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北海道胆振東部地震で起きた液状化現象の被害とは?被害が大きくなった原因は?

この記事を要約すると

平成30年9月6日、北海道胆振東部において最大震度7の巨大地震が発生しました。

この地震によって死者や家屋全壊などの凄惨な被害が出ると共に、土砂崩れや北海道全域での大規模停電(ブラックアウト)、また市街地の液状化現象などが発生したのです。

今回は、地震により発生した液状化現象の被害と、被害が大きくなった原因について解説します。

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北海道胆振東部地震の概要


北海道胆振東部地震は平成30年9月6日に発生しました。
震源地は胆振地方中東部(北緯 42.7度、東経142.0度)であり、震源の深さは37kmと推定されています。

各地の震度は、厚真町で最高震度7を記録し、安平町・むかわ町で震度6を観測。その他広い範囲で震度5強・震度5弱が観測されています。

北海道胆振東部地震での死者は42名、負傷者762人にものぼり、建物被害は全壊が462棟、半壊が1,570棟、一部破損が12,600棟に及びました。

ライフラインについては、電力において地震発生後に北海道全域で最大停電戸数が約295万戸を記録。ほぼ復旧が完了するまでに50時間がかかりました。

水道も道内の44市町村において最大68,249戸の断水が発生。
しかし、電力の復旧や水道管の復旧等により、10/9までに全ての地域において断水が解消しました。

※数字は2019年1月28日時点
(出典:内閣府 「平成30年北海道胆振東部地震に係る被害状況等について」)

液状化とは


「液状化」とは、ゆるく堆積した砂の地盤に強い地震動が加わり、地層自体が液体状になる現象を指します。

液状化が発生しやすい場所は、地下水位の高いゆるく堆積した砂地盤など。
例を挙げると、埋立地・干拓地・昔の河道を埋めた土地、砂丘や砂州の間の低地などが挙げられます。

液状化が生じると、砂の粒子が地下水の中に浮かんだ状態隣、水や砂を吹き上げたりする現象が発生します。
また、建物を支える力も失われ、比重の大きいビルや橋梁は沈下、比重の小さい地下埋設管やマンホールなどは浮力で浮き上がったりするのです。

やがて水が抜けると、砂は締めかたまり、もとの状態がもう少ししまった状態になり、支持力が回復します。

(出典:文部科学省研究開発局地震・防災研究課 地震本部公式サイト)

北海道胆振東部地震では2,900以上の地点で液状化


北海道胆振東部地震がきっかけとなり発生した液状化現象は、札幌市清田区里塚地区の一部、斜面の谷あいにある造成地で発生しました。

およそ2ヘクタールの範囲で、液状化により建物の斜面や不同沈下による損壊、道路の損傷、土砂の流出が起こったのです。これにより、札幌市が調査した288の建物のうち約4割の建物が立ち入り危険な状態と発表されました。

地震前に北海道を通過した台風がもたらした降雨の影響もあり、埋め立てられた地盤は水を多く含む状態であったと推定されています。

そこへ地震による強い揺れが加わったため、土砂が元の谷地形の下流側に向けて一挙に流れ出し、家屋や道路の沈下と谷底にあたる部分への土砂の流出を引き起こしたと言われています。

また、液状化による大きな被害が出た要因として、水を含むと流出しやすい火山灰質土壌が埋め立てに使われていたことなども要因の一つとされています。

防災科学技術研究所の先名重樹・主幹研究員らのチームは、9月の北海道地震の際に、厚真町や札幌市など道内15市町に及ぶ2900地点以上で液状化現象が発生していたとの調査結果をまとめています。
液状化が確認された場所は今後、地盤の揺れやすさなどが250メートル四方で調べられる防災科研のウェブサイト「地震ハザードステーション」に反映されました。

(出典:土木学会 地震工学委員会「北海道胆振東部地震による液状化被害」)
(出典:内閣府 TEAM防災ジャパン公式サイト)

液状化による被害を防ぐには?


液状化現象は、過去に発生した2011年の東日本大震災でも発生しています。
千葉県浦安市をはじめとした湾岸地域、また内陸部においても埼玉県久喜市のような田んぼを埋め立てた土地においての被害が大きかったと言われてます。

それぞれの被災地では地面から水が溢れ出し、道路が水浸しになる、家が大きく傾いてしまう、集合住宅周辺の地盤沈下などの被害が多数報告されました。

一方で液状化地区にありながら、被害の程度が小さい家の存在も報告されています。
これらの家は、天然砕石を用いた地盤改良を行うなどの液状化対策を打っていたことが調査によって分かったのです。

地盤改良や構造物を強くするなど、液状化現象は行政による対策も必要ですが個人で行うことも不可能ではありません。

まずは自分の住んでいる場所や地域が、液状化現象が発生する可能性があるかを調べましょう。

具体的には、自治体が発表している地震ハザードマップを参照したり、住んでいる場所が過去にどのような土地利用がされてきたのかを古地図で確認したりすることで液状化現象が発生する可能性があるのかを確認できます。

その他、液状化現象が発生する可能性がある場所で行う自治体の対策として、地盤改良によって締め固めを行ったり、地盤の硬いところまで杭を打ったりするなどの対策が考えられるでしょう。

(出典:総務省消防庁 発表資料)
(出典:名古屋市公式サイト「わが家の液状化対策」)
(出典:東京都公式サイト「建物における液状化対策ポータルサイト」)

市街地でも事前にハザードマップなどの確認を

北海道胆振東部地震の二次災害で発生した液状化現象の被害と、被害拡大の要因について解説しました。

地震の震度や直接的な被害が心配ですが、2011年の東日本大震災の多くは二次災害の津波によって命を落としています。

地震が起きた後に、どんな二次災害が発生しうるかを事前に抑えておき、ハザードマップを確認しておくことなどの対策が大切と言えるでしょう。

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