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日本で広がる「新たな飢餓」?子どもたちの食糧事情とは

この記事を要約すると

飢餓というと、貧困というイメージがありますよね。少なくとも、今の日本とはあまり結びつかない言葉でしょう。
しかし、今問題となっているのは「新たな飢餓」です。住むところもなく、着るものもボロボロで、その日に食べるものにも困る……という従来の飢餓のイメージとは違い、その人が飢えていることには一見誰も気づきません。
この「新たな飢餓」が今の日本で社会問題となっているのです。

子どもたちを苦しめる飢餓状態。
飢餓に耐える子どもたちの実状や支援方法は?

日本で起こっている「新たな飢餓」とは


「新たな飢餓」とは、その日の食事に困っている層のことを指します。
その人、もしくはその家庭が困っているのは食べ物だけですから、見た目では飢餓であることが分からないケースが多いとされています。身なりもきちんとしているし、家の中には家電製品や通信機器が充実しているケースも少なくないでしょう。
しかしこの場合、食費よりも被服費や通信費等を優先しているからに過ぎないのです。日本で仕事をするためにはある程度きちんとした身だしなみが必要で、スマホやパソコンといった通信機器も必要な場合が多く、家賃や保険など生活に必要なお金もあるでしょう。
そのため、必要に迫られて、食費よりもそれらを優先してしまいがちなのです。

日本は豊かな国だというイメージをもっている人は国内外ともに多いですが、その実、OECDの調査による国際比較では相対性貧困率が15.6%で世界第7位(2015年)です。

相対的貧困率とは、収入がその国の所得の中央値より半分以下の世帯の割合です。つまり、日本の所得の中央値が300万円だとした場合、年収150万円以下の世帯を指します。
この相対的貧困の家庭が、日本では15.6%。つまり、7世帯のうち1世帯が相対的貧困にあたることになります。しかも、一人親の家庭に限った場合、相対的貧困率は50.8%にもなることが厚生労働省の調査により明らかになっています。

(出典:厚生労働省「国民生活基礎調査の概況」)

食料不安とは

相対性貧困の家庭が15.6%と決して少ない数字ではないのに、日本では高い水準の生活が必要不可欠となっています。
上でも述べましたが、この相対性貧困の家庭は、見た目ではそうとはわかりません。身なりもきちんとしているし、仕事にも就いているからです。しかし、だからこそ被服費や通信費、車や住居の維持費、保険などの出費がかさみ、結果として食費を削らざるを得なくなるのです。
新たな飢餓における食料不安とは、このような理由から毎日の食べ物が確保できないことを指します。

 

子どもたちにはどんな影響を及ぼす?

新たな飢餓が問題となっている相対的貧困の家庭では、子どもにも満足な食事を与えることができない場合があります。
貧困がさらに深刻になった場合、給食費をはじめ、様々な費用が滞納となるなど、経済状況が明らかになることもあるでしょう。しかし新たな飢餓では、持ち物や服装ではほかの子どもと変わらず、ただ食べ物が不足しているだけです。そのため、栄養不足の身体でほかの子どもと一緒に走り回って怪我をするなど、大変な問題が懸念されます。

栄養失調

満足な食事が摂れない日々が続くと、栄養失調に陥りかねません。
子どもは心身ともに発育途中にありますから、栄養が足りないと十分に成長できず、身長体重ともに実年齢に満たなくなってしまうのです。
また、ユニセフの調査によると、栄養不良は知能の発育も遅らせることがわかっています。そのため学校に通うようになっても先生の話が理解できないなど、学習に支障が出てしまうでしょう。
また、栄養が足りないと免疫力がなくなるので病気にかかりやすく、基礎体力もないためになかなか治りません。栄養不足がより深刻になると、命を落とす危険さえあるのです。

病気にかかりやすくなる

栄養が足りないと、様々な病気にかかりやすくなります。
特に身体の免疫力や抵抗力を高めるビタミンAが足りないと、風邪や下痢といった症状が出やすくなるといわれています。
また、身体を作る基礎となるたんぱく質が足りないと成長が止まったり、骨や筋肉が弱くなったり、ヨードが足りないと甲状腺種になったりなど、ありとあらゆる病気のリスクが増えるのです。
何よりも怖いのは、病気にかかっても回復する力がなく、より病状が重くなったり、さらに別の病気を引き起こしたりすることでしょう。

 

飽食といわれる時代になぜ飢餓が?

飽食の時代と言われている現在ですが、飢餓は決して遠い世界の話ではありません。
なぜなら、飢餓は必ずしも衣服や住居と関連づいた問題ではないからです。むしろ、食以外の環境がきちんと整っているからこそ、深刻さが理解されず、支援を受けられないなどの問題が起こるのです。
また、ほかの費用を優先して食費を削っている本人も自身が飢餓状態だと認識していないことが少なくありません。このため、じわじわと栄養不良に陥ることも問題の一つだと言えます。

 

飢餓で苦しむ子どもたちのために私たちにできること

現在、飢餓で苦しむ子どもたちを救うために、たくさんのボランティア団体が活動しています。
しかし、そういった団体に所属しなくても、個人でできることもたくさんあります。

寄付

子どもの飢餓対策を行っているボランティア団体の多くが、広く寄付を募っています。
寄付の方法は様々で、ボランティア団体が用意した口座に振り込んだり、ふるさと納税を利用したり。
大事なのは、支援したい団体があっても直接持参するのではなく、そのボランティア団体が指定している方法をきちんと確認することです。

食べ物を送る

ボランティア団体によっては、お金ではなく食べ物の寄付を募り、飢餓に苦しむ子どもたちに届けているところもあります。
もちろん、生ものは避け、その団体が受け付けている品物を確認して送るようにしましょう。
支援というと米やレトルト食品が連想されますが、野菜や調味料などが重宝される場合もあります。

食事をふるまう

地域や施設の子どもを集めて、ボランティアが作った食事をふるまうことがあります。
団体によってはその日だけの手伝いを募集することもあるのでチェックしてみましょう。

 

新たな飢餓は決して他人事ではない

通常イメージする飢餓と違って、新たな飢餓は見た目では気づきにくく、また、自身が陥っていても自覚しづらいのが特徴です。
しかし、そのために知らないうちに栄養不良が進み、心身に不調をきたしてしまうという恐ろしさを秘めているのです。
もし自分が十分な食事が摂れていないと感じたら、一度「新たな飢餓」に当てはまっていないかどうか確認してみてください。
そうでない場合も、身近に「新たな飢餓」で苦しんでいる人がいることを覚えておき、できる支援について考えましょう。

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