ホームレス

ホームレス状態の人のための支援とは?取り組みや生活保護について知ろう

社会問題となっているホームレス状態の人の問題への支援は、国や自治体、その他支援団体の手によって行われています。
この記事では「生活保護」の観点に注目しつつ、どのような支援があるのかを解説していきます。

ホームレス状態の人がなくならない原因とは?生活保護の問題点や支援方法について

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ホームレス状態の人への支援にはどのようなものがある?

社会問題となっているホームレス状態の人への関心は高く、様々な団体による支援活動が広まっています。 ホームレス状態の人が社会から孤立しないための施策は、すでに全国的に行われているのです。

大きく種類を分けるのであれば、国からの支援、自治体からの支援、民間団体による支援といった形になります。
まずはそれぞれの支援内容にどのような特徴があり、どのような面からホームレス状態の人へのサポートを行っているのか見てみましょう。

国によるホームレス状態の人への支援

厚生労働省は、平成14年8月から続く「ホームレスの自立の支援等に関する特別措置法」に基づいて、ホームレス状態の人への支援活動を行っています。
平成15年7月に策定された「ホームレスの自立の支援等に関する基本方針」を軸にして、効果的な施策を行うための調査や研究、地域住民への理解を促す啓蒙活動、関係者への研修などを行うことを目指しています。

具体的には 下記の支援があります。

  • ホームレス状態の人の総合相談推進事業(例えば巡回による相談や指導等事など)
  • ホームレス状態の人が緊急の際に使える一時的宿泊事業(シェルター事業)
  • ホームレス状態の人の自立支援を行う事業(ホームレス自立支援センターなど)
  • ホームレス状態の人の能力を活用・推進する事業など
  • このように支援の力は、多方面に広がっています。
    ホームレス状態の人がどのような問題を抱えているのかといった点を明らかにしつつ、その生活上で実際に役立てられるサポートを行うことが、国による1つの支援になるでしょう。

    長期間に及ぶ施策であるため、平成20年7月と平成25年7月には全国的にホームレス状態の人の実情を調査し直すなどの修正を行っています。

    平成30年7月にも新たに基本方針が打ち出され、現代のホームレス状態の人が持つ高齢化や路上生活期間の長期化などを考慮した対策が進められているのです。
    常に移り変わるホームレス状態の人の今必要な支援が、今後も求められていくでしょう。

    (出典:厚生労働省「ホームレス自立支援施策」)
    (出典:厚生労働省厚生労働省「一時生活支援事業の手引き」)

    地方自治体によるホームレス状態の人への支援

    地方自治体もそれぞれホームレス状態の人への支援を行い、現状への対策を進めていることが多いです。
    例えば東京都では、都内のホームレス状態の人の実情に合わせた支援を「ホームレスの自立支援等に関する東京都実施計画」で計画しています。
    自立支援システムの運営、安定した居住場所の確保、保健及び医療の確保など、9つの対策を公表しているのです。

    神奈川県でも、無料低額宿泊所や無料低額診療事業の環境整備を行いホームレス状態の人を支援しています。
    2004年に「神奈川県ホームレスの自立の支援等に関する実施計画」を策定し、2009年と2014年には改訂を行ってより良い計画への推進を目指しています。
    さらに2018年7月には2019年度から2023年度向けの改訂を行い、より今のホームレス状態の人に合った支援を進めています

    生活の支援や就労へのサポートを行うと同時に、人権問題を考慮して県民・都民のホームレス状態の人への理解を深めようとしている点も注目されます。
    ただホームレス状態の人の今を支えるだけでなく、ホームレス状態の人を取り巻く社会を支援するという方向性が、昨今の動きからは伺えます。

    地方自治体からの支援もまた、ホームレス状態の人を救うのに欠かせない施策の1つとなっているのです。

    民間団体によるホームレス状態の人への支援

    民間団体・NPOなどもまた、ホームレス状態の人への支援を行う一角として機能しています。
    炊き出し、就業支援、住居支援などを国や自治体と連携して行い、ホームレス状態の人をサポートする事業を続けています。
    よりホームレス状態の人の現場に近い立ち位置にいることが多く、直接的な支援を行える点が特徴です。

    例えば、北九州でホームレス状態にある人の支援を行っている団体があり、住居支援や炊き出しなどを行っています。
    このような団体の支援もまた、ホームレス状態にある人の環境を変えていく原動力になっています。

  • ホームレス状態の人の支援には、国からの支援、自治体からの支援、民間団体による支援がある
  • 厚生労働省は、平成14年8月に「ホームレスの自立の支援等に関する特別措置法」を定めた
  • 今のホームレス状態の人に合った支援が必要
  • (出典:東京都「ホームレスの自立支援等 東京都実施計画(第4次)策定」,2019)
    (出典:神奈川県「無料低額宿泊事業・ホームレス支援について」,2020)
    (出典:神奈川県「神奈川県ホームレスの自立の支援等に関する実施計画」,2019)

    ホームレス状態の人のためにどんな支援が必要?

    国、自治体、民間団体といったそれぞれの支援策が進められるなか、現状を考慮して今後の支援方法を見直すのがホームレス状態の人への支援の特徴です。
    全国的にホームレス状態の人の数は減少傾向にあり、近年では以下のような数が厚生労働省の「ホームレスの実態に関する全国調査(概数調査)」によって明らかにされています。

    平成27年:6,541人
    平成28年:6,235人
    平成29年:5,534人
    平成30年:4,977人
    平成31年:4,555人

    各方面から行われる計画的な支援策が、結果として大きな成果につながっていることが分かります。
    それでも依然として、数千人単位のホームレス状態の人がいることに変わりはありません。
    特に2020年以降は、新型コロナウィルスによって、これまでとは異なった事情・流れでホームレス状態になる人も増えることが予想できます。

    東京都が行った「ホームレスの自立支援等に関する東京都実施計画(第4次)」に関する調査によると、ホームレス状態になった原因のトップ3は以下のようになっています。

    1.仕事が減った
    2.倒産や失業
    3.病気・けがや高齢で仕事ができなくなった

    新型コロナウイルスや高齢化社会の影響も、仕事の減少や会社の倒産などにつながります。
    そのため、今後は現在ホームレス状態になっている人と、ホームレス状態になりそうな人への支援が多く必要になってくるでしょう。

    このような現代において、1つのホームレス状態への対策として変わらず期待されているのが「生活保護」です。
    生活保護の利用を促して生活を安定させることが、これからより重要になるかもしれません。

  • 厚生労働省の調査によると、全国的にホームレス状態の人の数は減少傾向である
  • 平成31年(令和元年)のホームレス状態の人は全国で4,555人
  • 今後は、現在ホームレス状態になっている人と、ホームレス状態になりそうな人への支援が必要
  • (出典:厚生労働省「1. ホームレスの実態に関する全国調査(概数調査)結果について」,2019)
    (出典:厚生労働省Press Release「1. ホームレスの実態に関する全国調査(概数調査)結果について」,2019)
    (出典:東京都「ホームレスの自立支援等に関する東京都実施計画(第4次)」,2019)

    ホームレス状態の人への支援につながる生活保護とは?


    生活保護とは、持てる資産や能力を使っても生活が困窮してしまう人々に対して、健康で文化的な最低限度の生活を保障する制度です。
    基本的な生活に必要とされる各種費用を支援するために、以下のような種類の扶助が行われています。

  • 生活扶助:食費、被服費、光熱費などの出費支援
  • 住宅扶助:アパートなどの家賃支援
  • 教育扶助:義務教育を受けるための学用品補助
  • 医療扶助:医療サービスの費用支援
  • 介護扶助:介護サービスの費用支援
  • 出産扶助:出産にかかる費用支援
  • 生業扶助:就労に必要とされる能力向上や技能の修得にかかる費用支援
  • 葬祭扶助:葬祭に必要とされる費用支援
  • 居住地域を管轄する福祉事務所の生活担当に事前の相談を行い、保護の申請や保護費の受給を行います。
    本当に生活に困ったときに頼れるセーフティネットとしての役割が、生活保護にはあります。

    生活保護はホームレス状態の人でも申請できる?

    生活保護による支援は、ホームレス状態の人でも申請することができます。

    東京都のホームレス状態の人への自立支援等に関する東京都実施計画(第4次)によると、「ホームレスに対する生活保護の適用は、単にホームレスであることをもって当然に保護の対象となるものではなく、また、居住地がないことや稼働能力があることのみをもって保護の要件に欠けるものでもありません。」としています。

    受給条件に違いはないので、対応してくれる福祉事務所に問い合わせることで受給まで進むことができるでしょう。

    しかし、実際に生活保護を申請するホームレス状態の人の数は、低い水準に止まっているのが現状です。
    東京都のホームレス状態の人の自立支援等に関する東京都実施計画(第4次)のデータでは、これまでに生活保護を受けたことがあるホームレス状態の人は、調査全体の33.4%でした。
    実に6割以上の人が、生活保護を受けたことがないと解答しているのです。
    同じ調査では就労などをサポートする自立支援センターの利用者数も、10.9%と低い数値になっています。

    このようにしっかりとした制度があっても、その存在を利用する方法がわからない、知らないといったホームレス状態の人が多いのが現状なのです。

    そのような結果を受けて、東京都などでは生活保護をはじめとした施策の活用を助言したり、存在を周知させたりといった活動を行っています。
    ホームレス状態の人が必要に応じてスムーズに生活保護を受けられるシステムの構築が、今後のひとつの課題になっていくでしょう。

    生活困窮者自立支援法によるセーフティネットの充実も

    平成25年12月には、生活保護受給者以外の生活困窮者への支援を行う「生活困窮者自立支援法」が策定されました。
    これは生活保護に至る前に相談や一時生活支援事業などを行う制度で、ホームレス状態から自立した人などを守ることにも利用されているのです。

    生活保護にプラスして別途の支援制度がある点は、より強固なサポートにつながります。
    今後はこういった各支援制度の認知度が、より高まっていくことにも期待されるでしょう。

  • ホームレス状態の人でも生活保護は受けられる
  • 生活困窮者自立支援法とは生活保護に至る前に相談や一時生活支援事業などを行う制度のこと
  • 制度があっても申請するホームレス状態の人の数が少ないため、スムーズに生活保護を受けられるシステムや存在の周知が課題
  • (出典:厚生労働省「生活保護制度」)
    (出典:厚生労働省「生活保護制度」)
    (出典:東京都「ホームレスの自立支援等に関する東京都実施計画(第4次)」,2019)
    (出典:厚生労働省「生活困窮者自立支援制度 」 制度の紹介」)

    ホームレス状態の人のための取り組みを知って私たちができる支援を始めよう!

    ホームレス状態の人への支援制度は、生活保護をはじめとして数多くあります。
    そのような制度が広まり、より多くの人が利用できるようになることで、現代社会が抱える問題は解決に向かうのではないでしょうか。

    生活保護や生活困窮者自立支援法などを参考に、どのような支援がホームレス状態の人たちのために行われているのかを確認してみましょう。

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    この記事を書いた人
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