貧困をなくそう

SDGs目標1「貧困をなくそう」の取り組み内容とは?

「SDGsの目標で『貧困をなくそう』とあるが、具体的にどのような取り組みを行っているのだろう」と悩んでいる方もいるのではないでしょうか。

そこで本記事では、SDGsの目標1「貧困をなくそう」の概要や現状、貧困がなくならない原因、貧困をなくすための取り組み内容をご紹介します。SDGsや貧困問題について理解を深めたい方はぜひご一読ください。

なお、「そもそもSDGsとは何だろう」という方は下記記事を参考にしてください。

>>持続可能な開発目標・SDGsとは?17の国際目標やターゲットなどを簡単に解説

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SDGs目標1「貧困をなくそう」の概要やターゲット


世界で貧困に苦しむ人の数は、1990年の19億人に比べると2015年には8億3600万人にまで減少しています。

しかし、まだ多くの人が貧困の中で暮らしており、十分な食糧や飲み水、衛生環境の整った場所で生活できていないのです。

SDGs目標1「貧困をなくそう」の具体的な目標とは

SDGs目標1「貧困をなくそう」は、あらゆる場所で、あらゆる形態の貧困に終止符を打つことを目標としています。

あらゆる場所で貧困をなくすためには、国のサービスやインフラを整える必要があります。

食糧不足を解決させるだけでなく、教育や医療も充実した環境を作ることが重要となってきます。

貧困状態を解決するためには、支援だけでなく国の設備も整える必要があるのです。

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SDGs目標1「貧困をなくそう」のターゲットについて

SDGs目標1には、7つのターゲットがあります。

1.1 2030年までに、現在1日1.25ドル未満で生活する人々と定義されている極度の貧困をあらゆる場所で終わらせる。
1.2 2030年までに、各国定義によるあらゆる次元の貧困状態にある、すべての年齢の男性、女性、子どもの割合を半減させる。
1.3 各国において最低限の基準を含む適切な社会保護制度および対策を実施し、2030年までに貧困層および脆弱層に対し十分な保護を達成する。
1.4 2030年までに、貧困層および脆弱層をはじめ、すべての男性および女性の経済的資源に対する同等の権利、ならびに基本的サービス、オーナーシップ、および土地その他の財産、相続財産、天然資源、適切な新規術、およびマイクロファイナンスを含む金融サービスへの管理を確保する。
1.5 2030年までに、貧困層や脆弱な立場にある人々のレジリエンスを構築し、気候変動に関連する極端な気象現象やその他の経済、社会、環境的打撃や災害に対するリスク度合いや脆弱性を軽減する。
1.a あらゆる次元での貧困撲滅のための計画や政策を実施するべく、後発開発途上国をはじめとする開発途上国に対して適切かつ予測可能な手段を講じるため、開発協力の強化などを通じて、様々な供給源からの多大な資源の動員を確保する。
1.b 各国、地域、および国際レベルで、貧困層やジェンダーに配慮した開発戦略に基づいた適正な政策的枠組みを設置し、貧困撲滅のための行動への投資拡大を支援する。

SDGs目標1「貧困をなくそう」のターゲットの1.1の中には、2030年までに極度の貧困の人々を終わらせるとあります。

貧困に苦しむ人の割合についても、2030年までに半減させることが目標です。

(出典:1: 貧困を無くそう|外務省

SDGs目標1「貧困をなくそう」に関わる貧困事情とは

世界や日本の貧困事情について、現状を紹介します。

世界の貧困問題

経済産業省のデータ*によると、世界銀行が定めた国際貧困ライン未満で生活する人の割合は大幅に減少しています。

ただし貧困問題が無くなったわけではありません。富の集中による格差拡大が、先進国を含む各国で問題となっています。

また2020年に発生した新型コロナウイルスの感染拡大、2022年のロシアによるウクライナ侵攻とそれによる物流混乱・物価高騰は、貧困問題を悪化させる要因として懸念されます。

*出典:第4節 世界の発展と残された課題|経済産業省

日本の貧困問題

貧困問題は先進国である日本でも発生しています。厚生労働省に発表*によると、生活保護を受給している人は全国で約204万人います。

平成27年をピークに減少傾向にあるものの、まだまだ生活保護を受給している人は多くいることが分かります。

生活保護を受けるに至った背景はさまざまですが、理由の1つに「ひとり親の貧困」が挙げられます。たとえば母子家庭の場合、母親が非正規雇用で働きながら子どもを育てる、といった過酷な状況に置かれがちです。

母子家庭と貧困の関係性は下記記事で紹介しています。支援方法もあわせて紹介しているため、興味のある人はご一読ください。

>>母子家庭(シングルマザー)の支援団体に寄付したい!寄付先を5つ紹介!

*出典:生活保護制度の現状について|厚生労働省

世界から貧困が無くならない原因

貧困が無くならない原因としては、主に3つの要因が挙げられます。

  1. 食糧が届かない
  2. 十分な教育を受けられない
  3. 紛争や内戦に巻き込まれた

食糧が届かない

食糧が現地まで届かないため貧困に陥るケースがあります。

たとえば支援先で紛争が発生していると、物流が混乱して現地までモノが届かないことがあります。また役人の汚職や賄賂など違法行為が横行している地域もあり、モノを必要としている人々まで物資が行き渡らない場合もあるのです。

十分な教育を受けられない

十分な教育を受けられなかったために仕事に就けず、生活が困窮してしまうケースもあります。

【教育を受けられない主な理由】

  1. 学校や先生が近くにない
  2. 家族の世話をする必要がある
  3. 家計が苦しく家業を手伝わなければならない

教育を受けられなかったために十分な収入を得られる仕事に就けず、貧困から抜け出せない悪循環に陥ってしまうのです。

紛争や内戦に巻き込まれた

紛争や内戦などに巻き込まれてしまい貧困に陥るケースもあります。

紛争が発生すると「就職先を選ぶ」「どの地域で働く」といった選択肢を大きく狭められてしまいます。徴兵されて命を落とすことや、生きて戻ってきても社会復帰が難しい場合も少なくありません。

貧困をなくすための取り組み

貧困をなくすための取り組みは、「国家レベルでの取り組み」と「支援団体の取り組み」「個人でできる取り組み」の3つに分けられます。

国家レベルの取り組み

海外の場合

先進国の場合、貧困をなくすために政府がさまざまな取り組みを行っています。

たとえばドイツの場合、給付金住宅手当といった経済支援を受けられます。また育児手当育児休暇に関しても法律で決められており、子どもがいる世帯への支援も実施されている点が特徴です。

ドイツでは給付金や休暇を通じて「食糧が手に入らない」「教育を受けられない」問題を無くすために取り組んでいます。

一方で途上国の場合は、さまざまな要因から十分な貧困対策を政府が実施できているとはいえません。十分な予算を確保できない、貧困対策よりも重要な問題が発生している、といった要因があります。

*参考:『諸外国における子供の貧困対策に関する調査研究』報告書|内閣府

日本の場合

日本では生活に困っている人を支援するために「生活困窮者支援制度」があります。生活困窮者支援制度では、次の支援事業が行われています。

【日本政府が行っている主な貧困対策事業】

  • ・自立相談支援事業
  • ・住居確保給付金の支給
  • ・就労準備支援事業
  • ・家計改善支援事業
  • ・就労訓練事業
  • ・生活困窮世帯の子どもの学習・生活支援事業
  • ・一時生活支援事業

参考:制度の紹介|厚生労働省

生活を維持するのが困難な方に対して衣食住の支援を行っています。また新型コロナウイルスの影響によって生活が困窮した方に向けて「生活福祉資金の特例貸付」「住居確保給付金」など、お金の支援も行われています。

給付金を通じて「食糧が手に入らない」問題をなくすために取り組んでいます。

支援団体の取り組み

海外の支援団体の場合

貧困問題に取り組んでいる支援団体は少なくありません。日本で活動している団体はもちろん、海外の貧困支援に取り組んでいる団体もあります。

たとえばユニセフの場合、栄養治療食やワクチン、えんぴつ・ノートの提供などさまざまなモノで支援を実施中です。モノの支援を通じて「教育が受けられない」「食糧が手に入らない」問題を減らすために取り組んでいます。

また現地での支援活動や実態調査といった形でも貧困問題の解決に取り組んでいます。ユニセフの詳細は下記をご確認ください。

>>【口コミ・評判】ユニセフは怪しい?信頼できるかを寄付専門メディアが徹底解説

日本の支援団体の場合

日本でも貧困問題の解決に向けて取り組んでいる支援団体があります。団体によって活動内容は異なりますが、たとえば下記の支援活動に取り組んでいる団体があります。

  • ・恵まれていない子どもたちの教育支援
  • ・子どもへの食育を支援
  • ・子どもたちに安心できる居場所作りを支援

子ども向けの支援活動を行っている団体が多いです。一方で生活困窮者の支援を行っている団体もあります。

子どもたちへの食料支援や困っている人への食料支援を通じて「教育を受けられない」「食糧が手に入らない」問題の解消に取り組んでいます。

個人の取り組み

国や団体だけでなく、私たち個人も貧困問題の解決に貢献できます。

国や支援団体に任せるだけでなく、自分自身も貧困問題を解決するために活動を行いたい」という方は、個人でできる取り組みを行ってみるのも良いかもしれません。

個人でできる取り組みはボランティア募金(お金を集める)活動が挙げられます。実際に自分が行動をおこすため、支援している実感を強く持てるでしょう。

また貧困問題に取り組んでいる支援団体へ寄付する、という形でも貢献できます。お金の寄付は、団体が支援活動を長期的・安定的に行うために重要なものです。

ただし支援団体の中には、あまり寄付をおすすめできない、いわゆる「寄付してはいけない団体」も存在します。どのような団体への寄付を避けた方が良いかは下記記事で詳しく解説しているので、気になる方はぜひチェックしてください。
>>寄付してはいけない団体は本当にある?寄付先を選ぶときのポイントを3つ紹介!

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貧困をなくす取り組みはSDGs目標達成には不可欠

本記事ではSDGsの目標1「貧困をなくそう」について解説しました。

貧困問題は発展途上国だけでなく先進国でも発生しています。問題解決に向けて国や慈善団体がさまざまな活動を行っています。また私たち個人でもできることはあります

NPO・NGOの活動を支える寄付をするなど、身近でできることを始めてみてはいかがでしょうか。

またSDGsの目標1「貧困をなくそう」については下記記事でも詳しく解説しているため参考にしてください。

>>持続可能な開発目標・SDGsの目標1「貧困をなくそう」のターゲットや現状は?

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この記事を書いた人
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