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寄付をすると節税できる?おトクに寄付する6つのポイントを解説!

  • 2021年4月29日
  • 2021年4月30日
  • 寄付

寄付をすれば節税になる」と聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。

寄付はひとりひとりの慈善により成り立っています。とはいえ、寄付をして節税できるなら、ぜひ税制優遇を活用したいとは思いませんか?ふるさと納税も税制優遇を受けられることが注目され、身近な節税対策として認知されてきました。

今回は、寄付をすると節税できる「寄付金控除」について、知っておきたい6つのポイントとよくある疑問についてまとめました。控除や税金の知識があまりない人でも、スムーズに理解できるよう以下の内容を解説します。

  1. 寄付すると、なぜ節税になるのか?
  2. 寄付金控除の仕組みや具体的な節税額は?
  3. 寄付金控除を受ける方法は?

「寄付をすると節税できる」は本当なのか?具体例を紹介!


まず、「寄付をすると節税になる」と言われているのは、寄付金控除のおかげです。

寄付金控除とは、認定NPO法人など特定の非営利団体に寄付すると受けられる税制優遇制度です。寄付したのが個人なら、所得税や住民税の軽減に繋がります。法人の場合は、寄付金額を経費に計上できます。

ただし、寄付した全額が控除されるわけではありません。控除額には決まりがあり、所定の計算式によって算出された額のみ節税できます。また、寄付先によっては寄付金控除の対象とならないため注意が必要です。

以上を踏まえて、寄付金控除を受けるために知っておきたいポイントを見ていきましょう。

寄付で節税するなら知っておきたい6つのポイント

寄付で節税するなら、6つのポイントを知っておきましょう。

  1. 所得金額の最大30%相当が住民税の控除対象になる
  2. 所得金額の最大40%相当が所得税の控除対象になる
  3. 寄付金控除の対象となる団体・ならない団体がある
  4. 控除を受けるには確定申告が必要
  5. ほとんどの人は税額控除がお得
  6. 法人も寄付による税制優遇がある

最大〇〇%と聞いてもイメージしづらい方もいるかもしれませんが、具体的な例を交えて解説しています。それぞれ詳しく見ていきましょう。

ポイント1:所得金額の最大30%相当が住民税の控除対象になる

都道府県や市区町村など特定の団体へ寄付した場合、課税所得の最大30%相当まで、住民税の控除を受けられます。

どのように住民税の控除額を算出するのか、さっそく見てみましょう。

(寄附した合計金額-2,000円)×10%=住民税の控除額
※寄附した合計金額は総所得金額の30%まで

寄付した合計金額から2,000円を引き、10%を掛けた額が「住民税の控除額」となります。ただし、寄付先が「都道府県・市区町村が条例で指定する寄付金」ではない場合、10%ではなく次の割合で計算します。

  1. 都道府県が指定した寄付金:4%(平成30年度以後に指定都市に住んでいる場合は2%)
  2. 市区町村が指定した寄付金:6%(平成30年度以後に指定都市に住んでいる場合は8%)
  3. 都道府県および市区町村が指定しない団体へ寄付した場合:0%(住民税の控除を受けられない)
  4. 都道府県および市区町村が指定した寄付金:10%

たとえば「都道府県が指定しており、市区町村が指定していない寄付金」の場合、控除額は「(寄付金の合計金額-2,000円)×4(2)%」となります。一方で「都道府県が指定しておらず、市区町村が指定している寄付金」の場合、控除額は「(寄付金の合計金額-2,000円)×6(8)%」となります。

住民税の控除を狙うなら、「都道府県および市区町村が指定する団体へ寄付」をした方が、「(寄付金の合計金額-2,000円)×10%」の控除を受けられるためお得です。住民税を節税するなら、寄付先が指定団体に該当するか、内閣府が発表している「公益法人とNPO法人の税額控除対象法人の一覧について」のページを事前にチェックしましょう。

(出典:総務省「ふるさと納税以外の寄付金税制」)

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ポイント2:所得金額の最大40%相当が所得税の控除対象になる

寄付金控除を利用すると、住民税だけでなく所得税の控除も受けられます。寄付金控除の「所得控除」を適用すると、所得金額の最大40%相当が所得税から控除されます。

所得控除の計算式は、以下の通りです。
(寄附した合計金額-2,000円)=所得「金額」から控除される額
※控除できる金額は所得金額の40%まで

寄付金控除は、住民税の控除にくわえて所得税も控除できます。寄付をこれからする方、既にしている方は、この機会に寄付金控除を適用してはいかがでしょうか。

ポイント3:寄付金控除の対象となる団体・ならない団体がある

すべての寄付が寄付金控除の対象となるわけではありません。控除対象となるのは「特定寄付金」に限られます

特定寄付金と認められるのは、以下のいずれかに該当する寄付金です。

  1. 国や地方公共団体への寄付
  2. 公益法人への寄付(財務大臣の認可が必要)
  3. 特定公益増進法人への寄付
  4. 社会福祉等への貢献に寄与する信託財産のために支出した金銭
  5. 政治活動への寄付(個人の利益や政治資金規正法違反に該当しないもの)
  6. 認定NPO法人への寄付
  7. 特定新規株式の取得金(限度額1,000万円)

寄付金控除を受けたいなら、特定寄付金の対象となるか寄付する前に確認しておくと安心です。寄付先が特定寄付金の対象になるかは、寄付先の団体ホームページに記載されていることがあります。またもし記載が無ければ、寄付先の団体へ問い合わせてみるのもおすすめです。

さらに寄付金控除を受けるなら、確定申告も行う必要があります。

ポイント4:控除を受けるには確定申告が必要

寄付金控除で節税するには、確定申告をする必要があります。寄付をしたら自動的に控除されるわけではないので注意しましょう。

会社員は勤務先で年末調整を行いますが、寄付金控除を受けるには自分で確定申告しなければなりません。確定申告の手続きには、寄付先から送付された寄付金の受領書が必要です。

さらに詳しい確定申告の手順は、以下の記事で解説していますのでご一読ください。

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ポイント5:ほとんどの人は税額控除がお得

実は所得税の控除は「所得控除」と「税額控除」の2種類があります。所得控除は「税額を計算する前の“所得”」に控除が適用されるのに対して、税額控除は「所得から所得控除を差し引いた金額」に対して控除が適用されます。

そして、ほとんどの人は税額控除の方がお得です。

では、所得控除より税額控除の方がどのくらいお得になるか、年収1,000万円(課税所得608.2万円)の人が年間10万円寄付したとして計算してみましょう。
(※課税所得は「年収1,000万円-(社会保険料控除1,488,000円+給与所得控除1,950,000円+基礎控除480,000円)=課税所得6,082,000円」と仮定して計算)

【所得控除】
寄付した合計金額100,000円-2,000円=寄付金控除98,000円
{(課税所得6,082,000円-寄付金控除98,000円)×所得税率20%}-所得控除427,500円=「支払う所得税769,300円」
【税額控除】
(寄付した合計金額100,000円-2,000円)×40%=寄付金控除39,200円
(課税所得6,082,000円×所得税率20%)-所得控除427,500円=本来の所得税788,900円
本来の所得税788,900円-寄付金控除39,200円=「支払う所得税749,700円」

課税所得とは、所得金額(年収)から給与所得者控除や社会保険料といった各種控除を差し引いた、「税金を計算する対象となる所得」のことです。

課税所得をもとにどちらが安いか計算した結果、所得控除では支払う所得税が769,300円、税額控除の場合は749,700円となりました。したがって、同じ寄付金額でも税額控除の方が19,600円の節税となります。

所得控除の計算上、年収が高く所得税率が大きい方が節税効果は高くなります。ただし課税所得が4,000万円を超えると、所得控除を活用した方が有利になる可能性が高いです。

(参考:日本福祉大学「所得控除と税額控除の比較表」)

とはいえ国税庁の「民間給与実態統計調査(平成30年分)」によると、給与所得者5,026万人のうち年収1,000万円(課税所得608.2万円)を超える人は約5%しかいません。つまり大多数の人は、税額控除を選ぶ方が節税できます。

ポイント6:法人も寄付による税制優遇がある

法人が寄付した場合、寄付金の一部または全額を経費として損金算入できます。損金算入できる額は、寄付先によって異なります。具体的にどこへ寄付すれば節税できるのか、見てみましょう。

・寄付した全額が損金算入

  1. 国や地方公共団体への寄付
  2. 指定寄付金

・寄付した合計額と特別損金算入限度額(損金算入できる限度額)の少ない方を損金算入

  1. 特定公益増進法人
  2. 社会福祉等への貢献に寄与する信託財産のために支出した金銭
  3. 認定NPO法人

※特別損金算入限度額の計算方法:
〔資本金等の額 ×12分の当期の月数×1000分の3.75+ 所得の金額 ×100分の6.25〕×2分の1

・一定の限度額まで損金算入

  1. 上記に当てはまらない一般の寄付金

(出典:国税庁「寄附金を支出したとき」)

損金算入を狙って寄付をするなら、寄付した全額を損金算入できる「国や地方公共団体」もしくは「指定寄付金」への寄付がおすすめです。

ここまで寄付による節税効果やポイントを紹介しました。さっそく寄付金控除を活用したいものの「実際にいくら節税できるのかわからない」「寄付金控除を活用したいけど、どの団体に寄付したら良いのか分からない」と悩んでいる方もいるのではないでしょうか。

そこで続いては、実際の節税額や寄付先選びなど、寄付金控除のよくある疑問をお伝えします。

寄付金控除に関する3つの疑問を解説!


寄付金控除でよくある疑問として、以下の3つにお答えします。

  1. 毎月1万円寄付すると、どれぐらい節税できるの?
  2. 確定申告は、500円や1,000円などの低額の寄付でも必要なもの?
  3. 寄付先はどのように選べばよいの?

さっそく見ていきましょう。

【疑問1】毎月1万円寄付すると、どれぐらい節税できるの?

もし毎月1万円を12か月間にわたって寄付した場合、税額控除なら47,200円の節税となります。節税額は以下の計算で算出できます。

税額控除の計算式:(寄附した合計金額-2,000円)×40%=所得税から控除される額
毎月10,000円×12か月=120,000円(寄付した合計金額)
(120,000円-2,000円)×40%=47,200円

※控除できる金額は所得金額の40%まで

また都道府県や市区町村など特定の団体へ寄付した場合は、住民税の控除も受けられます。

住民税の控除額=(寄附した合計金額-2,000円)×10%
毎月10,000円×12か月=120,000円(寄付した合計金額)
(120,000円-2,000円)×10%=11,800円

※寄付した合計金額は総所得金額の30%まで

以上の計算から毎月1万円寄付すると、寄付金控除の活用で所得税を47,200円、住民税を11,800円、合計59,000円税金が安くなります。ただし寄付控除が受けられる金額は所得金額によって異なります。

「具体的に自分はいくらまで寄付金の控除を受けられるか知りたい」という方は、最寄りの税務署へご相談ください。

【疑問2】確定申告は、500円や1,000円などの低額の寄付でも必要なもの?

寄付金控除の対象は、寄付した合計額が2,001円を超えた場合となります。500円や1,000円であれば寄付金控除の対象外となるため、確定申告は必要ありません。

また、仮に寄付した合計額が2,001円を超えていても、寄付金控除を受けないなら確定申告は不要です。

とはいえ、寄付金控除は納める税金の額を減らすチャンスとなります。確定申告は思ったより簡単にできるため、手続きして寄付金控除を受けるのがおすすめです。

確定申告の具体的な手順は下記の記事で解説していますので、ぜひご一読ください。

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【疑問3】寄付先はどのように選べばよいの?

いくつもある寄付先の中から「どうやって寄付先を選べばいいの?」と悩む人も多いでしょう。

まずはじめてにお伝えしたい大切なことは、「寄付に失敗はない」ということです。寄付とは、誰かにあなたの想いを託すこと。それに成功も失敗もないのです。

また「何にあなたの想いを託すか」も寄付の奥深い部分です。信頼性や活動内容、実績や成果など様々な価値観があります。そのうえで、これから寄付を始める人は、以下の3つの観点から寄付先を検討してみませんか。

【おすすめ団体の選び方】

  1. 信頼できるところに寄付する
  2. 自分がきになる社会課題に取り組む団体に寄付する
  3. 寄付の使い道がわかりやすいところに寄付する

具体的にどのような団体があるのか知りたい」という方は、以下記事をご一読ください。

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寄付先のおすすめNPO団体は?失敗しない選び方を専門家が徹底解説!

また、より詳細な寄付に関する疑問については、以下の記事で解説しております。

これから寄付をしたいけど、分からないことが多くて困っている
すでに寄付をしているけど、よく分からないことがある
という方は、ぜひご一読ください。

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寄付の方法や節税メリットなど、寄付・募金のよくある疑問に答えます

まとめ:寄付後は確定申告して節税しよう!

今回は、寄付金控除と節税について解説しました。ここで、紹介した内容をまとめます。

【寄付金控除のポイント】

  1. 対象団体に寄付すれば、所得税や住民税の控除を受けられる
  2. 住民税は所得の最大30%相当、所得税は所得の最大40%相当が控除対象となる
  3. 年収4,000万円未満の人は税額控除を選ぶ方が節税効果が大きい
  4. 寄付金控除を受けるには確定申告が必須

国や地方公共団体等へ年間2,001円以上の寄付をした場合、寄付金控除を受けられます。寄付金控除は所得税や住民税の軽減に繋がるため、寄付をしたら活用したい制度ですよね。

寄付をして節税したい
寄付金控除を利用したい
という方は、次の確定申告時に寄付金控除を申請しましょう。

この記事を書いた人
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