいけれど財産の一部は社会のために使ってほしい」「相続人はいないけれど財産が国庫に入るのは気になる」と考えている方は遺言書を使って慈善団体へ寄付する遺贈寄付もおすすめです。

遺贈寄付する方法やメリット、具体的な手続き方法について知りたい方は下記の記事をご覧ください。

おひとりさまの相続手続きは何からした方がいい?

実際におひとりさまが相続の準備や手続きをするとき、どのような順番で進めればよいのでしょうか?

おひとりさまの相続手続きについて4つのステップに分けて紹介します。

  1. 推定相続人がいないか確認する
  2. 自分の財産を整理する
  3. 遺言書を作成する
  4. 信頼できる人を見つける

1.推定相続人がいないか確認する

まずは誰が法定相続人になるのか、本当に法定相続人がいないのかチェックしましょう。

相続が発生する前にたどれる戸籍は、親や子といった直系親族のみです。よって兄弟姉妹をすべて把握することは難しいかもしれません。しかし、後々のトラブルを防ぐためにも早いうちに可能な範囲で戸籍を確認しておくことは重要です。

自分では把握しているつもりでも、最終的な手続きをするのは相続人や手続きを依頼した第三者になります。その方たちがスムーズに進められるための準備として確認を進めておきましょう。

2.自分の財産を整理する

自分の財産を整理し、リストアップしておきましょう。

財産とは不動産や銀行預金、株などの有価証券です。保険契約なども該当します。本屋等で手に入るエンディングノートを活用すると漏れが少なくなります。

自分に万一のことがあったときに、財産がどこにどれくらいあるのか第三者に分かる状態にしておくことが重要です。この作業をしておかないと、何の情報もないところから相続人が財産を確認する作業をしなくてはならなくなってしまいます。

3.遺言書を作成する

相続人は誰なのか、財産はどれくらいあるのか明確になったら、次は誰にどれくらい財産を渡すのかを遺言書を作成することで明確にしましょう。

ただし配偶者や子、親など遺留分がある法定相続人がいる場合には注意が必要です。

詳しくは下記をご覧ください。ページ内の該当部分にジャンプします。
>>遺留分に配慮する

法定相続人がいない場合、財産は全額国庫に入ることになります。国庫に入ることが気になる方や特定の社会問題のために自分の財産を使ってほしい方は、遺言書を使って慈善団体に遺贈寄付するという方法もあります。

遺贈寄付先の選び方や遺贈寄付するための遺言書の作成方法については、下記の記事で紹介しています。

4.信頼できる人を見つける

おひとりさまの場合、「自分の判断力が低下したとき」や「自分が亡くなった後」の手続きをスムーズに進めるために信頼できる人を探しておくことも重要です。

具体的には後見制度、財産管理委任契約、死後事務委任契約などが活用できます。

後見制度は、将来自分の判断能力が不十分になったときに財産管理などの手続きを代行してくれる人を選ぶ制度です。判断能力があるうちに選んでおく任意後見制度と、判断能力が不十分になった後に家庭裁判所が後見人を選ぶ法定後見制度があります。

健康状態への不安などから、判断能力があるうちに財産の管理を第三者にお願いしたい場合には財産管理委任契約を結ぶことで問題をカバーできます。

後見制度と財産管理委任契約は原則として本人の死亡により終了してしまいます。死後の手続きを依頼したい場合は、死後事務委任契約がおすすめです。

相続人が普段身近にいない場合や、そもそも相続人がいない場合にはこのような制度を利用することも検討してみてはいかがでしょうか。

おひとりさまの方は相続について考えてみませんか

本記事ではおひとりさまの相続について解説しました。内容をまとめると下記の通りです。

  • ・トラブルを回避しつつ相続を進めるには遺言書の作成がおすすめ
  • ・親族がいない場合には後見人や財産管理人をあらかじめ選定しておくと安心
  • ・相続人がいない場合、財産は全額国庫に入る。気になる方は慈善団体への遺贈寄付という方法もある

家族や親族がいてもいなくても、相続はトラブルの原因になることがあります。事前に誰に何を相続させるのか遺言書ではっきりさせておくことは、遺された人への思いやりではないでしょうか。

また相続人がいない場合、財産はすべて国庫に入ります。その場合財産は国のために使われるものの、どう使ってもらうか自分で決めることはできません。

国庫に入ることが気になる場合には、慈善団体への遺贈寄付という方法がおすすめです。自分が関心を持つ社会問題に取り組む団体に財産を寄付することで、自分が亡くなった後の財産の使い道をあらかじめ決めることができます。

遺贈寄付について気になる方は下記の記事をご覧ください。遺贈寄付の進め方や実際に遺贈寄付を決めた方のエピソードなどを紹介しています。

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この記事を書いた人
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