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教育格差は幼少期から始まる?データでわかる日本の現状とは

この記事を要約すると

日本は先進国でありながら、子どもたちの教育格差に大きな問題を抱えています。

2015年に行われた調査では、相対的貧困率は15.7%、子どもの貧困率は13.9%と7人に1人の子どもが貧困状態であることがわかりました。
今回の記事では、先進国の日本において大きな問題となっている「子どもの経済格差」について詳しく解説します。

(出典:厚生労働省「平成28年 国民基礎調査/貧困率の状況」)

深刻な教育格差問題とは?原因や現状を知り、必要な対策を考えよう

教育格差の原因は経済格差


「教育格差」とは、親の経済状態に比例して子どもの教育環境に差が生まれることを指します。

経済的な理由で教育を十分に受けることができない子どもたちも多く、日本では約7人に1人の割合で子どもが貧困状態にあるのです。

具体的に厚生労働省が2017年にまとめた報告書によると、日本の子ども(17歳以下)の相対的貧困率は13.9%。2014年のOECDのまとめにおいても、日本の子どもの貧困率は、先進国34ヵ国中10番目に高い数字だったのです。

そして、2013年度の全国学力テストの結果を分析すると、家庭の世帯収入によって学力テストの正答率に約20%の開きが生じていました。
世帯収入の低い家庭(子どもにかけられる学校外教育費の少ない家庭)の子どもほど、学力テストの正答率が低いことがデータで現れています。

このような結果から、家庭の経済格差が教育格差に関係していると言えるでしょう。

(出典:厚生労働省「平成28年 国民基礎調査/貧困率の状況」)
(出典:内閣府公式サイト)

経済格差は大学の進学率にも影響

さらにリアルな問題として、貧困による教育格差は、大学への進学率に影響します。

全世帯の大学進学率が73.2%なのに対して、生活保護世帯の進学率は半分程度の33.1%まで低下。
その背景には大学受験に向けて塾や予備校に通えない、参考書が買えない、高校へ通いながら家計のためにアルバイトをしていたため勉強時間の確保が難しいなどの要因が挙げられます。

その後、仮に大学に合格し進学できた場合でも、今度は経済的な問題が立ちはだかります。

入学金・授業料の他に、教材費などの費用は決して安くはありません。奨学金を借りることも可能ですが、借金という形で借りるものがほとんどであり、大学卒業から返済がスタートします。この返済が、新卒社会人の大きな負担となり、貧困状態に陥ることも少なくありません。
(出典:内閣府「子供の貧困に関する指標の推移」)
(出典:厚生労働省「生活保護世帯出身の大学生等の生活実態調査」,2018)

子どもの学力は10歳頃から差が出る!?


子どもたちの学力は、8歳から9歳頃にかけてはそれほど大差はありませんが、10歳になると勉強や運動でつまずいてしまうといわれています。

この事象は「10歳の壁」と呼ばれることがあります。
原因は学習の内容が高度になるということに加え、徐々に差が出ることで子どもが勉強・運動に対する自信を無くし、失敗を引きずるようになってしまうので、「苦手」「できない」と思い込んでしまった子どもたちは苦手を理由に勉強を避けるようになってしまいます。

そのまま年齢を重ねてしまうと、後から学力だけでなく自己肯定力も低下してしまい、取り戻すのがなかなか困難となってしまいます。
そのため、周りの大人は早期に子どもたちの「苦手」「できない」に気づき、手助けしていくことが必要です。

日本の教育格差は学校以外の場所で生まれる


文部科学省が行った「平成26年度子どもの学習費調査」によると、家庭が自己負担する教育支出(学習費)のうち、約6〜7割が学校外教育費(学習塾や習い事などの費用)であることが明らかになっています。この6割〜7割の差、つまり学校以外での教育の機会の有無が大きな学力差を生むことになるのです。

(出典:文部科学省「平成26年度子供の学習費調査」)

教育格差による問題に対し行われている支援

経済状況の差から生まれる教育格差を是正するために、各団体が取り組みを行っています。

あるNPO法人が行っている「学習支援」事業では、地域や学校と協力を図りながら「学習支援拠点」を設置。質の高さと継続性を重視した研修を受けた大学生教師たちが、学校授業の遅れを実感している子どもたちに勉強を教えています

具体的には、生徒が確実に学習で成果を出せるよう、プログラム中は同じ教師と生徒たちで授業を行い、3ヶ月を区切りとした継続的なプログラムを提要しています。単に勉強を教えるだけの関係でなく、生徒の考えていることなども汲み取りながら、深い関係を構築することも特徴です。

また、月額契約の学習サービスを提供する会社が、教育事業者向け学習ツールを社会問題解決に取り組むNPO法人へ無償提供しするという新しい動きもあります。

学校外の活動に掛けている費用の大きさによって、子どもの学力が決まる格差を、様々な団体の支援によって変わろうとしているのです。

教育格差をなくすためには私たちの協力も必要


今回は、日本で起きている教育格差問題をデータを交えて説明しました。
貧困による経済格差が教育の格差につながり、結果として子どもの精神状態・生活サイクルにも大きな影響を及ぼします。
また、子どものころに受けた影響はおとなになっても簡単に克服することは難しく、その人の一生を左右する問題にもなりかねません。

日本の貧困問題が深刻な状態にあることを認識し、貧困家庭の子どもたちのために行われている支援を応援してみてはいかがでしょうか。

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