不登校

小学生の不登校の現状と親ができる取り組みとは

小学生は年を重ねるごとに不登校の児童生徒が多くなる傾向にあります。これは高学年になるにつれて多感な時期に差し掛かってくるためでもありますが、小学生の不登校の現状は深刻なものがあり、子どもの状況に合わせた取り組みが求められているのです。また、無理に学校に行かせるのではなく、ホームエデュケーション(通学せずに家庭を拠点に学ぶこと)など、学校に行かないという選択肢もあります。

この記事では、小学生の不登校の現状や親ができる取り組みを紹介します。

不登校とは?原因と解決のための取り組みについて

小学生の不登校の現状とは


文部科学省によると、文部科学省によると、不登校の定義は下記の通りとなっています。

不登校とは「何らかの心理的、情緒的、身体的、あるいは社会的要因・背景により、登校しないあるいはしたくともできない状況にあるために年間30日以上欠席したもののうち、病気や経済的な理由による者を除いたもの」

(引用:文部科学省「不登校の現状に関する知識」)

病気や経済的な理由によるものは除かれますが、このような不登校という言葉が使われ始めたのは1998年からでした。
この定義の下に調査を続けてきた結果、一時は増減を繰り返してきましたが、ここ5年ほどは増加傾向にあります。

文部科学省による2018年の調査によると、小中学校で不登校にある児童生徒は、全体で16万4,528人でした。1,000人当たりで見ても16.9人であり、どちらも1998年以降最多となっています。ただしこれを小学生だけで見ると、小学生の不登校児童生徒数は、全体の約27%程度(4万4,841人)であり、残りの7割以上はすべて中学生となっており非常に高い割合です。

小学生の1998年から2018年までの20年間の推移を見ると、その増減は緩やかであり、ほぼ横ばいでした。
しかし2013年以降から、徐々に増え始め、1.8倍にまで増加しています。
また欠席日数と出席日数で見たときに、不登校の定義である30日以上の欠席者のうち、90日未満の児童生徒は2万4,794人(55.3%)、欠席日数が90日以上でも出席日数が11日以上ある児童生徒は1万6,891人(37.7%)と欠席日数は3ヶ月以内である、もしくは3ヶ月以上でも度々登校はしているという児童生徒が多いことが分かりました。

学年別に見ても、小学1年は最も少なく、年齢が上がるにつれて徐々に増えていく傾向にあることも明らかになっています。
中学生よりは不登校になる割合が低いものの、年齢が上がるにつれて何らかの理由により、不登校になってしまうということです。

小学生が不登校になってしまう理由

小学生が不登校になってしまう理由はいくつか挙げられます。2018年の文部科学省の調査結果をもとに見ていきましょう。
学校に係る状況において、不登校になる理由は、友人関係や成績・進路、学校との相性などが挙がります。

小学生の不登校になる理由において、学校に係る状況で最も多かったのは「いじめを除く友人関係をめぐる問題」が21.7%でした。いじめという回答もありますが、これは0.8%に留まっています。
いじめではないが、人付き合いにおいて何らかのトラブルを経験し、その解決ができずに不登校となるという状況が生まれるようです。

次いで多かったのが学業の不振です。教科書の改訂や指導要綱の変化による学習内容の増加と授業の速さについていけないなど、勉強が分からないという子どもが、授業に出たくないとの理由で不登校になるケースがあります。
ほかにも教職員との関係を巡る問題や入学・転編入学・進級時の不適応など相性の問題で不登校になった児童生徒が同率で4.5%となりました。

学校に係る状況を理由とした不登校はこのようなものが挙がりますが、それ以上に家庭に係る状況から不登校になる割合が55.5%と半数以上超えている事実があります。
家庭に係る状況とは、両親の別居や離婚、近親者の死別などの生活環境の急激な変化や、親子関係の問題、家庭内の不和などです。
これらは子どもにとって大きなストレスとなり、不登校となることがあります。

  • 不登校とは、何らかの心理的、情緒的、身体的、あるいは社会的要因・背景により、児童生徒が登校しないあるいはしたくともできない長期欠席の状況が30日以上続くことを言う
  • 2018年時点で小学生の不登校児童生徒数は、全体の約27%程度(4万4,841人)だった
  • 学校に係る状況で最も多かったのは「いじめを除く友人関係をめぐる問題」が21.7%、家庭に係る状況から不登校になる割合は55.5%と半数以上超えている
  • (出典:文部科学省「平成30年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要」,2019)

    小学生で不登校になってしまったときに親や学校にできることとは


    不登校というと悪い印象がつきまといがちですが、何の理由もなく学校へ行かないのではなく、自分を守るために子どもも苦渋の選択を迫られていることが多くあります。
    そのため、ある教育機関によると無理に学校へ行かせることは良くないとされています。

    小学生の子どもにとって最も長い時間接するのは保護者であり、不登校になれば家にいる時間も長くなるため、子どもによっては親と接する機会しかなくなることもあります。
    子どもの不登校を解決するには、保護者による支援も重要ですが、保護者にすべての責任がのしかかるわけではありません。

    秋田県総合教育センターの資料では、親や学校は、休むことに罪悪感を抱くことなく、必要なら休んでもいいことを子どもに伝えることで、不登校の解決つながる行動があったことが記されています。
    また、子どもと向き合って、冷静に原因や理由を聞き取るようにしましょう。
    しかし子どもが話したがらない場合は、無理に聞きだそうとする必要はありません。自分では難しい際には、教育相談センターや不登校相談センターを頼ることも一つの手です。

    ただ、不登校の解決は復学することだけではありません。
    文部科学省では、不登校の児童生徒への支援は「学校に再び登校する」という結果だけを求める支援ではなく、児童生徒が自ら進路を主体的に捉えて、社会的な自立を目指すことを基本的な考えとしています。

    復学以外にも家で学習できるホームスクールや小学生向けの通信教育といった学習方法もあるため、このような学習方法も選択肢に入れ、継続的な支援を行い社会的自立ができるようにすることも不登校児童生徒への支援のあり方なのです。

    不登校の原因や理由は様々であり、複数の事情が絡み合っていることもあります。
    文部科学省によれば、原因や理由を把握し、適切な支援や働きかけを行うことで、社会的自立や復学に向け主体的に動けるように取り組む必要があるとされています。

    また、不登校の原因や理由を聞きだしたとき以外の子どもの言動なども記録しておき、これらの情報を学校やカウンセラーに伝えることで、不登校に対する対応方法やアドバイスなどもしてくれます。

  • 親にできる取り組みは、子どもの現状を認め、どうしたら学校へ行けそうか一緒に考えていくこと、子どもが不登校になった際に冷静に子どもの話を聞くことが重要
  • 不登校の児童生徒への支援は「学校に再び登校する」という結果だけを求める支援ではなく、児童生徒が自ら進路を主体的に捉え、社会的な自立を目指すことを基本的な考えとしている
  • 復学以外にも、ホームスクールや通信制といった学習方法もある
  • (出典:秋田県総合教育センター「不登校への対応 ノープロブレム大丈夫」)
    (出典:文部科学省「不登校への対応について」)
    (出典:文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」,2019)

    小学生で不登校になる子どもを手助けしよう


    不登校になることは誰でも可能性があります。それは決して悪いことではないですが、自分の子どもがその状態になれば、不安になる気持ちも出てくるでしょう。
    そういったときに、焦りから子どもを責めたり、登校することを迫れば逆効果です。

    子どもには子どものペースがあり、彼らも自分自身でこれではいけない、ということを考えている場合もあります。
    親はその姿を見守り、必要であれば手助けをして、自ら学校へ行ける状態を作ってあげることが大切です。
    そのためにも子どもと一緒に一歩ずつ、目標をクリアして、子どもたちのペースで不登校を解決できるように取り組んでいきましょう。

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