子ども(飢餓)

栄養不足で悩む日本の子どもたちを「こども宅食」で救おう!

動画はこちら

栄養不足は発展途上国の問題であり、日本の問題であることを常日頃から意識している人は少ないかもしれません。
しかし、日本でもいまだに多くの人が、満足な食事が得られずに苦しんでいるため、栄養不足は決して他国の問題ではないのです。

日本でも子どもたちに十分な食料がいきわたらず、栄養不足に陥っていることもあります。

子どもたちを苦しめる飢餓状態。
飢餓に耐える子どもたちの実状や支援方法は?

日本の食糧事情とは

まず、食糧問題について日本の現状をみていきましょう。
飢餓とは、長期間にわたり食べられずに栄養不足となり、生存と生活が困難になっている状態だと定義されています。

また、栄養不足の定義としては、「十分な食料、すなわち、健康的で活動的な生活を送るために十分な食物エネルギー量を継続的に入手することができないこと」とされています。

つまり、単に生命が維持できているだけでは飢餓状態ではないとは言えず、健康で社会的な活動を行うことができて初めて、飢餓ではないと言えるのです。

これは、食事の量やカロリーだけではなく、その中に含まれる栄養素、すなわち質が最も重要であることを示していると言えるでしょう。

また、2017年時点で、世界の飢餓人口は8億2,100万人にのぼります。
これは世界で9人に1人が飢餓状態である計算ですが、食糧事情は国や地域によって異なり、アフリカでは3人に1人が飢餓状態と特に深刻になっています。
では、日本の場合はどうでしょうか。

2015年時点で、日本の子どもの7人に1人が貧困に苦しんでいるとされています。ひとり親の家庭に限った調査では、2人に1人です。このことからも、日本にとっても飢餓・食糧問題は決して他人事ではありません。

(出典:国連食糧農業機関「世界の食糧安全保障と栄養の現状2018 」)
(出典:ハンガー・フリー・ワールド「飢餓とは」)
(出典:国連世界食糧計画(WFP) 「世界の飢餓人口は3年連続で未だ減少せず、肥満は依然増加傾向-国連の報告」,2019)
(出典:男女共同参画局「行政、NPO、企業等官民連携で取り組む子供の貧困対策」,2019)

日本は食糧廃棄大国!?

客観的にみると、日本は食べ物にあふれています。
レストランや喫茶店など、食事ができる店もあちこちにありますし、スーパーやコンビニには常に食べ物が並べられています。

しかし、それらの食材がすべて消費されているわけではありません。
農林水産省によると、2016年時点で日本では年間約643万トンもの食品ロスが報告されています。

これは、世界中の飢餓に苦しむ人々を救うための世界の食糧援助量の1.7倍になります。

また、食品ロスを国民1人あたりに換算すると、毎日お茶碗1杯分の食べ物が廃棄されていることになります。

つまり、日本では決して食料がないわけではなく、むしろ豊富であるのに、廃棄により無駄に失われているのです。

(出典:消費者庁公式サイト「食品ロスについて知る・学ぶ」)

貧困の問題

 
すでに述べたように、日本には食料があふれています。
しかし、それを得るためには対価となるお金を払わなくてはなりません。どれだけ豊富な食料があったとしても、お金がなくてはそれを手にすることはできないのです。

2019年に発表されたデータによると、母子家庭の平均総所得額は平均で270.1万円で、児童のいる家庭の平均平均総所得額707.6万円と比較すると、38%と大変低くなっています。
しかも、生活していくためには住居費や医療費も必要ですから、これではじゅうぶんな額を食費に割り当てることができません。

国連食糧農業機関(FAO)の定める飢餓の定義である「十分な食料、すなわち、健康的で活動的な生活を送るために十分な食物エネルギー量を継続的に入手することができないこと」も、とても身近な問題だと言えます。

(出典:厚生労働省「ひとり親家庭等の支援について」,2019)

  • 世界で9人に1人が飢餓状態、アフリカでは3人に1人が飢餓状態
  • 日本の子どもの7人に1人、一人親の家庭に限った調査では、2人に1人が貧困に苦しんでいる
  • 2016年時点で日本では年間約643万トンもの食品ロスが報告されている

子どもたちにとって食糧不足は一大事

先述のように、食事は量やカロリーだけではなく質が重要です。

つまり、たとえ毎日3食、何かしらを口にしていたとしても、特定の栄養素が足りなかったり、偏りすぎたりしていては意味がありません。それでは心身に不調をきたし、とても健康的で活動的な生活を送ることはできないのです。

特に子どもの場合、成長過程にあるため栄養不足に陥ると十分な成長ができなかったり、骨などが丈夫にならなかったりするのです。

  • 子どもの場合、成長過程にあるため栄養不足に陥ると十分な成長ができない

(出典:東京都福祉保健局「子供の栄養と健康」)

子どもたちへの食糧支援「こども宅食」

子どもの貧困問題、栄養不足を救うために「宅食」という支援があります。
児童扶養手当や就学援助を受給している家庭なら役所から案内が郵送されますし、案内がなくても低所得世帯であれば自身で申し込むことが可能です。

「こども宅食」とは?

こども宅食とは、生活が厳しい子どもの家に定期的に「食」が「宅配」される支援制度です。食品の宅配をきっかけに、食品以外の様々な支援につなげるために見守りサポートしています。

「こども宅食」のメリット

低所得で子どもに満足な食事を与えられない家庭が、すべて生活保護や何らかの支援制度を受けているかというと、そうではありません。

なぜなら、それらの手続きを行うためには役所に出向く必要があり、なおかつ事細かに生活状況を説明しなくてはなりません。

「生活に困っていることを、知られたくない」「自分から、助けは求めにくい」という心情から、地元の役所でそういった面談を行うことは、ハードルが高いものです。

その点こども宅食であれば、誰とも顔を合わせることなく申し込みが可能です。申し込みから受け取りまで、ラインや宅配で完結します。

食品の配達後もラインで相談を受け付けており、様々な情報の提供やサポートへとつながっていくことで孤立を防ぎます。

  • こども宅食とは、生活が厳しい子どもの家に定期的に「食」が「宅配」される支援制度
  • こども宅食は、誰とも顔を合わせることなく申し込みが可能
  • 食品の配達後もラインで相談を受け付けており、様々な情報の提供やサポート体制により孤立を防ぐ

(出典:こども宅食「こども宅食とは」)

子どもたちへの食料支援には何がある?


こども宅食の財源としてふるさと納税が活用されています。

子どもたちへの食料支援は、子ども宅食だけではありません。

「フードバンク」と呼ばれる、食品企業の製造工程で発生する規格外品などを、福祉施設等へ無料で提供するNPO・NGOが日本全国各地にあります。

また、子どもたちに無料もしくは安価で食事を提供する「こども食堂」も日本全国の地域ボランティアによって運営されています。

寄付

子どもの食料不足を支援するNPO・NGOには、各地から様々な寄付が送られています。

団体への寄付はもちろん、ふるさと納税を利用して寄付したり、各自で行うふるさと納税の返礼品を支援団体が受け取る形にするケースもあります。

NPO・NGOの元へ届けられる食物は、生ものなど衛生上問題のある品物を除き、米や麺類、果物、野菜、加工品、調味料、油、缶詰、ジャム、乾物、レトルト食品など実に様々な食品があります。

すべて、子どもの栄養不足を解消するために役立てられています。

また、寄せられた寄付で食べ物を充実させたり、子どもたちの元へ実際に届けたりするのも、ほぼボランティアの活動によりまかなわれているのです。

  • 「フードバンク」と呼ばれる、食品企業の製造工程で発生する規格外品などを、福祉施設等へ無料で提供するNPO・NGOが日本全国各地にある
  • 子どもたちに無料もしくは安価で食事を提供する「こども食堂」も日本全国の地域ボランティアによって運営されている
  • 子どもの食料不足を支援するNPO・NGOには、各地から様々な寄付が送られている

(出典:農林水産省公式サイト「フードバンク」)
(出典:こども宅食「こども宅食に参加しよう」)
(出典:みんなで食べる幸せを「世界の食料問題」,2019)
(出典:国連世界食糧計画(WFP)「飢餓をゼロに」)

食糧不足の現状を知り、私たちにできることを考えよう

世界で8億2,100万人が飢えていると聞いても、自分にできることは何もないと感じてしまうかもしれません。
しかし、できることは誰にでも必ずあるのです。
たとえば、外食のときには食べきれる分だけをオーダーするだけでも廃棄食料は減るでしょう。
また、一人が一人分の食料や食費を寄付すればかなりの人数が救われることになります。
大きなことをしようと考えなくてもかまいません。ぜひ、自分にできることから始めましょう。
無理のない活動は持続につながります。

この記事を書いた人
gooddoマガジンはソーシャルグッドプラットフォームgooddo(グッドゥ)が運営する社会課題やSDGsに特化した情報メディアです。日本や世界の貧困問題、開発途上国の飢餓問題、寄付や募金の支援できる団体の紹介など分かりやすく発信しています。

- gooddoマガジン編集部 の最近の投稿