2018年9月6日に発生した北海道胆振東部地震は、数多くの死者が出る災害となりました。
また、二次災害で北海道全体が大規模停電に陥るブラックアウトや、液状化現象が起こっています。
北海道では、過去にも大きな地震が繰り返し発生しているのです。
今回は、北海道で度々震災が発生する理由と、過去に起きた大震災の概要、地震に備えて準備しておくことなどを解説します。
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度々震災が発生する北海道
北海道にはいくつもの断層があり、プレートの境界もあることで多くの地震が発生しています。
日高・十勝地域では、主に、太平洋プレートと陸のプレートの境界で発生する地震、沈み込むプレート内部で発生する地震などが発生します。また、十勝川河口付近はやや軟弱な地盤であることから、地震が発生した場合には他の地域より揺れが大きくなる可能性があるのです。
また北海道南西部地域には、豊島半島北部の寿都湾から内浦湾にかけて、黒松内低地断層帯が、南側の函館平野付近に南北方向に函館平野西縁断層帯が伸びています。
石狩平野から勇払平野にかけての変位部はやや軟弱な地盤であるため、地震が発生した場合には他の地域より揺れが大きくなる可能性もあるので注意が必要です。
北海道中部地区では、富良野盆地と西縁と東縁に富良野断層帯が、北海道中西部の日本海側には増毛山地東縁・沼田-砂川付近の断層帯とその南西に当別断層が伸びています。他にも石狩低地付近に南北方向に石狩低地東縁断層帯が、北部の宗谷丘陵西縁にはサロベツ断層帯が伸びています。
東部には、知床半島の付け根に標津断層帯があり、十勝地方に十勝平野断層帯があります。
このように、数多くのプレートと断層が存在していることで、地震が必然的に発生しやすくなるのです。
(出典:文部科学省研究開発局地震・防災研究課 地震本部公式サイト)
過去に起きた北海道の大地震
次に、過去に北海道で起きた大震災の概要を下記の表に記載します。
2018年北海道胆振東部地震
2018年9月、北海道胆振地方中東部を震源として発生しました。
震源地近くの胆振東部地方では最大震度7を記録し、安平町・むかわ町でも震度6強を観測しています。
項目 | 内容 |
発生年月日 | 2018年9月6日 03:07 |
最大震度 | 震度7 |
震源地 | 胆振地方東部(北緯 42.7度、統計 142.0度) |
マグニチュード | マグニチュード 6.7 |
死者数 | 42人 |
建物全壊 | 462棟 |
この地震により、札幌市周辺では液状化が多数発見されるほか、厚真町を中心に広い範囲で土砂崩れも発生。
また北海道電力苫東厚真火力発電所が停止したことで北海道全域で大規模な停電(ブラックアウト)となり、約50時間にほぼ復旧が完了しました。
データは2019年1月28日時点
(出典:内閣府 「平成30年北海道胆振東部地震に係る被害状況等について」)
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2003年十勝沖地震
2003年9月、釧路沖を震源地として釧路町、厚岸町などを中心に最大震度6弱を記録した地震です。
人的被害は少なかったものの、道路や河川、港湾などに大きな被害を出し、津波の発生により石油コンビナートで火災も発生しました。
項目 | 内容 |
発生年月日 | 2003年9月26日 04:50 |
最大震度 | 震度6弱 |
震源地 | 釧路沖(北緯41度47分、東経144度05分) |
マグニチュード | マグニチュード 8.0(暫定) |
死者数 | 0人 |
建物全壊 | 78棟 |
データは2004年4月1日時点
(出典:内閣府 「平成15年(2003年)十勝沖地震について」)
1994年北海道東方沖地震
1994年10月、釧路市と厚岸市で震度6を記録しました。この地震により根室市花咲港で173cm、釧路97㎝の津波が発生し、地震および津波により大きな被害が出ました。
死者はいなかったものの、重傷32名、家屋被害7,519棟、また地盤の液状化や盛土崩落などの地盤災害が多かったと報告されています。
項目 | 内容 |
発生年月日 | 1994年10月4日 22:22 |
最大震度 | 震度6 |
震源地 | 根室半島の東約200km、深さ24km |
マグニチュード | マグニチュード 8.2 |
死者数 | 0人 |
建物全壊 | 61棟 |
(出典:北海道防災情報 「【地震・津波】平成6年北海道東方沖地震」)
1993年北海道南西沖地震
1993年7月、北海道南西部を震源地として小樽市などで最大震度5を記録しました。記録としては最大震度5ですが、被害が最も大きかった奥尻町では地震計が設置されていないため震度の計測がされていなかったようです。
また、この地震により北海道、東北地方の日本海側では大きな津波が襲来。震源地近くの奥尻島では、高さが最大21mの津波が、地震発生直後の数分間で襲来したとされています。
項目 | 内容 |
発生年月日 | 1993年7月12日 22:17 |
最大震度 | 震度6 |
震源地 | 北海道南西沖(北緯42度47分、東経39度12分) |
マグニチュード | マグニチュード 7.8 |
死者数 | 172人 |
建物全壊 | 437棟 |
(出典:内閣府防災情報のページ)
1993年釧路沖地震
1993年1月、釧路市の南を震源として最大震度6の地震が発生しました。冬だったこともあり、地震当時はガスやストーブの火を消そうとしてやかんのお湯などが体にかかる、棚などを抑えて手を切るなどの負傷者が多く見られました。
また、釧路市内では多くの住宅被害が発生。標茶町の住宅被害では丘陵を切り取って造成した盛土が地すべり状に崩壊したことによる影響だと発表されています。
項目 | 内容 |
発生年月日 | 1993年1月15日 20:06 |
最大震度 | 震度6 |
震源地 | 釧路市の南約15km、深さ約100km |
マグニチュード | マグニチュード 7.5 |
死者数 | 2名 |
建物全壊 | 53棟 |
(出典:北海道防災情報 「【地震・津波】平成5年釧路沖地震」)
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1894年3月22日根室半島沖地震
1894年3月、太平洋北西部の千島列島南岸に沿う千島海溝を震源として、根室・釧路で最大震度5の地震が発生。地震による津波も発生し、根室で1.5m、岩手県宮古で4mの記録が残されています。
項目 | 内容 |
発生年月日 | 1894年3月22日 19:23 |
最大震度 | 震度5 |
震源地 | 北緯42度24分 東経146度18分 |
マグニチュード | マグニチュード 7.9 |
死者数 | 1名 |
建物全壊 | 12棟 |
(出典:内閣府 防災情報のページ 「04.根室半島沖地震(1894年)」)
地震に備えてしっかりと準備を
北海道では過去に何度も大きな地震が発生し、津波や火災などの二次災害も起こっています。
いつ来るか分からない地震に対して、私たちは命を守るためにあらかじめ準備しておくことが大切です。
この項目では、具体的な地震に備える対策について解説します。
家具の配置や固定
阪神・淡路大震災や新潟中越地震では、多くの方が倒れてきた家具の下敷きになり命を落としました。
家の中の家具が転倒すると、下敷きになる危険があるほか避難経路が塞がれてしまうため、転倒防止対策を行いましょう。
具体的には、家具を壁に固定する、寝室や子ども部屋にできるだけ家具を置かないといった対策が挙げられます。
非常用持ち出し袋
被災した時は、安全な場所に避難し避難生活が始まります。
非常時に備えて「非常用持ち出し袋」を用意し、いつでも持ち出せるようにしておきましょう。
飲料水、食料品、貴重品、救急用品のほか、毛布やタオル、携帯ラジオ、予備電池、ウェットティッシュ、軍手、懐中電灯などを入れておくと良いでしょう。
食料・飲料の備蓄
電気・ガス・水道などのライフラインが止まった場合を想定して、普段から飲料水や保存のきく食料などを備蓄して起きましょう。
また、避難生活の負担を減らすためにも、できるだけ、普段の生活の中で利用されている食品等を備えることが大切です。
防災マップ・ハザードマップで避難経路などを確認
いざ災害が起きた時にあわてずに避難するために、住んでいる自治体のホームページや国土交通省ハザードマップポータルサイトなどから防災マップやハザードマップを入手、事前に避難経路などを確認しておきましょう。
(出典:首相官邸 公式サイト 「災害に対するご家族での備え 〜これだけは準備しておこう!〜」)
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日頃から防災意識を持って事前の準備が大切
大規模な地震が発生した直後は防災意識も高まりますが、時間の経過とともに希薄になってしまいます。
過去に甚大な被害を出した災害を振り返るとともに、いつでも自分の命を守るためにいざというときの備えをしておきましょう。