ホームレス

日本の若者ホームレスとは?実態や原因について解説

日本の都市部を中心に広がっているホームレス状態の人の問題は、路上生活者の心のケアの他、生活保護などの社会制度に対応できないなどあらゆる複合的な問題が根に潜んでいます。

ホームレス状態になるきっかけが多岐に渡ることから、対策が難しいものとして何年もの間、解決に至っていないのが現状です。

そして、近年は自身の生活拠点を持たない「若者ホームレス」が増え始めています。

この記事では、ホームレス状態の人の具体的な定義から、若者ホームレスの実態と特徴について解説します。

ホームレス状態の人がなくならない原因とは?生活保護の問題点や支援方法について

ホームレス状態の人の定義とは?

日本が法的に定義しているホームレス状態の人とは、「都市公園、河川、道路、駅舎その他の施設を故なく起居の場所として、日常生活を営んでいる者」に限られています。

しかし、平成28年の厚生労働省が行っている「ホームレスの実態に関する全国調査(生活実態)」では、30歳〜34歳までの若者世代だけで、日本のホームレス状態の人の50%以上を占めている結果となり、定義は多様化しています。

また、「友人宅」「ネットカフェ」などに滞在する傾向が増えており、時代によって少しづつ「ホームレス」の在り方や居住形態も多様化しているのです。

  • 近年は自身の生活拠点を持たない「若者ホームレス」が増え始めている
  • 平成28年の厚生労働省の調査によると30歳〜34歳までの若者世代だけで、日本のホームレス状態の人の50%以上を占めている結果になった
  • 時代によって少しづつ「ホームレス」の在り方や居住形態も多様化している
  • (出典:厚生労働省 「ホームレスの実態に関する全国調査(概数調査)結果」,2019)
    (出典:厚生労働省 「ホームレスの実態に関する全国調査(生活実態調査の分析結果)」,2017)
    (出典:厚生労働省「「平成22年度社会福祉推進事業」広義ホームレスの可視化と支援策に関する調査 報告書 」)

    近年増加している「若者ホームレス」の特徴とは

    若者が路上に出た理由としては、退職・派遣切り・倒産など仕事に関するものが多くあります。
    また、病院や矯正施設を出て行き場のない人たちも挙げられます。

    普段の生活については、路上のみで過ごす人たちは数少なく、大半がネットカフェ、漫画喫茶、ファーストフード店、サウナ、コンビニエンスストアなどの終夜営業店舗を行き来しています。

    また、若者ホームレスの特徴として、精神的課題を抱えていることが少なくありません。

    様々な事情や心の変化があることから、対策や支援もそれぞれの路上生活者に合わせたものが求められています。

  • 若者が路上に出た理由としては、退職・派遣切り・倒産など仕事に関するものが多い
  • 普段の生活については、路上のみで過ごす人たちは数少なく、普段の生活はネットカフェ、漫画喫茶など終夜営業店舗と路上の行き来を繰り返している
  • ホームレス状態の人には様々な事情があるため、対策や支援は路上生活者に合わせたものが求められている
  • (出典:厚生労働省「「平成22年度社会福祉推進事業」広義ホームレスの可視化と支援策に関する調査 報告書 」)

    若者ホームレスが直面している問題とその支援策

    ここまでは若者ホームレスの特徴や路上に出た理由について説明しました。

    次に若者ホームレスが抱えている問題と支援について説明します。
    政府が提供している社会制度や民間団体が行っている独自の取り組みもあります。

    就職するための支援や相談

    先述しましたが、若者ホームレスの人は路上に出た理由として仕事に関することが多く挙げられました。
    そのような問題に対して、様々なNPO団体では仕事に関する相談・支援事業を実施しています。

    求職活動が上手くいかなかったり、すぐに仕事を探すことが困難な状況にある方のために、キャリアカウンセラーによる面談や、就労体験、就労における相談などを行っています。
    また、技能講習事業で免許や資格の取得、就職の可能性を広げるお手伝いもしています。

    生活の支援

    路上生活者が再度、社会に復帰して部屋を契約するまでには長い道のりがあります。
    特に、住居については都市部であった場合、家賃も高額になってしまうのです。

    そのため、とある民間団体では「シェルター」と呼ばれるホームレス状態の人が、生活保護などの公的支援策につながるまでの間、一時的な宿泊場所を提供しています。

    宿泊の間は、相談を繰り返しながらその人の特性を見極め、今後のサポートへの情報集めなども行っているのです。

    心と身体のケア

    路上生活者をしている中で、うつ状態などの心の不調、体の不調などを感じた際のアクセスを整備する必要があります。
    日本では、このような状態になった場合の相談先も少ない上、路上生活者の方が通信手段を持っていないことからも、アクセスが容易ではありません。

    できる限り路上生活者の方が集まる場所に医療相談を行える場所を作成し、治療が必要な方には紹介状を発行して医療機関につなぐことが求められます。

  • 若者ホームレスへの支援のため、政府が提供している社会制度や民間団体が行っている独自の取り組みがある
  • 路上生活者が再度、社会に復帰して部屋を契約するまでには長い道のりがあるため「シェルター」と呼ばれる一時的な宿泊場所を提供している民間団体もある
  • 路上生活者をしている中で、心の不調、体の不調などを感じた際にアクセスしやすくするため、できる限り路上生活者の方が集まる場所に医療相談を行える場所を作成し、治療が必要な方には紹介状を発行して医療機関につなぐことが求められる
  • (出典:厚生労働省「「平成22年度社会福祉推進事業」広義ホームレスの可視化と支援策に関する調査 報告書 」)

    ホームレス状態の人に対して私たちができる支援とは


    ここまでは、若者ホームレスが直面している問題に対する支援について解説しました。
    最後に、国が提供している制度に対してホームレス状態の人が利用しやすくなるようなサポートを行う民間団体に対して、私たちができる支援について解説します。

    ボランティア活動

    ホームレス状態の人へのボランティア内容は多岐に渡ります。
    例えば、毎月決まった日に路上生活者の方に食事を提供する炊き出し活動のほか、衣類や生活用品の寄付や生活保護制度などを利用するための生活福祉相談の受付などがあります。

    寄付

    寄付は、「物資の寄付」と「募金」に分けられます。
    物資の寄付とは、「炊き出し活動」の際に提供する食材や、使わなくなった衣類などを寄付し、路上生活者の方に配ってもらうなどです。

    「募金」については、主に特定非営利団体や認定NPO法人である民間団体が継続して活動するための資金などになります。継続した支援を止めないためにも、私たちの寄付が求められています。

  • ボランティアが行っている活動として炊き出し活動や衣類・生活用品の寄付や生活保護制度などを利用するための生活福祉相談の受付などがある
  • 寄付は、「物資の寄付」と「募金」に分けられる
  • 急増する若者ホームレスの原因や実態を知り、適切な支援をしよう!

    今回は、急増する若者ホームレスの現状から、求められている支援などについて解説しました。

    食事や衣類提供の支援などから、自活できるまでの支援には、多くの労力と時間を要します。
    根気強くこの問題に向き合うためにも、まずはホームレス問題を知り、適切な支援を行う必要があるのです。

    あまりホームレス問題について詳しく知る機会がなかった方も、この機会に一人ひとりができることについて考えてみてはいかがでしょうか。

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    この記事を書いた人
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