不登校

不登校への支援にはどのような取り組みがある?

不登校は子どもや親子だけではなく、学校や関連機関が連携して解決すべき問題です。
そのため文部科学省などを中心として、学校や地方公共団体などを含め、様々な支援制度が用意されています。

この記事では、不登校への支援にはどのような取り組みがあるか紹介します。

不登校とは?原因と解決のための取り組みについて

不登校に対する支援とは


不登校は今や珍しいことではなく、様々な環境や状況、子どもの心理状態から起こり得ることです。
不登校は、子どもが自らの心身を守るための行動でもありますが、その心の中では葛藤に苛まれていても不登校になった原因や理由から一歩を踏み出せないこともあります。

子どもが学校に再び通えるように、強引に行かせないよう配慮しながらも見守り、保護者をはじめ、学校や教育委員会、関連機関と連携してサポートしていくことが必要です。
特に学校や関連機関による支援は、保護者にかかる大きな負担を軽減しつつ、子どもが学校に登校できるきっかけ作るために重要なサポートになります。

不登校の生徒への支援のあり方

文部科学省では、不登校の生徒への支援は「学校に再び登校する」という結果だけを求める支援ではなく、生徒が自ら進路を主体的に捉え、社会的な自立を目指すことを基本的な考えとしています。
また、復学以外にも家で学習できるホームスクールや通信制といった学習方法もあります。

つまり、復学することだけが不登校の解決になるのではなく、ホームスクールや通信制に通うことも選択肢に入れ、継続的な支援を行い社会的自立ができるようにすることも不登校生徒への支援のあり方なのです。

不登校の原因や理由は様々であり、複数の事情が絡み合っていることもあります。
そのため、原因や理由を把握し、適切な支援や働きかけを行うことで、社会的自立や復学に向け主体的に動けるように取り組む必要があるのです。

学校と関連機関が行う支援事業

学校と関連機関(外部機関)は連携して、不登校の子どもへの支援を行っています。
主には不登校に係る相談窓口を教育支援センターに整備し、教育支援センターを中核として、フリースクールなどの民間団体との連携により学習の遅れからカウンセリングなど、あらゆる面での支援体制を整備しているのです。

関係者間の情報共有を図るため、不登校児童生徒支援協議会など、連携を支援するためのコーディネーターを設置しており、関連機関にはスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーとの連携による支援も行われています。

不登校やその原因の一つとなるいじめ、虐待、貧困などの未然防止や早期発見、および様々な課題を抱える児童生徒への早期支援や、家庭や学校の状況の把握から子どもだけでなく保護者へのアドバイス・カウンセリングなどの手厚い支援も受けることができます。

また学習の遅れに関しては、サポートスタッフの設置による学力向上を目指した学校教育活動も行われています。これはいじめや不登校などへの対応だけでなく、学業・成績の不振による不登校などを未然に防ぐ狙いもあるのです。
これらは教職員だけでなく、多彩な人材サポートスタッフを動員して、教育活動の向上を行う支援になります。

私立学校においては、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの導入に加えてICT専門員(※)などの活用も行われており、不登校の生徒が陥りがちな教育機会の不足を補う支援も行われています。
昨今は、新型コロナウイルスの拡大により注目され始めたリモートでの授業も、以前から不登校の生徒に向けた教育機会の確保に利用していた学校もありました。
国公立の学校であってもフリースクールなど民間団体と連携した支援が実施され、これらは子どもだけでなく、不登校に悩む保護者の学習会や研修も行われています。

※ICT専門員:教員のICT機器操作などの情報化推進をサポートをする人

(出典:文部科学省「不登校への対応について」)

支援体制の利用状況

2018年の文部科学省の調査データでは、支援の中核となる教育支援センターで相談や指導などを受けた小中学校の不登校の生徒は1万9,754人にも及んでいます。
この支援体制の利点の一つは、このような相談や指導など支援を受けたときに、要件を満たせば出席扱いになるという点です。

実際に相談や指導などを受けた生徒のうち、1万6,697人(84.5%)が出席扱いとなりました。
また民間団体や民間施設で相談や指導を受けた4,635人の小中学校の不登校の生徒のうち、2,178人(47.0%)が出席扱いとなっています。
特に中学生にとっては、出席日数は高校入試にも関係してきますし、小学校でも出席日数は重要とされているため、支援にこのような利点が得られる可能性もあると知っておきましょう。

(出典:内閣府「不登校児童生徒への支援について」,2020)

不登校支援センターによる取り組み

不登校への支援を行う民間団体には不登校支援センターがあります。
子どもの不登校においてどの段階であっても、カウンセリングというのは重要な意味を持つのです。
保護者が子どもと向き合って話すことも重要ですが、焦りや不安からどうしても子どもに迫る形になることもあります。
そうなると子どもは余計に心を閉ざす可能性も出てくるため、専門家によるカウンセリングを受けることも選択肢として知っておきましょう。

医療機関や心療内科などの受診のほかに、不登校支援センターに相談することも一つの方法です。
不登校支援センターでは、不登校になる経緯や家庭での様子などを確認し、原因や理由を把握して、それぞれに必要なカウンセリングや支援方針の立案が行われます。
状況把握や信頼関係の構築を行い、不登校解決の目標を立て、それぞれの子どもに合った取り組みで、自主的に再び登校できるようサポートしてくれます。

  • 不登校の原因や理由を把握し、適切な支援や働きかけを行うことで、社会的自立や学校復帰に向け主体的に動けるように取り組む必要がある
  • 教育支援センターで相談や指導などを受けた小中学校の不登校の生徒は1万9,754人に及ぶ
  • 不登校支援センターでは、それぞれの子どもに合った取り組みで、自主的に再び登校できるようサポートしてくれる
  • (出典:文部科学省「平成30年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要」,2019)
    (出典:文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」)

    不登校になった子どもには親の支援が必要


    子どもにとって最も長い時間接するのは保護者です。特に不登校になれば家にいる時間も長くなるため、子どもによっては親と接する機会しかなくなることもあります。
    そのため子どもが再び学校に行けるようになるかは、保護者による支援も重要です。

    ただし、保護者にすべての責任がのしかかるわけではありません。1人で抱え込めば大きな負担になり、焦りや不安から子どもに強く当たるなど、事態を悪化させることもあります。

    親ができる主な支援としては、子どもと向き合い意思を尊重しながら一緒に考えること、そして子どもが学校に再び行けるような環境や状態を整えてあげることです。
    学校に不登校の相談をするにしても、原因や理由が分からないと対応が後手に回ることもあります。
    そのため、まずは子どもと向き合って冷静に、原因や理由を聞き取るようにしましょう。
    しかし子どもが話したがらない場合は、無理に聞きだそうとする必要はありません。自分では難しい際には、教育相談センターや不登校相談センターを頼ることも一つの手です。

    どのような頻度で休むか、不登校になってどれくらいの期間が経っているかにもよりますが、まずは休むことに罪悪感を抱くことなく、必要なら休んでもいいことを伝えていきましょう。
    その上で、学校や家庭での居場所をつくり、役割を与えて家族の一員として安心して生活できる環境を整えてあげてください。

    休んでしまった日の1日の生活も、過ごし方を子どもと相談しておくことも大切です。学習の遅れは、フリースクールや学校からの支援などに頼る形で、焦らず行っていくようにしましょう。
    不登校になることは弱さではなく個性によるものだと受け入れ、子どもが元気に活き活き生活できるように支援してあげることが保護者の役割です。

  • 学校や家庭での居場所をつくり、役割を与えて家族の一員として安心して生活できる環境を整える
  • 子どもが元気に活き活き生活できるように支援してあげることが保護者の役割
  • (出典:秋田県総合教育センター「不登校への対応 ノープロブレム大丈夫」)

    身近にある支援を利用して不登校の問題を解決していこう


    不登校は親にとっても子どもにとっても、すぐに解決することは簡単ではありません。
    不登校となる原因や理由により、子どもがストレスや重責を感じるだけでなく、親も焦りや不安などを感じてしまい、悪い方向へと進んでしまうケースもあります。

    これはそれぞれが1人で抱え込んでしまうことが問題の一端となるため、学校や教育委員会、関連機関が連携して、様々な支援を実施するようになりました。
    支援は不登校の子どもやその親が受けられる強力なサポートです。負担を減らし、解決策を見つけていくため、そして子どもが自分のペースで主体的に学校に通えるように支援を積極的に利用していきましょう。

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    この記事を書いた人
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