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アフガニスタンで深刻化している飢餓の原因や必要な支援とは?

この記事を要約すると

イスラム国家として有名なアフガニスタンでは現在でも政治は不安定で紛争や内戦が起きています。

それに加えて干ばつなども起こり、飢餓が発生しています。

この記事ではアフガニスタンという国とその現状について紹介します。

世界で最も人口が多く飢餓人口も最大と言われるアジアの飢餓の現状や行われている支援は?

アフガニスタンの国とは


まずはアフガニスタンの国のデータを見ていきます。

位置 南はパキスタン、西はイラン、北はタジキスタン、ウズベキスタン、東はウイグル自治区(中国)に囲まれ、中央アジアから南アジアにかけて
首都 カブール
公用語 パシュトー語、ダリー語
面積 652,225㎢(日本の約1.7倍)
人口 2,916万人(2016年~2017年)

熱心にイスラム教を信じるムスリム国であり、政治や文化の基本はイスラム教で成り立っています。
また、男尊女卑の考え方が強く残っている国でもあります。

後発開発途上国に分類され、主な産業は農業、牧畜、鉱業です。

しかし1973年に王政が崩壊してからは断続的に内戦、紛争が起きているために社会的に不安定です。また戦闘行為によって住居や交通インフラが破壊されていることによって経済的な成長がほとんど起きていません

そして、治安の悪さから国民には食料や衣料、医療などの供給が安定されずに、海外からの支援も行いにくい状況となっています。

国家予算の7割ほどが国際支援から成り立っており、アフガニスタンの国内総生産(GDP)は200億ドル程度、国民一人当たりだと680ドル程度となっています。
これは世界平均値の10%以下の数値でアジアの中で最低の数値となり、失業率も40%を超えています。

しかし、鉱山資源は世界でも有数のものがあるとされています。
金属、レアメタル、貴金属など種類も豊富で治安が回復してインフラが整備されれば、莫大な資産になると予想されているのです。

(出典:外務省公式サイト)

アフガニスタンの飢餓の現状


アフガニスタンでは断続的に内戦や紛争が起きていることから、人々が同じ場所で安定した農業を行うことができていません。

戦闘行為が起こるたびに住居や交通インフラ、上下水道や電気などのライフライン設備が破壊されているために農作物の生産は向上せず、衛生環境も最悪の中で生活しなければならないのです。

こういった状況下で安定して食料が供給されない上に、近年では干ばつが起きていることからさらに食糧不足は深刻になっています。

また、2018年には冬季の極端な乾燥により、100万人の生活が影響を受けているとされています。最も影響を受けた10県では、20%から30%の水源が干上がったと報告され、食糧と安全な水の支援が急務とされています。

飢餓による栄養不良や不衛生な環境での病気などに対しても、病気になっても治療を受けることができずに、そのまま悪化して命を失う人が多くいます。

国連が発表の発表によれば、「緊急に飢餓状態にある」と判断される人が国民の4分の1にあたる760万人もいるとされているのです。

こうした飢餓状態に耐えかねて、難民として他国に逃れる人が多いのも特徴です。
イランやパキスタンには数万人~数十万人が難民として逃れており、そこで村や町を作って生活をしています。

近年パキスタンがそういった人々に「帰還指示」を出してアフガニスタンへの帰還を促し始めたことがニュースとして報道されました。
しかし、「アフガニスタンに戻っても何もない」「命の危険しかない」と戻ることを拒否していることが多く、スムーズには進んでいないのが現状です。

(出典:国連WFP 公式サイト)
(出典:日本ユニセフ 公式サイト)

アフガニスタンで必要とされている支援


アフガニスタンでは断続的に続いてきた紛争、内戦によって国内のインフラは壊滅的です。
そこで必要とされている支援は多岐に渡りますが、特に安定して生活をしていくための電力、上下水道、交通アクセスなどのインフラの整備は急務であるとされています。

各国や支援団体は、アフガニスタンの不安定な治安情勢を踏まえた上で、できる限りの安全対策を行いながら支援事業を行っています。

紛争による難民の支援

まずイランやパキスタンに逃れている難民への支援です。
アフガニスタンからパキスタンなどに難民として逃れるのはかなり以前から起こっていたことです。

この場合の一番の問題は「国籍」問題です。

パキスタンに逃れ、そこで数十年も生活をする人々は村や町を作り暮らしています。
しかし、パキスタンがそういった人たちに対して帰還指示を出していることから、店の営業などができなくなる場合が発生します。

その際に、国籍がはっきりしていて難民登録をしていると帰還対象になりますが、国籍がはっきりしておらずに難民登録もしていなければ帰還指示から逃れることができると考える人もいます。

そうした人々は「無国籍」の状態になり、どこの国の国民でもないという扱いになります。

このような難民に対して支援を行う際に、国籍がない、難民登録もしていないという人々を支援するのが困難となるのです。

登録がされていないために、どこにどれだけの人が難民として生活しているのかがわからず、支援が行われにくくなっているのです。

そうした中に新たに難民として逃れてくる人たちが増加しているため難民支援がさらに難しくなっているという問題があります。

(出典:国連UNHCR協会公式サイト)

食糧・栄養支援

アフガニスタンではすでに飢餓状態に陥っている人が多く出ているため、緊急支援が行われています。

緊急栄養支援が必要な数は2018年4月時点で子ども9万2,000人、妊産婦8,500人とされており、さらに現在栄養不良状態の5歳未満の子ども約12万人と妊産婦3万3,000人に対して栄養支援が必要になるとしています。

そこでアフガニスタンには支援物資を届けるために必要資金が追加投入されており、支援物資が送られています。

主な内容としては、以下の通りです。

  • 20万人分の安全な水と浄水剤や衛生キット
  • 常駐型および移動型の栄養チームを同時に展開
  • コミュニティでの栄養診断および専門医の紹介
  • 干ばつの影響を受ける県の子どもたちに対するビタミンA補給支援

(出典:日本ユニセフ 公式サイト)

農業・農村開発支援

長期的に人々の生活を安定させていくためには「雇用創出」「農作物の生産量向上」は欠かせません。

そこで首都カブール一帯を中心とするインフラ整備と農業・農村開発を最重点分野として支援が行われています。

具体的には農地の整備、農業用の水の確保や道路の整備、生産量が多い農作物の開発研究などです。
そしてそれらを行うのに現地の人々を雇用することで、同時に雇用の創出も行うことができるとされています。

そこで安定して生産ができるようになると、生産物を販売することで長期的に利益を得ることができるようになり、購入力も向上させる狙いです。

同時に人的資源の教育を進めるために日本などの大学や大学院で長期研修員を受け入れ、農業システムなどについて学んで自国の発展に役立てるための取り組みも行われています。

(出典:独立行政法人 国際協力機構JICA公式サイト)

私たちにできることを考え、行動しよう


アフガニスタンの紛争が起きている地域などでは、多くの人が治安や衛生環境の悪い中で生活をしています。
そういった人たちに何ができるかを考え、少しずつでも行動していくことで支援の輪を広げていくことが大切です。

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