アジア(飢餓)

途上国が抱える飢餓と肥満、二重の負担とは?

開発途上国では栄養不良による問題が深刻です。
しかし栄養不良とは「栄養不足」だけを指すのではなく「栄養過多」の状態も指しています。

この記事では開発途上国が抱えている「飢餓」と「肥満」という二つの問題について紹介します。

世界で最も人口が多く飢餓人口も最大と言われるアジアの飢餓の現状や行われている支援は?

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アジアの飢餓の現状とは

以下は世界の飢餓や飢餓による問題をデータとしてまとめたものです。
以下の数字を見ていけばわかるようにアジア(特に南アジアと東南アジア)とアフリカ(サハラ以南のアフリカ)の飢餓人口が非常に高くなっています。

そして、世界の発達阻害の子どもと消耗症の子どものほとんどが2つの地域に集中しています。

2018年の世界の飢餓人口 8億2160万人(9人に1人)
– アジア 5億1390万人
– アフリカ 2億5610万人
– ラテンアメリカ・カリブ海地域 4250万人
中程度および深刻な食料不安の人口 20億人(26.4%)
低出生体重児 2050万人(7人に1人)
発育阻害(低身長)の5歳未満児 1億4890万人(21.9%)
消耗症(低体重)の5歳未満児 4950万人(7.3%)
過体重の5歳未満児 4000万人(5.9%)
過体重の学齢期の子ども・若者 3億3800万人
大人の肥満 6億7200万人(13%、大人の8人に1人)

(出典:日本ユニセフ協会 公式サイト)

地域的なもので言えば、アフリカではどの地域でも飢餓の蔓延率が上昇しており、人口の3分の1~4分の1が栄養不足の状態になっています。
ここでは気候条件や内戦、紛争、経済の低迷などが原因とされています。

そして飢餓人口がもっとも多い地域はアジアです。
その多くは南アジア、東南アジアの諸国となっています。

この地域にはインドやバングラデシュ、インドネシアなど人口が多い国が多く、その分飢餓人口が多くなっているのです。
また、インドなどではこれからも人口が増加することが予想されており、さらに飢餓人口が増えていく可能性があります。

アジアの飢餓は食料不足、貧富の格差、内戦や紛争、気候条件の変動など様々なことが原因となって起こっています。

(出典:独立行政法人 国際協力機構JICA公式サイト)

アジアでは肥満人口も増加傾向に

世界的に見てみると5歳未満児の2割以上にあたる約1億5,000万人が慢性的に栄養不良を起こして、年齢に比べて発育が遅れている「発育阻害」に陥っています。
さらに5,000万人以上の子どもたちが急性栄養不良になっています。

その一方で5歳未満児のうち3,800万人以上が体重過多の状態になっており、俗にいう肥満です。

先進国では過剰なカロリー摂取、運動不足などの理由で肥満に陥る人が多くいますが、栄養不足による発育阻害を多く起こしている国でも肥満が問題となっているのです。

飢餓と肥満の両方を多く抱えているのは開発途上国などの貧困国が多くなっています。
これは飢餓も肥満も「栄養不良」であることが原因なのです。

(出典:日本ユニセフ協会 公式サイト)

肥満と飢餓の関係性とは


飢餓と肥満の関係性について見ていきましょう。

飢餓は食料不足などにより栄養不足を起こすことでなることが多いですが、肥満は逆に栄養過多の状態を指しています。
貧困国で栄養過多になる理由は、いくつか挙げられます。

食料を常に手に入れることが困難な国では、「手に入ったときにできる限り食べる」という習慣が付きます。
これはいつでも自由に食べ物が手に入らない場所であるために、食料があるときに食べておくことが重要なためです。

また、食料が乏しい地域で生活していくためには、できる限りカロリーが高いものを食べようという意識が働きます。
こうして食料が手に入ったときには、タンパク質や鉄分、ミネラル、ビタミンなどの栄養素が含まれた食料よりも単純におなかが膨れるような高カロリーな食べ物を集中的に食べることになるのです。

そして、「いつ次に食べ物が手に入るかわからない」という精神的なストレスも影響しています。
安定して食料が手に入らないためにストレスが強くなり、精神的なダメージによってホルモンバランスが崩れていくこともあります。

さらに子どもが胎内に宿ってから「最初の1000日間」の栄養が、後の「飢餓」「肥満」に影響してくるとも言われています。

妊産婦が栄養不足の状態であった場合は子どもが低体重で生まれることがあります。
さらに乳幼児期に十分な栄養が与えられずに発育阻害を起こした子どもが成長し、栄養過多の状態になったときに肥満になるリスクが高くなると言われています。
そのため母体が安定して食べ物を得ることができない環境になればなるほど、子どもたちの栄養不良は起こりやすくなり、栄養不良状態で成長した子どもはさらに栄養不良の子どもを産みやすくなるという悪循環に陥ってしまうのです。

こうした地方や過疎地で育った子どもが成長して都市部に移り、栄養価の高い食事を取ると一気に肥満になってしまうということにもつながっているのです。

(出典:国連WFP 公式サイト)

アジアの栄養問題に必要な支援とは

開発途上国の飢餓と肥満を解決するためには、安定的に食料を確保できる環境を整えて、栄養不良の悪循環を続けさせないことが重要です。

2016年、国連機関とEUはインドネシアやラオス、フィリピンなどのアジア5ヶ国の栄養問題に取り組むために5年間のパートナーシップを結びました。

この目的は「各国政府が栄養に関して、保健分野だけでの対応を超えた総合的な取り組みを支援すること」で、母親の出産育児休暇の改善や栄養価の高い食べ物へのアクセス向上に向けた取り組みを行いました。

そしてそこでは以下の内容を含む「子どものための提言」が発表されました。

栄養不良の二重重荷 各国政府は、子どもたちに対しスナックや糖分の多い飲料の宣伝を規制し、学校での入手を制限する必要がある。
発育阻害と消耗症 各国政府は、乳幼児の母乳習慣の改善、急性栄養不良に陥っている子どもたちの治療、農作物の種類の増加、よりよい衛生習慣の推進、女子教育の維持、貧困削減の取り組みにおける支援を強化する必要がある。
自然災害 各国政府は、貧困、栄養不良、地理的な脆弱性などの最もリスクの高い地域に暮らす子どもたちの状況を可視化する必要がある。また、緊急物資、研修、指針などを整え、災害から回復する力をつける必要がある。
経済コスト 子どもの栄養不良のコストを検討し、その対処により多くの投資を行わなければならない。子どもの生後1,000日間の期間で栄養に使われるコスト1米ドルあたり、平均45米ドルを節約することができる。最大166米ドルを節約できる場合もある。

具体的には子どもが胎内に宿ってから「最初の1000日間」の問題を解決するために、妊産婦に対しての安定的な食料の確保、生後半年の間に栄養のある母乳を与えること、幼児の発育を正しく促していくということに取り組まれました。

栄養不良の悪循環を止めるために乳幼児の栄養を補給しやすい「栄養強化ペースト」を支援したり、妊産婦に対する栄養管理や衛生環境の整備などにも取り組まれています。

(出典:日本ユニセフ協会 公式サイト)

飢餓と肥満の関係性やアジアの現状について知ろう

開発途上国や貧困国では、飢餓と肥満という一見相反するようなことが同時に起こっています。

両者の関係性を知り、それがアジア地域でも多く起こっていることを知った上で、それぞれができる支援を行っていきましょう。

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