アジア(飢餓)

インドの飢餓・食糧問題の現状を解説。飢餓の原因や私たちができることとは

世界の各地では飢餓が起き、深刻な状態です。
飢餓・食糧問題は特にサハラ以南のアフリカや南アジア、東南アジアなどで多く、経済成長を続けているインドでも同様です。

インドは世界有数の農業国であるにもかかわらず飢餓が起きているのはなぜなのでしょうか。

この記事では、インドの飢餓の原因とそれに対して行われている支援について紹介します。

世界で最も人口が多く飢餓人口も最大と言われるアジアの飢餓の現状や行われている支援は?

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著しい経済成長の一方で格差が広がるインド


人口が14億人にも達しようとしているインドでは大規模に農作物を生産しており、本来自国で国民に食糧をまかなえるだけの生産規模を持っています。

しかしそれでも、農作物の不当廃棄、一部の富裕層の独占、収穫効率の悪さなどの原因のために約2億人の人々が栄養不足の状態にあるとされています。

2018年時点で世界で飢餓状態にあるのが約8億人であることから、飢餓人口の4分の1がインドの人々だということになります。

インドでは、2005年までの20年の間に中間層の家庭が約3倍に、そして国内穀物生産量が増加し、大幅な経済成長を成し遂げているにも関わらず、飢餓人口が多いことは大きな問題です。

これはインドの富裕層がどんどん富裕になっていく中で、貧困層はますます貧しくなっているということが関係しています。
世界の経済発展が目覚ましい国の中でもインドは特に所得格差が大きい国でもあります。

1980年代前半に国民所得全体の約7%を占めていたインドの1%の所得上位者の所得は、2014年には22%に増加しています。
一方で所得下位50%の所得は、全体の約23%から15%ほどに減少しています。
こういった貧富の格差が大きいというのがインドに飢餓や貧困が多くなっている原因なのです。

(出典:経済産業省公式サイト)
(出典:世界不平等研究所 世界不平等レポート「WORLD INEQUALITY REPORT」)

農業大国のインドでは貧困家庭が多く残る

農業大国であったインドでは、1980年代まで政治を行っていたのは社会主義者でした。
それが1991年には経済改革が行われ、多くの規制が撤廃されました。
それまでは生産の多くを公営企業が担い主な価格が統制されていましたが、経済改革後にはこれまで公営企業が独占していた産業に民間が参入したり貿易の関税を引き下げられました。

この機会をうまく活用し、多くの富を得た人々がいました。
都市部に住む一部の人々は改革の恩恵を得ることができましたが、農村部や過疎地に住む農家の人々へは恩恵は与えられませんでした。

インドは国としての政策で、国民全体に対しての教育の実施や栄養状態の改善、医療の普及などの取り組みを行ってこなかったために、一部の富裕層がさらに収益を上げ、そうでない人の貧困は解消されなかったのです。

そのため平均をとると数字上は成長しているように見えるのです。

(出典:経済産業省公式サイト)

インドの飢餓・栄養不良の現状とは


インドの栄養不良は2つの要素を持っています。
それは「栄養不足」と「肥満」です。
この2つはまったく逆のように見えて開発途上国などでは同時に起こる栄養不良なのです。

栄養不足は安定して栄養価の高い食料が供給されないことが大きな理由で起こります。

そして肥満は安定して食料が入らない状況下では「食べることができるときに限界まで食べる」という意識ができてしまうことがあるために起こります。

こういった地域では栄養不足が続いているために栄養バランスがおかしくなっていることがあります。
そこに急に食べ物を摂取することで肥満状態を招くことにつながります。
さらに子どもの時期に栄養不足であった人が成人したときには肥満になりやすいという研究結果もあります。
こうしてインドでは飢餓と肥満という2つの栄養不良の状態が起こっているのです。

(出典:国連WFP 公式サイト)

インドの各地では食糧や水が危機的な状況に


インドでは水不足が深刻な問題となっています。
すでに国内の主な貯水池の多くは常に限界値を超えて減少しており、いくつかの貯水池は枯渇しているという状態です。

これは人口の急激な増加、都市部への人口の集中、安定しない気候などの理由が原因となっています。
水が不足すると人々は安全で衛生的な水を得ることができなくなり、安全でない水を飲むことで下痢などの病気にかかりやすくなります。

同時に農作物の生産にも大きなダメージとなります。
農作物が生産できなくなればさらに食糧が不足して飢餓や貧困が広がるという悪循環にも陥りやすくなります。

(出典:日本貿易振興機構JETRO(ジェトロ)公式サイト

インドの人々のために行われている支援


インドでは貧困に対して多くの支援が行われており、特に子どもたちに対しての支援は一定の成果をあげています。
ここ10年のうちに42.5%の子どもが飢餓状態でしたが、30%前後まで改善されました。

しかしまだまだ多くの子どもたちが飢餓や貧困に陥っているのは間違いありません。
以下ではインドの子どもたちに行われている支援を紹介します。

子どもの人権を保護する支援

インドは歴史的に人権差別が多い国と言われることがあります。
それはカースト制度や地域の風習が関係しており、特に子どもや女性に対しての差別が強くいとされています。

インドの一部の地方ではいまだに人身売買や子どもの強制労働も行われています。

子どもが本来学校に通学して教育を受ける時期に学校に行かず、仕事をすることで知識や教養を習得することができません。

そのまま成長をした際には基礎学力などが習得できていないために収入の良い仕事に就くことができず貧困状態が続くことになります。

さらに女の子が未成熟なうちに婚姻をするという児童婚という風習もあります。
こういった子どもの人権がまだまだ守られていないことに対して、子どもの人権を守るための支援が行われているのです。

貧困に対する支援

インドでは貧困が根本的な原因となり、そこから派生している問題が多くあります。
飢餓をはじめ低賃金での労働、児童労働、児童婚、早すぎる出産などは貧困が元になっているのです。

そこでインドの貧困に関してはその地域の文化や風習を踏まえた上で中長期的に行われているものが多いです。

特に農作物の生産量自体は決して低くないインドで飢餓が起きているのは、収穫効率の悪さや安全で衛生的な保存、保管、貯蔵ができないこと、生産地から消費地まで安全で迅速に運搬できないということが関係しています。

そのため、農業の技術指導や、人的資源の教育と育成、交通インフラの整備など多岐に渡る支援が行われているのです。
また、これらの支援事業に現地の人を雇用することで雇用の創出も同時に実現できます。
雇用を創出することで安定して仕事ををすることができ、購買力をつけることにつながっていきます。

人々が購買力をつけることで経済発展が安定して行われるようになっていくのです。

栄養・医療支援

こうした貧困や飢餓が多い地域ではとにかく栄養不足、衛生環境の悪さ、医療の不足があります。
そのため、栄養価の高い食べ物などの支援だけでなく、トイレや上下水道の整備をすることで衛生環境を改善すること、医療ワクチンの徹底で感染症の予防などが行われています。

私たちができることを考え、実行しよう


インドは現在も人口が増加しているため飢餓人口や貧困人口も数が多く、さらなる支援が必要な国の一つです。

まずはインドで起きている飢餓・食糧問題の現状について知り、私たちができることがないかを考えてみてはいかがでしょうか。

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この記事を書いた人
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