北海道胆振東部地震

北海道胆振東部地震の大停電(ブラックアウト)はなぜ起きた?原因と対策とは

2018年9月6日に発生した北海道胆振地方東部地震は厚真町で最大震度7を記録。
地震による死者・住宅全壊などの被害が発生しました。

そして、地震発生後に発生した北海道全域の停電「ブラックアウト」は大きな問題となり、TVや新聞などでも広く報じられたのです。

この記事では、北海道胆振東部地震の大停電はなぜ起きたのか?その原因と対策について解説します。

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北海道胆振東部地震で起きた大停電(ブラックアウト)とは


「ブラックアウト」とは、大手電力会社の管轄する地域のすべて、また非常に規模の大きな範囲で停電が起こる現象(全域停電)のことを指します。
大きな自然災害にともなう大規模停電が発生することは過去にもありましたが、北海道胆振東部地震では、北海道全域で停電が発生したのです。

この地震により、最大約295万戸が停電しました。これだけの広範囲・エリア全域に及ぶ大規模停電は日本で初めての出来事となりました。

地震後のブラックアウトは、被災者にとってさらに苦しい生活を余儀なくされたのです。

ブラックアウトは道内全域で地震発生後から約11時間続いたため、非常用持ち出し袋や防災用具の備蓄として懐中電灯がない場合は、夜間の行動はスマートフォンのライトを頼りに行動しなければなりません。
安否確認の連絡や災害情報の収集などもスマートフォンで行えますが、充電ができないために情報収集もままならない状態になってしまいます。

さらに水道も最大約6.8万戸が断水となり、トイレや飲料水の心配をする人も多くいました。

地震によるブラックアウトは、問題を99%解消するまでに約50時間を費やしました。

(出典:経済産業省 資源エネルギー庁 「日本初の”ブラックアウト”、その時一体何が起きたのか」)
(出典:札幌市水道局「平成 30 年北海道胆振東部地震への対応 」)

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北海道胆振東部地震で大停電(ブラックアウト)が起きた原因は?


まずは「停電」が起きるメカニズムから簡単に解説します。

電気は、電気を作る量(供給)と電気の消費量(需要)が常に一致していないと、電気の品質(周波数)が乱れます。供給が需要を上回る場合は周波数が上がり、その逆の場合は周波数が下がります。

この周波数が少しでもぶれてしまうと、電気の供給を正常に行うことができなくなり、安全装置の作動によって発電所が停止すると、場合により大停電になってしまうのです。

ここで押さえておきたいポイントが、需要と供給は「常に」一致していなくてはならないという点です。
北海道においても、通常は50hz(ヘルツ)という周波数の水準が維持されていました。

しかし、大地震の後に需要に対する供給がバランスを崩し、電気が足りなくなり周波数が下がることで、大停電が実際に起きてしまいました。

北海道胆振東部地震の大停電は、地震発生から17分後に発生しています。
この17分の間に北海道で一番大きな発電所である「苫東厚真火力発電所(2号機・4号機)」が停止。震源に近いことから機器の一部が壊れたことが原因でした。

その後、立て続けに「風力発電所の停止」「水力発電所の停止」「苫東厚真火力発電所(1号機)の停止」が重なったのです。このように電力供給を行う施設が立て続けに停止したことで、供給力が失われ、最後にはブラックアウトが発生しました。

(出典:経済産業省 資源エネルギー庁 「日本初の”ブラックアウト”、その時一体何が起きたのか」)

ブラックアウトの復旧から需要の安定まで


ブラックアウトに陥ってから復旧させるまでには、多くの時間を要しました。

まず大型火力発電所を起動するには、給水ポンプやファンなど所内電力が必要です。

そのため、単独で自力起動が掛けられるブラックスタート電源(水力等)を予め用意しておき、それを火種として復旧を開始する必要がありました。

このブラックスタートを利用した復旧は、一部の発電機から、少しづつ周囲の発電機を起動させるというものです。

しかし、電力復旧は需要と供給のバランスを保つ必要があるため、ブラックスタートで少しづつ復旧させながら供給力と送電する負荷を少しづつ慎重に併入する操作をしなければなりません。

復旧は早い段階で行えたものの、復旧から需要を安定化させるまでに様々な手を打ちました。

9月8日(土)、電力の復旧はしたものの、地震前日の電力の最大需要(383万kW)と比較すると、約1割の供給が不足している状態。
平日は工場が稼働するため、休日よりも大きな需要が発生することが考えられ、平日に再び需要と供給のバランスが崩れ、大規模な停電つながる危険性がありました。

そこで、北海道全域の家庭・業務・産業の各部門に対して、需要が増加する平日8:30〜20:30の間(節電タイム)に、約2割の節電を呼びかけたのです。

この協力によって、節電目標は達成し、9月19日(水)には苫東厚真火力発電所1号機という大規模な火力発電所が復旧。

北海道の電気需要を安定化させることができたのです。

(出典:経済産業省 資源エネルギー庁 「日本初の”ブラックアウト”、その時一体何が起きたのか」)

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大停電(ブラックアウト)で見えた課題と改善点


このブラックアウトを踏まえて、2018年10月9日に、経済産業省が開催する総合資源エネルギー調査会 電力・ガス基本政策小委員会と、産業構造審議会 電力安全小委員会の下に、新しく「電力レジリエンスワーキンググループ」が設置されました。

これは、災害に強い電力の供給体制を構築するための課題や対策を、工学・法律・防災分野などの識者が議論するための会議になります。

10月25日に開催された第2回では今回の中間報告が紹介されました。ワーキンググループでの議論でも、北海道電力の設備形成や発災当時の対応などについて、適切ではなかった点は見当たらなかったという見解が出されました。

北海道胆振東部地震によって発生したブラックアウトを今後未然に防ぐため、政府は各電力会社に火力発電所などのインフラ設備の安全性を確認するために総点検の実施を指示。
また、これから実施すべき対策についてはその報告を踏まえて検討すると発表しています。

このような取り組みを通じて、日本の電力インフラの安全性を高め、より災害に強い電力の供給体制を構築していくことが求められます。

(出典:経済産業省 資源エネルギー庁 「日本初の”ブラックアウト”、その時一体何が起きたのか」)

停電に備え、乾電池式や手回し充電式のラジオなども常備しておこう


今回は北海道胆振東部地震で発生した大停電(ブラックアウト)の発生要因と復旧までの背景、再発防止に向けての対策について解説しました。

いざというときに電気がないと、様々な行動が制限されます。

日頃から地震発生に伴う二次災害から身を守るために、乾電池式や手回し充電式のラジオなどを常備しておくと良いでしょう。

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