アフリカでは多くの人々が飢餓に苦しんでいます。
特に子どもたちの飢餓は深刻で、若くして亡くなってしまう子も少なくありません。
日本にいる私たちには何ができるのか。
この記事では、アフリカの食糧問題と支援の方法について紹介します。
子どもたちを苦しめる飢餓状態。
飢餓に耐える子どもたちの実状や支援方法は?
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貧困がなくならないアフリカ
アフリカの歴史を遡ると、19世紀後半、帝国主義を土台に世界中へ領土を拡大していたヨーロッパ諸国の列強により、アフリカ大陸の国々は植民地として支配されていました。その後、第二次世界大戦後に独立運動が活発化。1960年前後を境に一斉にアフリカ大陸の国々は独立を果たしたのです。
しかし、独立した後の国境の線引きを適当に決められたこともあり、現在も民族的・文化的・宗教的な違いが火種となって紛争が絶えない地域が多くあります。
- 飢餓人口はアフリカの人々が多く、特に子どもたちの飢餓が深刻になっている
- アフリカはヨーロッパ諸国の列強により植民地として支配されていたが、1960年前後を境に一斉にアフリカ大陸の国々は独立した
- 独立した後の国境の線引きを適当に決められたこともあり、民族的・文化的・宗教的な違いが火種となって紛争が絶えない地域が多くある
(出典:外務省「干ばつに苦しむ「アフリカの角」を救え!」)
8億人超え!?アフリカの飢餓人口
飢餓人口とは?飢餓の現状
「飢餓」の定義とは「慢性的な栄養不足になること」を指します。
例えば、長期間に渡り食べることができず栄養不足になり、生存と生活が困難になってしまうなど、このような状態に陥る人口のことを「飢餓人口」とも定義されているのです。
そして世界の飢餓人口は2018年時点で約8億2,100万人。およそ9人に1人が飢餓という問題と戦い続けています。
人々にとっては食べるだけではなく、摂取する栄養素なども大切な要素と言えます。
農業が主産業であるアフリカの国々においては、気候変動によって、熱帯及び温帯地方の小麦、米およびトウモロコシなどの主要作物の生産が脅かされます。このような極端な気象の変動に比例して栄養不良が拡大してしまう現実があるのです。
(出典:ハンガー・フリー・ワールド「飢餓とは」)
食糧が足りない…アフリカで飢餓に苦しむ人々
2015年の世界開発指数を見ると、アフリカ・サハラ以南の人々の貧困率は41.1%を記録。また中部アフリカの栄養不足率も41%という深刻な数値を記録しています。
大きな飢餓原因としては「紛争」が一つの理由です。
紛争によって多くの農家が農地から逃げることを余儀なくされており、遺された農地の作物が放置され、作物が育たなくなってしまう実状があります。
また、畜産家は大切な家畜を盗まれたり、生活のために家畜を売ったりすることも。
そして、アフリカの子どもたちの栄養障害も深刻です。
貧困問題はとても根深く、アフリカに今も残り続けています。
(出典:ザ・ワールドバンク「世界の貧困に関するデータ」,2018)
飢餓の割合が高いアフリカの地域は?
アフリカ地域の中で特に飢餓が深刻な国は、南スーダンです。
2018年の時点では、南スーダンは持続的な人道支援がなければ、国の人口の約3分の2にあたる700万人以上が、今後数カ月で深刻な食料不足に陥ると警鐘が鳴らされています。
また子どもたちの栄養不良も深刻であり、支援がなければ130万人以上の5歳未満児が栄養不良に陥ると発表されているのです。
アフリカ最大の紛争地帯と言われているソマリアは、イスラム過激派組織がまだまだ各地を支配しています。
2016年には4000人以上の死傷者が出ている国であり、テロや襲撃事件は日常茶飯事で、干ばつや食料価格の高騰により飢餓人口が右肩上がりとなってしまっています。
- 2015年の世界開発指数でのアフリカ・サハラ以南の人々の貧困率は41.1%、中部アフリカの栄養不足率は41%を記録した
- 大きな飢餓原因としては紛争が一つの理由となっている
- アフリカ地域の中で特に飢餓が深刻な国は南スーダンでは、持続的な人道支援がなければ、国の人口の約3分の2にあたる700万人以上が、今後数カ月で深刻な食料不足に陥ると警鐘が鳴らされている
(出典:公益財団法人 日本ユニセフ協会公式サイト)
(出典:公益財団法人 日本ユニセフ協会「南スーダン 人口3分の2が飢餓の恐れ」,2018)
アフリカの飢餓がなくならないのはなぜ?
アフリカでの飢餓が引き起こる理由は多岐に渡ります。
教育を受けることができず育った子どもたちは仕事に就くことも困難です。また内戦やテロの勃発、蔓延する汚職問題など様々な要因が絡み合っています。
そして私たちが善意で行う人道的な援助も、アフリカの貧困を助長させる原因になってしまう可能性も秘めています。
例えば、私たちが寄付したお金が食料に変わり、アフリカの人々に行き渡ったとしても、寄付された食料がなくなれば、またアフリカの人々は貧困に陥ります。
物質支援を続けるだけでは彼らの生活能力はこのまま変わることはありません。
大切なのは彼らに「魚を渡す」ことではなく「釣竿を渡す」こと、つまり私たちの支援の方法も考えることが大切です。
そして、多くの問題が飢餓を引き起こす原因になり、飢餓人口を減らすことに至っていません。
- アフリカでの飢餓は教育を受けることができず育った子どもたちが仕事に就くことも困難になる
- 飢餓問題は内戦やテロの勃発、蔓延する汚職問題など様々な要因が絡み合っている
- 貧困や飢餓人口を減らすには物質支援を続けるだけではなく支援の方法も考えなければならない
(出典:FAO駐日連絡事務所「飢餓人口は8億1,500万人、栄養不足の危機にさらされている子どもは数百万人に」,2017)
アフリカの飢餓を減らすためにできること
食糧廃棄・ロスの削減
世界で生産される40億トンの食料の内、3分の1は廃棄されています。
途上国では食料貯蔵設備の未整備、農家が作物を市場に届けられないなどの問題に直面しています。
このような流通インフラにお金を掛けることで、貧困が減少していくきっかけになるでしょう。
持続可能な農業の推進
突然の気候変動などで食料が供給できなくなることを防ぎ、農家が持続していくためには、育てる作物の品種を依存させないことが求められます。
農家の人々がより多くの品種を育てられるように支援を行い、栄養の観点から多品目の食物を摂取する必要性を伝える活動などにも取り組んでいるのです。
取り組み・活動の例
例えばマラウイでは、国民の飢餓状態を改善するために「給食プログラム」が提供されています。学校と地元のボランティアが運営しており、朝から子どもたちのためにおかゆを作成し、提供しています。
食事の提供が、子どもたちを学校に通わせる機会を作り、登校者数の増加にもつながるプラスのスパイラルが働きます。
- 世界で生産される40億トンの食料の内、3分の1は廃棄されている
- 途上国では食料貯蔵設備の未整備、農家が作物を市場に届けられないなどの問題がある
- 突然の気候変動などで食料が供給できなくなることを防ぐために、農家の人たちがより多くの品種を育てられるように支援を行っている
(出典:国連世界食糧計画(WFP)「考えよう、飢餓と食品ロスのこと」,2019)
少額寄付で救える命がある!飢餓を減らすための募金
アフリカの子どもたちのために私たちにできることは何でしょうか。
毎月寄付
様々なNPO・NGOでは支援活動を行うための寄付を集っています。
クレジットカードか口座振替を選択でき、寄付金額も任意の金額を選択するだけです。
毎月決まった金額を寄付し続けることで、飢餓状態にある国の子どもたちを救う大切な支援活動を支えることができます。
寄付金額は少額から可能なため、毎週のコーヒー一杯買うお金を寄付に回してみるのも良いかもしれません。
今回寄付
また、寄付したいときだけ行える単発の寄付もあります。
クレジットカード、コンビニ支払い、Pay-easy、郵便局払込用紙から選択可能。
寄付金額も任意の金額を選択できます。
アフリカの飢餓を減らすためにも食べ物を粗末にしない
アフリカでは多くの人が貧困で苦しんでいるのに対して、日本では1年間に870万トンもの食料が廃棄され、その内食べられるのに捨てられるのが320万トンに上ります。
食料難のアフリカ諸国と、食料が廃棄される日本。今私たちができることは、少しでも食料を無駄にしないことです。
まずは小さなことからアフリカ支援を行っていきましょう。
(出典:環境省「環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部」,2016)