世界には安全な飲料水を手軽に入手することができず、また衛生的なトイレが存在しないために屋外排泄を行っている人が数多く存在しています。水の豊かな日本に暮らしているとイメージしにくいことですが、水にまつわる衛生問題は世界各地で人の命を奪っているのです。
この記事では、世界における水と衛生の状況とその改善のために行われている活動について紹介します。
世界の水・衛生問題について知ろう!私たちにできる支援を考える
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子どもにとって深刻な問題!水と衛生
日本に暮らしていると想像しにくいことですが、世界には未だ安全な水を自由に利用できない環境に身を置く人が数多く存在しています。
まずは世界における水と衛生のデータを確認してみましょう。
2017年時点で世界における約7割の人は安全に管理された飲料水を利用することのできる環境にあります。一方で、約3割の人は未だ安全とはいえないレベルの飲料水を使って暮らしているのです。中には地表水をそのまま飲んで生きている人もいます。
安全な飲料水を手に入れることができないということは、抵抗力の弱い子どもにとって下痢や感染症のリスクになります。現に5歳以下の子どもの多くは、水が安全でないことによる病気を原因として死亡しているのです。
また、家で自由に水を手に入れることができないために、1日数時間をかけて水汲みをする必要があり、それが原因で学校に通うことのできない子どもも少なくありません。このように安全な水を手に入れることができないために、命や教育の機会を失ってしまう子どもが未だ存在しているのです。
また、衛生面に関してはトイレをはじめとする衛生設備について、安全に管理されたものを利用することができているのは世界における約4割の人となります。未だに屋外排泄をしている人の割合が12%とも言われています。このように世界では、まだまだ衛生に関する整備が行き届いていないのです。
安全に管理された衛生設備がない地域では、ひとたび感染症が起こるとそれがどんどん拡大します。そして、抵抗力の弱い子どもから命を落としていくのです。また、衛生的なトイレがないことを理由に、思春期に差し掛かった女子が学校へ通うのをやめるケースもあります。
以上のように、水と衛生に関する安全はすべての人が生きる上で必要としている根本的な権利なのです。
(出典:公益財団法人ユニセフ協会「衛生的な環境(トイレ)」)
- 2017年時点で世界における約7割の人は、安全に管理された飲料水を利用することのできる環境にある一方で、約3割の人は未だ安全とはいえないレベルの飲料水を使って暮らしている
- 安全な水を手に入れることができないために、命や教育の機会を失ってしまう子どもが存在している
- 衛生的なトイレがないことを理由に、思春期にさしかかった女子が学校へ通うのをやめるケースもある
水と衛生のための支援事業
生きる権利に直結する水および衛生に関する安全のために、世界では様々な活動が行われています。
ここでは各国における支援の実態を確認してみましょう。
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どんな活動をしている?
そもそも水と衛生の安全を守ろうとする場合、どのような活動が必要となるのでしょうか。まず重要なことは水が不足している地域に安全な飲料水を届けることです。
また、水不足の地域において安全な水を得る手段を根付かせる必要があります。そのような視点から行われる支援が手動式ポンプおよび井戸の設置です。共同体の内部にポンプや井戸が設置されると、それまで徒歩数時間をかけて行っていた水汲みの必要がなくなります。
衛生に関する支援としては、簡易トイレの設置と手洗い場の設置が主たるものです。手洗い場にせっけんを設置できればトイレの後や食事前に手を清潔にすることができ、感染症のリスクは低くなります。
このように、水と衛生に関して様々な支援がなされています。しかし、最終的に外部者が携わらずとも安全な環境を維持していくためには、共同体内部の人が井戸やトイレを清潔に維持する技能を持たなければなりません。
つまり、そういった施設の維持・管理についての知識を授けることも支援事業の一環となるのです。
支援活動はどのような国や地域で行われている?
ここでは各国で行われている具体的な活動をみていきましょう。
エチオピアはアフリカ大陸東部に位置する国ですが、2015年時点で国民約1億人の10人に4人が清潔な水を飲むことができておらず、10人に9人が野外排泄をしていました。しかし支援事業により、現在は状況がどんどん改善されています。
地表水をそのまま飲んでいた村では、400メートルのパイプを利用して清潔な水を運搬するシステムを構築し、現在は透明な水を飲むことができています。また、簡易トイレの設置が進み、2015年には野外排泄をしている国民は10人中3人未満というところまで減少しました。
中央アメリカに位置するニカラグアでは、清潔な井戸およびトイレを建設・維持するためのスキルを若者に学ばせることで、彼らがギャングに所属する機会を減らす取り組みがなされています。
家庭環境が貧しく、十分な教育の機会を得られない若者がギャングに所属するようになり、犯罪に手を染める傾向がありました。しかし、井戸やトイレの建設・維持によってコミュニティの発展に寄与することができるようになると、そのことが若者の自尊心を満たし、犯罪に手を染めることなく人生を歩めるようになるのです。
このように、水と衛生に関する安全は人が生きるための根源となる要素と言えます。
(出典:ウォーターエイドジャパン「2017年世界のトイレ」)
(出典:ウォーターエイドジャパン「ギャングの暴力に打ち勝つ」)
- 水不足の地域において安全な水を得る手段を根付かせる必要がある
- 衛生に関する支援としては、簡易トイレの設置と手洗い場の設置が主
- 最終的に外部者が携わらずとも安全な環境を維持していくためには、施設の維持・管理についての知識を与えることも支援事業の一環となる
海外の水・衛生問題のために私たちができる支援
日本は世界的にみても水源の豊かな国であり、そこに暮らす人の多くは安全な飲料水すらない暮らしを想像することができません。しかし世界では、今もなお地表に湧き出た泥水をそのまま飲んで生きている人がいるのです。
ここでは、日本にいながらにして私たちにできる支援について紹介します。
支援活動
水と衛生の安全に関する支援として、以下のようなものが行われています。
- 飲料水を学校などの公共施設へ輸送
- 手動式ポンプの設置
- 井戸の設置
- 手洗い場の設置
- 簡易トイレの設置
- 水と衛生に関する教育の実施
これらの支援を行うにしても、現地の人が実際に頭を悩ませている問題を知り、現地の人の気持ちに寄り添うことが大切です。「これは便利なものだ」と一方的に押し付けても、取り組みが根付くことはないのです。
寄付
寄付は現地に赴かずとも行うことのできる現実的かつ効果的な支援活動です。
金額は3,000円、5,000円、10,000円など任意で決めることができるため、無理のない範囲で子どもたちを救う取り組みに協力できます。
決して多額ではない寄付であっても、現地に教育、トイレおよび安全な飲料水を手に入れる環境をもたらすことができるのです。
- 日本は世界的にみても水源の豊かな国であるが、世界では今もなお地表に湧き出た泥水をそのまま飲んで生きている人がいる
- どのような支援を行うにしても現地の人が実際に頭を悩ませている問題を知り、現地の人の気持ちに寄り添うことが大切
- 寄付は現地に赴かずとも行うことのできる現実的かつ効果的な支援活動であり、金額においても任意で決めることができるため、無理のない範囲で支援活動に協力することができる
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海外事業を知って、私たちも何かを始めよう
今回は世界における水と衛生について紹介しました。地表湧き出た泥水をそのまま飲み、屋外排泄をして生きている人がいるということがイメージできたのではないでしょうか。抵抗力の弱い子どもたちは、衛生設備が整っていないことを理由に命を落とすことも少なくありません。
水と衛生設備は人が生きる上でなくてはならないものです。それらが高いレベルで実現されてはじめて、教育および発展があるのです。日本にいながらできる支援活動としては、寄付が最も手軽で効果的です。
多くの人の命を救い、多くの笑顔を生むことができます。
あなたの寄付で現地に何をもたらすことができるのかをイメージしながら、できる範囲で支援活動を始めていきましょう。