日本に住んでいる私たちにとって、「ご飯が食べられない」という問題はあまり身近に感じられない人も多いでしょう。
しかし、世界規模で見渡してみると食糧を満足に得られない人々は多くいます。
紛争、大規模な干ばつ、飢餓により命を落とす人も数多く存在するのです。
今回の記事では、世界の食糧問題について解説をしていく中で、子どもや栄養素という観点にフォーカスを当ててお話しします。
子どもたちを苦しめる飢餓状態。飢餓に耐える子どもたちの実状や支援方法は?
また、「飢餓のない社会に貢献したい」「栄養のある食事を全ての人がとれる社会にしたい」と少しでも思う人は、まずは30秒の無料支援をスタートしてみませんか?
約30秒のアンケートに回答いただくと、栄養失調を含む途上国の子どもが直面する問題に取り組む団体に10円の支援金が届きます。記事を読み進める前にぜひお試しください!
\たったの30秒!/
世界で広がっている食糧問題
飢餓の定義は、「長期間にわたり食べられず栄養不足となり、生存と生活が困難になっている状態」とされています。
飢餓には「突発的な飢饉」と「慢性的な飢餓」の2つに分けられます。
「突発的な飢饉」とは大規模な干ばつや洪水などの自然災害によって起こるものです。
「慢性的な飢餓」は雇用賃金が安い、農業の生産性が低いなどの社会システムが引き起こす飢餓のことを言います。
どちらも重大な飢餓・食糧問題ですが、「慢性的な飢餓」は「突発的な飢饉」に比べて世界から注目を集めることが少ないのが課題と言えるでしょう。
食べる量だけではなく、バランスの良い栄養素を摂取できているかという部分も大切になります。
食べている食事の量が十分でお腹が満たされていれば良いわけではなく、ビタミンA、鉄、ヨウ素といった生命の維持に不可欠な栄養素の欠乏が様々な病気を引き起こし、命を落とす原因になるのです。
このような満足な食事ができず、飢餓状態であるとされる「飢餓人口」は2017年時点で8億2,100万人と推定されていて、世界の9人に1人が飢餓に苦しんでいます。
飢餓の原因は、食べ物がないからではありません。2019年時点で毎年、26億トンの穀物が生産されており、世界人口である76億人に平等に配られれば、1人当たり年間340キログラム以上が渡ります。
日本人の年間穀物消費量が2017年の国民健康・栄養調査で154キログラムと出ており、これと比較しても十分な量が生産されていることがわかります。
それでも飢餓がなくならない背景には、飢餓が直面している地域が様々な課題を抱えていることがあります。教育が普及していない、収入が少ないなどの問題です。
しかし、それだけが原因ではありません。食べ物は生産されてから、加工、運搬、売買などの様々な工程があります。
運搬や加工技術の進歩によって、世界中の食べ物が、世界各地へ届けられるようになったことで、国境を越えた地球規模の課題について考えていくことも必要です。
(出典:公益社団法人 国際農林業協働協会「世界の食糧安全保障と栄養の現状2018 」)
(出典:ハンガー・フリー・ワールド「飢餓とは」)
(出典:ハンガー・フリー・ワールド「世界の食糧事情」)
問題となるのが食糧廃棄
世界の穀物生産量は毎年26億トン以上。この量は世界では全ての人が十分に食べられるだけの食糧が生産されていると言われます。
しかし、前述したように世界では8億2,100万人が飢餓人口として認定されています。人口の9人に1人が慢性的な栄養不足という結果の要因は多くあります。
世界では毎年、食用に生産されている食糧の3分の1に当たる13億トンが破棄されています。
この問題は世界共通で存在し、日本などの先進国は「食べ残し」や「賞味期限切れ」など消費段階で食べ物が捨てられます。
また、開発途上国では多くの穀物を生産できても「適切に保管できない」「加工するための技術がない」という理由で、必要な人に届く前に無駄になってしまうのです。
また、食糧を廃棄する際に発生する温室効果ガスの量も問題になっており、国連食糧機関が発表した2018年のデータでは、世界で排出される温室効果ガスの8%がフードロスが原因と言われています。
温室効果ガスの増大によって、大きな被害を受けるのは異常気象によって食べる物を作る環境が厳しくなる開発途上国や最貧国に住む小規模な農家なのです。
(出典:みんなで食べる幸せを「世界の食糧問題」,2019)
子どもにとっての食糧不足は大問題
子どもたちにとって食糧不足は大きな問題となります。
食糧を満足に食べられないことが原因で、学校に通っていても勉強に集中することができません。
また、弟や妹を抱えている場合、ご飯を食べさせるために学校を辞めて両親の仕事を手伝う家庭も多いのです。
しかし、教育を受ける権利が失われてしまうと、目先のご飯を食べるために働くスパイラルから抜け出せなくなります。
食事を満足に得られない社会は、子どもたちの未来を閉ざしていまう一因にもなるのです。
(出典:みんなで食べる幸せを「世界の食糧問題」,2019)
- 飢餓の定義は、「長期間にわたり食べられず栄養不足となり、生存と生活が困難になっている状態」
- 「突発的な飢饉」とは大規模な干ばつや洪水などの自然災害によって起こるもの
- 「慢性的な飢餓」は雇用賃金が安い、農業の生産性が低いなどの社会システムが引き起こす飢餓
- 「飢餓人口」は8億2100万人と推定、世界の9人に1人が飢餓に苦しんでいる
- 世界では毎年、食用に生産されている食糧の3分の1に当たる13億トンが破棄されている
多くの子どもが栄養不良に陥っている
開発途上国での飢餓・食糧問題だけでなく、先進国においても満足にご飯を食べられても栄養が不足している場合があります。
「食べる」ことだけではなく「栄養が取れているか」を考慮して食事をする必要があるのです。
身体の抵抗力をサポートする「ビタミンA」
私たちが病気にかからないために必要な抵抗力を付けるために「ビタミンA」が必要です。
この栄養素が不足すると、体の免疫力が低下し、病気にかかりやすくなります。
下痢や肺炎などの病気が子どもたちの死を招く原因は、このような栄養素の不足が関係しているのです。
鉄欠乏による貧血症
開発途上国の女性の半数以上と乳幼児の多くが貧血症にかかっています。
妊産婦が貧血症であると、出産時に大量出血の危険性が高まり、妊産婦死亡率が上がるのです。
また、生まれた赤ちゃんの発育や知能の発達が損なわれる原因にもなります。
「たんぱく質」は成長に欠かせない
骨や筋肉、血液、心臓などの身体の要素を作る基になる栄養素です。
小さい頃にタンパク質が不足すると、成長が止まり、いつまでも歩き出すことができないなどの発育障害に陥ります。
ヨード欠乏症
ヨードは海藻などに多く含まれる栄養素です。
人間の体には微量で十分ですが、甲状腺の働きを支えるために欠かせないものなのです。
ヨードが欠乏すると、首に大きなコブのようなものができてしまう甲状腺腫が発生します。
また、子どもがヨード不足になると、知的発達が損なわれたり、成長が妨げられることがあるのです。
- ビタミンAが不足すると免疫力が低下
- 鉄分が不足すると貧血症になる
- たんぱく質が不足すると発育障害に陥る
- ヨード不足は知的発達が損なわれる
(出典:公益財団法人 日本ユニセフ協会「キーワードで知る栄養不良」)
栄養不良の子どもたちへの支援
栄養不良に苦しむ子どもたちを救うために、様々な支援活動をNPO・NGOが行なっています。
支援活動
日本では、継続的な寄付からなる食糧支援とは別に、海外ボランティアを派遣しています。
収穫した穀物を長期間貯蓄する技術から、多様な野菜を育てるための技術の伝承などを行っています。
食糧が不足している国における理想的な状況は、他国からの支援がなくても食糧を作り出せることです。この理想を実現するために、様々なNPO・NGOによる支援が行われています。
数千円の支援がたくさんの経口補水塩に変わる
実際に海外ボランティアとして手伝うことが難しくても、寄付という形で支援することが可能です。
私たちの寄付により、水を浄化できる薬剤や下痢による脱水症状を和らげる経口補水塩などの購入が可能となります。
一人ひとりの小さな支援が開発途上国を助ける大きな支援になるのです。
- 日本では継続的な募金からなる食糧支援とは別に、海外ボランティアを派遣している
- 募金という形で支援することが可能
- 募金が水を浄化できる浄水剤や下痢による脱水症状を和らげる経口補水塩として、開発途上国へ届けられる
子どもたちが安全な水を利用できるために
私たちができることは、世界で起きている飢餓・食糧問題の現状を知ることから始まります。
問題を知ることで、初めて対策を打つことが可能となるのです。
そして私たちの寄付による支援金は、子どもたちが安全な水を飲むために使われます。
今できる行動から、少しづつ変えて行きましょう。