食べものに囲まれている日本にいると「食糧問題」「飢餓」という言葉を聞いても、具体的なイメージがわかないかも知れません。
しかし、残念ながら世界では飢餓が原因で1日に何万もの人が命を落としています。今も飢餓は世界規模の社会問題となっているのです。
特に子どもたちは飢餓によって命を落とすリスクが高くなります。
そこで本記事では、飢餓の原因や子どもに与える影響を解説します。また、飢餓をなくすために行われている支援や、私たちが今すぐできることも紹介します。
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食糧問題の原因や、解決に向けての取り組みについて詳しく知りたい方はぜひご一読下さい。
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世界の食糧問題の現状
先進国では食べ物が余り捨てられている一方、途上国では食糧不足に陥り飢餓に直面する人たちが存在します。
飢餓とは「栄養不良に陥り、健康で活動的な暮らしを営むための十分な食糧が得られない」ことを指します。国連WFP(国連世界食糧計画)などが共同で行った調査によると、2021年の世界の飢餓人口は最大8億2800万人*。これは世界の約10人に1人にあたります。
*出典:WHO他 「世界の食料安全保障と栄養の現状2022(SOFI)」報告書
世界の食糧が不足しているわけではない
食糧不足、飢餓と聞くと「食べ物が足りないのでは」と思う方もいるかもしれません。
しかし、世界の年間穀物消費量は、ほぼ需要と供給が等しい状態だというデータがあります。2020/2021年の世界の年間穀物消費量は27.4億トン、生産量は27.3億トンでした*。
その原因は後述しますが、世界では十分に食糧が生産されているのに、途上国には食糧が行き渡っていません。この背景には、輸送・保管システムが未発達の地域があること、食糧価格の高騰などがあります。
*出典:農林水産省 海外食料需給レポート
飢餓は子どもの発育にも悪影響を与える
飢餓に苦しんでいる8億2,800万人には、多くの子どもたちも含まれます。特に体力のない子どもたちは、命を失う可能性も大人より高くなります。
2020年の世界の5歳未満死亡数は約5万人*。その内45%の死亡原因は栄養不良に関連しています**。つまり、今あなたが記事を読んでいる間にも日々約300人の子どもが栄養不良が原因で亡くなっているのです。
また「世界子供白書2019」では以下の報告がされています。
- ・発育に問題を抱える5歳未満の子どもは3人に1人
- ・1億4,900万人の子どもが、発育阻害に陥っている
- ・5歳未満の子どもたちの2人に1人が、隠れ飢餓の状態にある
- ・3億4,000万人の子どもが、ビタミンAや鉄分などの必須ビタミンや栄養素が不足している
子どもたちには、どこで生まれてどこで暮らしていても、住む場所や食べ物があり命が守られる権利があります。
しかし、現実には生まれた国や地域によって、満足な食料を得られない子どもがいるのです。
出典:ユニセフ「世界子供白書2019」
*出典:WHO fact sheets, Child mortality (under 5 years)
**出典:WHO fact sheets, Malnutrition
食糧不足が起こる原因
世界には一人あたりに必要な食糧が十分にあるはずなのに、なぜ飢餓は起きるのでしょうか。
原因として以下があげられます。
- ・自然災害
- ・紛争
- ・貧困
- ・食糧価格の高騰
4つの原因をあげましたが、自然災害や紛争時の飢餓は貧困が背景に起こります。食糧価格の高騰によって飢餓に直面するのは、経済的に不安定な途上国です。
飢餓の根本的な原因は貧困にあるといえるのです。
順番に解説します。
自然災害
干ばつや洪水などの自然災害が、飢餓の原因の1つとしてあげられます。
自然災害が発生すれば農作物が被害を受け、被災地では食料が手に入りにくくなります。それだけでなく、農作物や加工品を売って生計を立てている人たちは、収入も途絶えてしまうのです。
紛争
アフリカや中央・南アジアなどを中心に、今も紛争が起こっている地域があります。
紛争で住まいを追われ、難民キャンプでの生活となると、満足な食事や十分な水を得ることも困難な状態になります。これにより飢餓状態に陥る人が増えるのです。
また、紛争地に留まったとしても、食料を生産したり調達することもままならず食べるものがなくなってしまいます。
紛争地域には食糧支援なども行われますが、地域によっては十分な支援が届かないこともあります。また、食糧の支援は一時的な助けにしかなりません。
貧困
食糧が手に入らない根本的な原因は、貧困にあります。
例えば、自然災害の影響を受けても他の地域から食糧を購入できれば、食糧不足には陥りません。遠方からの食料調達には購入するためのお金が必要です。また、輸送・保管インフラも必要となり、これらの整備にもお金がかかります。
農業を主産業としている地域では、インフラを整える資本がないと効率的な生産システムの構築や、輸送や保存のための施設の整備ができません。このような状況だと、作物を生産しても十分な収入を得られないのです。
加えて、保存手段がなければ、自分たちのために常に十分な食料を確保しておくことさえ難しくなります。
食糧価格の高騰
世界の食糧価格は年々上がっています*。
その背景には穀物などの食料を取り巻く以下の環境が挙げられます。
- ・牛や豚などの家畜のエサに利用されていて需要が高い
- ・バイオ燃料の原料としても需要が高い
- ・食糧価格高騰に備えた先進国の買い抑えが起こっている
さらに、ウクライナ・ロシア戦争により貿易が停滞した影響で、2022年3月には食糧価格は過去最高に達しました。ロシアとウクライナ合わせて、世界の小麦輸出量3分の1のシェアを占めています**。
途上国の食糧問題には私たち先進国も大きく関わっているのです。
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*出典:国際農林水産業研究センター 世界食料価格動向-FAO価格指標は史上最高値を記録
**出典:国際農林水産業研究センター ロシアのウクライナ侵攻による穀物需給への影響
食糧問題の解決に求められている支援内容とは
自然災害、紛争、貧困は自国だけで簡単に解決できる問題ではありません。
このような問題を抱える国や地域には、国際機関やNPO・NGOによる支援が必要とされています。
真っ先に思い浮かぶ緊急食糧支援は一時的には有効ですが、根本的な問題解決にはつながりません。飢餓に陥っている人たちが永続的に支援に頼らなければいけない状況を生んでしまいます。
根本的な解決には、以下のような自立支援や基盤整備の支援が重要になってきます。
- ・貧困からの自立支援
- ・農業技術支援
- ・自然災害対策
緊急食糧支援とともに詳しく紹介します。
緊急食糧支援
飢餓の原因となる干ばつや洪水などの自然災害、紛争は突然起こります。被災地の食糧不足を解決するため、まずは緊急食糧支援が必要とされます。
緊急食糧支援により飢餓状態を一時的にしのぐことができれば、生活向上や農産物の増産、生活基盤作りなどの行動を起こすことも可能です。
貧困からの自立支援
貧困の根本的な解決には貧困からの自立支援が必要です。
外部の助けがなくても安定した地域の経済や家計を維持できるよう、以下のような支援が行われています。
- ・インフラ整備や設備維持のノウハウ提供
- ・教育の提供
- ・職業訓練
- ・マイクロファイナンス(貧困層や低所得者を対象にした少額融資)
農業技術支援
農作物を常に安定して生産・供給できる「持続可能な農業」ができる環境作りが必要とされています。
- ・農作物の生産技術および農業資材の提供
- ・かんがい設備などの整備
- ・農家の生計向上に向けた支援
といった支援があげられます。
自然災害対策
自然災害が起きても影響を少なくとどめられる環境や基盤の整備が必要とされています。
具体的には
- ・災害に強い都市計画
- ・被災時に迅速に復興・再建できるシステムの導入
などの支援があげられます。
食糧問題の解決に向けて、どんな人が活動している?
飢餓に苦しむ人たちに対して、各国政府やNPOなどの民間団体が支援活動を行っています。また、私たち個人にもできることがあります。
詳しく紹介します。
今すぐ「私たち個人にできる支援が知りたい」という方はこちらの項目をご覧ください
>>飢餓をなくすために私たちにできることはある?
各国や国連機関が行っている支援
先進各国の政府が、ODA(※)などを通して途上国の飢餓対策支援を行っています。
※Official Development Assistance(政府開発援助=政府による国際協力活動)
例えば日本の外務省は、IFAD(国際農業開発基金)と連携して、開発途上国の農業開発のために資金を提供しています。
また、CGIAR(国際農業研究グループ)と連携し、途上国において
- ・農業研究・開発
- ・人材育成
- ・政策提言
の分野での支援も行っています。
国連機関では、国連WFP(国連世界食糧計画)が、飢餓に直面する地域や国に対し
- ・緊急食糧支援
- ・学校給食支援
- ・農業に適した肥沃な土地の再生
などに取り組んでいます。
政府や国際機関ではカバーしきれない課題もあるため、NPO・NGOと連携して事業を進めるための予算がODAには含まれています。
NPOが行っている支援
国や国連機関は予算も活動範囲も大きなスケールで支援を行う一方、民間団体はそれらでは対応できない現場に密着した細やかで柔軟性の高い支援活動を行っています。
- ・食糧、栄養治療食の供給
- ・医薬品の供給や医療チームの派遣
- ・栄養教育
- ・貧困からの自立支援
- ・農業指導
例えば、ワールド・ビジョン・ジャパンでは貧困に陥る子どもたちやその地域の人々に対し自立支援を行っています。
1つの地域に対し15年をかけ、子どもの教育環境の整備、作物の栽培研修、生計向上の環境整備などに取り組んでいます。
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飢餓をなくすために私たちにできることはある?
世界では毎日約300人もの子どもたちが栄養不良が原因で亡くなっています。また、食糧価格の高騰を通じ、私たち先進国が少なからず世界の食糧不足に影響を与えています。
この状況を一刻も早く改善するために、私たち個人にもできることがあります。それは上記で紹介したNPOが行う活動の支援です。
主な方法としてボランティアやお金の寄付があります。
ボランティアには、イベントや事務局の日常業務の手伝いなどがあります。
お金の寄付は、時間や場所の制約なく支援が可能です。ほとんどの団体がオンラインで寄付を受け付けているため、今すぐにアクションを起こせます。
子どもの飢餓をなくすために、今すぐ自分ができることをしたい!という方はぜひ寄付を検討してみてください。
寄付先を選ぶときの注意点
支援団体の中には、あまり寄付をおすすめできない、いわゆる「寄付してはいけない団体」も存在します。
以下の記事で、寄付先を選ぶ際の注意点を詳しく解説しているので、ぜひ一度目を通してみてください。
>>寄付してはいけない団体は本当にある?寄付先を選ぶときのポイントを3つ紹介!
飢餓をなくすためにできることから始めよう
世界には食糧不足で命を落とす子どもたちがたくさんいます。
そして、飢餓の根本的原因の多くは貧困です。また、少なからず私たちも途上国の飢餓の原因に影響を与えていることが分かりました。
この状況を改善するために、国際機関や政府が活動しているものの、十分ではありません。だからこそ、わたしたちに出来ること、具体的には支援団体の寄付やボランティアへ参加してみませんか?
以下の記事では寄付先を選ぶ際の注意点を詳しく解説しています。
この記事を読んで、貧困が原因で飢餓に陥る子どもたちを寄付で支援することを検討し始めた方は、ぜひご一読ください。
>>寄付してはいけない団体は本当にある?寄付先を選ぶときのポイントを3つ紹介!
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お手数おかけしますが、お力添えいただけますようお願いいたします。