日本では、9人に1人の子どもたちが貧困に苦しんでいるという現状をご存じでしょうか*?
貧困に陥っている子どもたちは、主に経済的な理由から十分な教育を受けられず、社会から孤立する傾向にあります。そして、大人になっても十分な収入を得られず、貧困の連鎖が続いてしまうのです。
このような状況を改善するため、学習支援ボランティアを通じて子どもたちを教育やコミュニケーションの面からサポートし、負の連鎖から救い出すことができます。
しかし、学習支援ボランティアに参加してみたいと思っているものの、
- ・学習支援ボランティアを行っている団体ってどうやって探すの?
- ・学習支援ボランティアって具体的にどんな活動をするの?
と悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
そこで、この記事では学習支援ボランティアについて以下の内容をご紹介します。
- ・学習支援ボランティアの探し方
- ・学習支援ボランティアはどんなことをするのか
- ・学習支援ボランティアを行っている団体
子どもたちの学習をサポートしたいと考えている方は、ぜひご一読ください。
*出典:厚生労働省 2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況
学習支援ボランティアの探し方を紹介
学習支援ボランティアといっても、活動している団体は多種多様です。ひとつずつ探すのは、とても時間がかかります。
ここでは、参加する学習支援ボランティアをどのように探すのか、その切り口を3つ紹介します。
- 自分の興味・関心があるテーマの学習支援ボランティアに参加する
- お住まいの地域で募集している学習支援ボランティアに応募する
- 有償の学習支援ボランティアに応募する
自分の興味・関心があるテーマの学習支援ボランティアに参加する
まずは自分の興味・関心があるテーマを掲げている学習ボランティアを探して、参加する方法が挙げられます。
子どもたちが学習支援を必要とする理由は、不登校や虐待、あるいは病気で学校に通えないなど、多岐にわたります。
また、子どもたちの年齢も、学習の習慣をつけたい小学生から、進路の岐路に立っている高校生などさまざまです。
ご自身が支援したい、と考える子どもたちに対してボランティアを行っている団体を探してみるのはいかがでしょうか。
お住まいの地域で募集している学習支援ボランティアに応募する
お住まいの地域で募集している学習支援ボランティアに応募する方法もおすすめです。
地域によっては、自治体や社会福祉協議会が主体となって、学習支援ボランティアを行っているケースがあります。
学習支援ボランティアに申し込むことで、地域の子どもたちの学習をサポートできます。
「(お住まいの地域) 学習支援ボランティア」などで、検索してみてはいかがでしょうか。
有償の学習支援ボランティアに応募する
報酬の有無で学習支援ボランティアを探す、というのも一つの方法です。
学習支援ボランティアの中には、謝礼として日給がでる団体もあります。
ボランティアというと無償のイメージがありますが、お金が出るかどうかでボランティア先を選ぶのも選択肢の一つです。
有償かどうかは、応募時に募集の詳細を確認したり、団体に直接問い合わせたりするなどして確認しましょう。
学習支援ボランティアは何をするのか?具体例を挙げて解説
子どもたちへの学習支援のかたちは団体によってさまざまです。
ここでは、具体的に2つの団体を挙げて、学習支援ボランティアでどのような活動をするのか解説します。
- ・認定NPO法人カタリバの場合
- ・NPO法人Learning For Allの場合
認定NPO法人カタリバの場合
カタリバは、10代の子どもたちに出会いと学びの場を作ることで、未来を作り出す意欲と創造性を育むことを目的とした認定NPO法人です。
国内に8拠点あり、そのなかのひとつアダチベースでは、子どもたちが安心して利用できる居場所と勉強部屋、そして食事を用意して、彼らの自立する力を育んでいます。
ボランティアの具体的な活動内容は以下の通りです。
- ・一人一人に合った勉強方法を提案する学習への伴走支援
- ・食卓を囲んだり、会話を通して子どもたちが安心できる環境づくり
- ・ものづくり・スポーツ・家庭菜園といった体験プログラムの企画
カタリバの活動については、以下でも紹介しているのでぜひご覧ください。
NPO法人Learning For Allの場合
Learning For All(以下、LFA)は子どもたちの自立をサポートし、そのノウハウを広く展開することで、子どもたちの「貧」と「困」をなくす社会づくりをかかげるNPO法人です。
29の直営拠点があり、居場所支援拠点と学習支援拠点に分かれます。
学習支援拠点では、週に1回3時間ほど、子どもたちに受験勉強から宿題まで、一人一人に合った学習をサポートします。指導経験のない方でも、指導方法の基礎から研修で学ぶことができるので安心です。
居場所支援拠点では、子どもたちと遊んだり、宿題の手伝いをしたり、食事を共にしたりして子どもが安心できる環境を提供しています。
LFAの活動については、下のリンクでも紹介しているのでぜひご覧ください。
>>NPO法人 Learning for All:包括的な支援に特徴あり
学習支援ボランティアと並行して寄付を始めませんか?
子どもたちへの学習支援に関心があるなら、支援団体への寄付も学習支援の形の一つです。
寄付だと、子どもたちと実際に関わることはありませんが、時間や場所にとらわれず、例えば海を超えた外国にいる子どもたちにも学習支援を行うことができます。
寄付金額は毎月数千円と、少額から始めることが可能です。
ボランティア活動にも参加しつつ、寄付をすることでより多くの子供たちをサポートしてみませんか。
子どもの学習支援に取り組んでいるおすすめの寄付先を5つ紹介
ここでは、「子どもたちの学習を寄付でサポートしたい」と考えている方に、寄付先としておすすめできる5つの団体をご紹介します。
【子どもの学習支援に取り組んでいる団体5つ】
寄付先1:認定NPO法人 カタリバ:ナナメの関係で支援者と伴走
カタリバはこんな人にオススメ!
- ・教育の可能性や重要性を信じている
- ・実績や社会的な信頼は大事だと思う
- ・家庭や学校で困難を抱える子どもでも、成長の機会を得られる社会になってほしい
カタリバは、自身ではどうすることもできない家庭環境などの課題を抱える子どもたちを対象に、居場所・学習・食事を地域と連携しながら届ける活動などを行っています。
活動を通じて「すべての10代が意欲と創造性を育める未来」の実現を目指しています。
寄付アドバイザー河合さんの注目ポイント3つ!
- 「ナナメの関係という共成長モデル」「10代に伴走」「個人の成長を支える強い組織文化」が強み
- 安心できる居場所の提供、学習支援、食事支援、災害時の居場所の提供や学習支援、探求学習の実践支援などの活動を、全国で展開
- 活動に関わった10代の声の紹介、カタリバの仲間紹介、支援者/企業紹介など、いろんな人や支援者の関わりの特徴が伝わってくる
ネットの口コミ評判を知りたい方はこちら
>>【実際どう?】カタリバの気になる評判は?寄付先として信頼できるかを徹底解説
>>カタリバに関する記事一覧はこちら
寄付先2:認定NPO法人 Learning for All:包括的な支援に特徴あり
Learning for All はこんな人にオススメ!
- 質の高い学習支援をこどもたちに届けたい!
- 全国のたくさんの子どもの役に立ちたい!
- 専門家やメディアの評価が高い活動を支援したい!
Learning for All は、さまざまな理由で生きづらさを抱える子どもたちに学習支援、居場所提供、食事提供などを行いながら、保護者たちのサポートも行っています。さらに、支援のノウハウを展開したり、ノウハウを共有するしくみを構築しています。
活動を通して「子どもの貧困の本質的解決」を目指しています。
寄付アドバイザー河合さんの注目ポイント3つ
- 困難を抱えた子どもたちへの包括的支援、人材育成、普及啓発・アドボカシーの活動に特徴
- 「月1,000円で一人の子どもに1時間分の勉強」など、寄付金でできることが分かりやすい
- 企業、自治体などのパートナー、学生ボランティア卒業生のアラムナイ(同窓会)といったコミュニティの存在
ネットの口コミ評判を知りたい方はこちら
>>【実際どう?】Learning for All の気になる評判は?寄付先として信頼できるかを徹底解説
>>Learning for All に関する記事一覧はこちら
寄付先3:認定NPO法人e-Education:途上国の教育格差をなくすオンライン教育
e-Educationはこんな人にオススメ!
- ・経済的に貧しい国の子どもの夢を応援したい
- ・教育の可能性や効果を信じている
- ・固定観念にとらわれず挑戦する人は素敵だと思う
e-Educationは、バングラデシュをはじめとする途上国の教育機会に恵まれない子どもに映像教育を届け、途上国における教育格差をなくしています。
活動を通じて、「最高の教育を世界の果てまで」届けるために活動を続けています。
寄付アドバイザー河合さんの注目ポイント3つ!
- バングラデシュの教師不足の課題に、日本の予備校モデルを応用した遠隔型教育を10年以上前に開拓
- 若者3人が立ち上げ、日本と海外合わせ約100人のチーム、1,000人以上のマンスリーサポーターを擁する規模にまで発展
- 環境の変化に合わせて「最高の教育」を提供する方法を進化させながら、設立から10年で3万人以上の子どもに教育を届ける
ネットの口コミ評判を知りたい方はこちら
>>【実際どう?】e-Educationの気になる評判は?寄付先として信頼できるかを徹底解説
>>e-Educationに関する記事一覧はこちら
寄付先4:認定NPO法人 3keys:子どもが頼れる居場所を提供
3keysはこんな人にオススメ!
- ・子どもへの虐待や貧困のない社会になって欲しい
- ・子どもの悩みを打ち明けられる大人は必要だと思う
- ・子どもにインターネットで間違った情報に触れてほしくない
3keysは、子どもの権利を守るため、子どものセーフティーネットづくり、子どもたちが自身の持っている権利や尊厳を守るための様々なコンテンツづくり、学習支援、調査及び啓発活動を行っています。
活動を通し「どんな環境で生まれ育っても、十分な教育や愛情が受けられる、すべての子どもの権利が保障される社会」を目指しています。
寄付アドバイザー河合さんの注目ポイント3つ!
- 悩みを抱える10代がインターネット上で支援団体の検索・相談ができるポータルサイト「Mex(ミークス)」を運営。2020年度は利用者が180万人、年間約8,500人がMexを通じて支援機関につながっている
- 思春期頃の10代の子どもたちが安心・安全に過ごせるユースセンターを運営。オンラインだけでなく、オフラインでも現場を持ち、家や学校などに頼ることが難しい子どもたちの暮らしを保障している
- 10年以上、虐待や育児放棄で保護された子どもたちへの支援を行っており、様々な専門家と連携した支援体制を構築できている
ネットの口コミ評判を知りたい方はこちら
>>【実際どう?】子ども支援NPO「3keys」の気になる評判は?寄付先として信頼できるかを徹底解説
>>3keysに関する記事一覧はこちら
寄付先5:認定NPO法人抱樸:クラウドファンディングで1億円以上集めた
さまざまな環境や事情によって、勉強したくてもできない状況にある子どもたちに対して、集合型と訪問型の2つのアプローチで学習支援を行っています。
支援を通して「貧困のない、誰もが活き活きと生きられる社会」を目指しています。
寄付アドバイザーが見た注目ポイント!
- 1988年から32年の活動実績
- 創造的に事業を興し必要に応じて連携の仕組みを創り、問題解決型の支援に加え、たとえ解決できなくても「つながり続ける」ことを大事にする「伴走型支援」が特徴
- コロナ禍で仕事と住まいを失う人を支えるために行ったクラウドファンディングで1億円を超える支援実績
このように考えている方は、この機会に遺贈寄付を考えてみませんか?
生前に手続きを済ませるだけで、自分の遺産を支援団体に寄付(遺贈寄付)できます。
遺贈寄付先の選び方をチェックする
寄付でよくある3つの疑問
ここからは、学習支援ボランティアや団体への寄付をするときによくある3つの疑問について解説します。
- ・学習支援ボランティアはオンラインでもできる?
- ・団体への寄付は途中でストップできる?
- ・寄付できるお金が少なくても大丈夫?
1.学習支援ボランティアはオンラインでもできる?
学習支援ボランティアはオンラインでも可能です。
団体によっては、学習支援ボランティアをオンラインで募集しているところもあります。
ただし、すべての団体で募集しているわけではありません。
オンラインでボランティアに参加したい場合は、ご自身で検索するか、団体に問い合わせてみてください。
2.団体への寄付は途中でストップできる?
団体への寄付は途中でやめてしまっても問題ありません。
定額寄付の場合は、団体にもよりますが、オンラインでの手続きや電話・メールで寄付のストップが可能です。
具体的な手続き方法は団体によって異なるため、ご自身で寄付先の団体に確認してみましょう。
単発寄付であれば、1回限りの寄付ですので、連絡や手続きは不要です。
3.寄付できるお金が少なくても大丈夫?
寄付は少額でも問題ありません。
最低寄付金額は団体によって異なりますが、500円程度から寄付できる団体もあります。
また寄付金が一定金額以上の場合は「寄付金控除」を適用できる場合があります。
寄付金控除は税金の一部控除を受けられるお得な制度です。
以下の条件に当てはまる場合は、寄付金控除の対象となります。
【寄付金控除の適用条件】
- ・寄付金控除の対象団体に寄付する
- ・年間2,001円以上の寄付をする
- ・確定申告を行う
寄付金控除の仕組みや確定申告のやり方に関しては、こちらの記事をご覧ください。
ボランティアと寄付は同時にできる!
ここまで、学習支援ボランティアの探し方と活動内容、学習支援を行っている団体について解説しました。ここで、紹介した内容をまとめます。
- ・ボランティアに参加する団体は、サポートする対象、地域、報酬の有無などの条件をしぼって探す
- ・学習支援ボランティアでは、子どもたちとのかかわりあいを大切にする団体もある
- ・ボランティア活動と並行して寄付をすることで、より多くの子どもたちをサポートできる
先進国とされる日本でも、十分な教育を受けられずに困っている子どもたちはたくさんいます。
「ボランティアや寄付を通じて子どもたちの学習をサポートしたい」という方は、ぜひ参考にしてくださいね。
▼子どもの学習支援に取り組んでいる団体
団体名 | 寄付アドバイザーが見た注目ポイント |
---|---|
カタリバ | ・「ナナメの関係という共成長モデル」「10代に伴走」「個人の成長を支える強い組織文化」が強み ・安心できる居場所の提供、学習支援、食事支援、災害時の居場所の提供や学習支援、探求学習の実践支援などの活動を、全国で展開 ・活動に関わった10代の声の紹介、カタリバの仲間紹介、支援者/企業紹介など、いろんな人や支援者の関わりの特徴が伝わってくる |
Learning for All | ・困難を抱えた子どもたちへの包括的支援、人材育成、普及啓発・アドボカシーの活動に特徴 ・寄付金でできることのわかりやすさ「月1,000円で一人の子どもに1時間分の勉強」「月3,000円で1日分」「月10,000円で高校進学」など ・企業、自治体など子どもの貧困を本質的に解決するためのパートナー、学生ボランティアを経験したOB・OGのアラムナイ(同窓会)といったコミュニティの存在 |
e-Education | ・バングラデシュの教師不足の課題に、日本の予備校モデルを応用した遠隔型教育を10年以上前に開拓 ・若者3人が立ち上げ、多様な経験・経歴のスタッフが参画、日本と海外合わせ約100人のチーム、1,000人以上のマンスリーサポーターを擁する規模にまで発展 ・環境の変化に合わせて「最高の教育」を提供する方法を進化させながら、設立から10年で3万人以上の子どもに教育を届ける。受賞歴も多い |
3keys | ・10代にとって身近なオンラインを積極的に活用。深刻な悩みを抱えながらも誰にも相談できずにインターネット上で助けを求めた子どもたちが支援団体の検索・相談ができるポータルサイト「Mex(ミークス)」を運営。2020年度は利用者が180万人、年間約8,500人がMexを通じて支援機関につながっている ・セーフティネットづくりの子ども事業では、思春期頃の10代の子どもたちが安心・安全に過ごせるユースセンターを運営。オンラインだけでなく、オフラインでも現場を持ち、家や学校などに頼ることが難しい子どもたちの暮らしを保障している ・10年以上、虐待や育児放棄で保護された子どもたちへの支援を行っており、様々な専門家と連携した支援体制を構築できている |
抱樸 | ・1988年から32年の活動実績 ・創造的に事業を興し必要に応じて連携の仕組みを創り、問題解決型の支援に加え、たとえ解決できなくても「つながり続ける」ことを大事にする「伴走型支援」が特徴 ・コロナ禍で仕事と住まいを失う人を支えるために行ったクラウドファンディングで1億円を超える支援実績 |
記事の内容は以上です。もし、今あなたが
「どの団体に寄付するか決めかねている・・・」
「寄付先の選び方を知りたい・・・」
とお思いなら、寄付アドバイザーが「あなたに合う寄付先の選び方」を解説する人気記事をおすすめします。
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NPO組織基盤強化コンサルタント office musubime代表/関西チャプター共同代表・准認定ファンドレイザー
大学卒業後、国際協力分野のNGOにボランティアスタッフとして参加。その後、国際交流・協力分野の中間支援組織へのインターンシップ、職員を経て、office musubime (オフィス ムスビメ)を2011年7月に設立。
寄り添って伴走する第三者として、身近な相談相手や多様な人・団体をつなぐ役割を通し、組織診断・組織基盤強化、ファンドレイジング支援など、各団体の支援に取り組む。
大阪マラソンチャリティ事務局担当や、国際協力や子ども/子育て支援、まちづくり分野、コミュニティ財団などの役員、大学の非常勤講師としてNPO論やボランティア論などの担当も。