教育格差

日本で教育格差が広がる理由は?原因を知り対策を考えよう

日本では中学校までの義務教育制度が確立されており、高校へも多くの子どもたちが進学しています。しかし、現実は各家庭の経済状況の違いから、子どもたちの間で起きる「教育格差」が深刻化し、子どもたちの人生を大きく左右する原因にもつながっているのです。

今回の記事では、教育格差が広がる理由と、原因と対策について解説します。

深刻な教育格差問題とは?原因や現状を知り、必要な対策を考えよう

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教育格差とは


教育格差とは、「生まれ育った環境によって受けられる教育に格差が生まれること」を指しています。そして、教育の格差は子どものときだけでなく、大人になってからも様々な問題を生んでしまうのです。

例えば、本人の能力と関係のない要因で進路が決められてしまうことです。
生活に困窮している家庭に生まれ、学校の勉強で良い成績を出し続けたとしても、大学に通うには授業料・入学金など様々な費用が掛かるのです。

この費用を払えない家庭環境にある場合、「奨学金で返済の義務を背負うなら進学を諦める」という人もいます。本人は努力してテストで好成績を獲得しても、結局は家庭の経済状況で進路が制限されてしまう場合もあります。

また、経済格差による教育の格差は連鎖する可能性もあります。
厚生労働省の賃金構造基本統計調査(2021年)によると、男性の最終学歴が高校と大学の場合、初任給は45,100円もの差があります*。更に、2017年のデータで最終学歴が中学と大学で比較すると生涯年収は7,600万円ほどの差が生じます**。

最終学歴により就職できる会社や初任給、昇給などに差が出ることがあるため、教育の格差は年収を大幅に変える可能性があるのです。

そして、貧困な家庭で育った子どもが大人になり、満足のいく給与が得られないまま結婚、子どもが生まれた場合、進学や進路について経済的な制限を受けてしまう可能性もあります。

このように貧困から来る教育格差は、何世代にも渡って連鎖していく可能性があるのです。
「教育格差」は単に受けられる教育に差が生まれるだけでなく、そこから派生して数々の問題を生んでいます。

(*出典:厚生労働省「賃金構造基本統計調査(2021)」
(**出典:独立行政法人 労働政策研究・研修機構 ユースフル労働統計 2019 労働統計加工指標集

教育格差の原因は?


次に、実際にどのような要因が原因となり、教育格差が起きるのかを説明します。

貧困

貧困家庭とそうでない家庭では、全体的な進学率や中学校・高校卒業後の就職と中退率などに顕著な差が生まれることが分かっています。

貧困の形は、生活保護を受けている家庭、ひとり親の家庭、養護施設で暮らす子どもなど、家庭によって様々です。
例え収入が満足にあるひとり親の家庭であった場合でも、「両親をひとりにできない」と理由から進学を諦めることもあるでしょう。

それ以外にも、「家族の生活をより楽にしたい」という理由から、義務教育を終えて働き始める場合もあります。

しかし、教育を受ける機会を失ってしまうと、結果として低所得の仕事で生活を送ることになり、貧困の連鎖が続いてしまうケースも多く見られます。

また、近年は学校の授業だけでなく、塾や習い事など学校以外の教育を受ける機会も増加傾向にあり、そのためには入学費や学費・教材費なども必要になります。
貧困層家庭ではそうした費用を捻出することができず、子どもたちは学校外の習い事を諦め、放課後の時間をひとりで過ごすことも増えてしまいます。

このように、貧困であることが理由で教育の機会が奪われてしまうのです。

地域

地域による格差には、「みえる格差」と「みえない格差」に分類されます。

「みえる格差」とは、学校施設の老朽化や学校教育関連設備の充実度、一学校当たりの児童生徒数、社会教育施設の設置もしくは整備状況、社会教育関連職員数、学校や社会教育施設へのアクセス状況などに該当します。

例えば、山奥にある田舎の学校に通学している人と、首都圏の学校に通学している人とでは塾や習い事の選択肢の幅も大きく変わります

また、貧困対策や教育支援活動も首都圏に通う学生の場合は、交通アクセスも整っていることから利用できる可能性が高いです。その反面、地方になれば場所的な問題からNPO法人の支援を利用することもできない場合もあります。
このように、住んでいる地域によっても差が起きると言えます。

一方、「みえない格差」とは、統計上のデータに表れない、その土地に暮らす人しかわからない要因による格差です。

具体的には学校内外の子どもの安全を守るための地域住民の取組状況や地域の子育て支援の活動状況(子育てや子どもの体験を育てるNPO活動など)、外国人児童・生徒や貧困家庭への支援活動状況など、セーフティ・ネットの存在はそこに住んでいる人でないと見えず、統計上のデータにも表れません。

しかもそれらは一朝一夕で変えられるものではなく、そこで暮らす人々が長い時間をかけてけて培ってきた人間関係を起因とするものが多くあります。

社会制度

OECD先進国で比較した2019年の国内総生産(GDP)に占める公財政教育支出(初等から高等教育の教育機関に対する支出のうち国や行政が負担するもの)を見ると、39か国中32位でした。

この結果から、日本では子どもの教育費を家庭が自己負担でやりくりするという考え方が強く根付いていることがわかります。

一方、北欧にあるスウェーデンでは小学校から大学卒業までの学費負担は、ほとんどありません。これは教育費は税金で賄うという福祉国家的な教育観が影響しています。
「子どもの教育は社会全体で育てる」という考えが強く根付いていると言えるでしょう。

日本では教育費の自己負担が一般的とされているからこそ、家庭の経済状況が子供の教育に大きく影響しています

(出典:OECD Education at a Glance 2021)

学習塾や習い事に通えない子どもたちのために行われている支援


最後に、経済的な理由から学習塾や習い事に通えない子どもたちのために行われている支援について説明します。

放課後子供教室

放課後や週末等に小学校の空いている教室を活用し安全・安心な子どもの活動拠点を設け、地域の方々の参画を得て、子どもたちに勉強・スポーツなどを通じて、交流の機会を作るために実施されています。

この活動から、子どもたちが地域社会の中で、健やかに育つ環境作りを推進するものです。

また「放課後子供教室」は全ての児童を対象とした活動の場で、実施日数や時間も様々です。
現在、地方自治体が主体となって行っており、どのようなプログラムを盛り込むかも検討しています。

一方で、『学童クラブ』は、共働きなどで日中家庭に保護者がいない子どもたちに『生活の場』として授業終了後や夏休みなどに実施しています。

(出典:厚生労働省「放課後子どもプラン全国地方自治体担当者会議資料」)

子どもたちの教育格差は重要な問題


日本で起きている教育格差は深刻な状況であり、子どものときの教育環境が大人になっても大きく影響します。

教育格差の要因となっている経済格差や地域格差などの問題について知り、私たちが子どもたちのために何ができるかを考えてみてはいかがでしょうか。

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この記事を書いた人
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