貧困をなくそう

SDGs目標1「貧困をなくそう」のターゲットにある「各国の社会保護制度」の実態は?

貧困をなくすためには、様々な問題を解決する必要があります。

SDGs目標1は、他のSDGs目標ともつながっており、包括的にアプローチをすることが重要です。

この記事では、世界の貧困問題を解決するのに重要な社会保護制度について解説します。

持続可能な開発目標・SDGsの目標1「貧困をなくそう」のターゲットや現状は?

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SDGsと貧困について

持続可能な開発目標(SDGs)の貧困問題については、SDGsの前身であるミレニアム開発目標(MDGs)から継続している目標です。

2015年に報告されたMDGs報告書の中で、潘基文(パン・ギムン)国連事務総長が、「あと一世代で極度の貧困をなくせること」と「MDGsは歴史上で最も成功した貧困撲滅運動」と強調しています。

MDGsでは目標1の中に「極度の貧困と飢餓の撲滅」と掲げていましたが、SDGsでは目標1に「貧困」、目標2に「飢餓」と貧困と飢餓を分けています。

特に、SDGs目標1の貧困については、他の目標とも関わりが多く様々な要因が複雑に絡んでいます。

貧困問題を解決するためには、世界的に包括的な取り組みを行うことが重要です。

SDGs(持続可能な開発目標)とは

SDGs(持続可能な開発目標)は、2015年に採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載されています。

2030年までに、持続可能でよりよい世界を目指す開発目標です。

SDGsには、下記の目標があります。

  1. 貧困をなくそう
  2. 飢餓をゼロに
  3. すべての人に健康と福祉を
  4. 質の高い教育をみんなに
  5. ジェンダー平等を実現しよう
  6. 安全な水とトイレを世界中に
  7. エネルギーをみんなに、そしてクリーンに
  8. 働きがいも経済成長も
  9. 産業と技術革新の基盤をつくろう
  10. 人や国の不平等をなくそう
  11. 住み続けられるまちづくりを
  12. つくる責任、つかう責任
  13. 気候変動に具体的な対策を
  14. 海の豊かさを守ろう
  15. 陸の豊かさも守ろう
  16. 平和と公正をすべての人に
  17. パートナーシップで目標を達成しよう

17の目標は、169のターゲットによって構成されていて、ターゲットを見ることで具体的な内容を理解できます。

さらにターゲットの中には、全244のグローバル指標から達成度を確認できます。

グローバル指標は、2017年国連総会で承認されています。

世界の貧困問題

世界の貧困率は、1990年では36%でしたが、2015年には10%と26%も減少しています。

貧困者の数も、1990年の18億9,500万人から2015年には7億3,600万人に減少し、半分以上が貧困層から抜け出しています。

しかし、1日当たりの生活費が1.90ドル未満で暮らす「極度の貧困状態」で暮らしている人が、2015年現在で7億3,600万人と多いのが現状です。

貧困問題が改善される地域もあれば、国の不況や紛争により貧困状態が悪化する地域もあります。

国の状態が悪化すると教育を受ける機会もなくなり、飢餓で苦しむ人が多くなります。

貧困問題は、SDGs目標の2〜17とつながっています。

SDGs目標1の中にあるターゲットを解決するためには、SDGs目標の2〜17を解決することが大切です。

様々な問題と複雑につながっているのが、貧困問題の特徴です。

SDGs目標を達成することは、貧困問題を解決することにつながります。

  • 持続可能な開発目標(SDGs)の貧困問題は、SDGsの前身であるミレニアム開発目標(MDGs)から継続している目標
  • SDGsは、2030年までに、持続可能でよりよい世界を目指す開発目標
  • SDGsの目標を達成することは、貧困問題を解決することにつながる
  • (出典:外務省 公式サイト「ミレニアム開発目標(MDGs)」,2019)
    (出典:国際協力機構 公式サイト「ミレニアム開発目標(MDGs)の達成」)
    (出典:外務省公式サイト「SDGsとは?」)
    (出典:総務省公式サイト 「 持続可能な開発目標(SDGs)」)
    (出典:世界銀行公式サイト「世界の貧困に関するデータ」,2018)

    SDGs目標1「貧困をなくそう」のターゲット内容


    SDGs目標1では、あらゆる場所であらゆる形態の貧困に終止符を打つことを目的としています。

    世界には、多くの人が人間としての基本的ニーズを満たせない生活をしています。

    持続可能な開発目標を継続することで、2030年までにあらゆる形態の貧困に終止符を打たなくてはいけません。

    複数の目標を同時に達成するためにも、包括的なアプローチを行うことが必要不可欠となります。

    SDGs目標には7つのターゲットがある

    SDGs目標1のターゲットが下記の通りです。

    1.1 2030年までに、現在1日1.25ドル未満で生活する人々と定義されている極度の貧困をあらゆる場所で終わらせる。
    1.2 2030年までに、各国定義によるあらゆる次元の貧困状態にある、すべての年齢の男性、女性、子どもの割合を半減させる。
    1.3 各国において最低限の基準を含む適切な社会保護制度および対策を実施し、2030年までに貧困層および脆弱層に対し十分な保護を達成する。
    1.4 2030年までに、貧困層および脆弱層をはじめ、すべての男性および女性の経済的資源に対する同等の権利、ならびに基本的サービス、オーナーシップ、および土地その他の財産、相続財産、天然資源、適切な新規術、およびマイクロファイナンスを含む金融サービスへの管理を確保する。
    1.5 2030年までに、貧困層や脆弱な立場にある人々のレジリエンスを構築し、気候変動に関連する極端な気象現象やその他の経済、社会、環境的打撃や災害に対するリスク度合いや脆弱性を軽減する。
    1.a あらゆる次元での貧困撲滅のための計画や政策を実施するべく、後発開発途上国をはじめとする開発途上国に対して適切かつ予測可能な手段を講じるため、開発協力の強化などを通じて、様々な供給源からの多大な資源の動員を確保する。
    1.b 各国、地域、および国際レベルで、貧困層やジェンダーに配慮した開発戦略に基づいた適正な政策的枠組みを設置し、貧困撲滅のための行動への投資拡大を支援する。

    SDGs目標1は、1.1〜1.bの7つのターゲットで構成されています。

    ターゲット1.3では、SDGs目標3、5、8、16、ターゲット1.4では、SDGs目標2、4、6、7、8、9、11、12、ターゲット1.5では、SDGs目標11、12、13、14、15とつながっています。

  • 複数の目標を同時に達成するためにも、包括的なアプローチを行うことが必要不可欠
  • SDGs目標1「貧困」は、7つのターゲットで構成されている
  • (出典:国際開発センター公式サイト「目標1:貧困をなくそう」,2019)

    SDGs目標1に関係する社会保護制度とは


    貧困削減には、貧困層や社会的弱者を対象とした社会保護の実施は有効な手段です。

    世界で包括的な社会保護プログラムを受けているのは、世界人口の29%です。71%の人々が、社会的保護をまったく受けていないか、部分的にしか受けていないのです。

    ILOは、2012年に「社会的保護の土台(Social Protection Floor)に関する勧告(No.202)」を打ち出し、子 供、高齢者、社会的弱者、障害者、失業者、妊婦、 労働災害被害者など、十分な保護を必要とするすべての人々に最低限の所得と保健サービスへを受けられるように呼びかけています。

    102ヶ国がILOの呼び掛けに応じているものの、実態が伴っていないのが現状です。この102ヶ国には日本も含まれています。

    1919年に誕生した国際労働機関(ILO)の主要プログラムの1つに、「社会的保護の土台」があります。

    社会的保護の土台は、2016年に始まり2020年までに1億3,000万人の生活を変化させることを目標として活動しています。

    社会保護の土台について解説します。

    社会的保護の土台とは

    国際労働機関(ILO)の主要プログラム「社会的保護の土台」の正式名は、「各国における社会的な保護の土台に関する勧告」です。

    社会保護の土台とは、「 誰でも保障されるべき基本的社会的保護 」を意味します。

    概要

    世界21カ国で包括的な社会的保護制度を確立し、2020年までに1億3000万人の生活に変化を与えることを目標として、知識開発と教育のキャンペーンを行います。

    世界人口の7割以上が社会的保護へのアクセス不可

    世界で社会的保護へのアクセスが十分にできない人が、世界人口の7割以上います。

    50億人の人々が、毎日不安な暮らしをしているのです。

    貧困や格差を減少させ、成長や発展の強化につなげるために、国内で社会的保護の土台を実施して、子どもたちの生活や、就労年齢の男女、高齢者の人々の生活に変化を与えることは重要です。

    社会的保護の土台を支援するためのプログラム

    「社会的保護の土台」は、持続可能な開発目標1の3「各国において適切な社会保護制度及び対策を実施する。」に貢献するもので、目的は以下の2つです。

    ・ほかの国連機関と共に、対象の21カ国に適した機能的な社会的保護の土台を示して実践する一方で、政労使や市民社会を支援。

    ・社会的保護の土台グローバルキャンペーンに貢献するために、知識開発と知見を共有し、ILOの価値基準と国際労働基準の促進を図る。

    対象の21ヶ国
    アフリカ地域 カーボベルデ、カメルーン、マラウィ、モザンビーク、ニジェール、セネガル、トーゴ、ザンビア
    アラブ地域 パレスチナ管轄地区
    アジア太平洋地域 カンボジア、インド、インドネシア、ラオス人民民主共和国、ミャンマー、パキスタン、東チモール、ベトナム
    ヨーロッパ 中央アジア:キルギスタン
    中南米 エルサルバドル、ホンジュラス、パラグアイ
  • 社会的保護の土台は、2016年に始まり2020年までに1億3,000万人の生活を変化させることを目標として活動
  • 世界人口の7割以上の人が社会保護を必要としている
  • 50億人以上が今も不安な生活を送っている
  • (出典:国際労働機関公式サイト 「2012年の社会的な保護の土台勧告」)
    (出典:国際労働機関公式サイト 「『社会的保護の土台』をすべての人に」)
    (出典:公益財団法人 日本ユニセフ協会「ユニセフ・ILO報告書発表 社会保障で保護される子ども世界で3人に1人 すべての子どもを対象とする制度への拡充が急務」)

    SDGs目標の一つ、世界の貧困撲滅に向けて


    MDGsの後継であるSGDsでは、あらゆる場所のあらゆる貧困をなくすことが求められています。

    しかし、世界の貧困問題は、様々な問題と複雑に絡み合っているので、簡単には解決することができません。

    私たち一人一人の行動が、世界から貧困で苦しむ人を少なくすることができます。

    まずは、世界の貧困問題に目を向け、現状を知ることが大切だと言えるのではないでしょうか。

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    この記事を書いた人
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