児童労働は様々な国や地域で行われています。
先進国である日本でも隠れたところで児童労働は行われていると問題視されていますが、その種類や仕事内容はいくつか分けることができ、国や地域によって異なります。
この記事では、児童労働にはどのような種類があるのか、その仕事内容の例なども含めて紹介します。
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児童労働は様々な種類がある
そもそも児童労働とは何なのか、それは法律で定められた就業最低年齢を下回る年齢の児童によって行われる労働のことです。
国際基準による就業最低年齢は原則として15歳であり、健康や安全、道徳を損なう恐れのある労働については18歳を原則としています。
この児童労働は子どもに身体的、精神的、社会的または道徳的な悪影響をおよぼし、教育の機会を阻害するという懸念があるため禁止されているのです。
国際労働機関が公表している児童労働の現状によれば、2016年時点で5~17歳による児童労働者数は1億5,200万人であり、うち7,300万人は危険有害労働に従事しているとされています。
児童労働者数だけで言えば、これは世界の5~17歳の子どものうち10人に1人が児童労働に従事していることになります。
危険有害労働とは建設や解体現場で土砂の崩壊や墜落の恐れ、感電の危険性がある作業や、崩落や窒息の恐れがある坑内での労働、有毒物を取り扱う労働など命に関わる仕事のことです。
また酒席での接待や特殊遊興的接客業務も含まれています。
ではなぜこのように児童労働は起こってしまうのか、その大きな原因の一つとして貧困があります。
特にアフリカやアジアなどは貧困である国が多く、子どもが家計を助けるために出稼ぎに行かなければいけない状況に陥ることが多々あるのです。
児童労働は様々な仕事の分野で行われており、その内容は児童労働が行われている国や地域ごとでやや違いがあります。
児童労働として行われている仕事を把握する際には、大きく3種類に分けた区分で理解することが可能です。
(出典:国際労働機関「児童労働」,2016)
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児童労働として行われている仕事の例
児童労働として行われる仕事の種類は大きく3種類に分けられます。
それが農林水産業、サービス業、工業・製造業です。
この3種類の仕事内容や特徴を見ていきましょう。
農林水産業
児童労働の実に70.9%を占めると言われるのが農林水産業です。
これは児童労働の原因の一つである貧困と大きく関係しています。
貧困国の多くは主となる貿易が農作物であり、そのために多くの労働力が必要となるのです。
例えばチョコの原料であるカカオの原産国の一つがガーナですが、この国では児童労働が大きな問題となっています。
カカオのプランテーションでは多くの労働力を求めますが、カカオが適正な価格で売れないことから低賃金となり、家族を養うためには大人だけの労働では足りず、子どもも労働力として駆り出されます。
そのため児童労働が当たり前のように行われる状況が生まれていました。
ほかにも紅茶やゴム、タバコなどのプランテーションで労働力不足の解消や、家計を立てるために児童労働が行われています。
インドのコットン畑もよく知られる児童労働の現場です。
またフィリピンなどでは金や希少金属の採掘が行われていますが、子どもにとっては危険労働の現場の一つです。
鉱山労働は崩落などの危険性があり、水銀などにさらされる時間が長いと健康を害する可能性があります。
危険物や有毒物により死に至る危険もありますし、重量物を運ぶことで身体の成長を歪めることや障がいを生み出すこともあります。
サービス業
サービス業は路上での物販や車の窓拭き、市場で物を運ぶ、廃棄された電気製品などの解体作業、家事使用人として働くなどの仕事が含まれています。
貧困になりやすい農村部から出稼ぎのために出てきた子どもは十分な教育を受けていないため、正規の仕事に就くことは非常に難しいです。
そのためこのような仕事に就くほかなく、サービス業として児童労働に従事する子どもは全体の17.2%にもなります。
児童労働として行われるサービス業には風俗店での仕事も含まれます。
日本では隠れた児童労働として毎年一定数が検挙されており、問題となっているのです。
当然のことながら18歳未満にこのような労働をさせると法律違反として検挙されますが、貧困などからやむを得ず未成年でも風俗店で働かなければいけないという現状があります。
工業・製造業
工業や製造業でも児童労働は行われています。
そのなかでも広く認知されているのはインドやパキスタンにおける縫製工場です。
ここで行われるサッカーボールの手縫い製造は世界的に有名であり、児童労働が大きく問題として取り上げられるようになった要因の一つでもあります。
ほかにもバングラデシュの縫製工場、インドのマッチ製造工場、タイやミャンマーの加工工場などで児童労働は行われていることが分かっています。
このような工業・製造業は世界にある児童労働のなかでも11.9%を占めていると言われています。
(出典:国際労働機関「児童労働」,2016)
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児童労働をなくすためには内容を理解することも大切
児童労働は様々な現場で行われており、危険な環境のなかで子どもたちが労働を課せられていることが分かります。
そのような状況下で仕事をし続ければ教育を受けることはできないのはもちろん、心身への悪影響や命の危険にさらされることも少なくありません。
児童労働をなくすことは子どもたちの未来を守るためにも必要なことなのです。
しかしそのための政策は国際機関や政府などに任せなければいけない部分もあります。
一方で私たちができることがあるのも事実です。そのためまずは児童労働について、現状やその仕事内容なども理解していくことが大切です。