離婚や死別など、さまざまな理由でひとり親家庭となる場合があります。
ひとり親家庭はふたり親世帯と比較して、年収面で厳しい状況に陥りがちです。とくに「令和3年度全国ひとり親世帯等調査結果の概要について」によると、母子家庭における母自身の平均年間就労収入は236万円。とても厳しい状況にあることがわかります。
ひとり親家庭を支援するため、様々な団体が支援活動を行っています。そこでこの記事では、寄付アドバイザーの監修のもと、寄付先の選び方とともに、ひとり親家庭を支援している主な団体を4つ紹介。寄付の申し込み方法についても解説していきます。
【ひとり親家庭を支援している団体4つ】
各団体の詳細について、さっそく見てみましょう。
ひとり親家庭に寄付するには?支援団体を4つ紹介!
ここでは「ひとり親家庭へ寄付したい」と考えている方へ向けて、寄付アドバイザーの河合さんのおすすめコメントとともに、支援している5つの団体を紹介します。
【寄付先1】認定NPO法人 フローレンス:強固な組織による課題解決集団
フローレンスはこんな人にオススメ!
- ・これからの日本には古い価値観や仕組みにとらわれないイノベーションが求められていると思う
- ・日本から子どもの虐待死がなくなって欲しい
- ・障害のある子どもやその親が幸せに暮らせる社会になって欲しい
フローレンスは、親子の笑顔をさまたげる社会問題を解決するため、病児保育、小規模保育園、障害児保育・支援、特別養子縁組、子ども宅食、ひとり親支援などの事業に取り組んでいます。
活動を通して、「みんなで子どもたちを抱きしめ、子育てとともに何でも挑戦でき、いろんな家族の笑顔があふれる社会」の実現を目指しています。
寄付アドバイザー河合さんの注目ポイント3つ!
- 新たな価値を創造するイノベーター集団、社会問題解決集団と掲げるように社会問題への「小さな解」を、事業として次々と生み出す
- 政治や行政と共に「小さな解」を政策にし、全国に拡散する
- 内閣府「子ども・子育て会議」委員を務める代表理事 駒崎弘樹さんの発信力
ネットの口コミ評判を知りたい方はこちら
>>【実際どう?】フローレンスの気になる評判は?寄付先として信頼できるかを徹底解説
【寄付先2】認定NPO法人 カタリバ:ナナメの関係で支援者と伴走
カタリバはこんな人にオススメ!
- ・教育の可能性や重要性を信じている
- ・実績や社会的な信頼は大事だと思う
- ・家庭や学校で困難を抱える子どもでも、成長の機会を得られる社会になってほしい
カタリバは、自身ではどうすることもできない家庭環境などの課題を抱える子どもたちを対象に、居場所・学習・食事を地域と連携しながら届ける活動などを行っています。
子どもだけでなく、ひとり親として子育てをしている保護者を対象とした相談窓口を設けることで家庭と支援制度をつなぐサポートを行っています。
活動を通じて「すべての10代が意欲と創造性を育める未来」の実現を目指しています。
寄付アドバイザー河合さんの注目ポイント3つ!
- 「ナナメの関係という共成長モデル」「10代に伴走」「個人の成長を支える強い組織文化」が強み
- 安心できる居場所の提供、学習支援、食事支援、災害時の居場所の提供や学習支援、探求学習の実践支援などの活動を、全国で展開
- 活動に関わった10代の声の紹介、カタリバの仲間紹介、支援者/企業紹介など、いろんな人や支援者の関わりの特徴が伝わってくる
ネットの口コミ評判を知りたい方はこちら
>>【実際どう?】カタリバの気になる評判は?寄付先として信頼できるかを徹底解説
【寄付先3】NPO法人 Learning for All :包括的な支援に特徴あり
Learning for All はこんな人にオススメ!
- 質の高い学習支援をこどもたちに届けたい!
- 全国のたくさんの子どもの役に立ちたい!
- 専門家やメディアの評価が高い活動を支援したい!
Learning for All は、さまざまな理由で生きづらさを抱える子どもたちに学習支援、居場所提供、食事提供などを行いながら、保護者たちのサポートも行っています。さらに、支援のノウハウを展開したり、ノウハウを共有するしくみを構築しています。
活動を通して「子どもの貧困の本質的解決」を目指しています。
寄付アドバイザー河合さんの注目ポイント3つ
- 困難を抱えた子どもたちへの包括的支援、人材育成、普及啓発・アドボカシーの活動に特徴
- 「月1,000円で一人の子どもに1時間分の勉強」など、寄付金でできることが分かりやすい
- 企業、自治体などのパートナー、学生ボランティア卒業生のアラムナイ(同窓会)といったコミュニティの存在
ネットの口コミ評判を知りたい方はこちら
>>【実際どう?】Learning for All の気になる評判は?寄付先として信頼できるかを徹底解説
>>Learning for All に関する記事一覧はこちら
【寄付先4】一般社団法人グラミン日本:ノーベル平和賞受賞の取り組みを日本で展開
貧困や生活困窮の状態にある方々に低利・無担保で少額の融資を行い、貧困から脱却し自立するのを支援するマイクロファイナンス機関です。
支援を通して「貧困のない、誰もが活き活きと生きられる社会」を目指しています。
寄付アドバイザーが見た注目ポイント!
- 2006年にノーベル平和賞を受賞し、貧困削減に効果をあげている「グラミン銀行」の日本版。
- 5人一組の互助グループを作り、起業や就労の準備の融資を受け、仕事の機会や就労支援、顔の見えるコミュニケーションを行うといったビジネスモデル
- 企業、NPO、金融機関、コンサルティングファーム出身者など各分野の専門家などの有志が参画
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ひとり親家庭は収入面で厳しい傾向にある
ひとり親(片親 + 子ども)の家庭は、児童のいる世帯(ふたり親 + 子ども)と比較して世帯年収が低い傾向にあります。
厚生労働省が発表している「令和3年度全国ひとり親世帯等調査結果の概要について」を見てみましょう。
- ・母子家庭における母自身の平均年間就労収入は236万円
- ・父子家庭の平均年間就労収入は496万円
母子家庭の場合は、とくに経済的に厳しい状況になりがちです。
団体のなかには、母子家庭を中心に支援しているところもあります。母子家庭を支援する団体について詳しく知りたい方は、以下をご一読ください。
>>母子家庭に寄付するには?シングルマザーの支援団体を5つ紹介!
一方で父子家庭の場合、母子家庭よりは年収が高いものの、「児童のいる世帯の平均所得」を100とすると父子家庭は74.5というデータがでております。
よってひとり親家庭は、ふたり親家庭(世帯)の年収と比較すると低い傾向にあり、経済的に厳しい現状にあることが分かります。
ここまで、ひとり親家庭の経済状況について解説しました。次は「ひとり親家庭へ寄付するときによくある疑問」について解説します。
ひとり親家庭への寄付でよくある3つの疑問
ここからは、寄付でよくある3つの疑問について解説します。
- お金以外のモノも寄付できる?
- 寄付は途中でやめてもいい?
- 寄付をすると確定申告が必要?
1.お金以外のモノも寄付できる?
寄付先にもよりますが、お金以外のモノを受け付けている団体も少なくありません。
たとえばひとり親家庭を支援している団体の場合、以下のようなモノを受け付けているケースがあります。
- ・未使用のハガキや切手
- ・古着
- ・一部の食料品 など
モノの寄付を受け付けているか、どのようなモノを寄付できるかは団体によって異なります。
自分が寄付しようと考えているモノが団体で受け付けているか、事前に確認しましょう。団体のホームページをチェックしたり直接問い合わせたりすれば、どのようなモノを寄付できるか分かります。
2.寄付は途中でやめてもいい?
寄付は途中でストップしても問題ありません。単発の寄付をしている方はもちろん、定額寄付(マンスリーサポーター)をしている方も、途中で寄付を辞めても問題ありません。
定額寄付をしている方の場合は、寄付先の団体に問い合わせると定額寄付の停止ができます。ただし手続きの方法は、団体によって異なるもの。団体ホームページを確認したり直接問い合わせたりすると、手続きの方法が分かります。
3.寄付をすると確定申告が必要?
寄付をした場合、確定申告は行わなくても問題ありません。ただし寄付金控除を受ける場合は、確定申告の提出が必須になります。
寄付金控除とは、寄付した金額から一定の額を税金の控除対象とする仕組みです。寄付金の一部が控除されるためお得ですが、適用にはいくつか条件をクリアする必要があります。
寄付金控除については、以下で詳しく解説しています。詳しく知りたい方や寄付金控除の適用を考えている方は、ぜひご一読ください。
ひとり親家庭を支援している団体はある!
ここでは、ひとり親家庭への支援を行っている団体紹介やひとり親家庭の現状、よくある疑問の解説をしました。ここで、紹介した内容をまとめます。
- ・ひとり親家庭は経済的に厳しい状況になりやすい
- ・ひとり親家庭などを支援している団体は多くある
- ・お金以外のモノを寄付できる団体もある
ひとり親家庭への支援は、寄付を通じて手軽にできます。「寄付を通じてひとり親家庭をサポートしたい」という方は、ぜひ参考にしてくださいね。
▼ひとり親家庭に寄付できる団体
団体名 | 寄付アドバイザーが見た注目ポイント |
---|---|
フローレンス | ・新たな価値を創造するイノベーター集団、社会問題解決集団と掲げるように社会問題への「小さな解」を、事業として次々と生み出す ・政治や行政と共に「小さな解」を政策にし、全国に拡散する ・内閣府「子ども・子育て会議」委員を務める代表理事 駒崎弘樹さんの発信力 |
カタリバ | ・「ナナメの関係という共成長モデル」「10代に伴走」「個人の成長を支える強い組織文化」が強み ・魅力的なプログラム開発、活動を全国8か所で展開 ・活動に関わった10代の声の紹介、カタリバの仲間紹介、支援者/企業紹介など、いろんな人や支援者の関わりの特徴が伝わってくる |
Learning for All | ・困難を抱えた子どもたちへの「学習支援」と「居場所支援」を軸にした包括的支援が特徴 ・寄付金でできることのわかりやすさ(月1,000円で一人の子どもに1時間分の勉強、月3,000円で1日分、月10,000円で高校進学) ・企業、自治体など子どもの貧困を本質的に解決するためのパートナーや学生ボランティアの存在 |
グラミン日本 | ・2006年にノーベル平和賞を受賞し、貧困削減に効果をあげている「グラミン銀行」の日本版。 ・5人一組の互助グループを作り、起業や就労の準備の融資を受け、仕事の機会や就労支援、顔の見えるコミュニケーションを行うといったビジネスモデル ・企業、NPO、金融機関、コンサルティングファーム出身者など各分野の専門家などの有志が参画 |
また寄付先選びに迷っている方は、こちらの記事もチェックしてみてはいかがでしょうか。
>>寄付先のおすすめNPO団体は?失敗しない選び方を専門家が徹底解説!
寄付先の選び方ガイド:河合将生(まさお)さん
NPO組織基盤強化コンサルタント office musubime代表/関西チャプター共同代表・准認定ファンドレイザー
大学卒業後、国際協力分野のNGOにボランティアスタッフとして参加。その後、国際交流・協力分野の中間支援組織へのインターンシップ、職員を経て、office musubime (オフィス ムスビメ)を2011年7月に設立。
寄り添って伴走する第三者として、身近な相談相手や多様な人・団体をつなぐ役割を通し、組織診断・組織基盤強化、ファンドレイジング支援など、各団体の支援に取り組む。
大阪マラソンチャリティ事務局担当や、国際協力や子ども/子育て支援、まちづくり分野、コミュニティ財団などの役員、大学の非常勤講師としてNPO論やボランティア論などの担当も。