深刻な教育格差問題とは?原因や現状を知り、必要な対策を考えよう


日本を含む世界各地で「教育格差」が深刻な問題になっています。

教育格差とは、本人の選択に関わらず、生まれ育った環境により受けられる教育の機会や質に差が出てしまうこと。

教育格差の原因の中でも特に深刻なのが、「子どもの貧困」によるものです。

日本の大学等進学率は73.0%ですが、ひとり親家庭の子どもは58.5%、さらに生活保護世帯では35.3%というデータがあります*。
また、世界に目を向けると、高所得国では94%の子どもが高校に通っているのに対し、低所得国ではわずか41%というデータがあります**。

本記事では、年々深刻さを増す「教育格差」の原因と、必要な対策について解説します。

>>教育格差をなくすために「私たちに出来ること」を詳しく見る(記事内の別見出しにジャンプします)

*出典:内閣府 子供の貧困に関する指標の推移
**出典:UNESCO UIS Fact Sheet No. 48: One in Five Children, Adolescents and Youth is Out of School

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教育格差の現状と原因を解説

教育格差とは「生まれ育った環境により受けることのできる教育に格差が生まれること」を指します。

例えば、現代の日本では、学校だけではなく、塾や習い事などに通う子どもが増加しています。しかし、これら学校外で受ける教育には少なからずお金が必要です。貧困層の家庭の子どもたちは、習い事に通うことが難しく教育機会が減少してしまいます。

また、世界では貧困や教育環境が整っていないなどの理由で、学校にさえ通えていない子どもが多くいます。

このように本人の選択に関係なく、教育を受ける機会が等しく提供されない状況を「教育格差」と呼びます。

日本の教育格差の原因

日本の教育格差の主な原因として以下が挙げられます。

  • ・貧困
  • ・地域格差
  • ・社会制度

順番に解説します。

貧困

貧困家庭とそうでない家庭の間には、大学進学率や高校中退率などに差が生まれることが分かっています。

政府の調査によると、2017年の全世帯の子の大学等進学率(※)が73.0%であるのに対し、ひとり親家庭は58.5%、生活保護世帯では35.3%です。家庭の経済状況によって差が生じていることが分かります。

※大学等:大学、短期大学、専修学校等(各種学校)

(出典:内閣府 子供の貧困に関する指標の推移)

進学せず教育を受ける機会を失ってしまうと、給与の高い職に就ける可能性が低くなります。低所得の生活を送ることになり、子どもの世代まで貧困の連鎖が起こるケースもあります。

また、近年は学校の授業だけでなく、塾や習い事など学校以外の教育を受ける機会も増加傾向にあります。貧困層家庭では費用を捻出することができず、子どもたちは学校外の習い事を諦めざるを得ない場合が多いです。

このように、貧困であることが理由で教育の機会が奪われてしまっています

出典:内閣府 子供の貧困に関する指標の推移

地域格差

都会と過疎地では、学校施設や地域の社会教育施設などの充実度や、アクセスの良さなどが異なります。

例えば、人口が少ない地域に住むのと首都圏に住むのでは、塾や習い事の選択肢の幅が大きく変わります。

また、NPOなどが行う貧困対策や教育支援活動は、都市部で展開されている事が多く、都会に住む子どもの方が支援を受けやすい環境にあります。

さらに都市部の方が人口も多く、それに伴い大卒人口も多くなっています。そのため、子どもが進路を選択する時のロールモデルが都市部の方が多く、また多様な生き方を目にする機会も多いです。

社会制度

OECD(※1)先進国で比較した2019年の国内総生産(GDP)に占める公財政教育支出(※2)を見ると、37か国中36位となっています*。

つまり日本は、国の経済力に対する政府の教育費支出が先進国の中で著しく少ないのです。

この結果から、日本ではそれぞれの家庭が負担する教育費が高いことが分かります。そのため、家庭の経済状況が子どもの教育に大きく影響しています。

※1:欧州諸国、米国、日本などを含む38か国の先進諸国からなる、国際経済全般について協議することを目的とした機関
※2:初等から高等教育の教育機関に対する支出のうち国や行政が負担するもの

*出典:OECD(経済協力開発機構)『図表でみる教育(2022年版)』

日本の教育格差に対して政府やNPOが行わっている支援とは

日本の教育格差の解消に向け政府、NPOなどが様々な支援活動を行っています。

政府は困窮家庭に向けた様々な支援制度を設けています。またNPOなどの民間団体では貧困家庭の子ども向けの学習支援や居場所支援を行っています。
さらに、私たち個人にも、教育格差問題を解決するためにできることがあるのです。

詳しく紹介します。

今すぐ「私たち個人にできる支援が知りたい」という方はこちらの項目をご覧ください
>>教育格差をなくすために私たちができること

日本政府が行っている支援

文部科学省と厚生労働省が連携して「新・放課後子ども総合プラン」を策定しています。放課後児童クラブ(学童クラブ)と放課後子供教室、2つの事業が一体となったプランです。

放課後子供教室は、全ての子どもたちが対象となっています。貧困支援に絞ったプログラムではありませんが「すべての子ども」に多様な体験を提供しています。

【放課後子供教室の概要】

  • ・実施主体は市区町村。小学校施設や公民館などを利用
  • ・子どもたちが放課後や週末を安心・安全に過ごせる居場所を提供
  • ・学習支援、交流活動、体験活動を行う
  • ・学校の先生や保護者だけでなく、地域の人も運営に関わっているのが特徴
  • ・家庭教育支援も実施。親への学習機会の提供も行っている

また、厚生労働省では、貧困家庭の親への支援として以下のような制度を設けています*。

  • ・就業相談や職業紹介
  • ・就業準備プログラム(職場体験などの実施)
  • ・就職活動中の家賃給付
  • ・就労に向けた日常生活自立・社会自立・就労自立のための訓練
  • ・家計管理に関する相談

参考:文部科学省 新・放課後子ども総合プラン
参考:文部科学省  ~放課後子供教室等について~
*参考:厚生労働省 「就労支援・自立支援・子どもの貧困対策に関する現状等について」

NPOが行っている支援

NPOなどの民間団体も以下の分野で教育格差問題に取り組んでいます。

  • ・貧困支援
  • ・学習支援
  • ・居場所提供

例えば、認定NPO法人 カタリバは、自身ではどうすることもできない家庭環境などの課題を抱える子どもたちを支援しています。地域と連携しながら居場所・学習・食事を届ける活動などを行っています。

月1,000円の寄付で、生まれ育った家庭や災害など、様々な要因で苦しい思いをしている子どもたちに学びの機会を届けられます。
>>(PR)カタリバについて詳しく見る

また、NPO法人 Learning for All は、さまざまな理由で生きづらさを抱える子どもたちに学習支援、居場所提供、食事提供などを行っています。

月1,000円の寄付で貧困に苦しむ子どもたちの心と学習面をサポートできます。
>>(PR)Learning for All について詳しく見る

「国やNPOだけではなく、私たち個人にもできることは何だろうか」と考える方はこちらの項目をご覧ください。
>>教育格差をなくすために私たちができること

教育を受けられない子どもが途上国で多い理由とは?世界の教育格差の現状と原因を解説

次に、世界の教育格差に目を向けてみます。

世界には、様々な理由で学校に行けない子ども(6〜14歳)が約1億2,400万人います。
さらに、教育を受ける機会がないまま大人になり、文字の読み書きができない人が約7億5,000万人いるのです。これは世界の15歳以上の人口の6人に1人にあたります。

教育を受けられない子どもは、特に発展途上国で多く見られます。

その原因として主に以下が挙げられます。

  • ・貧困
  • ・教師不足
  • ・教育への無関心

詳しく解説します。

貧困

貧困家庭の子どもは、家計を支えるために働いたり、家の手伝いをしなければならず、学校へ通う時間がありません。
教育を受けないと将来安定した職業に就き十分な収入を得ることができないため、貧困の連鎖が発生し、後の世代にも影響します。

教育への無関心

「親が教育に対して無関心であること」も原因として挙げられます。これは貧困とも深い関係があります。

貧困家庭に育ち、十分な教育を受けてこなかった親は、教育の大切さを理解できない場合が多いです。子どもを学校に通わせることよりも、農作の手伝いや家の手伝い、働きに出ることなど、目先の生活の安定を優先する親も少なくありません。

また、貧困地域では親だけでなくコミュニティ全体が教育の重要性を理解していないことも多くあります。

教師不足

地域によっては教師が足らず、十分な教育を受けられない子どもたちがいます。

特に途上国の農村部では、高校生向けの高度な内容を教えられる先生が足りません。教師が不足している地域の子どもたちは、良質な授業を受けることができず、大学進学が難しくなります。

世界の教育格差に対して行われている支援とは


教育を受ける機会に恵まれない途上国の子どもたちに対して様々な支援が行われています。

先進各国の政府が協力して支援金を提供したり、NPOなどの民間団体が学習機会の提供を行ったりしています。
さらに、私たち個人も、発展途上校の教育格差問題を解決するためにできることがあるのです。

詳しく紹介します。

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各国政府や国連機関が行っている支援

先進各国の政府が、ODAなどを通して途上国の教育支援を行っています。

例えば日本の外務省は以下の支援を行っています。

  • ・途上国に教育のための支援金を有償および無償で提供
  • ・アフリカで実施されている「みんなの学校」プロジェクトをJICA(独立行政法人 国際協力機構)を通し支援

国連機関では、ユネスコ(国連教育科学文化機関)がパートナー機関と連携し

  • ・あらゆる世代への教育機会の提供
  • ・教師の養成
  • ・学習向上のための技術の利用

などに取り組んでいます。

中でも、ユネスコが実施する「世界寺子屋運動」は1989年から30年以上も続いている活動です。年齢、宗教、性別にかかわらず、すべての人が公平に学べる場を提供しています。

NPOが行っている支援

NPOなどの民間団体も以下のような支援活動を行っています。

  • ・貧困から抜け出すための自立支援
  • ・学習支援
  • ・文房具などの教育備品の提供
  • ・コミュニティや保護者へ教育の大切さを説明する活動

例えば、認定NPO法人e-Educationは、途上国の地方にいる教育機会に恵まれない子どもに映像教育を届けています。今まで14カ国、3万人の中高生に教育を届けてきました。

毎月1.000円の寄付を1年間継続すると、映像授業(タブレット端末)を高校生2人に無償で渡すことができます。
>>(PR)e-Education について詳しく見る

教育格差をなくすために私たちができること


子どもが教育の機会を得ることは、子ども本人のためだけでなく社会のためにも大切なことです。

教育格差は次の世代にも連鎖するだけではありません。専門知識や高いスキルを必要とする仕事に就ける人が少ないと、国自体の発展が遅れてしまいます私たち個人一人ひとりを含めた、コミュニティ全体で取り組むべき問題なのです。

前述したように教育格差には様々な原因が挙げられますが、貧困が大きな要因となっている場合がほとんどです。

私たち個人にも、教育格差問題の現状を知るとともに、貧困問題に対して起こせるアクションがあります。それは上記で紹介したNPOが行う活動を支えることです。

主な方法として、ボランティアやお金の寄付があります。

ボランティアは

  • ・支援現場で子どもたちに関わる
  • ・イベントの手伝いをする
  • ・事務局で日常業務のお手伝いをする

などの関わり方があります。

お金の寄付は、時間や場所の制約なく支援が可能です。また、以下の魅力があります。

  • ・今すぐに行動を起こせる
  • ・その時に一番支援が必要とされている人・場所を団体が判断し、寄付金が使われる

私たちの寄付が子どもたちの将来のためになる

貧困支援には長期的、安定的な支援が必要です。
家庭のサポート、子ども本人の心理・学習面のサポートなど長期に渡って信頼関係を築きながら進めていく必要があるためです。

多くの場合、寄付金は子どもたちやその家庭を支援する人材育成、機会や場作りのために使われています。持続的で安定的な支援に活用されているのです。

「自身では選べない環境によって、人生を左右されてしまうのはおかしい」
「世界中の、より多くの子どもたちが学校に通えるよう、今すぐ自分ができることをしたい!」
という方は、今すぐ個人が取り組める支援の1つとして団体への寄付を検討してみてはいかがでしょうか。

寄付先を選ぶときの注意点

教育支援活動を行う団体の中にも、あまり寄付をおすすめできない、いわゆる「寄付してはいけない団体」も存在します。
以下の記事で、寄付先を選ぶ際の注意点を詳しく解説しているので、ぜひ一度目を通してみてください。

>>寄付してはいけない団体は本当にある?寄付先を選ぶときのポイントを3つ紹介!

教育は子どもたちの将来を創造する大切な基盤

今回の記事では、日本と世界の教育格差問題について取り上げ、実際に行われている支援も紹介しました。

幼少期のわずか10年ほどの教育が将来の40年〜50年を決める大きな基盤となります。さらに、教育格差は次の世代にも連鎖するだけでなく社会全体にも影響を与えるので、コミュニティや国全体で取り組む問題でもあります。

教育格差には様々な原因が挙げられますが、貧困が大きな要因となっている場合がほとんどです。

貧困家庭の子どもたちの支援、教育機会の提供など国やNPOが様々な活動に取り組んでいます。また、私たち個人でもNPOの活動の支援を通じて教育格差をなくすためにできることがあります

NPOに寄付をするなど、私たちにできることを始めてみませんか。

教育支援についてもっと詳しく知りたい、gooddo編集部おすすめの教育支援団体を知りたい、という方はこちらの記事もご一読下さい。
NPOの専門家による解説もあります。

>>子どもの教育支援をしたい!課題や私たちにできる支援の方法を紹介

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