「温暖化の原因は何?」
「本当に人間のせいなの?」
「自分の生活とどう関係しているの?」
猛暑や豪雨のニュースを見て、そんな疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。結論からお伝えすると、温暖化の主な原因は、石炭・石油・天然ガスなどの化石燃料を燃やすことで増えた二酸化炭素などの温室効果ガスです。
本記事では、その原因を、温室効果の仕組み、ガスの種類、日本の部門別の排出量、自然の要因との違いに分けて、IPCCや気象庁、環境省の最新データで解説します。
なお、温暖化の全体像は地球温暖化のメカニズムや原因、現状は?で、進行した場合に何が起きるかは地球温暖化による地球への影響は?で詳しく紹介しています。よろしければ併せてご確認ください。
地球温暖化の原因は人間が増やした温室効果ガス
地球温暖化の原因は、人間の活動によって大気中の温室効果ガスが増えたことです。国連の「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」は、2023年の第6次評価報告書(統合報告書)で、人間活動が地球温暖化を引き起こしてきたことには「疑う余地がない」と結論づけており、原因についての科学的な議論には決着がついています。
温室効果ガスが地球を温める仕組み
太陽の光で温められた地表は、熱を赤外線として宇宙に向けて放出しています。二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガスには、この赤外線を吸収し、再び地表に向けて放射する性質があります。温室効果ガスがあるおかげで地球の平均気温は約14℃に保たれ、生き物が暮らせる環境になっています。
ところが産業革命以降、化石燃料の燃焼などで温室効果ガスが急激に増えたため、地表から逃げるはずの熱が大気にたまりやすくなりました。これが、地球温暖化が起きる仕組みであり、最も大きな原因です。
(出典:JCCCA 全国地球温暖化防止活動推進センター「地球温暖化とは?地球温暖化の原因と予測」)
大気中のCO2濃度は過去最高を更新
世界気象機関(WMO)の温室効果ガス年報によると、2024年の大気中のCO2の世界平均濃度は423.9ppmで、観測史上最高を更新しました。これは産業革命前(1750年以前)の約1.5倍にあたります。2023年から2024年にかけての増加量は3.5ppmで、1957年に近代的な観測が始まって以来、最大の伸びでした。メタンは産業革命前の約2.7倍、一酸化二窒素は約1.25倍に増えています。
(出典:気象庁訳「WMO温室効果ガス年報 第21号」(2025年10月))
原因となる温室効果ガスが増えるにつれて、気温も上がっています。気象庁によると、2025年の世界の平均気温は1891年の統計開始以降で3番目に高く、上位3位を2024年・2023年・2025年が占めました。日本の年平均気温も長期的には100年あたり1.44℃の割合で上昇しており、2025年は統計開始以降3番目の高さでした。
(出典:気象庁「世界の年平均気温」)
(出典:気象庁「日本の年平均気温」)
- ・地球温暖化の原因は、人間の活動によって増えた温室効果ガス
- ・IPCCは、人間活動が温暖化を引き起こしてきたことに「疑う余地がない」としている
- ・2024年の大気中のCO2濃度は423.9ppmと過去最高で、産業革命前の約1.5倍
温暖化を進める温室効果ガスの種類
地球温暖化の原因となる温室効果ガスにはいくつかの種類があり、どれだけ熱をため込むか(温暖化への効き目)も違います。日本の2024年度の温室効果ガス排出量は、CO2換算で約10億4,600万トンでした。内訳は次のとおりです。
| ガスの種類 | 主な排出源 | 日本の排出量(2024年度) | 割合 |
|---|---|---|---|
| 二酸化炭素(CO2) | 石炭・石油・ガスの燃焼、セメント製造など | 約9億7,100万トン | 92.8% |
| 代替フロン等4ガス | エアコン・冷蔵庫の冷媒、半導体製造など | 約3,220万トン | 3.1% |
| メタン(CH4) | 水田、家畜のげっぷ、廃棄物の埋め立てなど | 約2,790万トン | 2.7% |
| 一酸化二窒素(N2O) | 農地の肥料、工業プロセス、燃料の燃焼など | 約1,480万トン | 1.4% |
(出典:環境省・国立環境研究所「2024年度の我が国の温室効果ガス排出量及び吸収量(概要)」(2026年4月))
日本の排出量の9割以上はCO2で、その大部分はエネルギーを使うときに出るものです。つまり日本では、エネルギーの使い方が地球温暖化の最大の原因になっています。一方、メタンや代替フロンは量が少なくても、同じ重さあたりの温暖化への効き目がCO2より大きいため、CO2に換算して比べています。冷蔵庫やエアコンを捨てるときに冷媒のフロンを適切に回収することも、温暖化対策のひとつです。
- ・温室効果ガスにはCO2、メタン、一酸化二窒素、代替フロンなどがある
- ・日本の排出量の92.8%はCO2で、その多くはエネルギーの利用から出ている
- ・メタンやフロンは量が少なくても温暖化への効き目が大きい
どこから排出されている?日本の部門別CO2排出量

(出典:環境省「2024年度の温室効果ガス排出量及び吸収量(詳細), 非エネルギーCO2 分野別排出量の推移」)
では、地球温暖化の原因となるCO2は、私たちの社会のどこから出ているのでしょうか。発電所で出たCO2を電気を使った側に割り振ると、2024年度の日本のエネルギー起源CO2排出量は次のようになります。
| 部門 | 主な例 | 排出量(2024年度) |
|---|---|---|
| 産業部門 | 工場での製品づくり(鉄鋼、化学、セメントなど) | 約3億3,400万トン |
| 運輸部門 | 自動車、トラック、船、飛行機 | 約1億8,700万トン |
| 業務その他部門 | オフィス、店舗、病院、学校など | 約1億6,200万トン |
| 家庭部門 | 家庭での電気・ガス・灯油の使用 | 約1億4,600万トン |
| エネルギー転換部門 | 発電所・製油所などでの自家消費 | 約7,910万トン |
家庭部門は全体の1割ほどですが、通勤や買い物で使う自家用車は運輸部門に、私たちが買う製品をつくるときの排出は産業部門に含まれます。暮らしの選択は、さまざまな部門の排出につながっており、私たち一人ひとりも温暖化の原因に関わっているといえます。
また、日本の発電の67.5%は今も石炭や天然ガスなどの火力発電で、再生可能エネルギーは23.1%です。電気を使うこと自体が、間接的にCO2を出す原因になっています。
(出典:環境省「2024年度の我が国の温室効果ガス排出量及び吸収量について」)
日本の排出量は2013年度から約3割減り、2024年度は吸収量を差し引いて初めて10億トンを下回りました。ただ、政府は2030年度に2013年度比46%減、2050年に実質ゼロという目標を掲げており、削減はまだ道半ばです。
- ・日本のCO2は産業部門が最も多く、運輸、業務、家庭と続く
- ・発電の約7割が火力のため、電気の使用もCO2排出につながる
- ・排出量は減っているが、2050年の実質ゼロに向けて削減は道半ば
世界ではどの国が多く排出している?

地球温暖化は国境を越えた問題で、その原因となる排出は世界中で起きています。国連環境計画(UNEP)によると、世界の温室効果ガス排出量は2024年に過去最高の577億トン(CO2換算)に達し、前年より2.3%増えました。
国別のCO2排出量(2022年)は、中国、アメリカ、インドの順に多く、中国とアメリカだけで世界の約45%を占めています。日本は世界第5位で、全体の約2.9%です。一方、1人あたりの排出量で見ると、日本は主要国の中でも多い方で、後発開発途上国の約9倍にのぼります。温暖化の原因をつくった責任が小さい国ほど、干ばつや洪水などの影響を強く受けやすいという不公平も指摘されています。
(出典:JCCCA「温室効果ガス・二酸化炭素排出量(世界)」)
- ・世界の温室効果ガス排出量は2024年に過去最高の577億トン
- ・中国とアメリカで世界のCO2の約45%、日本は約2.9%で世界5位
- ・1人あたりで見ると日本の排出は多く、途上国の約9倍
太陽活動や火山など自然の要因との違い

(出典:jaxa EARTHCARE「気候変動予測の現状 - 21世紀末の地球の気温は?」)
「地球温暖化の原因は、太陽の活動や火山の噴火など、自然の変化ではないの?」という疑問もよく聞かれます。たしかに地球の気温は、太陽活動の強弱や大規模な火山噴火、エルニーニョ現象などでも上下します。
しかしIPCCの第6次評価報告書は、1850〜1900年から2010〜2019年までの気温上昇(約1.1℃)のうち、太陽や火山などの自然の要因による寄与はごくわずかで、上昇のほぼすべてが人間活動によるものだと評価しています。自然の要因は数年〜数十年単位の上下を生みますが、100年以上にわたって気温が上がり続けている長期的な傾向は、温室効果ガスの増加という人為的な原因でしか説明できないとされています。気候変動の自然的な要因については気候変動の原因とは?人為的・自然的な要因でも解説しています。
(出典:環境省「IPCC第6次評価報告書(AR6)」)
- ・太陽活動や火山噴火など自然の原因も気温を変えるが、その影響は短期的で小さい
- ・IPCCは、これまでの気温上昇のほぼすべてが人間活動によるものと評価
- ・長期的な上昇は温室効果ガスの増加でしか説明できない
森林破壊や暮らしも温暖化を進める

化石燃料の燃焼のほかにも、地球温暖化の原因となる人間の活動があります。代表的なのが森林破壊です。森林は成長する過程で大気中のCO2を吸収しますが、伐採や森林火災で失われると、蓄えていた炭素がCO2として放出されます。日本でも森林などによる吸収量は2024年度に約5,230万トンあり、森を守ることは温暖化対策の一部になっています。森林破壊の現状は森林破壊の現状と原因とは?で紹介しています。
(出典:環境省・国立環境研究所「2024年度の我が国の温室効果ガス排出量及び吸収量(概要)」)
また、食べ物の生産と消費も原因のひとつです。家畜のげっぷや水田からはメタンが、肥料からは一酸化二窒素が出ます。食品ロスとして捨てられる食べ物も、生産や輸送、焼却の過程で温室効果ガスを出しています。
- ・森林破壊は、CO2を吸収する森を減らし、蓄えた炭素を放出させる
- ・農業や食品ロスも、メタンなどの温室効果ガスの排出につながる
原因を知ったうえで私たちにできること

地球温暖化の原因が人間活動にある以上、私たちの行動で排出を減らすこともできます。原因ごとに、身近なところから始められることを紹介します。
- ・電気を節約し、買い替えるときは省エネ性能の高い家電を選ぶ
- ・再生可能エネルギーの割合が高い電力プランに切り替える
- ・近い距離は徒歩や自転車、遠い距離は公共交通機関を使う
- ・食べ物を買いすぎず、食品ロスを減らす
- ・家電を捨てるときは、フロンを回収できる正規のルートで処分する
- ・温暖化対策に取り組む団体を寄付で応援する
国全体の目標や「実質ゼロ」の考え方はカーボンニュートラルとは?で解説しています。
- ・電気の使い方、移動手段、食べ物の選び方が排出の削減につながる
- ・個人の行動に加えて、団体への寄付で社会全体の取り組みを後押しできる
また、地球温暖化の原因となる排出を減らすために、政策提言や森林保全、植林などに取り組む団体があります。寄付を通じて、こうした活動を支えることができます。寄付先は気候変動や地球温暖化問題に寄付したい!支援団体を5つ紹介もご覧ください。
まとめ:原因を知ることが行動の第一歩

地球温暖化の主な原因は、化石燃料の燃焼などで人間が増やした温室効果ガスです。日本では排出量の9割以上をCO2が占め、工場、交通、オフィス、家庭など社会のあらゆる場面から出ています。原因が人間活動にあるということは、私たちの選択で変えていけるということでもあります。電気の使い方や移動手段を見直したり、取り組む団体を応援したりと、できることから始めてみましょう。
- ・地球温暖化の原因は人間が増やした温室効果ガスで、日本では9割以上がCO2
- ・原因が人間活動にあるからこそ、私たちの行動で変えていける