児童労働は世界で問題になっている事象の一つです。
これは日本国内にもあり、撲滅すべきものとして世界全体で取り組みが行われています。
この記事では、児童労働とは何なのか、日本を含め世界での現状はどうなっているのか、その対策や支援などとともに紹介します。
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児童労働とは?
そもそも児童労働とは何なのか、これについては明確な定義が存在し、法律で定められた就業最低年齢を下回る年齢の児童によって行われる労働のことを指しています。
国際基準による就業最低年齢は15歳であり、健康や安全、道徳を損なう恐れのある労働については18歳を原則としています。
この児童労働が禁止される理由は、子どもに身体的、精神的、社会的または道徳的な悪影響をおよぼし、教育の機会を阻害するという懸念があるためです。
ただし児童労働はあくまでも子どもが労働に従事することで勉強の機会を妨げる、心身の健康的な成長を阻害する、あるいは仕事に見合う対価を得られない労働を指すため、アルバイトがこれらに該当しない限りは児童労働になることはありません。
社会経験を積み、労働に見合った対価を得て、責任感や技能を身に付け、健康的な成長を助ける仕事であれば認められています。
児童労働の種類
児童労働として行われている仕事の内容はいくつもありますが、大きくは3つに分けることができます。
児童労働が存在する主な国では農業生産に労働力として使われることが多く、コーヒーやゴム、カカオの生産など農林水産業が全体の70.9%と圧倒的な割合を占めています。
また農林水産業には危険が伴う鉱山などでの作業も含まれています。
ほかには縫製や製造といった工業系の仕事が11.9%、酒席での接待や特殊遊興的接客業務などサービス業に関わる仕事が17.2%となっています。
児童労働は様々な国や地域で行われています。先進国である日本でも隠れたところで児童労働は行われていると問題視されていますが、その種類や仕事内容はいくつか分けることができ、国や地域によって異なります。この記事では、児童労働にはどのような種類[…]
(出典:国際労働機関「児童労働」,2016)
児童労働の現状
国際労働機関(ILO)が公表している児童労働の現状によれば、2016年時点で5~17歳による児童労働者数は1億5,200万人と言われており、うち7,300万人は危険有害労働を行っています。
児童労働者数だけで言えば、これは世界の5~17歳の子どものうち10人に1人が児童労働に従事していることになります。
また児童労働者を男女別で見ると男子が8,800万人、女子が6,400万人となっており、男子が多いものの、女子も相当数の子どもが児童労働者となっていることが伺えます。
世界における児童労働の現状
世界全体に目を向けるとアフリカは児童労働者数が7,200万人であり、地域の子ども全体に占める割合は19.6%となっています。
これは世界的に非常に多い人数と割合で、アフリカの子どもの約2割が必要な教育を受けられない、あるいは教育を阻害するような労働についている状況にあるのです。
アフリカで児童労働として行われている仕事のなかには、コーヒーや紅茶、ゴム、タバコなどの生産など農林水産業に従事している子どもが多い傾向にあります。
次に多いのはアジア太平洋地域であり、工業や製造業による児童労働が存在しています。
例としてはバングラデシュでは縫製、インドではマッチ製造、タイやミャンマーでは海老の加工工場で児童労働が行われているという現状です。
特にインドやパキスタンで行われているサッカーボールの縫製は、児童労働の現場としても広く認知されています。
南北アメリカでは1,000万人もの児童労働者がいますが、経済的な格差が激しいブラジルではプランテーションでの労働者が不足することから、農園で児童労働が行われており、その人数は増していると言われています。
また経済大国といわれるアメリカ内部でも、農作物の収穫時期にはメキシコ系の移民の子どもたちが労働者となって働くという現状があるのです。
児童労働が多い国は?
国際機関でもすべての児童労働者を把握できているわけではないことから、児童労働が多い国を特定するのは難しいです。しかし圧倒的に多いとされているのはガーナやインド、バングラデシュなど経済的に貧しい国や農作物を輸出品の要としている国になります。
農作物の生産にはどうしても人手が必要となるため、大人も労働力として使われますが、さらに不足するところは子どもも当たり前のように労働に借り出され、教育を受けさせてもらえない状態にあるようです。
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日本における児童労働の現状
日本では原則として15歳未満、つまり義務教育期間中の労働、そして18歳未満の危険有害労働が児童労働として扱われます。
つまり16歳以上のアルバイトは危険有害労働でなければ許可されるということになります。
そんな法治国家であり厳しい規制のなかにある日本でも、隠れたところに児童労働は存在しているのです。
警視庁が公表しているデータによれば、児童買春や淫行などいわゆる有害労働で、児童買春・児童ポルノ法または児童福祉法などに違反容疑として検挙された件数は2020年で803件にものぼります。
ほかにも風俗営業適正化法などに違反して検挙されている事件のなかには、18歳未満の女子を働かせていた罪に問われたものもあります。
日本では海外ほどではないものの、児童労働者は存在しており、被害者として今も働いている現状があります。
(出典:国際労働機関「児童労働」,2016)
(出典:警視庁「令和2年における少年非行、児童虐待及び子供の性被害の状況」,2020)
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児童労働の歴史
日本で記録されている児童労働の歴史は非常に古いですが、そのなかでも現在世界で問題となっているような児童労働が行われるようになったのは産業革命と同時期にあたる明治時代です。
富国強兵を掲げた明治政府による殖産興業は、世界遺産にも指定された富岡製糸場をはじめ、全国各地に中小様々な工場を作り上げました。
産業革命以降には機械化は行われていたものの、その導入は緩やかであり、力や高度な知識、技術が不要であったことから女性労働者への需要が高まっており、子どもを含め多くの女子が働いていました。
一方で危険で力が必要な仕事であるガラス工場や鉄工業の工場、あるいは印刷工場では男性の労働者が必要とされていたのです。
そのなかには14歳以下の男子が含まれていたという記録もあります。
世界でも産業革命によって産業には大きな変化が訪れた一方で、機械化が進んだとしてもオートメイションが可能となるわけではなく、どこかに人の手は必要であったことから、労働力は需要がありました。
産業革命が起こったイギリスでは工場で子どもが労働するのは当たり前の状況にあり、危険な仕事を行うこともしばしばあったとされています。
また列強となったイギリスやフランス、スペインなど欧米諸国は領土と労働力の確保のため、植民地を増やしていきました。
植民地で奴隷のように強制させられる労働には子どもも含まれており、児童労働が当たり前に行われていました。
現在でも貧困である事実から脱せられず、また農業が主の輸出品となっている国としては労働力確保のため、子どもを働かせている国や地域も少なくありません。
(出典:日本貿易振興機構(ジェトロ)「日本の児童労働」,2013)
児童労働はこれまでの長い歴史のなかでいつの時代にもあった悲劇です。子どもたちが時代に飲み込まれ、教育を受けられず労働を強いられてきた過去が、現在にも残って世界の様々な国や地域で児童労働が行われています。この記事では、児童労働にどのような[…]
児童労働の原因と解決策
児童労働は世界中で問題視されており、持続可能な開発目標(SDGs)でも取り上げられ、2025年までに撲滅すべきターゲットとして掲げられているのです。
そのため国際労働機関を中心として、関係機関や各国政府などが解決するための政策や取り組みを行っていますが、これには児童労働が起こってしまう原因に根付いた方法を模索しています。
では児童労働の原因とは何なのか、また解決策はどのようなことを行っているのか見てみましょう。
児童労働が起こる原因
児童労働の主な原因の一つに貧困が挙げられます。
特に児童労働者が多いアフリカやアジア太平洋、南アメリカ、中央アジアなどの一部の地域では貧困が児童労働を招いている現状にあるのです。
特に貧困は農村部で酷く、家計を助けるため、そして家族を養うために都会に出稼ぎに行く例や、プランテーションでの労働者として子どもが仕事に就く例は少なくありません。
国が貧困で教育を受ける環境を整えられないことや、家計が貧困で教育を受けさせられないという現状が児童労働の原因の一つとしてあるようです。
教育は将来の安定だけでなく、豊かな人生を送るうえで重要なものであり、貧困国が経済を豊かにするためには、十分な教育を受けた労働者による生産性の高さを作りだす必要があるとも言われています。
しかし教育機会の損失が貧困によって起こってしまい、児童労働を増やすだけでなく、将来生まれてくる子どもも児童労働の犠牲となり、その国の経済も豊かにならないという負の連鎖が起こってしまいます。
加えて女子に教育を受けさせず、児童婚を余儀なくされ、家事などを行う状況も児童労働として認められているのですが、今もなおその風習が息づいている地域もあるのです。
このような差別が児童労働を作り出す原因にもなっています。
児童労働は世界中で問題視されています。これは途上国だけでなく先進国でも起こっており、子どもたちの将来や国の発展に大きな影響を与えます。ではなぜ児童労働は起こってしまうのか、その原因について紹介します。 目次[…]
世界が講じる児童労働の解決策
世界全体で解決策を講じるために先導しているのが国際労働機関であり、解決策として挙げているのが良質な教育と一貫性のある効果的な政策を行うことによる児童労働の撲滅です。
児童労働が行われる背景には十分な教育が行き届いていないことが挙げられています。
十分な知識や技能を身に付けていないと、成人後の賃金は低く不安定な仕事に就くか、失業するしかありません。
一方で良質な教育を受けた子どもが成人し、労働者となった場合、その生産性の高さから家庭の収入が上昇するだけでなく、国そのものの経済も豊かになる可能性があることも示唆されています。
そうなれば貧困国を脱し、そこに住む人々に対して行われる社会福祉などが充実し、雇用なども増加するという好循環が生まれるかもしれません。
ガーナで行われる解決策
ガーナ政府が児童労働を解決するために行っている政策が児童労働フリーゾーン制度です。
これは児童労働の予防と解決が進む地域を児童労働フリーゾーンとして定義しており、子どもを危険な労働から守り、子どもの権利や福祉を保障する総合的かつ一貫性のある取り組みが継続して実行される地域を言います。
主には世帯登録システムや児童労働モニタリングシステムによる現状の把握、学校の就学や出席状況の管理システム、労働の現場における子どもの危険労働の監視や予防のシステムを構築しています。
また自治体などには脆弱な家庭に対する経済支援や福祉制度、児童労働に関する基礎データの収集、法律に則って違法事例を取り締まり、裁くシステムもあります。
フィリピンでの解決策
フィリピンでは政府が主導する児童労働を解決するための政策により、児童労働は改善しつつあります。
大統領の掲げる政策には児童の保護が含まれており、そこに注力されたことで未成年による売春などが行われている店などに対する取締りが強化されています。
当然売春だけでなくあらゆる児童労働が行われている状況に対して取締りを行い、被害者である児童の保護を行いました。
また手続きを経ることで無償で大学に通える制度などを設け、社会保障制度を充実させることで貧困の状態でも子どもを働かせることなく、さらに高い知識を得られる教育を受けられる環境を作り出しています。
教育に対する政策は大学に限ったことではありません。
小学校は無償の義務教育期間のため、この期間や夏休みに働くための技術や能力を身に付けられるような教育も行っているため、親は子どもを働かせず学校に通わせるようになります。
これにより、就学中に将来に活かせる実用的なスキルを身に付けることができるため、成人後は安定した職に就ける可能性が高くなるのです。
日本の解決策
日本には「隠れた児童労働」が存在します。それがサービス業での違法労働です。
18歳未満の危険有害労働は児童労働にあたりますが、日本では売春や風俗店での性的搾取による児童労働が一定数あることが分かっています。
そのため国内の児童労働については労働基準法はもとより、児童買春・児童ポルノ禁止法や児童福祉法、青少年保護育成条例などを元に厳しい取締りが進められているのです。
また国内でも貧困はあり、子どもの貧困が大きな問題となっています。
貧困がさらなる貧困を生んでしまう状況は他国と同様であることから、貧困にある家庭、特にひとり親世帯への様々な支援や福祉、加えて貧困にある子どもへの学業支援なども政策として行われています。
児童労働は私たちの身の回りでも起こっている、世界の大きな問題の一つです。そのため国際機関を中心として各国が政策を行っていますが、その方法は国によっても異なります。この記事では児童労働の解決策について、世界や日本が講じる政策などを紹介しま[…]
(出典:国際労働機関「児童労働をなくして、良質の教育を」)
(出典:JICA「児童労働撤廃に向けて力を結集 ガーナ」,2020)
(出典:厚生労働省「東南アジア地域にみる厚生労働施策の概要と最近の動向(フィリピン)」,2016)
児童労働に関する取り組みや支援活動
児童労働への解決策は国際機関や政府以外にも、支援を行う団体やプロジェクトなどの支援活動があります。
スリランカでの支援活動
スリランカでは農園を担当する職員へ子どもの権利についての研修を行い、児童労働の現状把握を行うためのデータ収集から分析方法までを教授するという支援プロジェクトが行われています。
これは国際労働機関と日本政府とのマルチバイプログラムとして2014年に開始されたものであり、農園での児童労働者を学校に入学させるという例をいくつも生んでいるのです。
またスリランカでは働いている子どもたちを教育や健康面で支援しつつ、児童労働の予防にも力を入れるように努めています。
ガーナでの支援活動
カカオ生産地であるガーナでは危険な労働にさらされている子どもがいることから、そのような労働から子どもを守り、教育を支援するプロジェクトが進められているのです。
主には住民による見回り活動や家庭訪問により、児童労働をしている子どもを見つけ、学校に行けるよう対策を考える活動が日常的に行われています。
また子どもや親、住民に対する児童労働の危険性や教育の重要性の啓発活動、学校運営委員会やPTAによる学校改善活動、子どもの権利クラブの活動による子どもたちが直面する問題についての解決策についての話し合いなどが設けられているのです。
加えてカカオ農家の収入を上げ、子どもたちの教育に継続投資できるように、農村経営の方法やカカオの有機栽培技術についての研修なども行っています。
インドでの支援活動
危険な労働にさらされている子どもたちを保護し、教育を支援するプロジェクトがインドでも展開されています。
インドの児童労働の問題は、政府がそもそも児童労働への対策を行っていないことが明らかになっているのです。
加えて住民のほとんどが農家であり、土地なし農民や低カースト層の貧困家庭が多いこと、女子やカーストへの差別が根強くあることも児童労働の増加に拍車をかけています。
そのため各農村へ出向き、子どもや親、村のリーダー、学校、行政との連携を強化した修学の徹底や教育環境の改善、女子のエンパワーメント、親の収入向上に取り組むことがプロジェクトの内容として進められていきました。
子どもの教育に関する啓発や、見回り活動による児童労働の発見と改善、これまで学校に行けなかった子どもに基礎学力を身に付けてもらえるような就学支援を行える教室の運営も実施されました。
ここでは経済的に貧しい家庭の教育への負担を減らすために、給食や制服、教科書などの学用品を無償で支給しています。
児童労働は世界に存在する問題の一つとして挙げられています。2025年までに撲滅することを目標としてSDGsでもターゲットに掲げられており、そのために国際労働機関を中心として各国で取り組みが行われているのです。この記事では、児童労働の撲滅[…]
児童労働への支援活動に参加するには
支援活動への参加方法は主に2種類あります。
一つは募金などによる支援を行う方法です。
Web上の申し込みフォームでの申請と決済を行えば簡単に参加できます。
もう一つの方法がスタッフやボランティアとして参加する方法です。
NPOやNGOによってはスタッフやボランティアの募集を行っており、実際に現地に行って活動を行ったり、国内での活動をサポートする役割など様々な募集をしています。
基本的には書類審査と面接による選考プロセスがあり、それを通過することでスタッフとして働くことができます。
国内の活動や募金も児童労働の取り組みへ協力することになるので、自分のできる方法で参加することをおすすめします。
児童労働は開発途上国だけでなく、日本を含み世界中で問題となっています。日本にも隠れたところに児童労働は存在しており、被害者となる子どもたちがいますが、この記事では、そんな児童労働に対して私たちができることはあるのか紹介します。[…]
(出典:国際労働機関「スリランカにおける児童労働の取組み「学校に戻ろう」」,2015)
(出典:JICA「児童労働のないカカオのために」)
(出典:国際労働機関「児童労働撤廃国際計画(IPEC)について」)
児童労働は日本を含め、世界中で存在しています。特に途上国では多くの子どもが児童労働に携わっていますが、国や地域によっては政府や自治体だけで解決するのが難しい問題にもなっています。そのため関連機関や支援団体による支援活動やプロジェクトが行[…]
児童労働に対して私たちにできることを始めよう
児童労働は、その数を減少するよう取り組みが行われていますが、世界的にも解決されていない問題です。
しかし子どもは守られるべき存在であり、十分な教育を受けて、自分の将来を夢見て健全に生きていくべきではないでしょうか。
そのためにも世界全体で協力して児童労働を撲滅しなければいけません。
まずは児童労働について知り、できることが何であるのかを考えることから始めてみましょう。
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