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北朝鮮で深刻化している飢餓の原因や必要な支援とは?

この記事を要約すると

北朝鮮では貧困、飢餓に陥っている人々が多くいます。
北朝鮮ではどういった理由で飢餓や貧困が起きているのでしょうか。
この記事では、北朝鮮の飢餓・食料問題の現状や必要な支援ついて紹介します。

世界で最も人口が多く飢餓人口も最大と言われるアジアの飢餓の現状や行われている支援は?

北朝鮮はどんな国か


まずは北朝鮮の情報をまとめました。

首都 平壌
面積 約12万㎢
人口 約2,515万人(2015年時点)
通貨 北朝鮮ウォン
国内総生産(GDP) 1人あたり1700ドルほど

産業を見ていくと、サービス産業が33.6%と一番多く、ついで鉱・工業が29.6%、農・林・水産業、建設、電力・ガス・水道と続きます。

就業人口の3割以上が第一次産業が占めており、さらに軍需産業が経済活動の大きな負担となっているために経済活動の偏りが指摘されています。

(出典:外務省公式サイト)
(出典:国連開発計画(UNDP)駐日代表事務所公式サイト)

飢餓人口が深刻な北朝鮮の現状


国連世界食糧計画(WFP)や国連食糧農業機関(FAO)は北朝鮮で数百万人が飢餓の状態に陥っていると発表しています。
はっきりとした数字が出ないのは北朝鮮がいくつかのデータを公表していないためで、明確な数字が出ればさらに増える可能性もあるとされています。

この主な原因は猛暑やゲリラ豪雨などによる洪水などの気象条件の悪化によるもので、2018年の農作物の収穫量が490万トン程度まで落ち込んでしまったことが原因と言われています。

北朝鮮の2,500万人の国民に飢餓の状態にならずに食料を安定して供給するには、年間550~600万トンほどの穀物生産量が必要です。
北朝鮮の生産量は2012年以降上昇してきており、2017年ごろまでには500万台後半まできていました。
それが2018年の異常気象などで急激に落ち込んでしまったことで食料不足となってしまったのです。

こうして食料不足がはっきりしてくると国民に配給される食料もどんどん減り始めます。
国民1人あたりの食料配給量は1日に300gほどとなり、これまでによりも80g減っています。
配給されるのは主に米やジャガイモが多く、タンパク質などの栄養素が足りていません。
これ以上配給が減少するとさらに飢餓の人数が増えると懸念されています。

(出典:国連WFP 公式サイト)

北朝鮮の人口の4割以上が栄養不良の状態に

北朝鮮では、2,500万人ほどの人口のうち約4割にあたる1,100万人ほどに食料が不足しているとされています。
餓死者が発生するというほどのレベルではないものの、この状態が続くと事態は深刻になっていくと予想されています。

1990年代に起きた北朝鮮での大規模な食料不足のときは大量の餓死者が出るほどの被害でしたが、そのときほどの深刻さまでは到達していません。

しかし、飢餓や食料不足は地域によって格差があります。
地方や鉱山が中心となっているような町では食べ物が足りていないという意見が多く、食料の確保が難しいのが現実です。

では、1990年代のときの飢饉とは何が違っているのでしょうか。
まず、現在国連やアメリカは政治的な問題から北朝鮮に対して様々な経済制裁を加えていますが、人道的な観点から食料に関する貿易などはほとんど制限はしていません。

また、国民の意識の変化もあります。
以前の飢餓が起こったときには国民は政府からの配給を信じ、配給がなくなってくると餓死していたということが多くありました。
しかし近年、以前からあった闇市場はかなり減少してきたものの国や地域が承認、もしくは黙認している市場が増加傾向にあります。
こうした市場は人々の重要な働き場所であり、賃金収入を得る場所であり、食料を得ることができる場所でもあります。
そうした市場を最大限に活用していることで国民は食料不足に対応しているというのです。

そして以前よりも海外に経済が開かれているということもあります。
国民の中には新たに商売を興し、外貨収入を得る人たちも出てきています。
経済制裁が出てもそれに対応して形を変えながらビジネスを行っているという人がいるのです。

しかし、すべての国民がそういった経済活動を行えるわけではありません。
地方や過疎地では先述したような経済活動を行うことができず、配給頼みになってしまうために貧困、飢餓に陥りやすくなっているのです。

(出典:外務省公式サイト)

世界食糧計画(WFP)が北朝鮮に食糧支援を実施


国連世界食糧計画(WFP)は2019年、北朝鮮に対して大規模な食料の支援を行っています。
北朝鮮では、以下のような閉鎖的な取り決めがありました。

  • 海外の団体が自由に行動はできない
  • 現場視察などについても1週間前に通達していなければ実施はできない
  • 支援に関する韓国語を話すスタッフの国籍を限定する

しかし、今回の支援の際にはこれらがかなり緩和されました。

現場視察は24時間前の通達で良いということになり、スタッフの国籍も問われないことになりました。
これは以前から国連が主張している「ノーアクセス、ノーフード(モニタリングの受け入れ態勢のない所に食物は与えない)」という原則に合っているものです。

これによってWFPは208郡あるうちの107郡に立ち入ることが許可され、モニタリングを詳細に行うことで適切な支援を行うとしました。

またWPF職員は、食糧援助物資の配達・運搬過程の全て「港湾、倉庫、トラック、最終目的地の学校、病院、孤児院における健康診断」といったものにアクセスが可能となり、まずは食料の枯渇が激しい山間部などへの支援が優先的に行われるようになっています。

(出典:国連WFP 公式サイト)

北朝鮮の現状を知ろう


北朝鮮の国は国際的に見れば閉鎖的な部分が多く、すべての活動が自由にできるわけではありません。しかし、今回の飢饉の際のWFPの視察受け入れのように少しずつその規制は緩和されている傾向があります。

地方や過疎地、山間部などでは多くの食料不足、飢餓状態が発生しています。
それらを正しく知った上で人道的な観点からの支援を行っていくことが重要ではないでしょうか。

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