飢餓は世界中のあちこちで起こっていますが、その中でもアジアとサハラ以南のアフリカでは特に飢餓人口の割合が高くなっています。
この記事では、アジアで飢餓が起きている原因とそれに対して私たちができることについて紹介します。
世界で最も人口が多く飢餓人口も最大と言われるアジアの飢餓の現状や行われている支援は?
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アジアの飢餓の現状とは
2016年時点で、世界では8億人ほどの人が飢餓の状態にあるとされており、特に人口が多いインドなどの南アジア、東南アジアでその傾向が強くなっています。
数字を見ていくと、世界の1億5,000万人ほどの子どもたちが発育阻害(慢性的な栄養不良)とされています。
これは世界の5歳未満児の人口の2割以上にも当たる数字です。
アジアの飢餓人口が多くなっているのはインドや中国、バングラデシュなど、人口が多い国がいくつもあり、それぞれの国で飢餓が起きていることが関係しています。
中国ではかなり栄養不足の人口を減らしてきていますが、それでも1億人以上が飢餓の状態、インドでは2億人ほどが飢餓に陥っているとされています。
これらから、アジアの地域は世界全体の飢餓人口から考えても、かなり高い割合であることがわかります。
(出典:日本ユニセフ協会 公式サイト)
(出典:国連WFP 公式サイト)
アジアで飢餓が多い原因は?
アジアでは飢餓が起こっている国がいくつもあります。
ここでは特に飢餓・食糧問題が深刻な国とその原因について解説します。
インド
インドでは人口増加という原因があります。
中国が一定期間一人っ子政策などを行い人口を抑制する動きがあったのに対し、インドは人口が増加し続けており、2027年には中国を抜いて世界1位になると予想されています。
しかし、その状況に対応できるような食料の確保、安定供給、都市部への運搬する交通インフラの整備などはまったく追いついておらず、すでに飢餓の状態にある人々が増加する気配を見せています。
人口の急激な増加、都市部への人口の集中、安定しない気候などによる水不足も深刻です。
インドでは年間降水量の75%以上が6~9月の4カ月間にもたらされますが、それらの時期を除けば降水量が少なく、多くの地域で雨の降らない日が続きます。
そのため、インドにとって重要な降水量が、近年では減少傾向にあるのです。
安全で衛生的な水が安定して供給できない状態が続くと、人々の飲み水も確保できずに安全ではない水を飲んで健康を害するということも増えてきます。
同時に農作物を育てる水が不足すると食料の生産量も落ちてしまうために、さらに飢餓人口が増える可能性があります。
(出典:国際連合広報センター)
(出典:日本貿易振興機構JETRO(ジェトロ)公式サイト)
ミャンマー
世界の中でも最貧国と言われるのがミャンマーです。
2015年には貧困率が48.2%とおよそ2人に1人が貧困と深刻な状態でしたが、2年後の2017年には24.8%とおよそ半分に改善されました。
しかし今なお国民の4人に1人が貧困な状態であることは変わりありません。
ミャンマーでは貧困に加えて、このあたりの東南アジアでは乾季と雨季がはっきりとしており、雨季の時に雨が降り過ぎると洪水が起こったり農作物が腐ってしまったりしますし、乾季が続くと農作物が枯れてしまって干ばつが起こります。
そういった原因のために、5歳未満の子どもの3人に1人は慢性的な栄養不足のために発育不全とされています。
平均寿命も東南アジアの国々の中でもっとも低く、貧困が寿命や健康に大きく影響していることがわかります。
(出典:日本ユニセフ協会 公式サイト)
カンボジア
カンボジアでは大規模な農業開発が行われたことや、人口の増加に伴い自然資源を利用することが増えたことなどから森林が減少し、自然資源が少なくなっています。
そのことから農地を維持できなくなる農家が出始めているほか、専業農家が減っているということが生産量を落としている原因になっています。
カンボジアでは季節出稼ぎを行っている家庭が多く、国内の他地域やタイなどの隣国に出かけていきます。
そのため残された家族だけで農業を行わなければならないことが多く、手間がかからない簡略化した農業を行うようになってきています。
そういった農業スタイルでは生産量が落ちることが多く、出稼ぎによる収入はあるものの、農業での収入が落ちているため多くの利益を上げることができません。
また、この国でも乾季と雨季があり、そのバランスによっては水不足になることが多くあります。
水が確保できなかった農家では農作物がしっかりと収穫できないということも起こっており、支援でも水の確保が求められています。
(出典:独立行政法人科学技術振興機構J-Stage公式サイト)
ラオス
ラオスでは近年GDP成長率7%前後を維持して経済成長が続いています。
それだけを見れば貧困から脱出できているように見えますが、この経済成長は銅などの鉱産資源や農作物の輸出の割合が多く、不安定であることがあります。
また、鉱山開発などによって土地を失う農民や水質汚濁などの公害が頻繁に起こっており、環境破壊が進んでいる国でもあります。
輸出に直接携わっている人たちが裕福になっていく一方で、土地を失ったり自然資源を失ったりして貧困化していく農民も多く、貧富の差がどんどん激しくなっている国でもあるのです。
そのため貧困層では飢餓状態に陥ることも多く、開発が続く限り増えていくと考えられています。
(出典:世界銀行公式サイト)
アジアで飢餓に苦しむ人々のために私たちができること
飢餓で苦しんでいる人たちが多い地域では、その土地柄やニーズに合わせて様々な支援が行われています。
例えば安定して食料の供給を行うためには「食料を多く生産すること」「食料を安全に貯蔵・保管できること」「食料を確実に都市部まで運搬すること」が必要です。
そのため、生産量が多い農作物の栽培を推奨したり、その地域にあった作物を研究開発したりしています。
また、食料が安全に保管されないために腐ってしまったり、廃棄されてしまうことがあったことから安全に食料を保管できる施設や設備が建築されています。
そして、生産地から都市部まで運搬するためには交通インフラの整備が必要不可欠です。
そのため道路工事などについても技術提供を行うなどの支援が行われています。
しかし、これらはどちらかと言えば中長期的なものですが、すでに飢餓状態の人たちを救うためには即効性がある支援が必要です。
そこで行われているのが、緊急食料支援、学校給食支援、母子栄養支援などです。
緊急食糧支援とは、すぐに食料を必要とする子どもたちに対して緊急で食料を支援するというものです。
すでに飢餓状態、栄養不足状態になっている多くの子どもたちや、自然災害などによって食糧難を起こして飢餓状態が発生している国や地域に対して食料を届けています。
学校給食支援とはその名の通りに学校給食を支援する活動です。
食料不足が続いている国や地域の学校では給食が提供されず、家庭でも食料が足りていないために弁当なども持たせてもらえないという子どもが多くいます。
そのため子どもは十分に食事をすることができていません。
そこで学校で栄養価が高い給食を提供することで子どもたちの栄養不足の解消を図ろうとするものです。
母子栄養支援とは、妊産婦に十分な食事を与えることで母子ともに健康であることを目指すのが母子栄養支援です。
私たちの力で飢えに苦しむ人を救おう
アジアの地域ではまだまだ飢餓に苦しんでいる人が多くいます。
私たち一人ひとりの力も大勢の力が集まれば、多くの人を救うことができるのです。
まずは私たちが暮らしているアジアの現状を知り、できることから始めて支援を行っていきましょう。